グロースハックとは?従来のマーケティングの違いやポイントを解説

最終更新日 : 2020-01-29 Box

グロースハックという言葉を見聞きしたことがありますか?まだ日本ではあまり聞きなれない言葉ですが、インターネットに関係のある言葉で、それを仕事とする人のことグロースハッカーといいます。グロースハッカーとは、いったいどういうことなのでしょうか。ここではそれについて解説していきます。

グロースハックとは?

グロースは英語で成長するという意味で、ハックとはコンピュータなどの技術開発のことを指します。何を成長させるのかというと、各企業の商品やサービスです。商品やサービスを成長させていくため、主に開発面に注目して商品やサービスの改善を行いながら成長させていくということをグロースハックといいます。

広告費やマーケティング費用をかけずに全くその商品やサービスについて知らなかった人に働きかけて、サイトに誘いかけ会員登録をし、そのサイトの商品やサービスのことを知って購入してもらったり紹介者を出してもらったりするマーケティングの新しい手法で、このような仕事をする人のことは別名、ユーザー獲得担当エンジニアともいわれます。

このようなグロースハックが注目されたのは、webサービスやスマートフォンのアプリのように次々の開発されていくようなサービスは、消費者としては目新しいものや興味のあるものが出ればすぐに乗り換えてしまい、競合相手がとても多いことが大きな要因でした。

そのような中でそれぞれの企業が次々と新しいものを作り出していくには、コストがかかるうえ、短期間で新しいものを企画しなければいけないので、とても大変なことになります。そこで出してサービスのに対するユーザーの動きやデータなどから分析や検証を行って、費用をかけることなく短期間で、サービスの改善を行うという手法が取り入れられるようになりました。

成功例としてサービスの本質はそのまま貫き通したものの、友人招待やSNSとの連携をしたり、ログインページを改修やコンテンツ量の削減などでユーザーや新規会員を大幅に増やしたアプリやwebサイトがあります。

アプリやサイトサービスにおいてグロースハックを行うには、まずA/Bテストから始めることがすすめられます。A/Bテストとは、webサイトのイメージやキャッチコピー、レイアウトなどの要素に対して、もっと効果的なデザインに変更したものを複数用意して比較検討してみることです。

このようにいくつもの施策をたくさん試してみることがグロースハックには重要なことです。それらを試すうえで世界的に活用されているA/Bツールがあるので、それらを使ってみると良いでしょう。

グロースハックと従来のマーケティングの違い

従来のマーケティングは、商品やサービスがどのようにすれば売れるのか、顧客を増やすことができるのかということを目的に工夫を重ねることですが、グロースハックは商品やサービス自体の機能や設計、そして戦略にも改善を加えながら、飛躍させていくことというところに違いがあります。

従来のマーケティングでは、広告を出したりSEOやアクセス分析などを行い、企業の商品やサービスのサイトがより多く人の目につくようにしていました。グロースハックはそれらのことも行いながら、サービス自体が成長し拡散できるような仕組みを取り入れるというやり方になります。

商品やサービスを始めたころから時間が経過してニーズも変わってくると、同じ商品では人々の目を向けることができません。そこで、商品やサービス自体が新しいニーズに合うように作り直したり、戦略を考えたりすることが重要という考えのもとで行われます。

グロースハックのポイント

ニーズに応じて商品やサービスの改善を図るためには、消費者が求めているものは何か、どのような方法ならサービスのことを知ってもらえるかなど知らなければいけません。そのためには様々なデータ分析や検証が必要となります。ここでは、グロースハックを行うためのポイントを紹介します。

(1)プロダクトやサービスの開発も含めて視点が向いていること

従来のマーケティングなら、完成した商品やサービスをどのようにすれば消費者に訴えかけていけるのかということを考えていましたが、グロースハックでは、消費者に合わせて商品やサービスを変えていくという考え方なので、作ったものを提供することだけにとらわれるのではなく設計や生産などにも視点を向けた考え方をするということです。

(2)仮説検証や、分析を行なっていること

消費者のニーズに合わすということは、そのニーズは何なのかを考える必要があります。消費者といっても興味やニーズは人それぞれなので、一概にこうすればよいというものはありませんが、できるだけ多くの人にモニタリングをしてもらって口コミを集めてデータにし、分析をしたり仮説検証などをします。常に消費者のニーズに目を向けたやり方といえます。

「(3)成長がゴールになっていること」

アメリカの500Startupsというベンチャー企業に出資をするデーブマックルール氏は、サービスの成長は獲得と活性化、継続、紹介、利益の5つに分けて分析をするという方法を提唱しています。獲得と紹介はユーザーの数、活性化と商会はユーザーの質を意味し、最終的に利益を上げていくというほうほうです。
つまりユーザーの獲得から利益を上げるまでの間のサービス成長がゴールになっていることが大切ということです。

まとめ

商品やサービスで利益を得るためには、どのような手法で宣伝をするか、どのようなWebサイトを作ればより多くの人に見てもらえるSEOを獲得することができるか、という従来のマーケティングとは異なり、そのサービスが消費者たちのニーズに合っているかということに重点を置いて、より多くのモニタリングを行いそれによる口コミや評判をもとに改善する点を見出し、そのサービスをより良いものにしてサービスそのものを成長させることで顧客を獲得していくという考え方がグロースハックです。

消費者のニーズは多種多様ですが、その中でもより多くのニーズに応えられるようにサービスを改善するためには、膨大な口コミやデータが必要になります。それらを惜しまずに集めて分析をすることや、より効果的な仮説を複数たてるというアイデアの豊富さなどがグロースハックを行う人には求められます。
そして試行錯誤をいくつも重ねる根気強さも必要な、マーケティングの新しい考え方がグロースハックです。

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