ICTとは？基礎知識とITとの違い・活用例

ICTとは？

ICTとは「Information and Communication Technology」の略で、情報伝達技術や情報通信技術と訳されます。

もう少し詳しく説明すると、ネットワーク通信を利用して「ヒトとヒト」もしくは「ヒトとモノ」の間で情報をやり取りすることを指しますが、このワードに馴染みのない人であっても、知らず知らずのうちに使用しているはずの技術です。

私たちは、普段パソコンやスマートフォンを利用してメールやSNS、ネット通販などを利用していますが、これらは ICTの代表的な活用例です。なお、日本では、ITの方が一般的ですが、海外ではICTが広く普及しています。

ITとの違いは？

ITとは「Information Technology」の略称で、情報技術と訳されます。コンピューターやアプリケーション、インターネット通信などを総称するワードで、日本では2000年にIT基本法が制定された頃から頻繁に使用されるようになりました。

ICTとITは、ほぼ同じ意味のワードですが、ITはハードウェアやアプリケーション、通信技術といった技術そのものを指すのに対して、ICTはIT技術を使用して情報を伝達する方法や活用する方法を指すという違いがあります。

また、総務省ではICTを、経済産業省ではITを使用するといったように、省庁によって使用されるワードが異なります。

ICTの活用例

ICTは、現在日本が抱える諸問題を解決するものとして期待されており、一般企業のみならず、政府や地方自治体も積極的にICTを活用する事例が増えています。ここからは、教育・介護・防災の分野においてICTがどのように活用されているのかについて紹介していきます。

教育

教育分野では、PCやタブレット端末、電子黒板などの導入が進んでいます。これらを活用することで、従来の紙媒体の教材では難しかった、映像や音声を駆使した表現が実現できるため、子供たちにとって分かりやすく楽しい授業が行えます。

また、子供の学習意欲の向上や、板書をする必要がなくなることで授業の効率化も可能です。さらに、ICTを活用すれば、授業で使用する資料作成が簡素化でき、他の教員との資料共有が容易といったように教師にとっても大きなメリットがあります。

また、離島や山間部などの小規模な学校においては、Web会議システムを導入して遠隔授業を行うという計画も進んでいます。

高齢者のケア

介護分野におけるictの活用例としては、インターネットを利用して離れた場所にいる高齢者を見守るシステムが挙げられます。

このシステムは様々な企業がサービスを提供しており、家電製品やベッドなどにセンサーを取り付けて、それらの使用頻度から一人暮らしの高齢者の安否確認が行えるというものや、靴にセンサー及びGPS端末を取り付けて認知症患者の徘徊を家族などに通知するというものがあります。

また、介護記録をクラウド上で管理するシステムを導入することで、人材不足が叫ばれる介護従事者の負担を軽減したり、複数人での情報共有を容易にしたりすることが可能です。

防衛

防災分野も、積極的にictが取り入れられている分野です。実際に東日本大震災の際は、インターネット上のポータルサイトやSNSを利用して情報収集をしていた人が非常に多かったというデータも存在しています。

具体的な活用事例としては、総務省が普及促進しているLアラートというシステムが挙げられます。
これは、災害が発生したときに、地方公共団体やライフライン事業者が様々なメディアを通して、迅速な情報伝達を可能とするシステムです。

このシステムを利用することで、私たちは地方公共団体が発する避難情報や、携帯電話会社やガス会社、電力会社などのライフライン事業者からの情報を迅速かつ確実に受け取ることが可能となります。

まとめ

ICTは、「ヒトとヒト」「ヒトとモノ」を繋げることで様々な可能性を生み出すことを可能とする技術です。
ICTは既に様々な分野で活躍している技術ですが、少子高齢化の深刻化に伴って労働人口が減少する日本において、その重要性は今後益々高まっていくことが予想されます。

しかし、ICTに対する正しい知識を有している人は少ないかと思います。そのため、今後のICTが普及した社会に対応するためには、今のうちからICTに対する理解を深めておくことが重要です。