リード獲得のためのホワイトペーパーとは?メリットや作り方のポイントを解説します!

最終更新日 : 2021-05-31 Box

近年、BtoBビジネスにおいて、注目を集めているマーケティング施策のひとつにホワイトペーパーがあります。

ここでは、初心者向けにホワイトペーパーの概要とメリット、実施する際のポイントなどについて解説していきます。

ホワイトペーパーとは?

ホワイトペーパーとは、直訳すれば白書となりますが、もともとは政府や公的機関が発行する報告書のことを指します。英国政府が発行していた報告書の表紙が白であったことから、ホワイトペーパーと呼ばれるようなりました。

しかし、マーケティング分野においては、企業の製品やサービスに関連した役立つ情報をまとめた資料のことを指すことが多いです。

例えば、製品やサービスの概要や導入事例、顧客が抱える課題への解決策、業界の動向などが挙げられます。また、他社の製品やサービスとの比較や、自社が開催したセミナーや展示会の報告といったものも含まれます。

以前は、パンフレット形式で配布することが多い傾向がありましたが、現在は企業のWebサイト上においてPDF形式で無料配布されるのが一般的です。

ホワイトペーパーの目的

ホワイトペーパーは、自社の製品やサービスが優れていることを顧客にアピールするために作成されるカタログやチラシ、フライヤーなどとは性質や目的が異なります。

一般的には、顧客にとって有益な情報を提供して、リードの獲得や、顧客との信頼関係の構築、購買行動につなげるといった目的で制作されています。

例えば、リード獲得を目的とする場合は、市場の動向に関する情報や、課題解決のためのノウハウといった内容が適しているでしょう。

また、製品やサービスを選定している段階の顧客を獲得したい場合は、他社との比較情報や導入事例紹介といった内容を提供するのが一般的です。

このように、ホワイトペーパーの内容は目的によって変える必要があるため、まずは何を目的とするのかを明確にすることが大切です。

ホワイトペーパーと営業資料の違い

マーケティング分野におけるホワイトペーパーとは、顧客にとって有益な情報をまとめた資料全般のことを指します。

営業資料と何が違うのか分からないという方も多いかと思いますが、営業資料が企業側の視点で記述されているのに対して、ホワイトペーパーは顧客の視点で作成されているという違いがあります。

また、商品やサービスの概要や機能、料金といった情報を提供する営業資料は、すでに自社の商品やサービスに関心・興味を抱いており、購入や利用を検討している顧客を対象にしています。

一方、顧客が抱えている課題や悩みを解決するための情報を提供するホワイトペーパーは、購入や利用を検討していない顧客を対象にしているという違いもあります。

ホワイトペーパーのメリット

ここまでは、ホワイトペーパーの概要と目的について解説してきましたが、実際に制作することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。

ここからは、代表的な4つのメリットについて解説していくので、ひとつずつ確認していきましょう。

1.リード情報を獲得できる

初めに挙げられるメリットが、リード情報を獲得できることです。現在、ホワイトペーパーは企業のWebサイト上において無料配布されるのが一般的ですが、顧客は無料でダウンロードできるのと引き換えに、氏名や企業名、役職、メールアドレスなどの情報を登録する必要があります。

このような形式で配布することで、企業はリード情報を獲得できる仕組みとなっていますが、わざわざ個人情報を登録してまでダウンロードするということは、自社にとって有力な見込み顧客であると言えるでしょう。

また、獲得したリード情報は、その後のマーケティング施策に活かすことで成果につなげることが可能となります。

 

2.顧客の判断基準になる

次に挙げられるメリットとしては、見込み顧客の判断基準になることが挙げられます。一般的に、見込み顧客はいくつかのステージに分類されますが、各ステージによって見込み顧客の興味の度合いは変わります。

そのため、適切なマーケティング施策を行うためには、見込み顧客のステージがどこにあるのかを知ることが大切です。

ホワイトペーパーを配布する際に、各ステージの顧客に向けた内容のものを制作しておけば、そのダウンロード状況から見込み顧客のステージを判断できます。これにより、顧客が持つ興味の度合いを知ることができるため、適切なマーケティング施策につなげることが可能となります。

