業務を効率化するチャットボットとは?おすすめのチャットボットツールも紹介

最終更新日 : 2020-01-29 Box

「チャットボット」という言葉をご存知でしょうか。「対話(chat)」と「ロボット(bot)」を組み合わせた言葉で、ユーザーと企業を繋ぐコミュニケ―ションツールとして、今や私たちの生活と密接に関わっています。今回はそんな「チャットボット」についてご説明します。

チャットボットとは?

チャットボットとは先の説明の通り、対話を行うロボットのことです。

人間が入力したテキストや音声に対し、自動的に回答を行うことで、これまで人間が手動で対応していた「問合せ対応」「注文対応」などの作業を代行することができます。

実はその歴史は案外古く、1960年代には既に登場していたと言われています。

例えば、パソコンソフトのヘルプ機能などで、キャラクターに質問を投げかけると適切な回答が返ってくる、これもチャットボットを利用した機能のひとつです。

最近の話だと、スマートフォンに話しかけることで、AIから適切な返答が返ってきたり、アプリへ誘導してくれたりしますね。AIスピーカーも段々と浸透しつつありますが、こちらもチャットボット機能を利用しています。

またそれだけではなく、企業がホームページなどに設置し、デジタルマーケティングに活用する例も増えつつあります。

例えば「Web接客」など、ホームページ上でユーザーとコミュニケーションを図ることで、最適な商品やサービスを案内するような使い方もされるようになっています。

チャットボットのメリット

では、なぜこれだけチャットボットは注目されているのか、ホームページやメッセージアプリなどで活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは4つの点に分けて、そのメリットについて解説していきます。

(1)業務の効率化

1つ目に、チャットボットを活用することで、カスタマーサポート業務にかける人的コストの削減が期待できます。

従来のカスタマーサポートシーンでは、ユーザーからの問合せを電話、メール、SNSなどで受け取り、人間が個別対応を行っていました。
しかし、チャットボットにあらかじめ想定される問合せ内容と回答を登録しておくことで、ユーザーはチャットボットを通じて望んだ回答を得られるため、人が関わらずに問合せ対応を完了できます。

もちろん、想定外の問合せなどチャットボットで対応しきれないものは、従来通り人間が個別対応をする必要がありますが、人が対応すべき問合せ数を減らすことができるため、カスタマーサポート業務の総量を大幅に削減することが可能です。

(2)顧客接点の増加

2つ目に、ホームページを訪れるユーザーや、メッセージアプリを利用しているユーザーとの接点を増加させることができます。

例えば、ユーザーが企業のホームページを訪れ、サービスや価格などを閲覧していて「ちょっと話を聞いてみたい」と思ったときに、チャットボットが役立ちます。

問合せフォームや資料請求サービスを利用するには、個人情報の入力が必要ですが、チャットボットであればユーザーは簡単な操作のみでリアルタイムに企業からの回答を得られます。

ささいな困りごとがあった際も、オペレーターにわざわざ電話をするという行動自体が面倒に感じたり恥ずかしいと感じる人は案外多いため、人が相手ではない気軽さからちょっとした質問もしやすくなり、結果的に顧客接点の増加につながります。

(3)検索疲れの抑制

3つ目に、ユーザーの検索疲れを抑制することができます。

情報量が多いホームページでは、ユーザーをいかに効率的に目的の情報へ導くかが重要です。

FAQページを用意しているホームページは多いですが、そこで満足する回答が探し出せずユーザーが検索疲れを起こし、結果的にサービスに対する不満につながる可能性があります。

チャットボットをFAQとして活用することで、ユーザーはページ遷移やスクロールなどの手間をかけず、目的の情報を得られます。ユーザーが普段慣れ親しんでいるメッセージアプリのような感覚で質問でき、「問合せ」「ちょっとした情報を調べたい」など、状況に合わせてチャットボットが回答を用意します。

これらの機能が手軽さを生み出し、ユーザーの検索疲れを抑制します。

(4)離脱率の低下

4つ目に離脱率の低下を期待することができます。

先の話に繋がりますが、検索疲れを起こしたユーザーは、直接企業に問合せフォームなどから接点を持つ前に離脱している可能性もあります。

「すぐに返信がくるか」「フォーム入力が面倒」「営業時間中に電話ができない」などのユーザーが抱きがちな不安を解消し、Web上でも実店舗と同様のスピード感での対応をすることで、離脱に向かうユーザー心理を緩和します。

