マーケティングで重要な「ペルソナ」を作成する時のポイントとメリット
ペルソナとターゲットの違い
企業は、自社の商品やサービスを利用してもらう為、ブランディングやマーケティングを行います。
その中でペルソナやターゲットを設定する事は、販売促進等を考える上で非常に重要です。
ターゲットとペルソナの違いは設定の細かさです。
ターゲットは、ユーザーを年代や男女、学歴や年収等で大きく分類するのに対し、ペルソナは年代も性別も職業も全てはっきりと決め、一人の架空の人物を想定します。
そもそもペルソナとは何か
ペルソナとは元々「仮面」や「役柄」を意味するラテン語で、企業等が商品開発を行う時に設定する架空の人物の事です。
実際本物のユーザーといっても色々な人がいて、どこに焦点を絞ってよいか分からなくなりがちです。
そこで企業は、住所や名前や年齢、性別から趣味、さらには細かい人物像まで作り上げたペルソナを作成し、その人格に感情移入する事で、企業側も具体的にユーザー像をイメージしやすくなり、優れたし製品の開発に結び付けています。
ペルソナの人物像を1人にする理由
何故ペルソナの人物像は1人にした方が良いかというと、カクテルパートナー効果があるからです。
カクテルパートナー効果とは、非常に騒がしいパーティーの中にいたとしても、自分に関する事や、自分が興味のある事は自然に耳に入ってくるという効果です。
これは自社の商品やサービスをユーザーに利用してもらう時にも当てはまります。
ターゲットを大きく広げて、不特定多数の人物にいくら自社の商品やサービスの素晴らしさを手当たり次第アピールした所で、ユーザーは中々耳を傾けてくれません。
そこでペルソナの人物像を1人にする事で、ユーザーは商品やサービスを見て、これは自分の為のものだと思い、耳を傾けてくれます。
ペルソナを作成するメリット
ペルソナを作成するメリットについてご紹介していきます。
共通認識を持つことが出来る
会社全体で1つの共通認識が出来るという点です。
ペルソナをあらかじめ設定しておけば、会社内でプロジェクトの関係者や別部門との間でも、はっきりとした人物像を共有する事が出来ます。
例えば20代男性サラリーマンという大まかなターゲットを想定した場合、そこから想像出来る年収や趣味はバラバラです。
その為無駄な作業が生まれたり、スケジュール通りいかなかったりと色々トラブルが起きる恐れがあります。
そこでペルソナという1人の代表的な仮想人格を設定しておけば、社内全体で共通のイメージを共有する事が出来、プロジェクトも滞りなくすすめる事が出来るというのは大きなメリットです。
時間やコストを効率よく削減する事が可能
ペルソナを設定しておく事で、狙う対象のユーザーがかなり的確になります。
その結果会社内でのプロジェクト方針もはっきりとし、社員全員がひとつの方向に向かって進む事が出来るというのは大きなメリットです。
方針がはっきりと決まっておらず、あいまいだと、それだけ無駄な作業は増えますし、余計な時間もかかってしまい非常に非効率です。
さらに他部署とも連携が上手くいかず、社員のモチベーションも下がる恐れがあります。
しかしプロジェクトの方針が明確に決まっていれば、無駄な作業はほとんどなくなり、本当に必要なアイデアだけに絞り込む事が出来るので、時間だけでなくコスト等も効率よく削減する事が出来ます。
ユーザー視点の精度が上がり、完成度が高くなる。
ペルソナを作成するメリットは他にもあります。それはよりユーザーが何を求めているかが分かるようになる為、商品やサービスの完成度をより高める事が出来るという点です。
沢山のデータや情報を元に作られたペルソナは、ある種1つの人格のようなものになります。
そのペルソナが何を求めているかを会社が一丸となって考えて製品やサービスを作るので、結果的に沢山のユーザーのニーズを満たす事にもつながり、商品やサービスの完成度も上がるというのも大きなメリットの1つとして挙げられます。
ペルソナを作成する時のポイント
いくらしっかりとしたペルソナを作成したとしても、社内で同じ共通認識がもてなければ何の意味もありません。
そこで、ペルソナを作成するときのポイントについて、ご紹介します。
出来るだけ担当者や関係者全員に想像しやすいようにするという事
そもそもペルソナを作成する大きな目的は、代表的なユーザーの人物像を社内の担当者や関係者全員でしっかりと共有するという事です。
その為、誰でもすぐにイメージをする事が出来る平均的な人物像である必要があります。何故なら一般の幅広いユーザーに向けて商品やサービスを開発しているからです。
そこで有効なのが、イラストや写真を使って外見まで考えてしまうという方法です。
どうしても文字だけだとイメージしにくいので、イラスト等でどんな顔立ちで体型をしているかまで作り上げると、認識度はより高くなります。
思い込みや先入観で、ペルソナを作ってはいけない
ペルソナを作成する時に気をつけなければならないのが、思い込みや先入観です。
どうしても自分達が元々持っている、こうであろうというようなイメージや、こうであってほしいというような希望を入れてしまいがちです。
しかしこれはやってはいけません。
何故なら一方的な思い込みや希望を入れて作ってしまうと、実際に商品やサービスを購入してくれるユーザー像とは大きなズレが生まれてしまうからです。
その為ペルソナを作成する際は、なるべく正確な情報を入手して作成する必要があります。例えばインターネット上の口コミや個人のSNSやブログ等からデータを収集すると良いですし、直接インタビュー形式等をとって意見を聞くという方法も有効です。
定期的にペルソナをブラッシュアップさせる
ペルソナは、実際に存在する人物像を想像して出来上がった仮想人格です。その為一度作成したらそれでもう完成という訳ではありません。
時代は常に流れており、常に新しい商品やサービスが日々生まれています。その環境下で生きていればユーザーの考えや行動が大きく変化するのも当然です。
その為常にユーザーの動向に目を光らせて、定期的にペルソナをブラッシュアップさせるというのもやらなければなりません。
そうしないとユーザーの気持ちとはどんどんかけ離れていってしまい、ペルソナが存在する意味はなくなってしまいます。
とにかく常に世の中の流れを見て、ユーザーと寄り添ったペルソナを作るという事を心掛けると良いです。
まとめ
ペルソナは年代も性別も職業も全てはっきりと決め、1人の架空の人物を想定します。
そうする事でユーザー像もイメージしやすくなり、より良い製品やサービスの開発が出来るようになり、ユーザーも耳を傾けてくれるようになります。
また社内全体でも1つの共通認識が出来、コストや時間を削減出来たり、商品やサービスの完成度を高められるというメリットもあります。
ペルソナを作成する時は、文字だけだとイメージしにくいのでイラスト等で人物像を作り上げると良いですし、自分達の思い込みや先入観で作らず、正しい情報やデータを元にして作成するように心がけ、さらに古くならないように常にブラッシュアップさせるという事も必要です。