カスタマージャーニーとは?そのメリットと作り方を解説

最終更新日 : 2020-02-14 Box

ここではカスタマージャーニーについて解説します。顧客を理解することはマーケティングにおいて何よりも重要なことであり、カスタマージャーニーは、そうしたニーズに応じるために、開発やデザイン、マーケティング戦略及び施策の場面で広まっています。

カスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニーについて カスタマージャーニーとは、典型化された顧客像であるペルソナがどのように商品を購入するのかを、行動、感情などの面から時間経過に合わせて視覚化することを指します。

この視覚化というプロセスによって、顧客がどこで商品に接しているのかを確認し、より効果的な場所やタイミングで情報を与えられるようになります。

消費者への主な情報伝達手段が、新聞やテレビなどに限られていた時代には、単にペルソナを設け、彼らの情報との接点を分析するだけで充分でしたが、テクノロジーの発達とともに、顧客はさまざまな媒体において、情報を得、また購買活動を行うようになったため、行動や思考を確実に把握することが困難になりつつあります。

一方、生産者側もテクノロジーの恩恵を受け、大量の情報を取得し、分析するようになっています。また、広告技術の進化により、現代では、顧客一人ひとりに対して特定のアドバタイズメントを発信することができるようになりました。

こうした状況下で、販売者側には、カスタマージャーニーに対してある程度の造詣が求められるようになっています。

カスタマージャーニーのメリット

いったいどれ程の販売者が、自社の製品やサービスがカスタマーにより購入されているかを的確に把握できているのでしょうか。

前述したように、現代の消費活動の複雑化を極めています。これにより、販売者側が顧客の購買活動の過程を正確にイメージすることが困難になっており、アンケートやwebサイト及びアプリのログ調査などで、部分的にはカスタマーの行動が把握できても、全体像を明らかにするのはかなり難しく、従来の方法では対応することができなくなりました。

ここでカスタマージャーニーを行うことで、販売者側はペルソナの購買活動における行動や思考、感情について、これらを時系列に沿って視覚化し、この過程を通して単純なストーリーとして表し、より簡単に理解することができるようになります。

(1)顧客視点の理解による施策立案

顧客の購買活動という体験を視覚化することで、販売者サイドはカスタマーの目線で考え、彼らに寄り添ったマーケティング戦略を発案することができます。

コンシューマーの体験を理解せずに、思いつきで採るマーケティング戦略は、結果として効果が出ず、さらにはInterruption Marketing、つまりは邪魔するマーケティングとして逆効果をもたらす可能性も孕んでいます。

中途採用のためのwebサイトを例に挙げると、転職サイトといった一つのタッチポイントを考慮するだけでは不十分です。

このサービスのコンシューマー、つまりは転職者が、前職の同僚や上司、あるいは業界の横の繋がり、また企業説明会など様々なタッチポイントを持っていることを鑑みることで、そのサイトをどのように構成するかを決定することができます。

(2)関係者間の認識統一による全体最適

カスタマージャーニーの作成にあたっては、営業や開発、サポートなどそれぞれの分野に関連する様々なメンバーが組織内でチームを結成し、行うことになります。

そのため組織の複数のメンバーを巻き込み、ペルソナの消費活動を視覚化します。

この効果は大変大きく、ペルソナについて全メンバーが共通認識を持つことができるため、戦略の発案やブラッシュアップが、迅速かつ高精度で行えるようになります。これは組織にとって大きなメリットとなります。

(3)マーケティング活動における意思決定が迅速で的確になる

上述したふたつのメリットを組み合わせることで、組織内におけるマーケティング活動の意思決定を、迅速かつ効果的に行うことができるようになります。

カスタマージャーニーの作成により、企業や集団内における様々な関わり方をするメンバーが、同時に、かつ同質、同程度の理解を、コンシューマーの消費行動という体験について持つことができれば、結果として、顧客の目線に立ったマーケティング戦略の立案や検討を、そのメンバー全員の力を合わせて行うことができます。

これはさらには、マーケティング活動そのものにおける意思決定の迅速化や正確化をもたらし、プロジェクトにおいても、速いテンポで確実な決定ができるようになります。

カスタマージャーニーの作り方

ここからは、実際にカスタマージャーニーをどのように作り上げていくのかということについて解説します。

先ほども述べたように、これからのマーケティングにおいては、カスタマージャーニーの作成は必須のスキルであるとも言えるので、こちらを参考にしてぜひ作成してみてください。

(1)ペルソナの明確化

ペルソナを明確にするには、顧客群への分化、顧客群の選択、データの収集というステップが必要です。まずは保有している顧客情報をもとにそれを分類し、続いてその顧客群からターゲットを選びます。

そしてそのターゲットについての情報を収集します。そしてそれらを総合化し、ペルソナを明確化します。

(2)ゴールの設定

次に、作成するカスタマージャーニーのゴールを設定します。

ペルソナからの問い合わせ、商品やサービスの購入、定期的、あるいはリピート購入など、様々なゴールを想定することができますが、現在必要なことに応じて、これらのゴールは変動します。

(3)フレームの設定をしてみよう

カスタマージャーニー作成の次の段階は、情報を収集、マッピングするフレームの設定です。多くの場合、横軸に「認知」や「興味関心」、「比較検討」、「購入」などの消費活動におけるプロセスをおき、縦軸にはタッチポイントやペルソナ行動や思考、感情、そして課題や対応策などをマッピングすることが一般的であり、様々な場面で採用される方法です。

フレームのシートはweb上で多数公開されているので、それらを参考にしたり、実際に使用したりすることで作成することができます。

(4)顧客情報の収集をしてみよう

カスタマージャーニーのゴール、そしてフレームの設定が完了すれば、次は情報収集です。ここでは、ペルソナがどのような感情をもち、どのように思考し、どのようなタッチポイントに触れているかと言った情報を収集します。

オンラインやオフラインのデータ分析、ユーザーへのインタビュー、ユーザーテストなどの組織内の情報を活用することができます。

また、他の組織がカスタマーであるBtoB企業では、過去の問い合わせや商談の資料、展示会でのアンケートなども活用することができます。

(5)マッピング

情報が集められたら、設定したフレームを基準にして、消費活動におけるペルソナの行動や思考、感情をマッピングすることになります。

この段階では、部署や役職を横断し、ワークショップのような形式で進めることが効果的です。経営陣から営業、サポート、開発、技術や外部のパートナーなど多彩な視点を得られるように工夫することで、カスタマージャーニーはより生産性を増します。

進行に際しては、カスタマージャーニー作成の目的、組織への関係を説明したのちに、模造紙などへマッピングを行います。 以上がカスタマージャーニーについての説明、そして実際に作成する手順になります。

まとめ

冒頭から繰り返し述べているように、コンシューマーがサービスやプロダクトに触れる機会や場面は、インフォメーションテクノロジー、あるいはITの発達と発展に伴って、大きく多様化、複雑化しています。

こうした状況下では、生産者あるいは販売者はこれまでの範囲を大きく超えて、彼らの消費活動という体験の一連の流れを包括的かつ正確に理解、把握することが求められます。

そうした中で、ペルソナについてこのような分析が行えるカスタマージャーニーは、とても有効で、生産性の高い手段であると言えるでしょう。実際に現在も、多くの集団や組織で、このカスタマージャーニーは、マーケティングの向上を目的として実施されています。この文書を読んだあなたもぜひビジネスに役立ててみてください。

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