フリーミアムとは?その戦略と成功・失敗の事例も解説

フリーミアムとは?その戦略と成功・失敗の事例も解説

こちらでは、最近話題のビジネスモデルであるフリーミアムがどんな戦略なのかを紹介します。さらには、フリーミアムを使って成功した企業と、失敗してしまった企業について取り上げ、どのように実践することが大切なのかをくみ取れるように説明します。

フリーミアムとは?

フリーミアムとは、「フリー」という言葉が含まれていることからも推察できるように、無料で情報やサービスを提供して、集客をするビジネスモデルのことを言います。無料を武器にビジネスの成功に結びついた例は過去にも多くありますが、最近ではインターネットの普及により、同じ無料でも戦略の立て方が異なってきました。

今までの無料戦略では、無料であることはイコール大したものではないという概念が付きまとうようなサービスしか提供できないケースも多くあったことは事実です。ですが、最近では、提供される内容が非常に満足でき、しかも感謝さえしたいほどのサービスを提供するフリーミアムが可能になっています。

特にインターネットによる無料コンテンツは、量産することによるコストや物流にかかる運賃などがかからないため、フリーミアム戦略を行うのに適したサービスです。では、フリーミアムではどのように利益を出すことが可能なのでしょうか。

まず一つの方法として、無料のコンテンツを提供した後に、広告料などの形で収益を上げていくと言う方法で、特に広告業界、セミナーやコンサルタントを行っている会社で行えますが、まず自社のコンテンツなどを無料で提供します。そして、提供されるコンテンツの内容がよく、役立つ内容であればあるほど、多くの人に認識されるようになることでしょう。

このような段階に至ると、多くの人が使うことで広告料収入を得ることが可能になります。また、有用なコンテンツにより信用が高まっていることで、有料のセミナーなどを開催して収益を上げたり、より収益性のあるコンサルタントサービスの利用などに結びつけることができます。

フリーミアムで利益を出すためには、有料サービスを利用したくなるように、無料サービスとの線引きをすることが大切です。以前のフリーミアム戦略では、有料サービスと無料サービスでは、機能を制限することで成功をおさめた企業もありましたが、今では全機能を利用できるようにしているところが目立ちます。

ただし、使っていくうちに容量が足りなくなったり、かゆいところに手が届くサービスを望む人たちが、自ら望んで付加価値の高いサービスを求めるようになるという形で有料サービスに移行していることで収益を上げているようです。

フリーミアムは成功しているケースばかりではなく、失敗事例も報告されていますので、もろ刃の剣と言うことができます。成功に至るためには、満足感の高い無料サービスを提供するとともに、どうしても使いたい有料サービスの設定が必要になります。

フリーミアムの成功事例

こちらでは、フリーミアム戦略を効果的に使って成功した会社と用いた方法を考えます。それぞれの成功事例は、非常によく練られた戦略が関係していますので、エッセンスを学んで生かせるようにしたいと思うことでしょう。

(1)クックパッド

クックパッドは、料理のレシピを投稿・検索できるサービスを提供しています。そして、ユーザー自身がレシピを投稿できますし、レシピをフリーワードで検索できることが魅力となり、急成長している会社です。

クックパッドは無料でレシピの投稿や検索はできますが、有料会員となるとレシピを人気ランキングで表示したり、栄養やダイエットなど各分野の専門家の考案したレシピなどが検索できたり、検索項目もカロリーや調理器具別に表示できます。

そしてこれらの検索結果によるレシピは、紙ベースのレシピ本として販売され、人気となっています。このように、基本機能だけでも十分満足できますが、有料サービスを利用するとより満足感が高いことで成功を収めているようです。

(2)Spotify

Spotifyはスウェーデンの音楽配信サービスを提供している会社で、ストリーミングサービスの提供では世界最大級となっています。Spotifyでは膨大な数の楽曲を、無料会員であっても曲の最後までストリーミングで楽しむことができます。ストリーミングで聞くことができるので、ダウンロードの手間と機器に必要な容量を必要としない点で多くの会員を集めているようです。

有料会員となると、広告が流れずに曲が利けることと共に、高音質での再生やダウンロードしてオフラインで曲を聴くことができるため、こだわりのある人に人気です。有料会員の月額利用料もさほど高いものではなく、満足度の高いサービスであるため、利用者の約半数が有料会員となっていることは、成功を収めている証拠と言えます。

(3)Dropbox

Dropboxは、オンラインストレージサービスを手掛ける会社です。無料会員と有料会員とのサービスの差は使用できるストレージの容量の違いとしていますが、新規のユーザーを紹介すると、無料で利用できるストレージ容量を増やすという戦略でユーザーの数を急激に増やすことに成功し、その中で有料のサービスを気に入った人たちが有料会員になるケースが増加して成功を収めました。

