ビジネス・マーケティングにおけるブランディングの重要性

最終更新日 : 2020-01-31 Box

ビジネスを展開している人にとって、ブランディングは避けて通れない課題です。と言ってもブランディングとは何かと聞かれても、説明にとまどったり、やり方がわからないという場合も少なくありません。ここではブランディングの基礎知識について詳しく解説します。

ブランディングとは?

ブランドとは、サービスや物、キャッチフレーズなどをシンボル化したものを指しますが、ブランディングとは、ブランドを広く消費者に認知させるなどマーケティング活動を意味します。

ファッション業界にはさまざまなブランドがありますが、特定のユーザーに向けて情報を発信する、ソーシャルメディアで宣伝する、ファッションショーを開催するといった活動は、ブランディングに入ります。

ブランディングが必要な理由

この商品といえばあの会社、という認識を広く定着させることがブランディングの目的です。なぜこうしたことが必要になるか、その最大の理由はマーケティング活動を有利にすすめることにあります。

例えば手荒れを防いでくれるハンドクリームと言えばこの商品、という認識が広く定着した場合、多くの人はそれを買い求めに店を訪れます。他のハンドクリームが並んでいても、欲しいブランドのロゴを見つけ、迷うことなく手に取るでしょう。その商品の姉妹品を発売したり、キャンペーンを実施する場合の集客も、ブランディングをしていない場合よりもずっと楽になります。

集客は販促の手間が省けるほか、広告費用もおさえることができるため、経済的なメリットも期待できます。その市場で唯一の存在になるということは、企業にとってさまざまなメリットをもたらし、企業が目指す目標にもなります。ブランディングは目標達成に欠かせない手法と言えるでしょう。

Webマーケティングにおけるブランディング

Webマーケティングには、ブランディングに役立つツールが沢山存在します。検索エンジンの検索結果などに表示されるリスティング広告は、通常の広告よりもコストが低く、特定のユーザーに注目してもらいやすいというメリットがあります。

ブログやサイトも独自ドメインやサーバー代だけで運用できますし、フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのソーシャルメディアはコストがほとんど掛かりません。自社のロゴなどをプロフィール画像にも利用できますし、有効なブランディングを手軽にすることが可能です。

ポイントは、こうしたツールの特徴をよく把握し、マーケティング戦略に応用していくことです。と言っても予め決めたことだけを実践する必要はありません。

広告であれば、複数の広告や動画広告を用意し、どれが一番認知度向上に貢献したかを測定できますし、ソーシャルメディアであれば、いろいろなテーマについて投稿してみて、反応をチェックすることも容易にできます。

このように、Webマーケティングツールは、試行錯誤がやりやすいという特徴を持っています。

ブランディングができてないことで生じる問題

ブランドが確立されていない場合は、価格で勝負する傾向にあり、商品が市場に根付くまでに熾烈な価格競争に敗れてしまうリスクもあります。反対にブランドが確立されていれば、価格に振り回されることなく、質を追求する余裕も出て、さらなる向上を目指すことも可能になります。

価格ばかりに頼ると、低価格でしか顧客を獲得できないことにつながり、その後のマーケティングで苦戦することになるでしょう。利益率を下げてしまうと、新たに顧客を得るための費用を確保しづらくなる上、広告費や商品の改善などにかける費用が削られることにつながります。

こうした状況は長引けば長引くほど深刻になりますし、最悪の場合企業存続の危機にさらされる可能性も出てきます。

ブランドのメリット

ブランドを確立するにはある程度の時間がかかり、さまざまなブランディングに取り組む必要が出てくることもあります。効果がすぐ現れないという理由で、ブランディング構築を後回しにする企業もありますが、その分構築するまでに時間がかかり、ブランドから得られるメリットも逃してしまいます。

