ABMはなぜ必要とされるのか？関連する製品5選をご紹介

ABMとは？なぜ今必要とされるのか

ABMは、さまざまな種類のビジネスをおこなっている企業で必要とされています。ABMが多くの企業のビジネスに必要とされている理由を知るためには、まずABMとはどのようなものであるかについて、正確に知ることが重要です。

ABMとは、Account Based Marketingを省略した言葉で、日本語に直訳すると、アカウントを基本にしたマーケティングという意味になります。より具体的に説明をすると、ABMは企業がビジネスの取引相手となる可能性がある他の企業を対象にして、その企業に最適な方法でアプローチをすることです。このような方法で起業がマーケティングをしなければいけないのは、それ以外の方法を実行しても、効果的に顧客を探すことが難しくなっているからです。

展示会を開催すれば優良な顧客を見つけることができる場合もありますが、展示会を開催するまで、どのような顧客が来場するのかわからないというデメリットもあります。インターネットを使用して営業活動をすれば、短期間で多くの顧客候補を見つけることもできますが、オンラインではそれぞれの顧客候補が実際に顧客になってくれる可能性がわかりにくいというデメリットがあります。このようなマーケティングを改善するための方法として、ABMが必要とされています。

ABMとデマンドジェネレーションの違い

ABMと似たような種類のマーケティングとして、デマンドジェネレーションという営業方法もあります。この2種類の営業方法は、どちらも企業どうしでビジネスをするためにおこなわれるマーケティングであることです。企業が一般の消費者を対象として営業活動を実施する時には、どちらの方法もあまりおこなわれていません。

デマンドジェネレーションがABMと大きく異なるところは、顧客になってくれそうな相手を、段階的に絞りながら選ぶところです。この方法でマーケティングをするためには、まず顧客になってくれそうな相手を獲得することが必要です。獲得した顧客候補を育てることも、この営業方法の特徴です。最終的に育てた顧客候補を絞り込むことで、取引相手となる企業を探すことができます。

その一方でABMでは、最初の段階から取引相手を絞り込むことを重視しています。この方法で営業活動をする時に、取引相手を早期に絞り込んでいるのは、企業にとって大きな利益を生む可能性がある取引先を見つけることが重要であると考えているからです。売上の改善に直結する可能性が高い相手を中心にアプローチをすることで、効果的な営業活動をすることができます。

ABMが必要とされてい3つの背景

ここからは、さまざまなビジネスをしている企業でABMが必要とされている3つの背景について、詳しく解説します。

BtoBサービスの「クラウド・SaaS」によるサブスクリプションモデルが普及するため

企業がABMを重視するようになった背景の一つは、さまざまな業種の企業がビジネスのためにクラウドやSaaSを利用するようになっていることです。デジタル化を促進するために、こうしたシステムを採用する企業も増えています。こうしたシステムはサブスクリプションモデルで販売されることが多いので、ABMで優良な顧客を探すことが重要になっています。優良な顧客を多く獲得することにより、長期間の契約をしてもらえる可能性も高くなります。

BtoBで主流のマーケティング手法のCRMやMAでは効率が悪いこともある

多くの企業でABMが必要とされている2番目の背景は、BtoBのビジネスで多くおこなわれているMAやCRMなどの営業方法では、効率的に営業ができないこともあるからです。このような方法で営業活動をする時に問題となることがあるのは、マーケティングの担当者と営業の担当者で、考え方に大幅な違いがあるからです。マーケティングの担当者にとって最良な見込み客であっても、営業の担当者にとっては、顧客となってくれる可能性が低い見込み客である場合があります。

テクノロジーの進化によって、自社に最適なターゲティングが可能

多くの企業でABMが必要とされている3番目の背景は、科学技術が進化したことにより、自社のビジネスにとって最適な取引相手を探せるようになったことです。CRMやMAでもさまざまなデータを使用して、優良な取引先を探すことが可能でしたが、ABMを利用することによって、さらに詳細に取引相手をターゲティングできるようになりました。CRMなどよりも効果的にターゲティングができるのは、従来は使用されていなかった情報も使用できるからです。

ABMのメリット

企業がABMを活用してビジネスをおこなうことは、いろいろな面でメリットがあります。ここからは、このようなメリットについて解説します。

アプローチする対象を初期段階で絞りこめる

企業が営業活動のためにABMを活用することのメリットは、アプローチの対象となる企業を早い段階で絞り込めることです。アプローチする相手を早めに絞り込んでおいた方が良いのは、多くの見込み客をまとめて相手にしていると、効率的な営業活動がしにくくなるからです。見込み客が多くいても、企業に多くの利益をもたらしてくれる可能性がある相手が少なければ、多くの時間を使用しても優良な顧客を獲得することが困難になります。

