内定辞退の理由はネット書き込みにある?辞退率が高い採用企業の落とし穴

内定辞退の理由はネット書き込みにある?辞退率が高い採用企業の落とし穴

企業にとって、営業活動と同じくらい重要といえるのが、採用活動です。
人事担当者の設置・教育、求人情報の掲載、説明会の開催、書類選考、面接、筆記試験、内定後のフォロー・・・と、企業の採用活動には膨大な手間と、数百万以上のお金が掛かります。

そんな中、内定を出したにもかかわらず辞退されてしまったり、前年比予算は同規模なのに応募人数が激減してしまったり。
今、こういった問題が、多くの企業で起こっています。

それらの背景にあるのは、『ネットを活用した就職活動』です。

企業の採用活動は多くの場合、求人サイトを通して行われますが、求人情報を見た学生(転職者)は、その会社の事業内容を理解すべく、インターネットで企業名を検索します。

検索結果上に「株式会社◯◯はブラック会社」などの掲示板があれば、学生の多くはそのページを閲覧するでしょう。
そのページに事実無根の情報が掲載されていても、学生からすれば敬遠したい企業になってしまうのです。

今回、ネット上の風評被害に悩む企業向けサービスを展開しているプロフェッショナルに話を伺いました。

1.公式情報よりも口コミ

今回お話を伺ったのは、「Webリスクコンサルティング」サービスを提供している株式会社ジールコミュニケーションズの取締役大野さんです。
 
ジールコミュニケーションズ 大野さん

大野 真太郎(株式会社ジールコミュニケーションズ 取締役)

1989年宮城県生まれ。
2010年ジールコミュニケーションズ入社。
2012年8月取締役就任。現在に至る

大野さんは、採用活動に苦戦する要因のひとつとして、ネット上の書き込みが影響しているケースが増えていると言います。

--企業が採用活動に苦戦する要因のひとつがネット上の書き込みというのは、どういうことなのでしょうか?

大野 グループ会社で行なった調査によると、就職活動を行う学生さんの9割以上が、『就職を希望する企業の会社名などで検索を行う』と回答しています。コーポレートサイトなどから情報収集をしようと検索を行うのですが、その時に掲示板や口コミサイトなどを見かけるとそちらのほうに流れてしまい、結果としてネガティブな情報を目にすることになってしまうのです。

--企業研究をしようとした時に企業のネガティブな情報を見かけたことで、企業に悪印象を抱いてしまうということですか?

大野 先ほどの調査では、こうしたネガティブな情報を目にした時、7割以上の学生が『その企業に応募することを悩む』、あるいは『取りやめる』という結果も得られました。ネットの情報を信じやすく流されやすい傾向にある今の求職者世代を採用するにあたっては、ネット上のネガティブな書き込みはとても大きな影響を及ぼすのです。

ジールコミュニケーションズ2 アンケート結果

例えば公開中の映画を観てみようと思った時や、まだ行ったことのない気になるレストランに行ってみようと思った時、映画やお店の公式サイトだけでなく、どんな感想が書かれているか、口コミサイトなどをチェックすることはよくありますよね。
それと同様に、就職活動生も気になる企業の口コミをチェックするのです。

では、企業側はどう対応していけば良いのでしょうか?
大野さんからさらにいろいろとお話を伺っていきます。

2.中小企業ほどダメージが大きい

--確かに、ネット上の情報を見ていると、「××はブラック企業だ」と(真偽はさておき)半ば断定されているような企業も目にします。しかし、それはあくまで有名な大手企業のことで、多くの中小企業には関係のない話のようにも思えるのですが?

大野 いえ、そんなことはありません。むしろ、中小企業のほうが危険なのです。ネット上には多かれ少なかれ、だいたいどこの企業についてもネガティブな書き込みはされていると考えたほうが良いかと思います。
大手企業に比べればその量は少ないとは思いますが、口コミ自体が少ない中では、ネガティブな情報は特に目立ちます。極端にいえば、ある会社についての口コミがたった1件しかなく、その1件がネガティブなものであれば、それだけで企業イメージを下げる効果が十分にあるのです。

--大手企業はブランディングがしっかりしているところが多く、多少のネガティブな書き込みには左右されにくいが、中小企業はそうした書き込みに大きく影響されてしまうという事なんですね。

大野 はい。そのとおりです。
また、求職者は、企業名に加えて『口コミ』『評判』といったキーワードを組み合わせて検索を試みることもあります。コーポレートサイトだけでなく、そういった情報も自ら求めに行っているのです。

