ラウンダーとは?その魅力と必要なスキルを解説
近年、営業担当者に代わって店舗を巡回するラウンダーという仕事が注目を集めています。ラウンダーは時間の融通が利くため、子育て中の女性などフルタイムで働くのが難しい人でも活躍できる仕事です。
ここでは、ラウンダーの仕事内容と魅力、必要なスキルなどについて解説していきます。
ラウンダーとは?
ラウンダーとは、スーパーやドラッグストア、百貨店などを巡回して、自社商品の売り上げ向上を目指す仕事です。
営業は自社商品を取り扱ってもらえるように販売店の仕入れ担当者と交渉する仕事ですが、ラウンダーは自社商品を扱う店舗を巡回して販売をサポートする仕事です。
自社商品の売り上げ状況や他社商品との違いを自社に報告したり、店舗に対して商品の陳列方法やPOP作成などの提案をしたりします。
また、陳列場所の交渉や、新商品発売時における販売戦略の提案などをすることもあり、その仕事内容は多岐にわたります。
ラウンダーの平均月収は?
ラウンダーの求人はパートやアルバイト、派遣が中心です。
その給与幅は比較的広く、仕事内容や勤務地、経験などに大きく左右されますが、パートやアルバイトの場合の平均時給は1,100~1,200円程度です。
時給が1,200円で1日6時間、週5日勤務した場合の月収は144,000円程度となります。
また、派遣社員の平均時給は約1,500円で、1日6時間、週5日勤務した場合の月収は180,000円程度です。
なお、正社員の募集はパートなどと比べると少ないのが現状ですが、その平均月収は32万円程度となります。
ラウンダーの仕事の良い点とは?
ここまでは、ラウンダーの概要と平均月収を解説してきましたが、ラウンダーの仕事にはどのような魅力があるのでしょうか。ここからは、ラウンダーという仕事の良い点を3つ紹介していくので、一つずつ確認していきましょう。
①自分の企画で売り上げに直接貢献できるのがやりがい
ラウンダーの大きな魅力は、自分で考えた商品販売企画によって、商品や店舗の売り上げに直接貢献できることです。
同じ商品でも店舗によって提案すべき販売方法は異なるため、多角的な視点が求められますが、自分が考えた販売企画が成功したのかが売り上げとして表れるため、モチベーションを保ちやすく楽しみながら働ける仕事です。
初めは苦労することもあるかもしれませんが、ラウンダーはやりがいのある仕事がしたいと考えている人には最適な仕事と言えるでしょう。
②直行直帰の職場もあり自分に合った働き方ができる
ラウンダーは、子育てや介護などで忙しいという人でも働きやすい仕事です。基本的にシフト制の仕事ではないため、急な用事ができたときでも柔軟に対応してくれることも少なくありません。
職場によっては直行直帰できることもあり、自分の生活に合わせた働き方ができることが大きな魅力です。
また、営業職とは異なりノルマがないことが多く、原則一人で行動する仕事なので精神的な負担が少ないという特徴があります。そのため、家事や子育て、介護などと両立しやすい仕事と言えます。
③未経験可の求人が多い
ラウンダーは、未経験歓迎の求人が多いため、特別なスキルがない方でも応募可能です。
ラウンダーという仕事には、扱う商品に対する専門的な知識が必要となりますが、担当する商品や店舗によって求められる知識やスキルは異なるため、基本的に仕事をしながら習得しなければいけません。
そのため、応募時点での経験やスキルは問わないというケースが多いという特徴があります。
未経験でも応募できることに加えて、前述した自分に合った働き方ができることもあり、主婦に人気のパートとして注目されています。
ラウンダーの仕事の辛い点とは?
