ビジネスメールの書き方やマナーについて

最終更新日 : 2020-02-05 Box

友人や家族にメールをするときは、自由に話し言葉のような言葉を使った文章を送ることはできますが、ビジネスにおいてメールを送る際には、そうもいきません。

社内間でメールのやり取りをする場合もありますが、他の企業とやり取りをする場合は特に注意が必要です。

メールの文章で相手に不快な思いをさせるようなことがあれば、取引できなくなる危険性もあるので気を付けなければいけないことがあります。

しかし、かといってあまり堅苦しく考えることもありません。それでは、ビジネスメールはどのように作ればよいのでしょうか。ここではビジネスメールについて説明します。

ビジネスメールとは?

ビジネスメールとは社内や社外間でやり取りをしあうメールのことで、ビジネスに関する報告や連絡事項、相談などをメールで行うことです。

社内外における仕事に関するメールはすべてビジネスメールのあたり、仕事以外のメールはプライベートメールということになりますが、会社の中ではプライベートメールは、それぞれ個人が持っている携帯電話やパソコンを使って行うので、ビジネスに使う携帯電話やパソコンでメールを送る時はビジネスメールということになります。

ビジネスメールが使われる以前は?

ビジネスに関する事項をメールでやり取りするまで、200年ごろまでは紙を使ったビジネス文書を作成して情報を伝えていました。

電話や直接会って口頭で伝達することもありますが、口頭の場合は言い間違えや聞き間違え、また聞いた聞かない、言った言わないでトラブルになることもあるので、文書で伝えることが確実で、あとに残るので忘れることもありません。

しかし文章にすればどんな文章でも良いというものではなく、内容がはっきりと正しく相手に伝わるよう、簡潔ながらわかりやすい文章にすることや、文章を作成した日にちや作成した人、あいさつ文や結びの文章を入れるなど一定のルールを守った文章にする必要があります。

ビジネスメールの書き方、マナー

紙の文書からメールに変わっても、書き方やルールにあまり変わりはありません。相手に失礼のない書き方で、簡潔に正しい内容を届けることが大切ですが、それらに加え、メール独特の書き方に変わっていることもあります。

現在ではほとんどがメールでのやり取りとなるので、ビジネス文書でのルールのおさらいの意味も含め、ビジネスメールにおける書き方やマナーを紹介します。

(1)メールの型を守る

文書の場合は左上に宛先やあて名、右上に日付や送付者を書き、その下の中心に件名を書いて文章を作成するか、相手が個人の場合には宛名の次にあいさつ文から本題、結び、差出人の情報という流れで作成していきますが、メールの場合は、宛名の後にあいさつ文、次いで自分を名乗り本題に入ります。

本題が終われば結びの言葉を入れ、最後に送信者についての連絡先なども含めた情報となる署名を入れるという流れになります。

(2)件名はわかりやすく

紙でのビジネス文書の場合は、ほとんど紙一枚になるように納めるので、その一枚を見ればどんな内容のことを書いた文書かがわかりますが、ビジネスメールの場合は本文は開くまで見ることができません。

まずは件名を見て開くことになるので、件名を一目見てどんな内容のメールかがわかるようにします。

たくさんメールを受け取る相手だと、件名を見て開ける優先順位を決めることもあるので、「件名」には会社名や案件名などわかりやすく、はっきりと書くようにすることが大切です。

(3)必ず宛名を入れる

本文の初めには、必ず宛名を入れるようにします。相手が個人の場合は、「会社名」「部署名」「役職」「氏名」の順にそれぞれ改行をして書きましょう。

氏名がわからなければ「ご担当者様」という記載でも良いですが、部長などの役職を最終宛名にする際は、役職名に様などの敬称をつけないようにします。

相手が会社全体や団体でどなたが読んでも良いという場合は、宛名のところでは、会社や団体名に「御中」を付けます。

また、たくさんの人に送る場合は「関係者各位」「何部各位」などのように「各位」をつけるのが一般的です。

(4)挨拶文を入れる

ビジネス文書の場合は、「早春の候、貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。」などというあいさつ文ですが、メールの場合は「お世話になっております。」や「ご無沙汰しております」など相手によって異なりますが、このような簡潔な挨拶文を入れ、そのあとに「何々会社の何々でございます」などという名乗りを続けます。

(5)結びの言葉を入れる

本題が終われば、必ず結びの言葉で締めるようにします。ビジネス文書でも同じですが、本題だけで終わるのではなく、「今後ともよろしくお願いいたします」や「今後ともご愛顧いただけますようよろしくお願いいたします」などの結びの言葉を入れて、本文を終わらせます。

(6)署名を入れる

署名といっても氏名を書くだけでなく、できるだけ多くの情報を含めるようにします。

記載する必要事項は会社名と部署名、氏名、郵便番号と住所、電話番号とFAX番号、メールアドレス、ホームページがあればそのURLです。

署名の部分は線や記号などで囲いをつけるなど、本文と区別をつけるようにしておきます。

定型文の例

ビジネス文書には本などによく定型文があり、それらを参考に文書を作成することがよくありましたが、ビジネスメールにも参考となる定型文があります。

インターネットで検索をするとよく出てきますが、そのような定型文の一例を様々な場面に応じて紹介してみましょう。

(1)お礼

ビジネスでは取引先や関係会社、またはお客様など打ち合わせや会食、訪問、自社のイベントへの参加、商品やbサービスの購入などで、お礼をしなければいけない時が多いです。

