データの分析で注目が集まるBIツールとは?代表的なサービスも紹介!
現代社会では多くの情報が飛び交い、これを利用することでさまざまなことが可能になっています。一方で、情報量が膨大化する傾向にあり、情報の取り扱いに注意を要する時代となりました。
この情報化社会を効率よく乗り切るツールとして、BIツールに注目が集まっています。
情報処理での飛躍的進化が期待できるBIツールとは
BIツールのBIとは、英語のビジネスインテリジェンスのスペリングの頭文字をとったもので、企業活動において毎日蓄積されていく膨大な情報を分析し、その分析結果をもとに企業活動へと活かすことを言います。
このBIの作業を効率よく行うために用いる、あらゆるコンピュータシステムのことを総称してBIツールと呼んでおり、たった一つの特定のコンピュータツールを指しているわけではないのが特徴です。BIツールによる分析結果は、企業の経営意思決定にも反映されます。
BIツールの歴史とその変遷とは
BIツールの歴史をさかのぼると、すでに1970年代から始まっており、コンピュータシステムにおいてはかなり早い段階から、情報処理に対する対処方法が検討されてきたことがわかります。
情報システムにおいて、経営を考える経営情報システムという言葉も生まれており、コンピュータシステムを使って経営が行われていくであろうという考えはあったものの、当時のコンピュータ技術が追い付かないという状況にありました。
1990年代は過渡期となり、経営とコンピュータの知識を有する専門家だけが使いこなせていた時代です。
ようやく2000年代に入って成熟期を迎えたのは、Microsoft社のWindows98が爆発的に広まり、パソコンを使いこなせる人が増えたことによって、特別な専門知識がない会社の社員たちが活用できるようになったことで、汎用化していったと考えられます。
BIツールに求められる目的と果たす役割とは
BIツールを利用する目的は、企業経営において集められる膨大な量の情報を収集することと、その情報が活用可能かどうかを分析することです。
ただ情報を集めるだけではなく、使える情報を判断するのもBIツールを利用する目的と言えます。分析結果を元に、適切に活用できる部門で利用することによって、さまざまな情報を社員全員が共有し、仕事がやりやすくなるという役割を果たします。
つまり、BIツールが情報を集めて分析した結果を各部門で活用できれば、コンピュータシステムに詳しい人からそうでない人まで、等しく情報を知ることができるだけでなく、仕事の効率もよくなるのが特徴です。
コンピュータに関する知識がなくても、会社が導入したBIのシステムツールさえ使いこなせれば、誰もが同じ仕事を同じようにこなせるため、人による仕事の偏りをなくす役割も担っていると言えます。
BIツールを導入して利用することのメリットとは
BIツールを導入することで、膨大な量の情報を収集できるだけでなく、その分析をおこなって分析結果を得ることができます。人によってこれらの仕事をおこなうと、非常に多くの時間を要するのに対し、コンピュータシステムであれば短時間でやってのけることが可能です。
情報の分析をコンピュータシステムに任せることのメリットは、人がおこなうとどうしても感情が入り込むのに対し、コンピュータにはそれがないことです。情報を集めて客観的に分析し、その結果を出してくれるため、経営意思決定において人の感情をさしはさむ確率がぐんと低くなります。
BIツールを利用する人の心理としても、膨大な情報を分析した結果から出てきたデータであることから、データに対する安心度が非常に高く、不安を感じることなく仕事を進めていけるという、心理的なメリットも生み出すのが特徴です。
目的やシーンに応じておすすめのBIツールは異なるのが特徴
BIツールとは一つのコンピュータツールではなく、経営意思決定にメリットをもたらすシステムの総称です。したがって、利用する部署や利用目的によって最適なBIツールは異なります。目的に沿ったBIツールがありますので、適したものを選ぶのがおすすめです。
検索エンジンの最大手が送り出すGoogle Data Portal
検索エンジン最大手と言われるGoogleが提供するBIツールで、無料で利用できるところが大きなメリットです。今や世界中にユーザーがいることから、グローバルな企業展開をしている会社ほど、社員全員が使いこなせるBIツールになると言っても過言ではないかもしれません。
Googleが提供するスプレッドシートなどのサービスとの連携もスピーディで、分析結果の数字を見える化させる、グラフへの可視化ができるところも特徴となっています。