3.サービス選定時の基準になる

顧客に有益な情報を提供して信頼を得ることができれば、サービス選定時に自社の製品やサービスを選んでもらえる可能性が高まると言えるでしょう。

4.リード育成ができる

ホワイトペーパーは自社のWebサイトなどに掲載して、閲覧を希望する人にユーザー情報を登録してもらうことでダウンロードを許諾するのが一般的です。

これによりリード情報を得ることができますが、ホワイトペーパーはリード育成に活用することも可能です。

例えば、メールマーケティングなどで添付する資料として活用することで、自社の商品やサービスに対する関心や興味が薄い顧客を受注の可能性の高い顧客へと育成できます。

ホワイトペーパーの種類

ホワイトペーパーと一口に言っても、提供する情報によっていくつかのパターンに分けることができます。

ここからは、ホワイトペーパーの代表的なパターンについて確認していきましょう。

1.課題解決

現在、発行されているホワイトペーパーの多くは、課題解決型と呼ばれるタイプです。

多くの顧客が共通で抱えている課題をテーマとして扱い、課題の要因分析や具体的な解決策、事例紹介といった情報を提供するタイプのホワイトペーパーで、最終的に自社商品やサービスの紹介につなげます。

課題解決型のホワイトペーパーは、特にニーズが顕在化していない顧客に対して有効で、課題を通じて自社商品やサービスへの興味や関心を喚起することが可能です。

なお、自社商品・サービスの紹介をする際は、その全てを紹介するのではなく扱うテーマに関係した部分のみをピックアップして紹介する必要があります。

2.レポート・アンケート調査

自社商品・サービスに関連する分野の実態調査や研究結果、消費者の意識調査、自社で実施したアンケート結果などをまとめたものが、レポート・アンケート調査型のホワイトペーパーです。

レポート・アンケート調査型のホワイトペーパーに対するニーズは高く、多くの企業がこのタイプのホワイトペーパーを提供しています。

なお、このタイプのホワイトペーパーに記載される情報は古くなるため、定期的な再調査を行って情報をアップデートする必要があります。

3.入門ガイド・比較資料

数あるパターンのホワイトペーパーの中で最もダウンロード数が伸びやすいとされるのが、自社商品やサービス関連のノウハウを初心者向けにまとめた入門ガイドです。

ダウンロード数は伸びやすいものの、わかりやすい内容にする必要があるため制作難易度が高く、外注も難しいとされています。

また、他社との比較によって自社商品・サービスの有用性をアピールするのが比較資料です。

商品やサービスの選定段階の顧客を対象としたホワイトペーパーで、他社との違いを紹介することで自社商品・サービスの購入を促すことができます。

4.チェックシート

チェックシート型のホワイトペーパーは、商品やサービスの導入にはどのような準備が必要なのかをセルフチェックできるシートや、自社の現状を把握するための診断シートなどのことを指します。

エクセルなどで手軽に作成できるので制作難易度は低めですが、具体的に商品やサービスの検討を進めている顧客や、目的が明確な顧客をターゲットとしているためダウンロード数はあまり伸びません。

しかし、ユーザー満足度は高いとされているので制作する価値は十分にあります。

5.事例紹介

実際に自社商品・サービスを導入して課題を解決した事例を紹介するのが、事例紹介型のホワイトペーパーです。

実際に自社商品・サービスを導入した企業に対して取材を行い、導入に至った経緯や導入によって得た成果、今後の展望、お客さまの声などを掲載します。

制作に手間はかかるものの、実際の成功事例やリアルなユーザーの声は、商品やサービスの検討段階の顧客の多くが求める内容です。

そのため、事例紹介型のホワイトペーパーはダウンロード数が伸びる傾向にあり、上記した課題解決型のホワイトペーパーと併せてダウンロードされるケースも多いです。

ホワイトペーパーの作り方の流れ

上記の通り、ホワイトペーパーには様々な種類がありますが、まずターゲットの設定を行い、次にテーマ・構成を作成し、最後にコンテンツの作成を行うといった流れで作るのが一般的です。

1.ターゲットの設定

ホワイトペーパーを作成する上で、まず行う必要があるのがターゲットの設定です。

業種や部署などによって求める情報や関心を持つ内容が異なるため、誰をターゲットにするのかを明確にした上で作成しないと、どれだけ時間をかけたとしても顧客に読んでもらえない可能性が高まってしまいます。

また、業種や部署だけでなく、年齢や性別、役職といった部分まで明確にしておくことで、内容にブレがないホワイトペーパーを作成することが可能です。

2.テーマ・構成の作成

ターゲットの設定が完了したら、ターゲットが求めているであろう情報や抱えている可能性が高い課題、自社が提供できるノウハウなどをリストアップします。

そして、リストアップした候補の中から自社の商品・サービスとの関連性が高く、顧客の興味や関心を惹くようなテーマを絞り込んでいきましょう。

テーマが決定したら、次に構成について考えます。テーマ決定後、いきなりコンテンツの作成に取りかかるのではなく、まずは目次を作成してホワイトペーパーの全体像を掴むことが重要です。

