アップルセルとは?売上を上げるための手法と注意点
ビジネスを始めたいと考えたとき、より成果や実績をあげるためには、顧客単価を意識していくことが大切です。また売り上げを上げたいと考えた場合、新規顧客を獲得することはもっとも重要で欠かせません。
新規の顧客をより多く獲得することが出来れば、企業への大幅な業績向上が見込め、簡単に売り上げを上げていくことが可能です。その方法に多く用いられているのが「アップルセル・クロスセル」という施策方法です。一体どのような方法なのか詳しくご説明致します。
アップルセルとは?
アップルセルとは、「消費者により高いものを買ってもらうこと」を意味した言葉です。一番の目的は、顧客当たりの売上単価を向上させることです。アップルセルを実施すれば、新しく出た製品や買い替え時などに、より価格の高い製品を購入してもらえることになり、購入する数量も増やせるなど、売り上げを大幅にアップさせることが出来ます。
アップルセルを達成させることが出来れば、顧客数を増やすだけでなく、総売上額をも増やせます。アップルセルによって利益の高い商品へと誘導することが出来れば、より効率的な利益向上策となりえるはずです。
アップルセルのポイント
営業で成功を収めるためには、いくつか注意しなければならないポイントが存在します。
ただ単純に高い製品を勧めているだけでは、「強引すぎる押し売り営業」とみなされ、信頼関係を損ないかねません。顧客に悪い印象を与えてしまうと、営業を成功させることからは程遠くなり逆効果です。
あくまで、アップルセルは顧客のニーズにしっかりと応え満足のいく結果をはたし、お客様の利益に直接つながることを前提に行うことが必要です。信頼関係を損なわないためには、高い製品を進める際に具体的な根拠を示すことです。
なぜ高い方を購入したほうがいいのか、より具体性のあるメリットやサービスプランなどをいくつか説明します。アップルセルをかける際には、顧客側の心理に上手く働くよう仕向ける工夫も大切です。
例えば、セット購入のほうがよりお得である、またはこっちの商品を買った方がコストパフォーマンスがいいと思えるような工夫です。メリットをはっきりと提示することで、顧客の意識を向けやすくなります。
メリットを提示する
ビジネスで成果をあげるには、顧客単価を増やすことを意識することが一番大切です。しかし、すぐに売り上げを増やすということは簡単なことではありません。営業する側が勘違いしやすいのは、営業する時のポイントをはき違えていることにあります。
いくら商品の機能性や便利さを強調しても、また会社に向けて貢献度をアピールしても、それらの行いは直接的に顧客の購入する意思決定へと繋がりません。
顧客にとって一番大切で重要なことは「金額を支払うことによって得られる成果や満足感」なので、顧客の要望や満足を与えるためには、これらのニーズにしっかりと応えるべく、効果的なアップルセルの営業に取り組む必要があります。
割安感を演出する
割安感を顧客に与えることはとても大切です。アップルセル営業により割安感を演出することができれば、長期的あるいは定期的な契約を結ぶことができます。例えば広告営業で、半年間の契約をしている顧客がいたとします。
その顧客に対し、半年ではなく年間契約をおすすめる方法のことです。まとまった年間での契約の方が、月々の支払い額がお得になり割引き率もアップしやすいなど、より広告単価を下げる効率のいいメリットを示すことで、顧客が長期契約に乗り換えやすくなるように仕向けることが出来ます。
初回購入価格だけを大幅に値引きしたり、お試し購入価格を割安にして販売するなど、はじめの値段だけを格安にして提供し、その後に長期契約を結んでもらう流れに仕向けるのもアップセルといえます。
タイミングを見極める
アップルセルの話を顧客に持ちかけるには、そのタイミングを見極めることも重要となります。人は一番初めに紹介された商品の印象が強く、その商品を実際に購入するかどうかを検討している場合が多いです。
そのタイミングで、お得な割引き情報や契約プランの提示などを行ってしまうと、まだその製品に対するイメージや特徴をよく理解していない段階なので、顧客が混乱に陥ってしまう恐れがあるからです。
今相手はどんなことを考えているのか、どのようなサービスを必要としているかなど、お客様の表情の変化に注意を払い、真摯な姿勢でコミュニケーションをとることが必要です。
アップルセルとは、購入者が購入しようとしている商品よりも高い価格帯の商品をすすめる販売方法で、クロスセルは購入者が購入しようとしている商品に関連する商品に対し、他の商品もすすめて一緒に購入してもらう販売方法のことです。
クロスセルとは
クロスセルとは、「消費者に他の商品とを併せて購入してもらうこと」を意味している言葉です。
商品の購入を検討している顧客に対し、買う商品と一緒に別の商品も同時に購入してもらうことです。通販サイトなどでは、よく「こちらの商品と合わせて買いたい商品」の紹介がでてくるなど、更に違ったものを買ってもらえるような工夫がされているサイトがあります。
飲食店などでもこのクロスセルは用いられていることが多く、例えば人気のメニューを一つだけ注文したとします。店員がそのお客に対し、さらに当店の自慢のメニューをすすめて、同時に購入してもらう方法です。こうしてクロスセルに成功すると、顧客を増やす以外で売り上げを向上させることが出来ます。
アップルセルを利用して単価を上げる方法
単価をしっかりと上げたいのであれば、どのような商品を提案するかが大切になります。一般的にアップルセル・クロスセルの施策がうまくいくには、その営業に対し信頼度と愛着が高いことがなにより重要です。
なぜならこれらの施策は、提案や顧客が明確なニーズを持っていないものを宣伝していく施策であるため、顧客の信頼度が低い状態であると悪い印象を与えかねないからです。
もしも顧客が価値を感じている要素を明確にすることができれば、その価値に沿った提案をすることが可能となり、施策が成功しやすくなり、売り上げ向上や商品の単価を上げるのに有効となるからです。
アップルセル・クロスセルの注意点
どちらも上手に行えば、非常に有効な売上アップ効果が期待できますが、現実にはそう簡単にいくとも限りません。押しつけがましい営業を行ってしまうと、かえってお客様に不信感を与えてしまうことになり悪影響となります。一番重要なのはお客が満足し納得することです。そこをはき違えてはいけません
まとめ
アップルセルとクロスセル、これらの施策をよく理解したうえで上手に営業に取り組んでいけば、大きな企業利益になるばかりか更なる発展へと展開していくことも可能となります。
何も売り上げを上げる方法は、新規の客を捕まえるだけではありません。アップルセルなどを友好的に活用して、高いビジネス力を展開していきましょう。