STPマーケティングとは?マーケター必須の基礎知識と分析の手法を解説!

最終更新日 : 2020-02-19 Box

社内ネットワークに不備があるのは、仕事に大きく影響を及ぼしてしまいます。それは、基本戦略を練り込む際も重要な役割を果たします。

ストレスのない基本戦略を練り込むにはどのようにすればいいのでしょうか。今回はSTPについて解説します。

STPとは?

STPとは元々はIT用語です。ループ状に形成された2つのレイヤーネットワークの中で、データトラフィックが永続的に流れることを防ぐプロトコルです。無効にしてしまうと、ホスト同士が通信するためにMACアドレスを知る必要があるためARPリクエストをブロードキャストします。

その際に、別のホストでもフレームを同じように処理するため、最初に送信したブロードキャストフレームが一番始めにARPリクエストを送信したホストに戻ってしまいます。これをブロードキャストストームといい、CPU使用率を大幅に上昇させ、通信不能状態に陥ってしまいます。

STPとターゲティング

STPという用語は、マーケティング業界にも存在しており、こちらは「基本戦略」を意味します。大きく分けて、ターゲティングとポジショニングがあります。ターゲティングとは「同質なニーズを持ち、魅力的な顧客グループを特定する」ことです。

いわゆる「選択と集中」を担う役割を果たしており、これから売り込む商品にニーズがマッチする顧客グループを見つけます。そこにリソースを集中投資することで、成功確率を高めることができます。

STPとポジショニング

続いてポジショニングです。これは「顧客に製品・サービスの特徴を印象付ける」ことを意味します。ターゲティングで選定した顧客グループに対して、他社と異なる自社製品の特徴を明確化させます。この時に重要となるのが、顧客目線で考えることです。

例えば、高い性能を顧客グループに印象付けたい場合、その顧客が現時点でより高性能を求めているのであれば、それをポジショニングの軸として設定することが可能になります。

しかし、今の性能で満足している場合、高性能をポジショニングの軸として設定することはできず、差別化ができなくなります。つまり、ポジショニングは、他社製品との差別化を担う役割があるといえます。

STP分析の手法

このSTPは、アメリカでは7P手法に次いでポピュラーなマーケティング分析法であり、製品・サービス内容や価格を決める上で必要なフレームワークとなります。

IT用語では「スパニングツリーコントロール」でしたが、マーケティング用語では「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の頭文字から取られており、この3つの手法を総合した分析法です。それぞれ3つのテーマに分けて見ていきます。

S:「Segmentation」(セグメンテーション)

セグメンテーションは、製品・サービスのコンセプトを明確化させるために市場を細分化する役割を果たします。市場分析における必要データ数である「消費財市場」と「生産財市場」から、それぞれ4つの変数を基にセグメントしていきます。なお、消費の仕方がリアルタイムで変容しているため、どこまで厳密にセグメント化できるかという問題が生じています。

市場細分化に際しては「ターゲットサイズが適切か」「ポジショニングが顧客に正確に伝わるか」「ポジショニングが顧客に共感されるか」「ポジショニングに整合性があるか」を注意深く照らし合わせる必要があります。

T:Targeting(ターゲティング)

ターゲティングについては前述した内容が基本となりますが、ここで注目したい点が「市場ガバレッジ戦略」というやり方です。これは、標的となる市場をどの程度の範囲で設定していく役割を果たしています。

主な戦略スタイルは3つあります。1つ目は「フルガバレッジ(無差別型マーケティング)」です。市場セグメント間を無視して、製品・サービスを提供するやり方になります。主に、大企業向けの戦略で、豊富な経営資源で成すことが可能です。

2つ目は「差別型マーケティング」で、こちらは複数の市場セグメントを取り上げ、セグメントごとに異なる製品・サービスを提供します。

3つ目の「集中型マーケティング」は、1つまたは少数のセグメントに注目し、そのセグメントに経営資源を集中投資するやり方です。この手法は、ブランドイメージが確立されている企業はそれを武器にすることができ、様々な市場に切り込むことが可能です。

P:Positioning(ポジショニング)

『STPとポジショニング』において、ポジショニングの軸を設定する役割を持っていることに触れました。ここでは、どのような手順でポジショニングの軸を決めていくかについて見ていきます。

ポジショニングは、決定したセグメントの中にある対象製品やサービスの中で、特徴を表す属性を軸から決めていきます。そこから、製品の位置づけ・他社製品や自社既存商品との違いを的確に示し、肉付けしていきます。

手順としては「カテゴリ設定」「価値軸の創造」「ポジショニングマップ作成」「差別化の発見」という順番となります。ポジショニングマップは、視覚的に自社と他社を区別化させることで、そこから新しい価値軸を作り出せる手法といえるでしょう。

STP分析を失敗しないようにするための注意点

STPをする上で忘れてはいけないのが、顧客目線で考えることです。消費の多様化に合わせて、商品の選択が多岐にわたっている今、顧客目線で製品を作ることがデフォルトになってきています。

STPで得た情報は、それぞれ製品や企業の根幹になる情報となるので、顧客ファーストで情報を整えていくことが重要です。次に、STPの3つの要素はそれぞれの要素に作用していく特性があります。

セグメント決定において、そこから得た単体の情報に集中して捉えがちになりますが、あくまで単体の情報は分析情報の一要素に過ぎず、結果的に矛盾した内容となり、肝心の顧客ターゲットがブレてしまう恐れがあります。必ず3つの要素が論理的に適合させるようにしましょう。

また、ターゲットや市場の選定ができたとしても、必ずそれが正解とは限りません。市場成長の可能性やセグメント化した顧客の存在を常にリサーチし、可能性が低い場合は修正を施す必要があることを頭に入れておきましょう。競合他社のビジネスモデルの把握も忘れずに行いましょう。

STPまとめ

以上、STPについて解説しました。国内では、3C分析がメジャーとなっていますが、特に海外戦略において、STP分析は非常に重要な役割を担っています。STPのメリットは、対象顧客の範囲に関係なく、マクロ的視点で顧客のニーズを把握し、ターゲットを絞ることができます。

海外マーケティングでは、商品特性から価値を感じて貰うこと、かつ商品単価をベースに購買可能な顧客を絞り込むことが重要です。そうすることで、顧客の解像度を上げ、市場攻略をよりスムーズに進められることができます。

社内の開発会議でも、STP分析を取り入れて、競合他社に差を付け、今後のビジネススキルの向上に役立てていきましょう。チームの共通認識を常に確認していくのもSTP分析のコツです。

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