この段階で、顧客が読みやすい流れになっているか、購買意欲が高まるような流れになっているのかを確認しておくことで、効率的にホワイトペーパーを作成できます。

なお、課題解決型のホワイトペーパーの場合、課題についての説明を行った後に、課題の要因分析、課題への解決策へとつなげ、最後に自社商品・サービスの紹介を行う構成にするのが一般的です。

3.コンテンツの作成

ホワイトペーパーの構成が固まったら、いよいよコンテンツを作成していきます。

コンテンツを作成する際は、必要に応じて図や表を適切に使うとともに、専門用語をできるだけ使わないことを意識することで分かりやすい内容にすることができます。

5パラグラフの法則

上記の通りホワイトペーパーを作る場合、コンテンツの作成の前に構成について考えることが重要ですが、ホワイトペーパーの構成は、論文やエッセイを書く際に使われる5パラグラフの法則を応用した構成を採用するのが一般的です。

1.イントロダクション

イントロダクションには、顧客の興味を惹き付けることと、流し読みをする方のために要約を提示することの2つの役割が求められます。

ホワイトペーパーを閲覧する顧客のほとんどは、この資料を読んで何が得られるのかを最も気にするので、イントロダクションでは閲覧することで顧客にどのような利益をもたらすのかを端的に示す必要があります。

また、顧客の中にはホワイトペーパーを流し読みする方も少なくありません。

そのような方は、まず冒頭と末尾に目を通してから本文を読むかどうかを判断することも多いので、イントロダクションで要約を掲示して結論部分の一部を見せることで、全文を読む価値があるホワイトペーパーであることをアピールすることが大切です。

2.問題提起

顧客が抱える課題や悩みを掘り下げることで、顧客自身が気付いていなかった課題を認識させたり、共感を呼び起こすことで顧客との距離を縮めたりすることを目的としたのが、問題提起のパラグラフです。

このパラグラフで顧客を惹き付けることができれば、ホワイトペーパーからの離脱を防げるとともに、その後に記載する内容に対する納得感を高めることができます。

そのため、このパラグラフに記載する内容はできるだけ具体的なものにして、顧客に自分のことを分かってくれる企業だと思わせることが大切です。

3.解決策

解決策のパラグラフでは、文字通り問題提起のパラグラフで掘り下げた課題や悩みに対する解決策を提示します。

提示する解決策に説得力を持たせるためにも、論理的な文章にすることが求められますが、調査や実験の結果に基づくデータを提示したり、事例を交えたりすることで顧客の納得感を高めることができます。

また、近年では強い印象を与えるために、解決策を淡々と記述していくのではなく、ストーリー仕立てで説明するストーリーテリングと呼ばれる手法が使われるケースも少なくありません。

4.商品・サービスの情報

前パラグラフで提示した解決策を実現する手段として自社の商品やサービスを紹介するのが、このパラグラフの役割です。

ただし、このパラグラフではターゲットの購買ステップに応じて、自社商品・サービスをどの程度アピールするのかを調整する必要があります。

例えば、購買ステップが認知段階のターゲットに対しては、自社商品・サービスを使うメリットや導入事例などを紹介するのが有効ですし、比較・検討段階のターゲットに対してはスペックなどの細かな情報を提供したり、他社と比較して優れているポイントを紹介したりするのが効果的でしょう。

5.結論

結論は、ここまでの内容をまとめたパラグラフです。

イントロダクションの解説でも触れましたが、顧客の中にはイントロダクションと結論だけに目を通す方もいるので、これら2つのパラグラフだけでホワイトペーパー全体の内容を理解できるように工夫する必要があります。

また、このパラグラフでは提示した解決策が何故最適なのかを分かりやすく明示することが大切で、結論だけで顧客を納得させるような文章にすることが求められます。

ホワイトペーパーを作成する時の注意点

ホワイトペーパーを作成する上でまず注意すべきなのは、押し売りにならないようにすることです。

自社商品やサービスへの想いが強いあまり、メリットについて過度にアピールしてしまうケースは少なくありませんが、顧客に押し売りのイメージを持たれてしまうと購買意欲は下がってしまいます。

ホワイトペーパーは営業資料とは異なり、顧客の課題や悩みを解決するための資料であることを念頭に置いて作成しましょう。

加えて、専門用語を多用しないことも重要です。ホワイトペーパーを求める方の中には専門知識を持っていない方も多いため、専門用語を使いすぎると顧客に分かりにくいという印象を持たれてしまいます。

そのため、誰が読んでも理解できる文章にすることが大切で、どうしても専門用語を使用する場合は注釈を付けるなどの工夫が必要です。

ホワイトペーパーは外注すべき?