営業とマーケティングの連携強化につながる

マーケティング部門と営業部門の連携を強化できることも、企業がABMを実施するメリットです。このような連携が営業活動をする時に重要となるのは、2つの部門のスタッフの考え方に大幅な違いがあると、営業活動を効率的に実施することができなくなるからです。マーケティング部門が最適な見込み客だと考えた場合でも、営業の担当者にとっては良い見込み客でない場合もあります。ABMを実施することにより、2つの部門が同じ目標に向かって、営業活動をすることができます。

ABMのデメリット

ここからは、企業が自社のビジネスのためにABMを活用することのデメリットについて、詳しく解説します。

複数商材がない企業では成果を上げにくい

企業がビジネスのためにABMを活用する時にデメリットとなることは、企業がおこなうビジネスの形態によっては、大幅な成果を上げにくいことです。ABMをおこなっても大きい成果を上げられないことが多いのは、複数の種類の商材を販売していない企業です。このような企業が大きい成果を上げられる可能性が低いのは、複数の商品を一緒に販売することが難しいことが大きな理由です。ABMはもともと、複数の種類の商品を一緒に販売する時に売上を最大にできるように開発された方法であるため、複数の商材を扱う会社の方が有利です。

ターゲットが大企業でないと成果を上げにくい

ターゲットが規模の大きな企業でないと、大きな成果が期待できないことも、ABMのデメリットです。取引先となる企業の規模が大きくなければ、ビジネスで大きな成果を達成しにくくなるのは、規模の小さな企業と取引をすると、複数の商品をまとめて購入してもらうことが難しくなるからです。多くの人が働いている規模の大きな企業ならば、一度取引を始めれば、他の種類の商品も一緒に購入してくれることが多いので、大きな成果を上げることができます。

ABMの具体的な手順

ここからは、企業がABMを活用してビジネスをおこなう場合に必要となる具体的な手順について、詳しく解説します。

（1）アカウント〔対象企業〕の選定

企業がABMをビジネスに活用する時に、まず最初にしなければいけないことはアカウントを選ぶことです。この場合のアカウントとは、取引の対象となる企業のことです。アカウントを選ぶ時には、取引先の特徴を重視する必要があります。どれくらいの取引をすることができるか正確に予想することも必要になり、取引を続けることができる長さも予測しておく必要があります。大量の取引を長期間おこなってくれそうな企業を探し出すためには、取引先になってくれそうな見込み客を細かく分析することも必要です。企業の規模だけでなく、業種なども考慮する必要があります。

(2)意思決定者やキーパーソンを見つける

企業が取引先になってくれそうな相手を見つけた場合には、その会社の意思決定者が誰であるかを調べることも重要です。企業と取引を開始するためには、取引を決定する権限を持っている人に直接アプローチすることが重要なので、誰が決定権を持っているかを正確に調べておかないと、ABMを成功させることはできません。企業がABMを成功させるためには、意思決定者以外の人物にもアプローチしなければいけないこともあります。意思決定者に大きな影響を与えているキーパーソンがいる場合もあるので、このような人物に対する対策も必要になります。

(3)アポイントメント取得

取引先になってくれそうな企業の意思決定者やキーパーソンを見つけた後は、それらの人物とアポイントメントを取ることも必要です。誰が意思決定者やキーパーソンであるかわかっていても、その人物と直接交渉するための手段がなければ、効果的な営業活動もできなくなります。これらの人物のアポイントメントを取得するための方法の一つは、その人物と知り合いである人に紹介をしてもらう方法です。相手が信頼している人物から紹介してもらえば、その後の交渉も進めやすくなります。知り合いがいない場合でも、メールなどを使用してアポイントメントを取得できることもあります。

(4)アプローチ方法の作成

アポイントメントを取得できた場合に次にしなければいけないことは、取引相手に対するアプローチの方法を考えることです。何も考えずにアプローチをすると相手に悪い印象を与えてしまうこともあるので、取引を成功させることができるように、アプローチ方法を慎重に決める必要があります。アプローチする方法を考える時に重要なことは、相手の企業の立場をしっかりと考慮することです。相手の置かれている立場を正しく理解することにより、相手が望んでいるものが何であるかも、見当をつけることができます。相手が望んでいるものがわかれば、最適な商品を提案しやすくなります。

(5)対象企業に合わせたキャンペーンを実施

相手にアプローチをするための最適な方法を決めた後は、対象となる企業に合わせて、キャンペーンを実施することも重要です。どのようなキャンペーンをおこなうかによって、交渉相手の印象も大きく変わります。キャンペーンを実施する時には、インターネットの機能を使用することもできます。検索サイトやSNSもキャンペーンのために利用することができ、これらのサイトに掲載されている広告の機能を活用しながら、キャンペーンをすることもできます。どれほど効果的なキャンペーンの方法であっても、対象となる企業に合っていなければ効果的な営業活動ができないこともあるので、注意が必要です。

