今後の取引に影響が出るインボイス制度とは?対応方法などわかりやすく解説

最終更新日 : 2022-03-01 Box

インボイス制度は令和5年10月から新たに導入される予定の制度なので、詳しい内容をまだ知らない人も多いはずです。

ここでは、インボイス制度に関する基本的な内容について解説していきます。

消費税納税に関した重要度が高い制度なので、制度導入までに基礎的な知識が身につけられるようにしておくことが大事だと言えるでしょう。

インボイス制度とは?

そもそも、インボイスには適格請求書という意味があります。簡単に説明すると、売主が買主に正確な税率や消費税等を伝えるための存在です。

正確に取引を把握することが困難という理由からつくられたものであり、適格請求書等保存方式を基本としたものをインボイス制度と呼ぶことができます。

現在使用されている区分記載請求書に、登録番号や適用税率、消費税額等の情報を加えたものをインボイスと呼ぶことができるでしょう。

請求書や納品書、領収書やレシート等もインボイスに含まれますが、先述した適用税率や消費税額等が記載されていることが重要です。

取引先から求められたとき、売主はインボイスを交付することになりますし、買主は仕入税額控除の適用のためには売主によって交付されたインボイスを保存しておく必要があると知っておく必要があります。

インボイス制度ができた背景

現行のもので十分ではないかと感じられる人もいるかもしれませんが、インボイス制度が誕生したことにはハッキリとした理由があります。

2019年10月に消費税増税が行われたことは記憶に新しいはずですが、これによって8%と10%の2種類の消費税率を使い分けることになりました。

一律で算出することが可能だった税額が、軽減税率の導入で算出が複雑になってしまったと言えます。

今まで通りのやり方では正確に税額を導入することが困難ですし、適切に処理するためには膨大な時間や労力を必要とすることになるはずです。

また、ミスによる不適切な処理が発生するだけでなく、現在のやり方は不正が起こることも問題とされています。

こういった問題を解決するためにインボイス制度の導入が提案され、正確な税額把握のために令和5年10月1日より用いられることが決まりました。

仕入税額控除とは

インボイス制度に関する知識を正しく身につけたい場合は、消費税の仕組みもきちんと理解しておくことが大切です。

仕入税額控除とは、売上の消費税から仕入れの消費税を差し引くことで二重課税にならないようにするための控除だと言えます。

お店で本体価格100円と消費税8円の野菜を108円で1つだけ購入する場合を考えてみましょう。

本体価格50円と消費税4円の54円で仕入れが行われていた場合、お店が納税する消費税額は8円から4円を差し引いた4円となります。

課税売上の消費税より仕入れで発生した消費税を引く仕入税額控除を実施しなければ、お店が仕入れの際に支払った消費税とお客さんがお店で購入したときの消費税の両方が徴収されることになり、二重課税となることを理解しておきましょう。