ホワイトペーパーは、自社で内製することも外注することもできますが、外注した場合の相場は1本あたり10~30万円ほどとなっています。

そのため、企画者やデザイナー、ライターなどのリソースが確保できるのであれば、まずは内製してみるのが良いでしょう。

加えて、リソースを十分に確保できる場合、平均で1カ月ほどの制作期間を要する外注よりも短期間で制作可能です。

一方で、十分なリソースを確保できない場合は外注を選択しましょう。リソースが十分でないにもかかわらずホワイトペーパーを作成した場合、時間がかかりますし高い完成度は期待できません。

また、顧客にとって有益な専門知識を有しておらず、クオリティ面に不安があるのである場合も外注がおすすめですが、外注する場合のホワイトペーパーのクオリティは費用に比例する傾向があるので、予算や求めるクオリティに応じて外注先を選択することが大切です。

ホワイトペーパーマーケティングのポイント

ホワイトペーパーマーケティングを成功させるには、単に制作して配布すれば良いというわけではなく、大きく3つのポイントを押さえる必要があります。

いずれも非常に大切なポイントとなるため、ひとつずつ確認していきましょう。

1.ホワイトペーパーの魅力

ホワイトペーパーは、どのような内容であっても良いというわけではありません。たとえ数多く制作して配布したとしても、その内容が顧客にとって魅力的でなければ、成果につながる可能性は低くなってしまうでしょう。

一般的に、魅力的と言われる内容としては、顧客が抱えるニーズや課題を解決するノウハウ集や、具体的な導入事例、業界の動向を調査したレポート、最新のトレンド情報などが挙げられます。

これらに共通するのは、自社の製品やサービスをアピールする内容ではなく、あくまで顧客が求めるであろう情報であることです。そのため、ホワイトペーパーを制作する際は、まずターゲットを明確にして、その人たちがどのような情報を求めているのかを知ることが重要です。

2.ホワイトペーパーの露出の仕方

顧客にとって魅力的なホワイトペーパーを制作することは、成果につなげるための条件のひとつですが、それだけでは不十分です。顧客にとって魅力的であることと同じくらい重要なポイントが、その露出方法です。仮に、魅力的な内容を記載したものを制作できたとしても、数多くの人の目に触れる機会がなければ意味がありません。

そのため、露出の仕方についても十分に検討する必要がありますが、その方法のひとつに特定の業界向けに運営されているホワイトペーパーダウンロードサイトを利用することが挙げられます。

このようなサイトでは、様々な企業のホワイトペーパーが掲載されており、多くのユーザーがアクセスするため、より多くの人に対してリーチすることが可能です。

3.ホワイトペーパーで獲得したリードをどのように成果につなげるか

ホワイトペーパーを配布することで、リード情報を獲得できることは前述した通りですが、リード情報を獲得しただけでは成功とは言えません。顧客にとって魅力的な内容を記述して、適切な方法で露出させれば、一定のリード情報を得ることは可能です。

しかし、一般的にホワイトペーパーで獲得できるリードは、潜在客であることが多く、直ちに成果につながることは稀です。

そのため、リード情報を獲得しただけで満足するのではなく、獲得した情報をマーケティング戦略やフォロー戦略などに活かして成果につなげていく必要があります。つまり、制作段階において、獲得したリード情報をどのように活かすのかという計画を立てておくことが成功のポイントということです。

まとめ

現在、BtoBビジネスにおいて、ホワイトペーパーはリードの獲得などに有効な施策となっています。この施策を行うことにより、リード情報が獲得できたり、顧客の判断基準としたりすることが可能ですが、この施策を始めるハードルは比較的低いため、どのような企業でも実践できるでしょう。

しかし、ホワイトペーパーは、自社の製品やサービスをアピールするだけでは成果につなげることはできません。そのため、顧客にとって有益な情報とな何かを精査して、より魅力的な情報を記載する必要があります。

また、露出の仕方を検討したり、獲得したリード情報をどのように活かすのかをあらかじめ計画しておいたりすることも、施策を成功させるポイントです。

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