ハインリッヒの法則とは?小さな問題でもしっかり解決すべき重要性を解説

最終更新日 : 2020-02-26 Box

ハインリッヒの法則は、労働災害などで良く用いられる用語です。ここではハインリッヒの法則について説明していきます。

ハインリッヒの法則とは?

ハインリッヒの法則は、米国の損害保険会社で働く安全技術者のハーバード・ウィリアム・ハインリッヒという人が1928年に発表をした法則です。

5000件以上にも及ぶ事故例の統計をとった結果、1つの大きな事故の背景には29の小さな事故があり、またその背景には事故のまでは至っていないけれども300以上のヒヤッとするインシデントが隠れているということです。

「ハインリッヒの災害のトライアングル」とも言われ、「1対29対300」という重大な事故における経験値を数字で表しています。

ハインリッヒの法則と関係性が深い例

ハインリッヒの法則と関係が深いのは、まず交通事故や労働事故などです。大きな事故を防ぐための、日々の安全活動に活用されています。

また医療現場や介護など、人の命を預かる現場においてもハインリッヒの法則が当てはまり活用される法則です。実際の事故だけではなく、ビジネス上の危機管理や日々の安全チェックなどにおいても活用されていて、大きな事故や経営破綻につながる前の、小さな事案を見逃さないために活用されています。

クレーム対応

企業においてクレーム対応は、うまく行わないと顧客や取引先などから信用を失う可能性があります。信用を失うと会社全体の運営状況が悪くなって、最悪破綻することも考えられます。

会社の経営自体に大きな影響を受ける恐れがあるようなクレームが出たとき、それまでにクレームに関するトラブルが29件あり、その前にも小さな不満や苦情が300件くらい届いていたのではないかと考えるのはハインリッヒの法則です。

小さな苦情や不満を見逃したり安易に片付けたりしていたために、もっと不満がたまって本格的なクレームとなり、それにもしっかりと耳を傾けずに根本的な改善までせず、周囲にも知られるような大きなクレームに発展したという法則です。

「小さな苦情や不満をしっかりと受け止めて対応していれば大事に至ることはなかった」と後悔することがないよう、小さなクレームにもしっかりと対応し、改善するべきことはしていくようにすることが大切です。

交通事故

交通事故に関しては、誰にでも当てはまることで、人の生死にかかわることでもあります。車を運転する方も自転車や徒歩の人も、ヒヤッした経験に合ったことがある人は少なくないでしょう。

ヒヤッとした場面には、周囲をちゃんと見ていなかったとか疲れていたなど何らかの原因があります。

それらの一つ一つの小さな要因がヒヤッとした経験を生み、その経験をもとに安全に心がけていないとちょっとした事故になり、それがまた大きな事故を呼ぶということにつながるので、過去のヒヤッとした経験をいつも胸に持ち続け、一つ一つの要因をできるだけ取り除いて安全運転に心がけることが大切です。

医療現場

医療現場は人の生死にかかわる現場なので、ハインリッヒの法則を活用することはとても重要です。医師や看護師の人員不足と労働条件の悪化で起こる過労などが医療ミスや患者さんの対応を悪くする可能性があります。

また患者の様子で変わったことを見つかったときに、すぐに何らかの対応を取らなかったので患者の命が危なくなったなどのこともあるでしょう。小さなミスがいくつか重なると重大な事故になるというハインリッヒの法則を常に念頭に置いて、日々の業務を行わなければいけないのが医療現場です。

まとめ

ハインリッヒは5000件もの事故事例の統計を取って「1対29対300」という数字を割り出しましたが、実際に何か事が起きた時に、「そういえばあの時あんなことがあった」「あの時にちゃんとしておけばこんなことにはならなかった」というようなことは誰にでもよくあります。

だから交通事故や労働現場、医療現場だけでなく、世界中で生きている人誰もが、1対29対300とまではいかなくても、小さな問題を解決し見逃さずに一つ一つ解決していくことが大切で、人とのコミュニケーションや日々の生活を円満にしていくための秘訣といえます。

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