GA4(Google Analytics 4)とは?導入方法やユニバーサルアナリティクスとの違いも解説!
GA4とは、Googleアナリティクスの最新バージョンにあたる「Googleアナリティクス4」のことです。
そもそもGA4とは何なのか、どのような特徴をもつのか、導入方法、設定方法はどうなっているのかなどについて、具体的に説明していきます。
GA4(Googleアナリティクス4)とは
GAアナリティクスとは、Googleが無料で提供している解析ツールであり、この最新版がGA4です。
前身となるものが2019年にアプリ+ウェブプロパティという名称で発表されていますが、正式には2020年になってGoogleアナリティクス4プロパティという名称でリリースされています。
バージョン名に4という数字が入ったのは今回が初めてであり、名称に数字が入ることでバージョンの新旧がわかりやすくなり、2005年にリリースされたバージョン1から4番目のシリーズとして、第4世代にあたるものと位置づけられました。
GA4ではプライバシー重視のデータ収集が可能となっているほか、機械学習モデルを活用した新たな機能が導入されており、より的確なデータ測定ができるようになります。
GA4とUA(ユニバーサルアナリティクス)の違い
GA4の前バージョンとなるUA(ユニバーサルアナリティクス)との主な違いは、UAでは「セッション」や「ページ」を軸に計測していたところ、GA4では「イベント」や「ユーザー」を軸にした計測に変更されている点です。
セッションを軸に計測することとは、つまり、セッション単位の最適化を図っているということであり、具体的に言うと、UAでは、各種商品を説明するページのライティングをセッション単位でどのように改善することが望ましいか分析し、その分析結果に基づいてセッションの使い心地などの改善を図っています。
一方でGA4は「イベント」、「ユーザー」を軸にした計測となっており、「ユーザー」が何を望んでいるか、どのようにすれば「ユーザー」を呼び込むことができるかなど、「ユーザー」を軸とした分析を実施しています。
これは、GA4には、機械学習モデルを活用した予測機能が導入されていること、プライバシー重視のデータ収集が可能となったことによって実現できた機能です。
GA4の特徴
次に、GA4の特徴として、あらたにGA4に導入されてた機能とその概要を中心に解説します。
1.機械学習モデルによる予測機能
機械学習モデルとは、入力データに対し機械学習をさせながら最適な解を導出するという主にAIに取り入れられているしくみです。
つまり機械学習モデルによる予測機能とは、AIを活用してユーザーの行動を予測する機能となります。
例えば、一定の期間中のユーザーの行動、商品の購入、閲覧等のデータを収集し、将来のユーザーの行動を予測し、これにともなう「収益予測」を導き出すことができます。
ただし、予測結果に一定の精度を持たせるためにも3つの条件を満たす必要があるとされています。
一つはユーザーのサンプル数が一定の期間内に一定の数を必要とするということ、二つはモデルの品質が一定期間維持されているということ、三つはユーザーの行動形態を明確にしたデータを入力する必要があるということであり、これらの条件を満たすことで予測機能の精度の信頼性を維持します。
2.WEBサイトとアプリを横断して計測が可能
GA4には、プロパティ内に「データストリーム」という新たな項目が追加されており、WEBとアプリを横断的に計測できるという機能が追加されています。
「データストリーム」とは、アナリティクスデータの収集源になるもので「ウェブデータストリーム」と「アプリデータストリーム」の2種類があり、「ウェブデータストリーム」はWEBサイトからアクセス情報を収集するときに使用するデータストリーム、「アプリデータストリーム」はAndroidアプリとiOSアプリから利用情報を収集するときに使用するデータストリームです。
つまり、ウェブ、Androidアプリ、iOSアプリから横断的にデータを収集することができるという機能がGA4から追加されました。
これにより、ウェブサイトのデータとファイアーベース経由で計測されたアプリ経由のデータを統合して計測することが可能となっており、ウェブとアプリをまたぐようなユーザーの行動までをも把握することができ、ユーザーの行動情報をより正確に分析することが可能となります。
3.プライバシー重視のデータ収集に
GA4によってプライバシー重視のデータ収集が可能となっています。
その理由は、GA4がGDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などといったデータ規制に関する規則に準拠したツールになっているためです。
プライバシーの保護の強化については世界中で厳しい規定が設けられており、これらの規定に合致しないツールについてはプライバシー情報を取り扱うことはできません。
GA4は、データ規制に関するあらゆる規則に対応した仕様になっており、プライバシー重視のデータ収集に適したツールです。
一方でユーザー単位でのデータ保持期間は最大14か月となっていることについて、認識しておかなければならない点がありますので、後ほど解説します。
4.Big Queryとの連携によるデータ分析
Big QueryとはGoogle Cloud Platformで提供されているビッグデータ関連機能の一つになりますが、GA4はBig Queryとの連携によるデータ分析が可能となり、より多くのデータを用いた分析が実施できることになりました。
これまでは、Big Queryとの連携によるデータ分析は有償でしたが、GA4からはこれを無償により使用可能としています。