そのようなことがあればできればその日のうちなど早い段階で、お礼のメールを送るようにするとその後のコミュニケーションもうまくいく可能性が高くなります。

そのようなお礼のビジネスメールとして定型文を紹介すると、例えば打ち合わせをした場合、

「本日はお忙しい中お時間を頂きありがとうございました。何々についてのお話、とても参考になり、今後はこのような方向で進めさせていただきたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします」

という文章や、契約の後なら

「本日は弊社の企画をご採用いただき、ありがとうございました。貴社の事業に少しでも貢献できるよう、弊社一丸となってまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします」

などの文章があります。

なんのお礼でどのような気持ちか、そして今後どのようにしたいかということがわかれば自分の言葉でも良く、感謝の気持ちが伝わるような文章にするとよいでしょう。

(2)依頼

ビジネスでは、取引先などに依頼をしなければいけないシーンが多々あります。そんな時に相手に不快な思いをさせることなく依頼ができるようなビジネスメールを送る場合の定型文の例として、

「平素よりお世話になっております。本日は何々についてご相談したくメールを送らせていただきました。何々の件ですが、何々の理由で都合が合わなくなってしまい貴社にお願いをすることはできないでしょうか。お忙しい中お手数をおかけしてしまい大変恐縮ですが、ご検討いただければ幸いでございます」

というように、依頼の理由と内容を明確にし相手への心遣いや配慮がわかるような文章にします。

(3)お詫び

取引先やお客様など相手との間に問題が発生した時に、お詫びのメールを送ることがあります。そんな時にはできるだけ早くお詫びのメールを送ることが大切です。

件名に謝罪のメールであることがわかるような文章を入れて、読んでもらうようにすることも大切です。本文には問題が起こった経緯と今後どうするかということを記すようにして、お詫びの気持ちのこもった文章を作成します。

本文の例としては、

「この度は、こちらの不手際で発送の報告が遅れご迷惑をおかけしたこと、心より深くお詫び申し上げます。今後はこのようなことがないように努めますので、何卒、よろしくお願いいたします。」

などの文章があります。

(4)催促

メールの返信や注文したものの発送などで、相手に催促をするときもあるでしょう。そんな時は催促したい要件を件名に記して本文を開いてもらうようにします。

本文では催促をしていることがわかるように書きますが、こちらが怒っているような書き方はせず、いつのどんな用件を催促しているのかという文面に加え、相手に対する配慮も必要です。

例えば、「誠に恐縮ですが、何月何日にお願いしました何々の送付がまだ確認できておらず、確認のためメールを送らせていただきました。お忙しい中申し訳ございませんが、お手配いただければ幸いございます。」という例文があります。

ビジネスメールの注意点

これまで、お礼や依頼などの例文を紹介しましたが、もっと様々なシチュエーションでビジネスメールを送付するときがあります。そこで、どんな場合でも通じるようなビジネスメールの注意点をいくつか紹介します。

(1)箇条書き、わかりやすく書くこと

本文を書く際、結論になるような重要な事項を一番先に書くことが大切です。長い文章になる場合は2、3行ずつにして、段落間はスペースを空けるようにします。

依頼分を書くときや何か質問がある時は、数字や記号を使って箇条書きにしてわかりすくする工夫も必要です。

(2)添付ファイル

添付ファイルがある時、ファイルの容量が大きいと受信に時間がかかって相手にも迷惑がかかることがあるので、圧縮してから送るようにします。

10MBを超えるような場合は、圧縮しても容量が大きいので、大容量ファイル転送サービスの利用がすすめられます。

また、添付ファイルがある時は、その旨を本文に記載して、見てもらいやすくします。

(3)誤字脱字チェック

変換ミスの誤字やフリック入力の失敗で、おかしな文章のビジネスメールを送ってしまうことのないように注意をしましょう。

万一送ってしまった場合は、再度お詫びのメールを入れるようにします。そのようにならないようビジネスメールは落ち着いた環境の中で集中して作成し、最終確認をすることが望ましいです。

(4)宛名の確認

最終確認をして、宛先を間違わないようにすることはとても重要です。

一斉送信のBCCで送ったつもりが、情報を共有したい相手で、TOの特定の人にも送信者を知らせたいときに送るCCで送ってしまったら、全員にメールアドレスが知られてしまうなどのトラブルが発生してしまいます。

宛名が正確か、また宛名の記入場所を間違えていないかを確認することは重要です。

(5)必ず返信をして、即返信を心がける

ビジネスメールにおいて、見たらすぐに返信をすることがマナーです。遅くても翌日までに返信をするようにするのが、ビジネスメールのマナーです。

すぐに内容についての返信ができない時でも、メールが届いて確認したけれど、詳しい返信はまたいつになるという旨の返信をしておけば相手は安心をします。

返信がもし遅れてしまった場合は、お詫びの言葉を必ず入れるようにしましょう。返信をする際、件名は変えずにそのまま返信をする方が履歴が管理できるので、それもビジネスメールのマナーといえます。

まとめ

ビジネスメールはプライベートなメールとは異なり、注意すべきことやルールがたくさんありますが、すぐに返信をしたり誤字脱字やあて名のチェックなどの注意点は、プライベートメールの場合にも当てはまります。

だからビジネスメールを書くにあたり、あまり難しく考えるのではなく、相手の気持ちを考えてプライベートメールより少し丁寧な文章で、書くようにすると、相手を不快に思わせることなくビジネスメールでのコミュニケーションが取れることでしょう。

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