ブランドを確立することで得られるメリットは数多くあり、企業経営に必要なものがほとんどです。

(1)利益が増える

ブランドがその業界に根付くと、特定の商品にこだわる消費者が出てきます。こだわりを持つ消費者が多くなるほどブランドの認知度が上がり、企業に多大な利益をもたらします。

この商品は他より高額だという認識が入れば、価格を引き下げる必要はなく他の商品と差別化が可能になります。

人気が定着し、安定した利益を生み出せるようになれば、サービスの向上やワンランク上の高額商品の販売も、比較的楽にできるようになるでしょう。

(2)価値を得ることができる

ブランドの確立の最終目的は、単に商品を売るのではなく、そのブランドしか提供できない価値やサービスを、消費者に提供する点にあります。

消費者が得られる価値は、手荒れを改善したいなど、その商品によって目的を達成できる機能的価値の他、手荒れが改善されることで、手がきれいになって嬉しいと言ったような情緒的価値があります。

(3)優秀な人材の確保

自分の能力を最大限に活かしたいとの気持ちで就職に臨んだ場合、知名度の高い企業とブランド構築に無頓着な企業、どちらを選ぶでしょうか。ブランディングが十分にされている企業は、顧客獲得だけでなく、優秀な人材を確保することにもつながります。

確立されているブランドは、相手に対して自らが持つ価値観やメッセージを伝えます。相手は価値観に共有したり、イメージから自分が活躍できるかどうか青写真を描きやすくなるため、企業を支えようとする優秀な人材が集まるようになります。

企業にとって優秀な人材を確保することは死活問題にかかわりますが、発見しにくいという難しさも備えています。

ですが自社の強みとなるブランドが確立されていれば、向こうから来てくれることも期待できます。人材を見つけるための労力や費用も、おさえることができるようになります。

(4)取引時の優位性

ブランドの高さは、取引でも効果を発揮する場合があります。誰にでも知られたブランドを持っていて、他の企業に仕事を発注した場合、良い条件で受け入れてもらえる可能性が高くなります。

受注側にとって、知名度の高い企業からの仕事は実績となり、信用度アップが期待できるからです。たとえ発注する条件が他よりも悪かったとしても、引き受けてもらえる場合も多く、ブランド力はあなどれません。

ブランディングのポイント

ブランドの確率を成功させるには、ブランディングについて正しく理解し、正しいステップで進めることがポイントになります。ブランドは大きく分けて3つの構成要素から成り立っていることをまず理解しましょう。

ブランドアイデンティティは、価値や消費者に伝えるメッセージの核をなす部分です。抽象メディアは、ブランドアイデンティティを具現化したもので、ロゴやキャッチフレーズなどがそれにあたります。

可視メディアは、抽象メディアをより具体的にしたものを指します。商品を始め、CMやチラシなど広告媒体が可視メディアに分類されます。

ブランディングにとって環境分析は避けて通れない過程です。環境分析は、競合と差別化をはかり、自社が対象とするユーザーを絞り込むための具体的なデータになりますので、手を抜かずにしっかりと調査することが望まれます。

すでに強固なブランドが確立されていて、参入するのが難しいかどうか判断する場合にも、環境分析は役に立ちます。

対象とするユーザーを決め、その人達にどんなメッセージを伝えるかというのは、ブランディングの肝の部分になります。ここがブレるとメッセージが伝わりにくく、対象ユーザーの興味を引く商品やサービスを作ることができないばかりか、ブランドの構築にも大きく影響します。

メッセージはブランドの価値をわかりやすく伝える必要があります。考えなければ思いつかないようなメッセージは、相手から敬遠されてしまう可能性が高くなります。

ブランドを確立させることは企業にとって大きな強みになり、構築するためにはブランディングは欠かせません。成功させるにはブランドやブランディングについて知識を深め、適切な施策を立てることがポイントになります。

使用する媒体やマーケティングツールについてもその特徴や使い方をよく理解することで、ブランドによるメリットを最大限に引き出すことが可能になります。

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