3.サジェストにも要注意

ジールコミュニケーションズ 3

--検索結果だけでなく、検索時の“サジェスト”にも同様のネガティブな情報が出てきてしまうケースがあると伺いましたが。

大野 Yahoo! やGoogleなどの検索エンジンで検索する際、例えば、『池袋』と入れると、『池袋 ランチ』『池袋 映画』などと自分でまだ入力をしていないワードが表示されることがあります。これがサジェストというもので、『池袋と入力した人はこんなことを調べている人が多いですよ』と検索エンジン側から提案してくれている機能なのですが、ここにネガティブなワードが表示されることがあります。

--具体的にはどういうものなのでしょうか?

大野 例えば、弊社の社名『株式会社ジールコミュニケーションズ』を入力した時に『株式会社ジールコミュニケーションズ ブラック』『株式会社ジールコミュニケーションズ 不祥事』などと表示されると、それだけでイメージダウンに繋がってしまいますよね。さらに、サジェストでこうしたキーワードが表示されると、不審に感じた求職者がそのキーワードで検索を行い、“この企業はブラックだ”などといった書き込みを見つけてしまう可能性が高くなります。

4.防ぐすべはない?

--こうしたいわゆる誹謗中傷の書き込みは、削除してもらうことは出来ないのでしょうか?

大野 掲示板でも口コミサイトでも、依頼すれば削除してもらえる可能性はゼロではありませんが、なかなか難しいのが実状です。口コミサイトなどは実体験に基づいた書き込みをするのが前提の場なので、企業にとって良くない情報だからといっても、ナマの声を削除はしない、というスタンスのサイトが多いです。現在はそうした誹謗中傷の書き込みを規制するような法律もありませんし、明らかな脅迫や犯行予告のような法的に違反している書き込みでもない場合は、警察なども動けません。これは、いまご紹介したサジェストに関しても同様です。

--消してもらえないのであれば、では、そうした書き込みをすること自体を防ぐことは出来ないのでしょうか?

大野 ある企業に対して文句や悪評を書いているのは、大半が“元従業員”や“現従業員”です。『禁止!』と社内で通達したところで、匿名による書き込みが止むようなものではありません。従業員がそういう書き込みをすることすら思いつかないくらい満足度の高い企業になれば防ぐことは出来るのかもしれませんが・・・。

--法律での規制というのも特に動きはないのでしょうか?

大野 そうですね。法律で規制するには、「この書き込みはセーフで、これはアウト」という線引きが難しいという点もあるのではないかと思います。

5.反論も無視もダメ

--では、求職者が変に抱いてしまったイメージを払拭するために何か出来ることはないでしょうか?公式情報として企業のコーポレートサイトやSNSでそうしたネガティブ情報に惑わされないように声明を発表するのはいかがでしょうか?

大野 これは絶対にやってはいけません。変に反論をすることで、逆に悪意ある書き込みをされてしまったり、炎上してしまったり、手に負えなくなってしまうこともあります。

--では、無視を決め込むべき?

大野 これもよくありません。放っておくと、ネガティブな情報は、勝手に一人歩きを始めてしまいます。たった1件『ブラック企業だ』と書き込みがあっただけのはずなのに、『あの会社ブラック企業らしいよ』と別のサイトやSNSに書き込まれることで、次第に拡散していきます。一度拡がりだした情報はもう止めることは出来ません。

反論もダメ、無視もダメ。
となると、いったいどうすれば良いのでしょうか?

6.誹謗中傷対策を講じるべき

ネット上に書き込まれた情報は、消すことは出来ません。
しかし、それが拡散される前であれば、“見えなくする”ことが出来るのです。
それが、誹謗中傷対策だそうです。

--誹謗中傷対策とはどういうものなのでしょうか?

大野 ここまでお話してきたように、何か情報を得たい時にはYahoo!やGoogleで検索をして、その検索結果から見るページを選びます。ここで、ネガティブな情報が検索結果に表示されないようにすれば、その情報は“存在はする”けれど“見られなくなる”のです。

存在はするけど見られなくなる・・・なんとなくイメージは湧きますが、誹謗中傷対策には大きくふたつの対策があるそうなので、ひとつずつ見ていきましょう。

6-1.逆SEO

--まずは、“逆SEO”ですね。

大野 自社サイトなどを多くの人に見てもらうために、検索結果の上位に表示させるように行うのが“SEO対策”ですが、この技術を応用して、悪評が書かれた口コミサイトの順位を下げていくのが“逆SEO”です。例えば自社の企業名で検索をした時に、検索結果の1位がコーポレートサイトで、口コミサイトが2位に出てきていたとします。この時、他のサイトの順位を上げることで、2位にいた口コミサイトの順位を下げていきます。