顧客接点を増加させ、検索疲れを抑制し、離脱率を低下させることにより、結果的に継続的に企業とユーザーとの間で接点が保たれ、営業機会を逃さず確実に得ることができるようになります。

おすすめのチャットボット

最近はプログラミング知識が少なくても、簡単にチャットボットを作成できるツールも市販されています。ここからは実際にチャットボットを導入するにあたって、気軽に利用できるおすすめのチャットボットツールをご紹介します。

(1)Repl-AI

「Repl-AI(レプルエーアイ)」は、簡単にチャットボットが作成できるツールです。

プログラミング知識が少なくても、気軽に作成できることが特徴で、簡易的なチャットであればドラッグアンドドロップとテキスト入力のみで作成が可能です。

また、曖昧表現(人によって異なる回答や、誤字など)も認識して、正しい回答を返せる仕組みになっているため、ユーザーのストレスが少なく済みます。

メジャーなSNSともシームレスに連携が可能で、画像やスタンプを返すことができるのも特徴です。

これらの機能は全て無料で利用することが可能ですが、作成するボットが2つ以上、もしくはユーザーのボット利用回数が1000回を超える場合は、有料での利用が必要です。

(2)qualva

「qualva(クオルバ)」は、新規顧客獲得のために作られた専用のチャットボットです。

メッセージアプリのような操作感で、ユーザーの入力モチベーションを保ちます。ユーザーの入力時の物理的・精神的負担を下げ、離脱率を低下させます。デザインも自由にカスタマイズが可能なため、企業カラーやイメージを反映することができます。

また、ユーザーが入力途中にブラウザを閉じてしまっても、再度戻った際に前回の入力内容が復元されたり、多言語対応やAI音声入力にも対応することで、さらに離脱率を下げる工夫もなされています。

利用業界や方法によって金額は変動するため、ホームページからまずは見積りを取る必要があります。

(3)hitobo

「hitobo(ヒトボ)」は、チャットボットと人の両方で対応ができるツールです。

よくある問合せや予約などはチャットボットで、それでは対応しきれない内容は担当者が直接対応するといった臨機応変な使い方ができるのが特徴です。人が直接対応するカスタマーサポートの一時振り分けを自動化します。

そのことによって、従来営業時間内でしか対応できなかった内容を、24時間受付することができ、内容次第では時間外でもチャットボットで自動対応することが可能です。

FAQを画面上で入力するかCSVデータをアップロードするだけで、すぐにチャットボットの生成が可能で、一からシナリオを作成する必要がなく、より手軽に簡単に取り入れることができます。

(4)AIさくらさん

「AIさくらさん」は、日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語に対応可能な音声チャットボットです。

キーボードが使えない環境下や、デジタルサイネージへの導入なども可能で、音声によるハンズフリーでの操作が可能です。騒がしい場所への導入でも、高性能な音声認識と発話技術で、自然な会話を行うことが可能です。

多くの商業施設などに取り入れられており、パブリックスペースでの活用に定評があります。自分から声掛けをする自動発話機能も搭載されています。

また、最短3週間でリリースできるため、いち早く市場データをAIに取り込み始めることができます。専任担当がAIの教育やレポートなどもフルサポートしてくれます。

(5)スグレス

「スグレス」は、あらゆるビジネス・コミュニケーションシーンで活用できるチャットボットです。

自動学習機能を搭載しているため、会話をすればするほど、運用コストをかけずに回答精度を向上させることができます。また、様々なSNSツールとの連携も可能で、ユーザーごとに最適化されたコミュニケーションが可能です。

社内の問合せや、行政サービスなどにも活用することができ、定型応答文でユーザーをすぐにほしい情報へ導くことができます。

また、会員サイト利用者に対して、属性情報に応じたサポート提供も可能で、好みに合わせた商品提案や、誕生月などに合わせたメッセージ配信も可能です。

まとめ

ハードルが高そうに感じるAI利用ですが、案外チャットボットの導入は気軽です。まずは体験してみて、コストをかける価値があるかを確認するのであれば、無料のものから導入してみるのが良いでしょう。

とは言え、チャットボットにかけるコストと人的コストの削減効果を天秤にかけて、自社に適したツールを選ぶことが大切です。人手不足が声高に叫ばれる今、働き方改革のひとつとして、ぜひチャットボットの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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