SEMとは?その意味とSEOとの違いについて解説

最終更新日 : 2020-02-07 Box

ここではマーケティング用語のSEMについて紹介します。SEMと似た用語にSEOがあり、両者は混同されることもありますが別の概念です。

一度理解してしまえばさほど複雑な話ではありませんから、この機会に基本的な知識を持っておきましょう。

SEMとは?

SEMとは「Search Engine Marketing」の頭文字を取った略語です。

マーケティング活動において、顧客がインターネットで自社商品に関連するような用語で検索した際に、何とかして目的とする自社のウェブサイトに来てもらうようにするための手法ということになるでしょう。

人によっては、それは即ちSEOなのではと思われるかもしれません。SEOはこの後で説明しますが、SEMイコールSEOではなく、SEMの中にSEOが含まれているというのが正しい概念です。

もう少し詳しく言えば、SEOに加えてリスティング広告を含めたものがSEMということになります。

なお、リスティング広告についてもこの後に説明しますが、要するにSEMはSEOとリスティング広告を合わせたものということで、より広い概念を指していることになります。

ちょっと複雑に思うかもしれませんが、それぞれの説明を読めば誰でもああそういうことかと納得できるでしょう。

SEOとは?

SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、直訳すると検索エンジン最適化となります。

これは、先ほどと同じように顧客がインターネットで自社商品に関連するような用語で検索した際に、自社のウェブサイトが検索結果の上位に来るようにするための手法を意味しています。

SEMの説明との微妙な違いを読み取って下さい。検索するところまでは同じですが、最終的に自社のウェブサイトに来てもらうための手法か、それとも検索結果の上位に表示されるかの違いです。

直観的に考えて、また自分自身のクリック行動でも分かるでしょうが、検索結果の上位に表示されたウェブサイトはクリックして訪れてもらえる可能性が高いです。

下位に表示されるサイトはなかなか訪れてもらえません。

そこでウェブサイトの作り方を工夫したり、外部の専門家の力を借りるなどして、とにかく検索結果の上位に表示されるように試行錯誤し努力することがSEOになります。

リスティング広告

ではリスティング広告とは何でしょうか。どういう意味で、顧客のインターネット上での検索行為においてSEOと並んで自社のウェブサイトを訪れてもらうための手法になり得るのでしょう。

これは、実際に何らかのキーワードで検索してみると分かるに違いありません。

何らかのキーワードで検索をかけた場合、純粋な検索結果とは別に、広告として表示されているものがあることに気づくはずです。

これがリスティング広告と呼ばれるものになります。

リスティング広告は純粋な検索結果よりも画面では上位に表示されていたり、あるいは右側の列にまとめて表示されていたりします。

よく見ると確かに広告である旨が表示されていますが、純粋な検索結果との区別は一見して困難で、検索した結果として表示されたのだと勘違いする人もいるでしょう。

しかしこれらは広告ですから、お金を払うことで表示してもらっているというのが単なる検索結果の表示とは大きくまた本質的に異なるところです。

SEMとSEOの比較

ここまでの説明を読めば、SEMとSEOの比較はだいたい分かったことでしょう。

顧客によるインターネット上での検索行為において、最終的に自社のウェブサイトを訪れてもらうためには、検索結果の上位に表示されるようにするSEOだけではなく、仮に検索結果では上位に表示されなかったとしても広告料を払って目につくところに広告を出し、それをクリックしてもらうという方法もあるということです。

実際にインターネット上で検索を行ったことのある人であれば確かにそのとおりだと自分自身の経験からも納得できることでしょう。

リスティング広告はお金がかかりますし、また広告を出すというのはある意味で古典的なマーケティング手法ですから、今のインターネットの時代ならではの対策であり、しかもお金をかけずとも一定の対策が可能なSEOにばかり注目が集まりがちという側面は確かにありますが、やはりそれだけでは十分な対策になっているとは言えないかもしれません。

SEMの具体的な使い方

ではSEMにはどのような具体的な使い方があるのかを説明していきましょう。

具体的な使い方を見ることでその特徴も見えてきますし、自社においてはどのような使い方が効果的なのか考えることもできるようになるはずです。

機会損失

SEMの中でもリスティング広告には機会損失の回避という意味合いがあります。

一般的に広告というのはそれを見て自社商品を購入してもらう目的もさることながら、単に認知度を高めるという意味合いで使われることも多いでしょう。

ですがリスティング広告の場合は、今まさにその商品が欲しいと思って検索という具体的な行動をしている人に直接訴求できるという、一般的な広告ではなかなか困難な目標を達成することができます。

その商品が欲しいと思ってせっかく具体的な行動まで起こしている人に対してタイミングよくアピールしないというのはもったいないことで、これを取り逃がしとか機会損失と呼びますが、リスティング広告によってそれを避けることができます。

検討段階

商品の種類によっては、思い立ってすぐに購入するようなものではなく、いろいろと比較検討したりする期間をおいた上で購入されることが普通のものがあります。

一般的には日用品や消耗品ではなく高額商品、耐久消費財や海外旅行などが該当するでしょう。

このような商品は、単純にSEO対策だけを行って検索結果の上位に表示させただけでは即購入に結びつくとは限りません。

1回の検索では顧客は検討段階に入っただけであり、1回のウェブサイト訪問では購入にまで至りませんから当然でしょう。

このような検討段階の長い商品を扱っている場合は、リスティング広告によって繰り返し訴求し、顧客を検討段階から次の段階に引き上げるようにすることが重要です。

SEO分析

SEMの中にSEOが含まれている以上、SEMの具体的な使い方としてSEO分析ももちろん外すことはできません。

いくらリスティング広告を活用するとしてもコストがかかりますし、このからくりを分かっている顧客にとっては広告はあくまで広告に過ぎないと気づかれてしまうからです。

やはり正統的な手法で、ウェブサイトの内容を工夫し、純粋な検索結果で上位に来るようにするSEO分析が重要であることに変わりはないということです。

なお、SEO分析ではやはり1位、せめて3位以内には入ることを目指すべきです。

それ以下の順位では、例えば10位から5位に上がったところで実際のクリック率のアップとしてはほとんど意味がなく、労多くして得るものがないからです。

まとめ

今やマーケティング活動もインターネットを抜きにして考えることはできないでしょう。

インターネット上でのマーケティング活動を考えた場合、SEOは最近ではある程度その必要性が認識されつつありますが、そのことだけを考えるのでは広い視野を持っているとは言えず、リスティング広告のことまでを視野に入れたSEMを考える必要があります。

SEMとはSEOとリスティング広告を足したもので、それぞれをうまく使い分けていくことが肝心だと言えるでしょう。

いずれも特徴があり、メリットもあればデメリットもあります。

自社で扱っている商品の特性と顧客の特性を考えた上で最適な戦略を編み出せるようになれば、インターネット上でのマーケティング活動も軌道に乗っていくことでしょう。

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