実は、Dropboxは最初からこのようなサービスを提供していたわけではありません。初期のころは、ユーザーが検索した結果に基づいて広告を表示させるリスティング広告で収益を得ようとしましたが、成功には至りませんでした。ですが、柔軟に方針転換することにより成功を収めた良い事例となったようです。

(4)ChatWork

ChatWorkは、ビジネス向けのオンラインチャットサービスを提供する会社です。グループチャットのみならず、チャット上でのファイル、ビデオ通話や音声通話も可能で、タスク管理機能もあるため、ビジネス上での使用に非常に長けている点が人気の理由です。

無料プラントと有料プランの線引きは、グループチャットの人数制限やストレージ容量の制限というところでなされています。グループチャットの人数制限はされているものの、コンタクトが取れるユーザー数には制限が設けられていないので、無料で始めやすく、継続するのにも使い勝手が良い製品です。

そして、利用していくうちに有料プランが非常に魅力的にうつるように工夫されており、月額利用料も定額であるため、有料サービスに移行する人が多くなっています。

(5)Slack

Slackは、特にチームでのコミュニケーションを取るのに有用なチャットツールを提供している会社です。パソコンだけでなく、スマートフォンなどを介してのチャットも可能なため、ビジネスチャットツールとして人気です。Slackのプランで有料と無料の違いは機能制限にあります。

例えば、無料プランの場合、一対一でのチャットはできますが、複数でのグループチャットが出来なかったり、使用できる容量やメッセージの検索件数などにも制限がかかります。ですので、Slackの無料プランは体験版的なもので、利用しやすさを実感することで徐々に有料プランに移っていくよう促す戦略です。

とはいえ、有料版に移行する時期になると別のツールに流れてしまう危険もあるため、無料版でのサービスの提供が際立ってよいものであることが、成功事例となっている理由と言えるでしょう。

フリーミアムの失敗事例

成功事例も多く報告されているフリーミアム戦略ですが、残念ながら失敗に至った企業もあります。こちらではフリーミアムの失敗事例を2つ紹介しますが、失敗にも明確な理由があり、こちらからも多くのことを学べることでしょう。

(1)PANDORA

PANDORAはオンラインのパーソナルラジオサービスを提供し、のちには個々のユーザーの志向を判断しておすすめの楽曲をレコメンドとして表示させるサービスを行い始めました。PANDORAでは、月額料金を設定の上、10時間のストリーミングは無料というフリーミアム戦略で収益を上げようとしましたが、顧客には支持されませんでした。

サービス自体はよかったものの、有料サービスと無料サービスの線引きがうまくいかずに失敗してしまったようです。その後、無料のストリーミングの制限を撤廃して基本的なサービスはすべて無料とした結果、有料サービスを利用する人は激減しましたが、サービスの利用人数は高止まりしたため、広告収入が柱となるビジネスで成功に至りました。

(2)Chargify LLC

Chargify LLCは、中小企業向けに支払・請求管理ソフトを製造・販売する会社です。使い勝手の良いソフトを提供していることで支持を集めていましたが、一時期、こちらの会社では50人以上の顧客に請求書を発行する場合には課金し、それ以下の場合は無料でソフトを使えるというフリーミアム戦略を打ち出しました。

ですが、元々、中小企業向けと言うこともあり、有料サービスを利用するほどの顧客先を持たない会社が利用していたこともあって、有料プランに移行する顧客はいなかったようです。ほどなくして、無料プランを廃止し、顧客のニーズに合わせた複数の料金プランを設定することで、ビジネスが軌道にのりました。ターゲットとなる顧客のニーズを見極めることがビジネスの成功に至ることをよく物語っています。

まとめ

フリーミアムとは、無料で情報やサービスを提供することで、集客に結び付けるビジネス手法です。今ではインターネットの普及により、提供するサービスの質が変化し、無料で提供できる情報やサービスの質が高くなりました。

その理由は、インターネット上でやり取りされる情報やサービスには量産するコストや物流費などをかけなくてもよいからです。そのため、高い質のサービスを無料で使うことができるものの、その後の有料サービスに結びつけるためには、よく練られた戦略が必要となります。

成功事例で紹介した会社は、かゆいところに手が届くサービスを有料として成功し、失敗した会社はその逆で、無料サービスと有料サービスの線引きがあいまいでした。顧客のニーズをつかみきることが成否を左右することがわかることでしょう。

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