PBXとは?ビジネスフォンとの違いやメリットを解説します!

最終更新日 : 2020-01-21 Box

近年、PBXを導入する企業が増えていますが、PBXとはどのようなシステムなのでしょうか。ここでは、PBXの概要と主な機能、ビジネスフォンとの相違点といった項目について解説するとともに、おすすめのサービスを紹介していきます。

PBXとは?

PBXとは、Private Branch eXchangeの略で、日本語では電話交換機や構内交換機などと訳されます。企業など複数台の電話機を設置する施設内に設置されるシステムで、施設内の電話機同士を内線接続したり、内線と外線を接続したりするのが主な機能です。

現在、音声信号をデジタル信号へと変換して処理するデジタルPBXが主流となっていますが、近年はインターネット回線を利用してシステムを構築するIP-PBXや、クラウド型のシステムも普及しつつあります。

PBXの機能

PBXを導入することで家庭用の電話機では実現できないような機能を使用できるため、電話対応業務の効率化が可能です。ここからは、PBXの代表的な5つの機能について紹介していくので、ひとつずつ確認していきましょう。

(1)外線との発信・着信の制御

PBXの代表的な機能のひとつが、外線との発信・着信の制御です。

着信制御では、外線から発信された着信を電話回線ごとではなく、電話番号ごとに着信するというダイヤルイン機能があります。ダイヤルイン機能は、複数部署がある場合に効果的な機能です。

また、発信制御にはLCRとACRという2種類あります。LCRは、入力した電話番号に応じて最も通信料が安いプロバイダーを自動的に選択して発信するという機能で、ACRは、事前に設定したプロバイダーに自動接続して発信するという機能となります。

(2)内線同士の通話機能

PBXに接続された電話機同士で、内線通話できる機能もあります。企業内の電話機を内線化することで、電話の取り次ぎ業務を効率化させることが可能ですし、同じ回線を利用することになるため通信料金は発生しません。

また、大企業のように複数の拠点がある場合や、フロアが複数あるような場合では、それぞれのPBXを専用回線で接続することで、拠点間もしくはフロア間の通話を内線化することができるため、通話料金を大幅に節約することも可能です。

(3)転送機能

PBXでは、不在時や通話中などの電話を受けられない場合に、他の電話機や携帯電話に着信を転送させることが可能です。不在時や通話時などに、あらかじめ登録しておいた電話番号へと転送するという不在転送や話中転送以外にも、使用できる転送機能はいくつか存在します。

例えば、指定しておいた呼び出し音以内に応答がない場合に他の電話番号へと転送する応答遅延転送や、設定しておいた条件に合致する着信のみを転送する着信選択転送といった機能が使用できます。

(4)代表番号着信機能

代表番号着信機能とは、企業の代表番号への着信をあらかじめ登録しておいたグループの電話機へとつなぐという機能です。着信する方法としては、グループ内の空き番号を選んで着信させるという方法や、あらかじめ設定しておいた優先順位に従って着信させるという方法などがあります。

代表番号着信機能を使用することで、代表番号への着信に対応する必要のない人が電話を受ける機会が減るので、業務の効率化につながります。ただし、グループを組む電話番号は、市外局番が同一であることが条件なので注意が必要です。

(5)パーク保留機能

パーク保留機能とは、保留ボタンを押すことで通話を保留状態にし、他の電話機から保留を解除して通話を再開できるという機能です。例えば、お問い合わせの電話に対して複数の担当者がいるような場面において、問合せ内容によっては他の担当者に対応してもらう必要がある場合に有効活用されています。

一般的な保留機能では、保留した電話機でしか保留を解除できませんが、パーク保留機能では保留した電話機以外でも保留を解除できるため、スムーズに電話対応を再開させることが可能です。

PBXとビジネスフォンの共通点

ここまでは、PBXの概要と主な機能について解説してきましたが、PBXと混同されがちなのがビジネスフォンです。これらの主な共通点としては、施設内の電話機同士で内線通話や転送が可能であったり、外線からの着信を1つの回線で受けて複数の電話機で着信を共有できたり、通話内容の録音や着信番号の表示機能が使用できたりするといったものが挙げられます。

このように共通点が多いため、同じようなものと捉えられがちですが、PBXとビジネスフォンは相違点も存在します。

PBXとビジネスフォンの違い

PBXとビジネスフォンの相違点としてまず挙げられるのが、接続可能な電話機数です。ビジネスフォンで接続できる電話機の上限は50台程度ですが、PBXの場合は数千台の電話機を接続できます。

また、ビジネスフォンの場合は複数拠点や異なるフロアを接続することはできませんが、PBXであれば複数拠点やフロア間の接続も可能です。さらに、PBXの場合は、スマートフォンを内線化して使用できたり、パソコンと接続できたりするという違いもあります。