どのような仕事であっても、いい点ばかりではなく必ず辛い点があります。ラウンダーも例外ではなく、どのような点が辛いのかを把握しておくことは仕事選択において非常に重要です。ここからは、ラウンダーの辛い点について確認していきましょう。
①販売店担当者との人間関係に苦労するケース
ラウンダーは、自社商品を扱う店舗を巡回することになるため、多くの売場担当者や責任者とコミュニケーションする機会が多い仕事です。
担当する店舗は自分で決められるものではないため、担当する店舗に苦手な人がいた場合は、人間関係に苦労するケースが少なくありません。
どのような人にも相性が悪い人は存在しますが、コミュニケーションを疎かにしてしまうと、売り上げ向上につながらないため、苦手な担当者であっても上手く付き合っていく必要があります。
②様々な業務をこなす必要がある
ラウンダーの業務内容は、多岐にわたります。各販売店を巡回し、売り場確認や売り上げ状況の報告、売り場拡大や特設コーナー設置の交渉、陳列方法やPOP作成のサポート、販売現場での接客など、ラウンダーの業務は非常に多いという特徴があります。
職場や店舗によって求められる業務は異なりますが、基本的に様々なスキルが求められる仕事であり、一つでも苦手な業務があると辛いと感じることがあるという点は念頭に置いておきましょう。
③担当する商品によっては身体的にきつい場合もある
意外かもしれませんが、ラウンダーは体力勝負の仕事でもあります。基本的に外回りで、1日に何店舗も巡回する必要がある仕事なので、夏場や冬場のシーズンはつらいと感じることもあるでしょう。
また、ラウンダーは、売り場でPOPを設置したり商品を陳列したりするのも業務の一つなので、作業時間が長くなると身体的にきつくなることが少なくありません。特に、飲料系など重量のある商品を担当することになった場合は、その傾向が強くなります。
ラウンダーになるための必要なスキル
どのような仕事にも向き不向きがありますが、ラウンダーはどのような人に向いている仕事なのでしょうか。
ラウンダーの求人は未経験可のものが多いですが、応募時に備えておいた方が良いスキルは存在します。ここからは、ラウンダーになるために必要となるスキルについて紹介していきます。
①コミュニケーション力
ラウンダーに求められるスキルの中でも、コミュニケーション力は最も重要です。
前述したように、各店舗の担当者とともに売り上げ向上を目指す仕事なので、当然ビジネスマナーを心得ておく必要がありますし、初対面の人とも円滑な人間関係を構築する能力が求められます。
たとえ、売り上げを向上させるアイデアを持っていても、担当者とのコミュニケーションが不足してしまうと、売り上げに反映される可能性は低いと言えます。
また、実際の売り場に立って販売することもあるため、接客のスキルがあった方が良いでしょう。
②顧客視点
ラウンダーには、顧客視点も必要です。どのような売り場であれば消費者が思わず買いたくなるのかという視点で企画提案することは、商品の売り上げ向上には欠かせない要素です。
そのため、普段から買い物をする主婦は、顧客視点を備えているため、ラウンダーに向いていると言えるでしょう。
また、陳列やPOP作成のサポートも業務の一つなので、顧客視点だけでなく、売り場を目立たせるためのデザインセンスも備えていた方が好ましいです。
③情報を収集する力
コミュニケーション力や顧客視点以外にも、情報収集能力も重要なスキルです。各店舗に来店する消費者は、店舗の立地条件によって変わるため、扱う商品が同じでも店舗ごとに提案すべき販売方法は異なります。
そのため、まずは各店舗の来店者の傾向を把握して、その上で消費者が求めるニーズを調査し、それに合わせた企画提案することが求められます。
また、担当店舗が抱える課題やニーズを聞き取るためのヒアリング能力も求められるスキルの一つです。
まとめ
販売店舗を巡回し、商品の売り上げ向上を目指すラウンダーは、柔軟な働き方ができるため、子育てや介護などと両立できる仕事として注目を集めています。
業務内容は多岐にわたり、身体的につらいことも少なくないため、決して楽な仕事ではありませんが、営業力や企画力、交渉力など様々なスキルが身に付く仕事でもあります。
未経験でも応募できることも多いため、やりがいがある仕事をしたい方や、コミュニケーションが好きという方は、ラウンダーに挑戦してみてはいかがでしょうか。