--なるほど、その口コミサイト自体に何かをすることはできなくても、他のサイトの順位が上がることで、相対的に順位を下げていくことが出来るんですね。

大野 1ページ目には上位結果10件が表示されますが、その10件に比べて、2ページ目(11位)以降の結果が見られる割合は極端に低くなります。何かを検索したほとんどの人は上位数件のページを見て、2ページ目以降に進む人はごく僅かなのです。そこで、口コミサイトの順位を2ページ目以降まで下げることができれば良い、というのが“逆SEO”の基本的な考え方です。

--1ページ目にネガティブな情報が表示されていなければ、その情報を目にする人がぐっと減るわけですね。

大野 前半でご紹介した就職活動生を対象にした調査によると、会社名で検索をする時に「会社名+“ブラック”」「会社名+2ch」などのキーワードで検索をするという人は3割程度でした。ということは、企業名など一般的なフレーズでの検索結果に悪評が現れないようにすれば、残り7割の人たちの目からそうした情報を見えなくさせることができるのです。

6-2.サジェスト対策

--サジェストはどのように対策をするのですか?

大野 検索エンジンがサジェストに“あるワード”を表示する仕組み、また逆に表示されない仕組みの解析を日々行っています。その結果に沿ってシステムを用意し、ネガティブなワードが表示されないように対策を講じています。

6-3.対策の結果、応募が5倍以上に!

大野さんのいらっしゃるジールコミュニケーションズは、こうした誹謗中傷対策のリーディングカンパニーで、外注することなくすべての対策を自社内で行なっているそうです。
こうした対策を行なったことで、採用面で大きな改善があった例を聞いてみました。

ジールコミュニケーションズ5

この日も自社内で対策作業中でした

大野 社名などは出せないのですが、ある企業で、2014年の就職活動シーズンに『ブラック企業と出てくるが本当か?』『パワハラのある企業と書かれているが事実か?』などと立て続けに問い合わせがあり、その年の説明会への応募は64名でした。さらに、問い合わせをしてきた学生を含む11名が選考や内定を辞退してしまいました。
不思議に思った担当者が企業名を検索すると、コーポレートサイトと並んで、誹謗中傷サイトが表示されていたのです。その直後から対策を開始した結果、2015年の就職活動シーズンにはそうしたネガティブな問い合わせは一切なくなり、説明会への応募は338名と5倍以上に増えました。

実際に問い合わせをしてきたり選考を途中で辞退したりした人だけでなく、2014年には応募自体をやめてしまった人がかなりいたことが、この数字の差からもわかります。

7.便所の落書きと侮ることなかれ

こうしたネット上の誹謗中傷が与える影響は採用面だけには留まりません。
最近は、企業の売上に大きく影響を及ぼす例も少なくないようです。

ネット上に溢れる誹謗中傷などは、“便所の落書きと同じ”と、あまり気にしないほうが得策だとされてきましたが、そうも言っていられないほど、ネットの力は増してきているようです。

サジェストキーワードの非表示は早ければ数日で対応できることもあるそうですが、逆SEOは誹謗中傷サイトの検索順位を相対的に下げていく作業になるため、ある程度結果を見込めるには半年以上掛かる長い戦いとなります。

誹謗中傷サイトが少ないうちには対策を講じることはできますが、本格的に“炎上”が始まってしまうと、もう取り返しのつかないことになってしまうそうです。
先ほど挙げていただいた例のように、翌年以降に悪影響を引きずらないように、便所の落書きと侮らず、必要な対策は少しでも早く講じたほうが良さそうです。

--今日はありがとうございました。最後に一言いただけますでしょうか。

大野 弊社の強みは、風評被害対策をリーディングカンパニーとして行い、全対策を自社内で完結している点です。様々な対策を分析し講じることによって1,700社程の企業様とお取引させて頂いております。手前味噌にはなりますが、この成果を得ることができたのは全対策を自社内でできる点だと自負しております。
ご紹介した逆SEOやサジェスト以外にも、SNSの監視サービスなども行なっております。ネット上でお困りのことがあれば、まずはご相談していただきたいです!

左:大野 右:三位

大野さん、本日はありがとうございました!

お話を伺ったジールコミュニケーションズさんのサービス資料はこちらからご覧いただけます!
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