おすすめのPBXサービス5選

現在、PBXを導入する企業は増加傾向にありますが、それに伴って様々なサービスも登場しています。ここからは、おすすめのPBXサービスを5つ紹介していきますが、それぞれ特徴が異なるため、導入する際の参考にしてください。

(1)モバビジ

モバビジは、フリービット株式会社が提供しているサービスです。NTT東日本・西日本の「ひかり電話」と、フリービットの「クラウドPBX」「スマホアプリ」、Panasonicの「IP電話機」を組み合わせることで実現したクラウド型のサービスとなります。

会社の電話をスマートフォンで着信できるため、外出中であっても電話を取り逃すという心配がなく、会社の電話番号での発信も可能です。また、初期費用が無料であるため導入が容易であることや、スマートフォンでの利用の場合であれば、オフィス移転やレイアウト変更、電話機増設などの際の工事が不要という特徴もあります。

加えて、月額サービスなので、従業員の増減に合わせて費用の調整が可能というメリットもあります。

さらに、総務省判定基準「クラスA」の音声品質を実現しており、固定電話と同等の品質で通話が可能です。その他にも、音声ガイダンスや着信優先機能などが無料で使用できたり、サポートデスクも完備されているため、何らかのトラブルが発生した場合でもすぐに対応してもらえます。

(2)Arcstar Smart PBX

Arcstar Smart PBXは、NTTコミュニケーションズが提供するクラウド型のサービスです。クラウド型サービスであるため、設備コストや保守コストを削減できるという特徴があります。

IP-Phoneやパソコン、スマートフォンなどの端末で内線電話を利用可能で、場所を問わずに無料で内線通話が可能です。スマートフォンの場合は、キャリアを問わずに利用できるため、BYOD(私物端末の業務利用)の導入に最適なサービスと言えるでしょう。

加えて、外線サービスと組み合わせることで、ビジネス専用の050番号を取得することも可能です。さらに、転送設定や代表グループといった各種設定は、Web上の管理画面で簡単に変更できるという特徴もあります。

(3)オフィスリンク

NTTドコモが提供するPBXサービスが、オフィスリンクです。オフィスリンクでは、PBXとドコモのネットワークを接続することで、スマートフォン及び携帯電話を内線化することができます。

FOMA/LTEエリアで使用できるものであれば、機種を問わずに利用可能です。場所を問わずに担当者と内線通話可能なので、手間のかかる電話の取り次ぎや折り返しが不要となり、業務の効率化が期待できます。

また、社員同士の連絡は内線通話となるため、通信コストの削減にもつながります。なお、オフィスリンクでは、既存のPBXを活用するタイプと、クラウド型の仮想タイプの2種類のプランが存在するため、自社に適したプランを選択できるという特徴もあります。

(4)ひかりクラウドPBX

ひかりクラウドPBXは、NTT東日本・NTT西日本が提供するクラウド型サービスです。施設内に通信設備を設置する必要がないため、施設内のスペースを有効活用できますし、固定資産や保守コストの削減が可能です。また、クラウド型のサービス特有の導入と廃止が容易という特徴があるため、短期的な利用にも適しています。

スマートフォンで内線通話が可能なので業務の効率化が可能ですし、専用のアプリをインストールすることで内線番号、代表番号、携帯番号が使えるため、社員個人の端末を利用することも可能です。これにより、端末支給のコスト削減や、通話費用の清算業務が不要になるというメリットがあります。

さらに、従来のPBXやビジネスフォンとの併用も可能なので、段階的にクラウド型への切り替えを行う場合にも適したサービスです。

(5)MOT/TEL

MOT/TELは、株式会社オフィス24が提供するコストパフォーマンスに優れたクラウド型のサービスです。初期費用はかかりますが、リース契約を結ぶことなくサービスを利用できるという特徴があります。

料金プランは3種類ありますが、最も低価格なスタンダードというプランでは、最大10ch/20内線を初期費用29,800円(税抜)、月額費用が3,980円(税抜)で利用できます。1台当たり199円(税抜)という非常に低コストで利用できることから、安価にシステムを導入したい場合に適していると言えるでしょう。

また、スマートフォンに専用のアプリをインストールすることで、サービスを利用できるため、BYODの実現も可能です。加えて、現在使用している外線番号を変更せずに利用できるという特徴もあります。

まとめ

PBXは、電話対応業務の効率化が図れるとともに、通信コストの削減にもつながるシステムです。

ビジネスフォンとは異なり、スマートフォンを内線化して利用できたり、複数の拠点間を内線で接続するといったことが可能です。ビジネスフォンよりも導入コストは高くなる傾向がありますが、近年はクラウド型サービスも数多く存在しており、初期費用を抑えることもできます。

現在、様々な企業がPBXサービスを提供しているため、導入を検討する際は利用目的や企業規模などを考慮して自社にとって最適なサービスを選定しましょう。

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