名前だけを聞くと難しそうな内容に感じられる人もいるかもしれませんが、二重課税を防止するためのシンプルな仕組みだと言えます。

お店と野菜を例にしましたが、もちろん売主や買主、取り扱う商品が変わっても考え方は変わりません。

各取引段階で適用できるものであり、生産や流通等の段階で発生する全ての課税売上や課税仕入れに関する消費税に適用されることを理解しておくと良いです。

適格請求書等保存方式とは

インボイス制度では適格請求書等保存方式が採用されますが、従来は区分記載請求書等保存方式が採用されていました。

新たに採用された適格請求書等保存方式は、登録を受けた課税事業者のみが導入できるものだと言えます。

税務署長に対して適格請求書発行事業者登録申請書を提出した課税事業者は、これの登録を受けることが可能です。

従来の区分記載請求書には発行者氏名・取引年月日・内容・受領者氏名・軽減税率適用表記・適用税率ごとの区分表記などが書かれていました。

適格請求書の場合は、それらに加えてインボイス登録番号・適用税率・適用税率ごとの消費税額の3つの情報の記載が必須です。

インボイス制度に対応した適格請求書を有している場合だけ仕入税額控除が受けられるようになり、これが交付されていない場合は仕入税額控除が利用できなくなります。

経過措置はあるとされているものの、納税を免除されている免税事業者と取引する場合は、自社が課税事業者であったとしてもインボイスの交付を受けることができないです。

これまでと比較すると、記載する内容が異なっているだけでなく、仕入税額控除を受けるための新たな要件となっていることを覚えておきましょう。

インボイス制度による影響

まだ導入されていない制度なので、具体的にどのような影響があるのか想像できない人もいるかもしれません。

ここからはインボイス制度導入でどういった影響を受けることになるのか紹介します。

1.課税事業者への影響

消費税を除いた売上高が1,000万円を超えている事業者であれば課税事業者となり、インボイス制度の影響を受けることになると知っておくと良いです。

該当するのであれば税務署にて適格請求書発行事業者としての登録を行う必要がありますし、新たなやり方に対応するために社内の経理システムを見直す必要があります。

インボイスの交付や保存が可能となるようなシステムやツールを導入したり、取引先は免税事業者なのか課税事業者なのか調べたりしておくことも大事な作業です。

既存のシステムを大幅に変更しなければならないケースもあれば、免税されている取引先との関係を維持することが難しくなるケースもあると理解しておきましょう。

制度に合った企業活動が行えるようにするためにたくさんの労力が必要になったり、慣れるまでには経理部門に負担がかかったりする恐れがあります。

2.免税事業者への影響

免税されていれば課税事業者ほど影響を受けないと思うかもしれないですが、この考え方は危険です。

課税売上が1,000万円を下回る多くの事業者が免税事業者に該当することになりますが、意外なところで影響を受けることになります。

免税事業者との取引をやめようと考える課税事業者が増加するリスクがあり、これによって取引先数が減ってしまうかもしれません。

消費税を除いた値引きが行われる可能性が高くなることから、値引きを理由とした売上減少の問題に悩まされることになる恐れもあります。

更には、消費税納税義務の発生といった影響を受ける可能性もあると理解しておきましょう。

課税売上が1,000万円を超えていない場合は、インボイス制度が導入されても自分たちには関係ないと勘違いしやすいですが、実際には様々な面で影響を受けるので注意が必要だと言えます。

それまで通りの企業活動が難しい、利益を出しづらくなる可能性があることを頭に入れておくべきです。

インボイス制度への対応方法

インボイス制度への対応方法を解説します。

課税事業者と免税事業者の両方について説明するので、自社に必要な対応を確認してください。

1.課税事業者の対応

インボイス制度導入に当たって、適格請求書発行事業者になるための登録やフォーマットの準備、新ツール導入や取引先の状況確認が必要ですが、これ以外にもやるべきことはあります。

課税事業者は免税事業者と取引を行うとき等にインボイスを受け取ることができません。

インボイスがなければ仕入税額控除が不可能となり、消費税計算で損をすることになります。仕入先との取引を続けたいが仕入税額控除を受けたいと思うのであれば、取引先である免税事業者に課税事業者となるように提案することになるでしょう。

提案を聞き入れてもらえない場合、課税事業者と取引をしたいと思う場合は新たな取引先を探す必要があります。

インボイス制度に対応するために登録と経理システムの整備だけ済ませば良いと勘違いする人が多いですが、ここまで実施しておくことが重要です。

制度が導入されてから焦らないようにするためにも、早いうちに取引先へのアプローチや代替企業の選定などを行っておくことをおすすめします。

2.免税事業者の対応

免税事業者は対応できることがないと思われがちですが、課税事業者になるかどうか選択することが可能です。

1,000万円を下回る課税売上高であれば基本的には免税事業者となりますが、自ら課税事業者となる道を選ぶことはできます。

述べたように、仕入税額控除ができなくなることを理由に免税事業者との関係を断ち切ってしまう課税事業者があらわれてもおかしくないです。

取引先を失うことによる大きなダメージを受けそうな場合は、課税事業者になることを検討してください。

課税事業者になる場合は消費税の申告や納税義務が発生するため、新たな経理システムを導入したり、作業をこなせる人員を確保したりすることになります。

人材や資金が少ない企業ではスムーズな導入や採用が難しくなるので、早めの対応が肝心です。

課税事業者になる負担のほうが大きいと感じられる場合は免税事業者を続けられますが、取引先を失わないための戦略や新たな取引先の確保などが必要となります。

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インボイス制度まとめ

インボイス制度が本格的に導入される前に、詳しい内容を知っておくべきです。

課税事業者となる場合でも、免税事業者を続ける場合でも、新制度の影響を受けることに違いはないと言えます。

直前になって対応することは難しいので、早いうちから理解を深めておくことで適切な対応ができるようにしておくことが大事です。

今後も新制度に関する情報収集を怠ることなく、インボイス制度の運用開始までに準備や対策ができるようにしておきましょう。
 

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