マーケティングを強化するDMPとは?基本と導入のポイント

最終更新日 : 2020-01-22 Box

ここでは、マーケティングツールの一つであるDMPについて、そもそもどういうものなのか、また何のために使われ、どのようなメリットや効果があるのかについて紹介していきます。マーケティングや広告活動をより効果的に行いたいと考えている人には参考になるでしょう。

DMPとは

DMPとはData Management Platformの略で、直訳するとデータを管理するためのプラットフォーム、つまりそのための基本的な仕組みやツールとなりますが、ここで言うデータとは自社の顧客に関する属性情報や行動特性情報などのことを指します。

どんな企業であっても顧客情報はある程度は管理されていることでしょうが、個別のマーケティング施策ごとに情報を管理してばらばらに活用を図るのではなく、複数のチャネルから得られる顧客情報をできる限り一元的に管理し、よりピンポイントで効果的な施策に活かすためのプラットフォームを指す用語となっています。

オープンDMPとは

オープンDMPとは、自社サイト以外の外部サイトが保有している顧客情報や行動情報のことで、パブリックDMPとも呼ばれます。分かりやすい例として、自社サイトを訪れた顧客が、外部のどのサイトを経由してやってきたのかとか、どんなキーワードで検索した結果自社サイトの存在を知ったのかというような情報が蓄積されているデータベースということができるでしょう。

まだ立ち上げ期にあるなどの理由により、自社サイト内で顧客に関する情報の蓄積が十分でない場合にはこのようなプラットフォームの活用が勧められますが、外部のものということはそれだけ追加のコストがかかることに注意が必要です。

プライベートDMPとは

プライベートDMPとはオープンやパブリックの逆で、自社で集められる顧客情報をマーケティングに活用しようとすることです。Webサイトを訪れた顧客の購買履歴、サイト内の閲覧履歴、ユーザー登録に基づく年齢や性別、住所などの属性情報、さらには実店舗への来店履歴や購買履歴なども管理しているのであればそれらの情報も含まれます。

既に自社内にある程度の情報があるということは、その顧客は少なからず自社に興味を持っているということでしょうが、それを後押しすることによってさらに高い売り上げを見込むというようなことが考えられます。

DMPのメリット

ここまでDMPのイメージを説明してきましたが、より具体的に、どのようなメリットが考えられるのでしょうか。これは、単に一般的なマーケティング活動を行うのではなくて、得られたデータを分析し、その結果に見合ったアクションを行うことでより高い効果を見込むことになります。

例えば過去に自社のAという商品を購入した顧客は、その後に自社のBという商品をよく購入していることがデータ分析から分かったとしましょう。となると、Aを購入した顧客に対して、例えばその1か月後にBを勧めるメールマガジンやダイレクトメールを発信するとか、期間限定でB購入時に使えるクーポンを配布するといったことが考えられます。

これは、あらゆる顧客に対してBを勧めるアクションを取るより費用対効果が高いことは間違いないでしょう。このように、顧客の一人一人に対してピンポイント的なアクションを取ることもできるようになるのがDMPの最大のメリットだと言えます。

DMP導入検討のポイント

DMPはおそらくどんな企業にも一定の効果はあるでしょうが、とにかく導入しさえすれば必ず劇的な効果を発揮するというようなものではありません。やはり、自社のマーケティングとの相性を考えることは必要になってきます。

(1) DMPを導入する「目的」を考える

どんな施策でもそうでしょうが、目的を考えることは重要です。自社のマーケティングで弱いところはどこで、どこを強みとして伸ばしていきたいのかといったことです。一つの例として、既に書いた内容にも含まれますが、いくらデータがあってもしっかりと分析を行わなければ宝の持ち腐れです。

Aを購入した顧客がその後Bをよく購入しているというようなことは、DMPさえ導入すれば自動的に分かるわけでは決してありません。分析して初めて分かる情報ですから、もし不安のある人はそのような分析をしっかり支援してくれるツールが充実しているものを選ぶべきでしょう。

(2) 目的に応じて種類を考える

DMPにはオープンとプライベートがありますから、目的に応じて種類を考えることも重要です。既に自社内にある程度十分な顧客情報が蓄積されているとか、複数のブランドを扱っている企業などはうまく自社内の情報を統合することで効果を見込むことも可能で、こういう場合はプライベートを利用すれば良いでしょう。

一方でまだ十分な顧客情報がないときはオープンを活用することになるでしょうが、その場合、どのような属性や特性を持った顧客が自社のどの商品に対する志向性が高いのかについては誰かが答えを出してくれるわけではなく、自分たちでしっかりと考えないといけないことは理解しておくべきです。

まとめ

DMPはうまく活用することで顧客一人一人にしっかりと向き合った、いわばオーダーメイド的なマーケティング活動を行うこともできるようになります。ただ、DMPはあくまでプラットフォーム、つまり基盤であり、データを蓄積し分析を支援するためのツールだというのは頭に入れておくべきでしょう。

最終判断は人が行う必要がありますが、統合されていないデータに頼って高度で複雑な判断を行うよりは非常に効率的だということは実感できるはずです。

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