社内営業とは?貴方の自由を勝ち取るコミュニケーションテクニックです

最終更新日 : 2016-07-21 Box

「営業」という言葉を聞いて、大半の人が思い浮かべるのは「モノを売ること」ではないかと思います。

しかし、営業はただただモノを売るだけの仕事ではありません。
例えば、『社内営業』という言葉があります。
字の通り、会社の中で、営業活動を行うことです。
モノを売るわけではないですが、情報収集をしたり根回しをしたり、やっていることはモノ売りの営業と同じです。

そもそも私は、営業は「モノを売ること」ではなく、「自分のやりたいことを実現するための手段」であると考えています。
モノを売っているのも、営業マンが売りたいから売っているわけです。
社内営業も、自分のやりたいことを実現したり、ポジションを確立したりするために行わるのです。

そこで、今回は『社内営業』とは、一体何でどんなものなのか?考えてみたいと思います。

社内営業とは何か?

社内営業とは、「何かを売るためではなく、社内において自分のやりたいことを実現するための方法」です。
例えば、このようなケースがあります。

  • 他社からの提案を導入したい
  • 稟議を通したい
  • 部署を異動したい
  • 待遇改善をお願いしたい
  • しっかり評価をしてもらいたい

など、実は様々な場面で、社内営業は求められているのです。
そして、自分で意識しないうちに“実は社内営業をやっている”という方も多いのです。
例えば細かいところでいえば、「怒られないようにしよう」「注意されないようにしよう」なども、これらの1つです。

繰り返しですが、営業はやりたいことをやるための(もしくは、やりたくないことをやらないための)アクションを取ることです。
その対象が、社内営業においては社内の人になるということです。

社内営業を成功させるために知っておくべき前提

社内営業は通常の営業以上に、あなた自身を見られます。

社外における営業は、打ち合わせ時や商品サービスの提案、説明時程度しかお客様と接する機会はありません。
しかし、社内営業は常にあなたの動向を見ている人が相手になるのです。
実際の成果もプロセスも見られています。
つまり、通常の営業と違い、営業相手との接点が非常に長いのです。

また、もう1つ大事なポイントがあります。
それは、社内の情報は、通常の営業よりも営業相手となる人に入りやすく、また影響も大きいのです。

自分の異動願いを直属の上司に進言しにいった場合、他のメンバーや他部署の人の声や評価が大きく影響することでしょう。
社内の同じ場で働いているので、そういった情報は当然集まりやすくなります。
そこで、私が挙げる最も重要な前提は、「社内営業の基本はホウレンソウ」だということです。

社内営業の基本は?と聞かれた時にまず私がお伝えするのは、「ホウレンソウを徹底してください」ということだけです。
報告・連絡・相談

テクニックや小手先の技に頼る前に、まずは自分に出来るコミュニケーションをしっかりと行うことです。

念のため改めて説明しておくと、『ホウレンソウ』とは、『報告』『連絡』『相談』の頭の文字を並べたフレーズです。

『報告』は、もらっている指示等の状況や進捗を依頼者や上司に伝えることです。
依頼したことがちゃんと進んでいるのか、お願いした内容が期待している内容になっているのかを、お願いした側は気になるものです。
そういったことをしっかりと伝えることが報告です。

『連絡』は、情報を関係者に伝えたり、共有したりすることです。
報告と連絡の違いは、伝える対象の規模にあります。

例えば、チームの飲み会の幹事をあなたが上司に任命されて務めるとした場合、上司に進捗を伝えるのが報告、チームのメンバーに日時やお店を伝えるのが連絡です。

『相談』は、判断に迷ったり、意思決定が出来ない時に、意見を求めたり、一緒に考えてもらったりすることです。

この3つをしっかりと積み重ねていくことが大切です。
しかし、ただただホウレンソウをこなせば良い、というわけではありません。
社内営業を考えるのであれば、誰かに言われてからやるのではなく、自らホウレンソウを行うことを意識しましょう。

ホウレンソウは続けなければ意味がない

そもそも、社内営業においてホウレンソウが大事となるのは何故なのか?
その理由は、信頼を積み重ねていくためです。
「あなたに仕事をお願いしたら、ちゃんとやってくれる」という安心感を持ってもらうことです。

これは一朝一夕では得ることができません。
「ホウレンソウ」を常に意識して、行っていくことが大切なのです。

しかし、ホウレンソウ自体は決して難しいことではありません。
雑な言い方をすれば、「困った時には困った旨を伝えておく」ことが大切です。
「今伝えて良いのかな?」「こんなレベルで伝えて良いのかな?」と考えること自体が不要です。
「迷ったら伝える」でOKです。

進捗や疑問点をそうやって伝えていくことによって、相手の求めているレベルを次第に知ることができます。
結局はやってみなければ、相手の求めているレベルを知ることはできないのです。

