売上を上げるクロスセルとは?重要なポイントと注意点を解説!

最終更新日 : 2020-01-22 Box

クロスセルとは、簡単にいうと顧客が自社の商品を購入したときに、他の商品を一緒に購入してもらうことを言います。顧客単価を上げて売り上げを上げることのできるマーケティング方式となっています。

クロスセルとは?

クロスセルとは、具体的にいうとユーザーが商品を購入したときに他の商品を買ってもらうことで売り上げを向上させる方法になります。

具体的な例としては、Webサイトで商品を購入したときに「この商品を購入した人はこんな商品も買っています」と表示されることがありますが、表示をすることによって販売を促すクロスセルになります。

昔のマーケティング手法は1人顧客の売上を伸ばすのではなく、顧客数を増やすことが中心でしたが、現在では顧客数を増やすのではなく、1人の顧客の売上を上げることを目的にしたマーケティング方法が活用されています。この方法はWebサイトを中心に、分野を問わず広く使われ始めているのが特徴です。

ただし、クロスセルを間違って使用してしまうとただの押し売りとなってしまうため、慎重な運用が求められます。

アップセルとの違い

クロスセルに似ている手法としては、アップセルというマーケティング方法です。アップセルは、商品の購入を検討している顧客に、より高いものを買ってもらうことを目的にしたマーケティング方法です。製品のバージョンアップや買い替え時により上位の製品やコースを勧めるのがアップセル です。

対して、クロスセルは購入後、または購入の意思がある顧客に対して行います。より高い価格の商品を勧めるのがアップセルで、クロスセルは商品を購入後などに関連商品を進めていくというマーケティング方法です。

両方とも非常に効果的な売上アップの方法に感じられますが、あまりしつこく勧めてしまうとどちらも押し付け感が強くなるため使いどころが重要な手法と言えます。

クロスセルの注意点

クロスセルは一見売上アップにつながる良い方法に見えますが、現実ではそう簡単にいかない手法でもあります。

効果的な方法に見えますが、必要なもの以外は購入したくないという顧客もいます。押し付け感が強いと、うまく売上がアップするどころか、顧客が企業に対して不信感を持ってしまうケースもよくあります。

良いと思った製品を選ぼうとしたところ、店員に別のものを勧められてしまうということが考えられます。必要のない機能のついた製品を提案されても、顧客は必要ないと思い購入する気分も低下することにつながります。

求められた機能がある顧客が満足できる製品を勧められるかということが重要です。強く勧められるのも、押し売りのように感じられてしまします。

顧客満足度が大事

クロスセルで大事なのは、あくまでも売上をアップさせるということではなく、最終的に顧客が満足してくれるかということを忘れないようにしておくことです。

売上単価アップばかりに目を向けてしまい、押し売りのようにアプローチをしていると、顧客は不信感を持ってしまい顧客離れにつながるケースは十分にあり得ます。

あくまでもクロスセルは、推薦という形で他の商品の購入を促して売上をアップさせるということが目的となるマーケティング方法です。それによって売上アップと顧客満足度を上げていくというスタンスを外れないように心げます。

顧客の気づいていない他の商品の価値や、購入することでメリットがあるということを顧客に伝えることで顧客満足度も向上していきます。

顧客視点で行動していくには?

クロスセルを行うときに必ず意識したいのが、顧客視点での行動です。

的確に他の商品を推薦するためには、顧客の基本的な思考を理解することが必要となります。顧客はどんな製品を求めているのか、どんな価値を見出して、どんなメリットを得たいの考えているのかをきちんと把握することによって、顧客が求めている製品を提案することができます。

その上で、関連商品を一緒に購入してもらうためには、関連商品を購入することで得られるメリットをわかりやすく提示していきます。このプロセスを経ることでクロスセルの成功率はアップします。

つまり、きちんとしたマーケティング戦略のもと顧客の調査・分析を行なって、最適なタイミングで行うということが重要です。

クロスセルに必要な3つのポイント

クロスセルを成功させるためには、3つのポイントがあります。その3つのポイントをきちんと行うことによって、クロスセルの成功率は高くなります。

ルールの最適化を実施

ルールが高い相関数値を出したとしても結果がうまくいかない場合もあります。そんなときには分析するデータやアルゴリズムを都度修正、最適化することがすることが必要です。

営業アクションの見直し方としては、クロスセルを行うタイミングは一般的に購入を検討しているとき、または購入してくれた瞬間に行うことがベストです。

顧客の視点に立って必要なものを考えることも重要なポイントです。顧客ニーズを考えることで、最適な商品を勧められます。必要のないものを勧めても結果に結びつくことはなく、押し売りとして信頼関係を損なう可能性もあります。

データ分析で得られたルールを生かすためには、集計を図って顧客数を増やしていくことも大切です。顧客数が増えればその分データが増えていき、次にクロスセルを仕掛けていくという仕組みを実施していくことも大切です。

アソシエーション・ルール

アソシエーション・ルールとは、パンとバターを購入した人は牛乳も購入する、といった一緒に購入する傾向の高い商品のルールを見つけ出すことを言います。一緒に購入する商品の組み合わせを知ることに因んで「マーケットバスケット分析」とも呼ばれます。

「もしAが発生したらBが発生する」というIF A THEN Bの条件分岐を行ってIF部分に指定されるアイテムを「条件部アイテム」、THEN部に指定されるアイテムを「結論部アイテム」として集計します。通常専用のデータマイニングツールを分析を行います。

分析結果には「リフト値」「支持度」「信頼度」に分けられて、ルールがどれだけ信頼できるか評価する指標となります。

信頼度はルール合致総数÷条件部総数(商品Aと商品Bを購入する顧客の割合)、支持度はルール合致総数÷顧客総数(信頼度の全顧客数の割合)、リフト値は信頼度÷(結論部数÷顧客総数)(信頼度が全顧客数のうち商品Bを購入した割合の倍数か)を計算することで指標になり、それをもとに判断することが必要です。

分析結果を戦略に活かす

このような精度の高いルールで分析できたら、クロスセル戦略へと提要されていきます。よく購入される商品の両方を並べて販売することによって、売り上げをアップすることができます。

分析は小売店や量販店、Webサイトなど様々な場面で活用することが可能です。分析によって売上と関連性の高いアクションが明確になって、必要なときに最適なタイミングで関連商品を勧められるようになり結果として、売上アップにつながっていきます。

Webサイトにおいても、他の顧客が購入した商品で関連度の高いものをおすすめとして表示させることで、広告の最適化が実施できます。

まとめ

企業成長の鍵は顧客の売上単価をどうやって向上させていくか、がポイントとなってきています。

近年では、少子高齢化や人口減少、競合他社の増加によって業種を問わず新規顧客を獲得することが難しくなっているのが現状です。

そのためいかに顧客1人の売上を向上させていくか、というのは企業を成長させる上で重要なポイントとなります。

新規顧客を増やすよりも、優良顧客に別の商品を勧めて購入してもらうというクロスセルは、既存の顧客を大事にしながらも顧客単価を増やすためには非常に有効な手段と言えます。

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