複数の人たちで情報を共有できる他、必要な情報だけを取り出すことができるため、顧客に見せたい情報と社内でだけ見たい情報とにわけて、分析結果を活用できる点も大きな強みです。
コンピュータ時代を作ったMicrosoft社のPower BI
現在のコンピュータ時代を作りあげた先駆者と言っても過言ではない、Microsoft社が提供するBIツールです。こちらもパソコンにソフトをインストールすることによって、無料で使えるツールとなっています。
Microsoft社が手掛けるBIツールだけあって、ExcelやSalesForceなど、Microsoft社のツールで作ったデータソースとの相性がよいのが、最大の特徴です。
また、接合できるデータソースは数百もの数に及ぶことから、他のツールでもデータを見ることが可能なのは、非常に優れた点となっています。
表計算ソフトとしてExcelを使い慣れている場合、使い勝手のよいBIツールとなるのも特徴です。データを簡単に整理できますので、データを元にグラフや表を作成し、見やすくしてくれるのも、使い勝手の良さにつながっています。
マルチなデバイスに対応するQlik Sence Cloud
今やパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などさまざまなデバイスが登場し、活用されています。このBIツールの最大の特徴が、データベースを介することなく複数のデータソースを、さまざまなデバイスに取り込むことが可能な点です。
デバイスへのデータソースの取り込み方法も、ドラッグアンドドロップのみの、非常に簡単な操作で済むことから、データの取り込み作業を億劫に感じないという精神的なメリットももたらしてくれます。
取り込んだデータはそれぞれのデバイスで活用でき、スマートフォンやタブレット端末で利用する場合に、適した視覚化に変えることが可能です。
パソコンでは見やすい視覚化データも他のデバイスでは見づらいといったことがなく、デバイスごとに対応してくれる点で、非常に優れたBIツールとなっています。
デザイン性に優れているTableau
見た瞬間にすぐに理解できるビジュアルの良さから、デザイン性に優れた視覚化で分析したデータを見ることができるのが、Tableauの最大の特徴です。
優れたデザイン性によって可視化された情報は、データの把握はもちろん、わかりやすさという点で優れているため、データを元に分析する時間が短縮できるのがメリットとなっています。
情報をグラフ化するための作業は、ドラッグアンドドロップの簡単な作業でできるとあって、グラフ作りの時間短縮及び、作成への精神的負担を大きく軽減してくれるのもメリットです。
それぞれの会社に合わせたカスタマイズが可能となっており、ダッシュボードの作成も柔軟におこなえます。
モバイル向けのオンラインアプリも用意されていますので、出先でのスマートフォンやタブレット端末で利用できるとあって、商談などで力を発揮するBIツールです。
500以上のデータソースと接続可能なDOMO
接続できるデータソースは何と500を超えるというのが、DOMOの特徴です。500を超えるデータソースと接続できるとあって、プラットフォームとしてデータを集約するには、まさに最適なBIツールとなります。
あらゆるデータを一つにまとめて利用できるため、部署別や部門別にBIツールを使い分ける必要がなくなり、まさに全社員での情報共有が可能な、会社にとってオンリーワンのBIツールとなるのが、最大の特徴です。
グラフを作成するカードという機能があり、これを用いることで、自動的にモバイルデバイスへとデータが最適化されるのも、使いやすさにつながる要素です。
このカードは種類が豊富で、1つのカードからさらに細かくコンテンツをわけてカードを作成することもできるとあって、多角的な分析がしたい時に、多くのコンテンツを必要とする場合に役立ってくれます。
活用してみてその良さがわかるBIツール
パソコンはもちろん、スマートフォンにタブレット端末とさまざまなデバイスを用いるようになった今、誰かに見せるという目的で、情報を活用するシーンも多くなりました。共有と提供という、2つの目的のどちらにも使えるBIツールは、使ってみることでその良さを実感できるのが特徴です。
企業経営において、情報は非常に重要な財産となるだけに、これをいかに効率よく活用するかが大きな課題となっている現代社会では、まさに必要不可欠なツールとなったと言っても過言ではありません。
データの収集に時間がかかり、その分析にさらに時間がかかっているようでは、厳しい経営競争に打ち勝つことはむずかしいとあって、自社に適したBIツールの導入が、会社の命運を握る時代になったと言えます。