仕事で成果を出す

ホウレンソウと同じぐらい重要なことをお伝えし忘れました。
もう1つ、社内営業を行う土壌として、大切なことがあります。

それは、「頼まれた仕事・今行っている仕事でちゃんと成果を出す」ということです。
あなたの周りを見てみてください。
基本的に役職が上の方は、仕事で成果を出した方が多いと思います。
つまり、期待された仕事をちゃんとこなしてきた結果が、今のポジションということです。

「社内営業」という言葉の印象として、「うまく根回しをしよう」とか、「早く出世するために、あの人を味方につけよう」とか、こういったものが先行しがちですが、決してそうではありません。
まずは、ちゃんとホウレンソウをする、仕事で結果を出すことが社内営業を進める最短の手法です。

余裕がある人にオススメの社内営業テクニック

些細なことの積み重ねが大切
社内営業の基本は、言ってしまえば、「当たり前のことを当たり前にちゃんとやること」なのです。
その上でもう1つ付け加えるとすれば、それは「自分から仕事をとりに行く」のがポイントです。

仕事をとりに行くと言っても、大型の契約を上げてくるとかそういったことでなくて良いのです。
本当にちょっとしたことでOKです。
掃除をするとか、ゴミを拾うとか、挙手制で仕事を募られたら積極的に手を挙げるとか、本当にこういった些細なことの積み重ねが社内営業において、大きな成果を生みます。

何かすごいことをしたり、大層な根回しをしたり、というのは二の次です。
まずは、やるべきことをしっかりとやることです。

その上で社内営業をするとすれば・・・

もちろん、先ほど挙がったような「あの人を味方につけて出世に近づこう・・」といった社内営業と呼ばれる営業行為もあります。
根回しをしたり、関係構築を図ったりと、確かにやれることがあるのも事実です。

そこで、最後に少しテクニックの部分をお伝えしたいと思います。

1)キーパーソンを間違えない

1つ目は「キーパーソン」となる人をしっかり見極めることです。
通常の営業活動でも決裁者は誰か、を意識すると思います。
社内営業も全く同じです。

誰が発言権の強い人なのか、誰と一緒に話を進めれば、より影響力が大きくなるのかを見極めることで、よりスピーディーにことを運ぶことも可能です。

2)味方を増やす

組織において、1人の発言権には限界があります。
それも、肩書や役職がなければ、尚更です。

しかし、組織の中でそれに代替できるものは、人数です。
1人の意見では弱くとも、複数人の声として意見を出すことによって、その影響力を高めることが出来ます。
また、味方が増えることで、他のメンバーがあなたを引き上げてくれることもあります。

3)自分の結果・成果をしっかりとアピールする

上司や会社はあなたについての“評価”を行っていますが、現実的に考えて上司や会社・組織があなたの頑張りを“全て見ている“、ということはありえません。
つまり、自分で結果や成果をアピールしていく必要があるのです。
過度なアピールは嫌われてしまいますが、何をやったか、何をしてきたかは常に答えられる準備をしておきましょう。

社内営業を行うことで出来ること

社内営業を行うとできること
「社内営業」とは、結局のところ、何なのでしょうか?
それは、「周りの協力を得やすくすること」だと考えます。

そもそも会社での仕事は、様々な人の協力を得ながら成り立っています。
例えば、営業が受注を取ってきた時に、1から10まで全てを対応することは少ないと思います。
契約書の発送や確認は、事務の人にお願いしていませんか?
その契約書の文面は、社内の法務に通ずるメンバーが色々と調査をして作ってくれたものです。
見積書等の書類作成を、他のメンバーにお願いしていることもあるでしょう。

自分1人でやっていると思いがちですが、仕事はいろいろな人の協力の上で成り立っているのです。
その中において「あなたがそういう言うなら手伝ってあげよう」と思ってもらえるか否かは非常に重要なことです。

時にはちょっと無理なお願いをすることもあるかもしれません。
その時に、「それは無理」と突き返されるのか、「ちょっとやってみようか」と言ってもらえるのか、そこに大きな差を生むのです。

これは、具体的な仕事を進める時はもちろん、異動や昇進、昇格などでも同様です。
あなたのことを推してくれる人がいるかいないかで、今後のキャリアは大きく変わるのです。
きっちり仕事をこなし、社内営業を成功させて、キャリアアップに繋げていきましょう。

この記事を書いた人 笹田裕嗣

sasada社員数1,000名超の会社で新卒で入社し、1年目からトップの成績を残し、現在は営業代行、営業研修、さらには営業マンの育成を行っている。担当したクライアントは3ヶ月で売上200%増、初の受注獲得の実現等の実績を持つ。また、営業マンの個別コンサルティングでは、全てのメンバーがコンサルティング開始後、1ヶ月以内に受注をあげている。
       「営業で苦しむ人をなくし、営業を楽しめる世界を作る」ことを目指している。

http://hiroshi-sasada.com/hiroshi-sasada/

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