インサイドセールスとは?フィールドセールスとの違いやメリットを解説

最終更新日 : 2020-02-13 Box

自社の商品やサービスの顧客を獲得するためにも、多くの企業で行われているのが営業です。営業というと社外に出向いて各地を回るイメージを持つ方も少なくありませんが、新たな営業の形も登場しています。

今回は、新たな営業の形であるインサイドセールスについて紹介します。

インサイドセールスとは?

そもそも、インサイドセールスとは一体どういうものなのか、言葉だけだと今一つ理解できないという方もいるでしょう。

インサイドセールスというのは、社外に出て行うのが主流だったセールススタイルとは異なり、内線電話やメールなどの遠隔通信機器を駆使して社内から効率的にセールスしていく方法です。

従来の社外に出る営業方法である外勤(フィールドセールス)だと、お客様を直接訪問する必要があるという都合上、スムーズに営業が進まないことも少なくありませんでした。

一方でインサイドセールスであれば、時間や場所に制限が出ることはなく、内勤でいつでも行うことができます。

内勤のため営業コストの削減も期待されており、さまざまな企業から関心を集めている営業方法です。

インサイドセールスの目的

内勤で行えるインサイドセールスを導入する目的はさまざまですが、中でも最大の目的といえるのが効率の良い営業形態の実現でしょう。

フィールドセールスの場合だと、訪問先が顧客となるかどうかが不明な状態で行くことになるため、訪問したはいいものの結局無駄に終わってしまったという徒労が少なからず存在します。

フィールドセールスを行うのは人間ですから、顧客を獲得できない状況が続くと生産性が下がってしまったり、事業成績に悪影響を及ぼしたりする事態に陥ってしまうことも少なくありません。

効率の良い営業形態を実現する上でのインサイドセールスの役目は、フィールドセールスで確度が高いと判断できた契約してもらえそうな見込み顧客に対して、メールや電話でアプローチすることです。

そうすることで、フィールドセールスを行っている人員が何度も訪問する必要がなくなるため、新たな訪問先へ次々と営業活動が行えるようになり、生産性の向上にも繋がっていきます。

フィールドセールスとの違い

インサイドセールスとフィールドセールスの違いは、内勤活動か外勤活動かという点です。

従来の営業方法であるフィールドセールスで可能なことは、臨機応変で質の高い商談です。

直接新規顧客獲得に向けて顧客のもとを訪問する上、提案書に沿って進行していきます。そのため、インサイドセールスのような電話やメールなどでの営業とは違い、より顧客の意見を踏まえながら商談を進めていることが可能です。

顧客からすると信用性も高く、より質の高い商談が実現可能となりますが、一方で顧客との関係性を築くためのブレイクタイムや次の訪問先へ移動するまでの移動時間など、アポイントメント外の時間がかかり、その分無駄なコストも生まれてしまいます。

インサイドセールスは、フィールドセールスと違いそのような無駄なコストを省くことが可能です。

インサイドセールスの歴史

日本でもインサイドセールスが注目されるようになったのは、インターネットの発展が大きく関わっています。

従来の営業の基本は、自分の足で稼ぎ、顧客と直接会うことによる関係性を重視するというものでした。

インターネットが普及していない頃、企業がどんなサービスや商品を提供しているのか、それを知る方法としてはセールスマンからの説明が主なものだったため、フィールドセールスが主流となっていました。

しかし、現在は場所を問わずインターネットでさまざまな情報を収集できる時代となっています。わざわざセールスマンから提案書を持って一から説明しなくても、顧客が興味を持てば事前に情報を仕入れていることも多いです。そのため、より手軽に説明できてコストも削減できるインサイドセールスが導入され始めました。

日本と海外の違い

インサイドセールスはインターネットの普及とともに導入され始めた営業方法のため、世界的にも認知度は高いです。

しかし、日本と海外ではインサイドセールスに対する認識などが違う点も数多くあります。

日本よりも先に海外の方がインサイドセールスを導入している企業が多く、特に欧米はインサイドセールスの割合が高く、今後もさらに増加していくことが予想されています。

欧米でここまで普及した理由は、日本とは違うセキュリティ状況が関係しており、何よりもゲートキーパーの有無が非常に大きいです。

欧米の場合、見込顧客がいる企業の代表に電話すれば、上位の代表者の氏名や直通のコールナンバーを気軽に伝えてもらえることも少なくありません。

日本では代表者の連絡先を聞こうとすると、確実な情報だと確認できない限りはゲートキーパーによってブロックされるため、電話番号を知ることは難しいことです。

これだけでは欧米の方が手軽そうにも思えますが、欧米では電話番号を入手できても、本人が電話に応答してくれるかが大切になります。

本人が電話に出なければ営業は進まないですから、連絡先さえ入手できれば確実に商談まで進められる日本とは大きく違う点といえるでしょう。

インサイドセールスのメリット

移動などで無駄な時間が出来てしまうなど、さまざまなデメリットを持つフィールセールスとは違い、インサイドセールスはメリットが数多くあります。

インサイドセールスのメリットとは一口に言っても、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。

(1)少人数で成果をあげられる

インサイドセールスは電話やメールなどオンラインを駆使した遠隔通信で営業できるため、少人数で成果を上げることができるというメリットがあります。

例えば、同じ人数でフィールドセールスとインサイドセールスが可能とする営業件数を比べたとき、移動時間なども含むためフィールドセールスは回れる件数に限界があります。

一方でインサイドセールスは内勤で無駄な時間をかけることもないため、より短時間で多くの件数にアポイントメントを取ることができ、同じ人数でも多くの営業を行うことが可能です。

(2)人材を有効活用できる

フィールドセールスのデメリットとして、一日で多くの距離を移動するという点が挙げられます。

当然ですが長距離を歩いて移動していると、足腰だけでなく体にも疲労がたまってしまいます。

しかし、その疲れをセールス場面で出すわけにはいかないですから、できるだけ体が若く、体力もある人材が求められていました。

そのため、社内で余裕のある人材をフィールドセールスに割り当てようにも、体力があまりない女性やシニアの方々に任せることは難しく、人材を有効活用できない場面も少なくありません。インサイドセールスは、フィールドセールスのように長距離を移動する必要はなく、必要なスキルは電話やメールでの営業スキルのみです。

大企業なら余った人材の能率的な配置が可能となったり、中小企業やベンチャー企業の場合にも少数でありながら強力な営業組織づくりをすることができるようになったりと、規模は違えど企業にとって大きなメリットをもたらします。

(3)営業の効率化

従来のフィールドセールスだけでは、すべての見込顧客のもとへ訪問するのは非常に非効率なもので、多大な時間を要していました。

インサイドセールスで見込顧客へアプローチすることができるようになれば、フィールドセールスの負担も減り営業の効率化が図れます。

インサイドセールスのまとめ

インサイドセールスは従来のフィールドセールスとは違い、非常に効率の良い営業方法といえます。

今までのフィールドセールスは見込顧客への訪問だけでなく、関係性を築くためのブレイクタイムや次の訪問先へ行くまでの移動時間など、無駄な時間が発生していたため、コストもかかる上に営業効率も下がってしまいます。

インサイドセールであれば、そのような時間やコストを削減することができ、営業をオンライン上で行えるようになるため、営業の効率が良くなるというメリットがあります。

しかし、インサイドセールスだけではセールスポイントが上手く伝わらないなど、ちょっとしたトラブルが発生してしまうことも考えられるため、上手くフィールドセールスと併用していくことが大切となります。

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