(6)効果測定をし、PDCAを回す

上記のアプローチを全ておこなった後にしなければいけないことは、自社で実施したアプローチの効果を測定するための作業です。こうした作業をすることにより、PDCAサイクルを回すことができます。PDCAとは、計画と実行と測定と対策を繰り返しながら、業務をおこなうことです。このような方法で業務を続けることにより、業務の内容を改善しながら仕事をすることができます。PDCAを回しながら業務をするためには、多くの時間や手間もかかります。ですが、企業にとって最適な取引先を見つけるためには、こうした努力に多くの時間をかけることが非常に重要です。

ABM関連ツール・製品

ここからは、ABMと関係がある便利なツールや、ABMと関連する製品の情報について、詳しくご紹介します。

Sansan〔Sansan株式会社〕

Sansan株式会社では、企業がABMを実施する時に活用できるSansanという製品を販売しています。この会社で販売している製品を使用すれば、新規の顧客を開拓するために使用できる営業リストを作ることもできます。作成した営業リストを使用してマーケティングをすれば、より効率的に新規の顧客を見つけることが可能です。この会社で販売している製品が、新規の顧客を見つける時に活用できるのは、役に立つ営業リストを作成するためのさまざまな機能が搭載されているからです。この会社の製品には企業のデータベースも搭載されているので、こうしたデータベースに掲載されている情報を活用して、営業リストを作成することもできます。いろいろな条件で絞り込みができる機能も利用できる製品です。

SHANON MARKETING PLATFORM〔株式会社シャノン〕

株式会社シャノンでは、SHANON MARKETING PLATFORMという製品を販売しています。この製品を購入すれば、ABMのために活用することもできます。この製品の大きな特徴は、さまざまな業種の企業がおこなうマーケティングに対応していることです。この製品に搭載されている機能は定期的に改善されているので、複雑になっている現代のマーケティングにも対応することができます。この会社の製品を利用すれば、見込み客を細かく分析することもできます。ABMを成功させるためには、見込み客を正確に分析することも重要なので、こうした機能を利用すれば、それぞれの見込み客に応じて、アプローチの方法を詳細に変えることも可能です。

BowNow〔クラウドサーカス株式会社〕

クラウドサーカス株式会社では、BowNowという製品を販売しています。この製品には無料プランもあるので、興味のある人は無料で使用してから、購入を決めることもできます。できるだけコストをかけずにABMを始めたいと考えている企業にも利用しやすい製品です。この製品には、利用者に手厚いサポートを提供するための体制も整っています。クラウドサーカス株式会社では、この製品を使用している利用者に対して、専任の担当者がサポートをしています。製品を利用している会社が自社のビジネスのためにこの製品を使いこなせるように、手助けをしている会社です。この製品は操作性も優れているので、初めてABM用のツールを使用する人でも、簡単に使用することができます。

Adobe Marketo Engage〔アドビ株式会社〕

アドビ株式会社では、Adobe Marketo Engageという製品を販売しています。この製品にはABMを実施したい企業が利用できる、多くの機能が搭載されています。アカウントのリストを作ることができる機能もこの製品には搭載されていて、人工知能を利用して効率的にリストを作成できます。この製品にはそれぞれのアカウントに対応したものを自動で提供できる機能もあります。この会社の製品を利用することにより、企業の営業部門とマーケティング部門の連携を強化することも可能です。ABMによるアプローチと適切な顧客体験をセットにすることにより、優良な見込み客に良い印象を与えることができる提案をすることができます。見込み客の絞り込みを効率的に実施することができるので、取引も進めやすくなります。

LeadPool〔株式会社Mer〕

株式会社Merでは、LeadPoolという製品を販売しています。この製品をビジネスに活用すれば、ABMをより効率的におこなうことが可能です。この製品を利用すれば、500万社を超える企業のデータを利用することもできます。優良な見込み客を獲得するために、できるだけ多くの企業の情報を入手したいと考えている会社にも、利用しやすい製品です。この製品は大量の企業データだけでなく、SNSに関する情報も多く保有しています。350万人を超えるユーザーの情報を保有しているので、こうした情報も活用すれば、さらにABMをスムーズに実施することができます。見込み客である企業にどのような部門があり、どのような人が役職についているかも、調べることが可能です。

まとめ

ビジネスをより効率的におこなうために、多くの企業がABMに関心を持っています。ABMを実施する企業が増えているのは、AMBを実施することによって、企業の売上を改善するために役立てることができるからです。企業の売上を増やすためには優良な顧客を獲得することが重要なので、ABMによって優良な顧客を獲得することを、多くの企業が重視するようになりました。