WEBマーケティングで重要となるトラッキングの目的や仕組みを解説
トラッキングは、Webマーケティングにおいて欠かせない技術のひとつです。頻繁に耳にするワードですが、詳しく理解している人は少ないのではないでしょうか。そこで、ここでは初心者にもわかりやすくトラッキングについて解説していきます。
トラッキングとは?
トラッキングとは、Webサイトを訪問したユーザーの行動を追跡・記録することです。トラッキングは、専用のツールを利用して行うのが一般的ですが、ツールを使用してトラッキングを行うには、ツールごとに存在するトラッキングコードをWebサイトのHTML中に設置する必要があります。
これにより、ユーザーのWebサイトへの流入経路や、広告クリックなどのサイト内での行動、閲覧したページ、閲覧時間といった情報を取得できるようになります。
トラッキングの目的
トラッキングを行うことは、Webマーケティングにおいて非常に重要です。例えば、ネット上に掲載したディプレイ広告やリスティング広告の効果を測るために利用されています。トラッキングによって、広告ごとの流入数を把握して、どの程度コンバージョンに貢献しているのかを判断することで、費用対効果の高い広告がどれなのかを把握できます。
また、自サイト内でコンバージョンに結びつきにくい経路を分析したり、離脱率の高いページを把握したりすることで、サイト改善に役立てることも可能です。
トラッキングの仕組み
トラッキングを行う目的の中でも、広告効果の測定を可能とするのがコンバージョントラッキングです。これは、Googleが無料で提供しているツールで、利用するにはGoogle広告の管理画面において、専用のトラッキングコードを発行する必要があります。
測定したいコンバージョンアクションは、トラッキングコードを発行する際に設定しておきます。発行されたコードをWebサイトやアプリ内に設置することで、ユーザーが指定したアクションを行った際に、設置したコードを介してコンバージョン数が計測されるという仕組みです。
コンバージョントラッキング導入のメリット
コンバージョントラッキングを導入するメリットとしては、前述したようにネット上に掲載したディプレイ広告やリスティング広告の成果を測れることです。特に、複数の広告を掲載している場合に有効で、どの広告が多くのコンバージョンに結びついているのかが容易に把握できます。
また、どの広告が費用対効果が高いのかを把握することも可能なので、広告掲載の予算配分に役立ちます。例えば、費用対効果の低い広告への予算を見直して、より多くの予算を費用対効果の高い広告へと割り当てるといったことが可能です。
さらに、コンバージョンに結び付きやすいキーワードを分析することで、それに合わせたコンテンツを増やすといった施策が行えることもメリットのひとつです。
加えて、コンバージョントラッキングを設定すると、Google広告のスマート自動入札機能を使用できるというメリットもあります。スマート自動入札とは、機械学習を使用してコンバージョン数やコンバージョン値の最適化を行って、自動入札が行われるという機能です。
ユーザー行動をトラッキングする方法
Webサイトへの流入経路などを分析できるトラッキングですが、近年注目を集めているのが、Webページ閲覧時の視線の動きを追跡するアイトラッキングという技術です。
ユーザーの視線情報を分析することで、より詳細なユーザー行動を把握できますが、ここからは代表的な2つの分析方法について解説していきます。
(1)ヒートマップ
ヒートマップとは、ユーザーがWebページのどの部分を注目して閲覧したのかをという情報を可視化する手法です。数値ではなく、サーモグラフィーのように色分けと色の濃淡で表示されます。
ユーザーが注目していた時間が長いほど赤く、短いほど青く表示されるため、一目でユーザーがどこを注目してWebページを閲覧していたのかを把握可能です。ユーザーの興味がある場所とない場所の把握できるため、現状のページのどこに問題があり、どこを改善すればよいのかというヒントを得られます。
なお、Webページ閲覧時の視線の動きは、マウスの動きとほぼ一致すると言われているため、マウスの動きを追跡することでヒートマップを作成するという方法もあります。正確な視線情報ではありませんが低コストなので、様々なツールが提供されています。
(2)ゲイズプロット
ヒートマップで得られるのは、ユーザーがどこに注目したのかという情報のみなので、どのような順序でページを閲覧したのかという情報は得られません。
一方で、ゲイズプロットは、ユーザーの視線がどこに集中しているのかを確認できるとともに、ユーザーの視線がWebページ内をどのように移動したのかという情報も得られます。
ゲイズプロットの最大のメリットは、ページ内に配置されたコンテンツ間の関係性が分かることです。どのような順番でユーザーがページ閲覧したのかが分かるため、何故視線がその場所に動いたのかを分析できます。
場合によっては、サイト運営者が意図しないような視線の動きをしている場合もあるため、コンバージョン率を高めるページレイアウト作りに活用できるという特徴があります。
まとめ
ユーザーの行動を追跡・記録するトラッキングは、Webマーケティングに欠かせない技術です。掲載した広告の効果を分析したり、Webサイトのアクセス解析したりすることで、効率的なマーケティングが可能となりますが、近年はプライバシーの観点からトラッキングの是非について議論されることも少なくありません。
ユーザーが不信感を抱いてしまうと、効果的なマーケティングは難しくなるため、トラッキングは適切に利用することが大切です。