Big Queryへデータをエクスポートすることができるようになったことで、GA4によって収集したデータをもとに独自に分析できる可能性が拡大されたと言えます。
GA4を導入方法
次にGA4を導入するための方法について、既にユニバーサルアナリティクスを使用している場合の設定方法を解説します。
1.GA4のプロパティを作成する
まずは、すでにユニバーサルアナリティクスを使用しているユーザーがGA4も並行して使用するという場合を前提にした設定方法を説明していきます。
はじめにGA4のプロパティを作成する必要があり、GA4のプロパティ作成は、アナリティクスの「プロパティー」内にある「GA4設定アシスタント」から設定することができます。
GA4の設定自体はガイドに従っていけばそれほど難しいものはありませんが、設定完了後にGA4でデータを計測するためには、さらにタグを設置する必要があるため、次項ではタグを追加する方法について述べます。
2.GTMからタグを追加する
タグの追加は、Googleタグマネージャー(GTM)を使用することで容易に設定できます。
最初にGMTのコンテナ内に「GA4設定」タグを新規で追加する必要があり、これは、配信トリガーに「All Pages」を追加することによって完了します。
この設定を実施することによってユニバーサルアナリティクスとGA4の両方でデータを計測することが可能です。
GA4を新規で導入する方法
次にGA4を新規で導入する方法を解説します。GA4を新規に導入するためには、最初に、Googleマーケティングプラットフォームのホームページからアカウントを開設する必要があります。
アカウントを開設したならば、サイドメニューから「管理」をクリック、次にプロパティ列にある「+プロパティを作成」をクリックし、以後は画面に従って入力します。
GA4とUAの両方かUAのみかを選択する画面がでてきた場合には、「ユニバーサルアナリティクスのプロパティのみを作成する」を選択しないように注意が必要です。
GA4導入の注意点
GA4を導入するにあたってはメリットだけではなく、デメリットを生じることもありますので、次にGA4導入に際しての注意点を説明します。
1.ユニバーサルアナリティクスからデータの移行はできない
GA4を新規に導入する場合は問題ありませんが、これまでユニバーサルアナリティクスを使用している場合、ユニバーサルアナリティクスで使用しているデータは移行できないという点を認識しておく必要があります。
このため、GA4の使用開始と同時に、ユニバーサルアナリティクスの使用をただちに停止することを避けるべきです。
当面の間は、両方にデータを収集しつつ、同時並行で使用しておくことでリスクを回避することが可能です。
一定期間のモニター期間を通じて、それぞれのツールをどのように使用するか検討していくプロセスを考慮することが適当です。
2.機能の未実装、機能の変更などの可能性
GA4は無償のツールであり、必ずしも完全体でリリースされているとは限りません。
リリースされる最初の段階では機能が未実装であったり、多少のバグがある可能性も高く、その後段階的に機能の変更や修正がなされていくものと認識しておく必要があります。
したがって、使用中は頻繁にアップデートの情報を確認しながら常に変更を気にする必要があります。
3.データ保持期間が短い
GA4の追加機能としてプライバシー重視のデータ収集が可能ということを先に説明しましたが、これに伴いデータ保持期間が最大14か月と短くなっています。
これはGA4のデメリットであると一部にささやかれていますが、この14か月という期間は「探索」で集計されるデータのみで、単純集計データはこれまで通り保持されているということを認識しておけば、データ保持期間が短いといっていることはそれほど影響のあるものではないと理解できます。
4.ユニバーサルアナリティクスと数値の乖離
GA4を使用するに際し認識しておかなければならない点として、ユニバーサルアナリティクスと数値に違いが発生するということです。
先にも説明したとおり、GA4では「イベント」単位で計測を実施しますが、ユニバーサルアナリティクスでは「セッション」単位で計測するため、多くの指標で数値に乖離が生じることがあるため、これまでユニバーサルアナリティクスを使用している場合は、生じる乖離の影響等を確認しながら使用していくことをお勧めします。
GA4への移行は思考の転換が必要
GA4は機能が追加され、分析効果もあがっていると考えがちですが、効果についてはケースバイケースと考えておいたほうがよいです。
従ってこれまでのユニバーサルアナリティクスとGA4をそれぞれの目的によって使い分けることが必要になります。
GA4はユニバーサルアナリティクスの延長線上にあるバージョンアップしたツールという考え方ではなく、思考の異なるツールであるという認識を持つことが適当です。
すでにGA4を使用している人にアンケートをとった結果からも、以前より使い勝手がわるくなったなどの意見もあり、GA4をこれまでのユニバーサルアナリティクスと同じような思考で使用することは、ユーザーによって必ずしもメリットばかりをもたらすものではないことを認識しておくことが大事です。
GA4まとめ
以上、GA4の特徴や設定方法、注意事項について解説してきました。
新しものをどんどんとりいれて改善、向上を図ることは、時代のスピード感に乗るために重要なことです。
ただし、新しいものはすべてよいとは限らず、デメリットやリスクを含んでいる可能性も十分考慮し、新しい、古いのみで物事を判断せず、自らの目的にあったものは何なのかという観点で判断していくべきです。