マーケティング活動において重要なMQLとは?

最終更新日 : 2020-03-17 Box

どのようなビジネスであっても、見込み客を獲得することは非常に重要ですが、見込み客にも種類があります。ここでは、マーケティング部門において最も重視すべき見込み客であるMQLの概要をSQLとの違いとともに解説していきます。

MQLとは?

MQLとは、Marketing Qualified Leadの頭文字をとった略語で、企業のマーケティング活動によって創出する優良な見込み客のことを指します。優良な見込み客とは、購買意識の高い顧客のグループのことです。なお、通常の見込み客や潜在的な顧客は含まれないことに注意しましょう。

一般的に、MQLは展示会や資料請求などによって獲得した見込み客に対して、メール配信といった様々なマーケティング活動を行い、購買意欲を高めていくことで創出されます。

この顧客の購買意欲を高めていく活動は、マーケティング用語ではナーチャリングと呼ばれていますが、この活動の過程において絞り込まれた購買意欲の高いグループがMQLとなります。

なお、購買意欲の高いグループを絞り込むのは、MA(マーケティングオートメーション)のスコアリング機能を用いるのが一般的です。

MQLを数多く創出することは、企業の利益向上につながるため、マーケティング担当者にとって非常に重要な存在と言えます。

SQLとは?

MQLを正しく理解するためには、関連性の高い用語であるSQLについても理解しておく必要があります。

SQLとは、Sales Qualified Leadの略語で、営業やビジネスシーンにおいては引き合いと呼ばれることも多い用語です。いわゆる営業案件のことで、個別訪問やテレアポ、資料送付といった日々の営業活動によって獲得した見込み客のことを指します。

SQLは、日々のプッシュ型の営業によって獲得した営業案件であるため、顧客のニーズが顕在化しており、購買意欲が明確になっています。また、具体的な数量や予算、納期などが決まっていることも珍しくないため、商談のペースが早く、比較的短い期間でクロージング(顧客との契約締結)まで至るのが特徴です。

一方で、営業によって付加価値を付けることは難しいという側面があります。加えて、商談のイニシアチブは顧客側にあるため、競合他社が存在する場合は値引き合戦に陥りやすい傾向があります。

MQLとSQLの違いは?

前述したように、SQLはニーズが顕在化しているため、商談ペースが早く、クロージングまでの期間が短いのが特徴です。

一方でMQLの場合、ナーチャリング前の段階ではニーズは顕在化しておらず、予算や納期も未定であることがほとんどです。丁寧なナーチャリングが不可欠となるため、クロージングまでに時間がかかってしまうという特徴があります。

しかし、ナーチャリングを丁寧に行っていくことで、自社の商品やサービスへの理解度や信頼度を高めることができるため、効率的に商談を進めることが可能です。加えて、付加価値を付けた提案を受け入れてもらいやすくなるというメリットもあります。

このように、MQLとSQLはそれぞれ異なりますが、企業の利益を向上させるには、どちらも重視しなければいけない存在です。

MQLが持つ役割

ここまで、MQLの概要とSQLとの違いについて解説してきましたが、購買意欲の高い顧客を創出することで、企業はどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。ここからは、MQLが持つ3つの役割について解説していきます。

(1)リピーターになる確率が高い

丁寧なナーチャリングによって創出したMQLは、自社の商品やサービスに対して興味を抱いているため、クロージングに至る可能性が高まります。加えて、購入後にリピーターになる確率も非常に高いというメリットがあります。

企業にとって、リピーターの数を増やすことは利益向上に欠かせない要素のひとつです。たとえ、売り上げが十分にあったとしても、新規顧客を開拓するために多くの費用をかけていては利益向上にはつながりません。そのため、企業にとっては、MQLを創出してリピーターを確保することが非常に重要となります。

(2)営業効率が上がる

企業にとってMQLを創出することは、効率的な営業活動につなげることができます。獲得した全ての見込み客に対して営業活動をするような体制は、無駄も多く非効率的であると言えますが、顧客の購買意欲を高める活動をした上で営業を行うことで、営業活動を効率化させることが可能です。

(3)フィードバックが得られる

MQLは、自社の商品やサービスに対して信頼を寄せてくれていることが多いため、質の良いフィードバックが得られます。

顧客からのフィードバックは、企業にとって問題点を改善するヒントとなりますが、MQLは本音で問題点を指摘してくれることが多いため、アンケート調査などでは収集できないような貴重な意見を得ることが可能です。

そのため、MQLからのフィードバックをもとに、商品やサービスの改善を実施すれば、顧客満足度を高めることができるでしょう。

MQLとSQLの連携で営業力を強化する

企業が利益の向上を図るには、MQLとSQLのどちらか一方だけを重視するのではなく、互いに連携させることが重要です。これらの連携とは、マーケティング部門と営業部門の連携を指します。

2つの部門の連携が円滑でない場合、マーケティング部門ではMQLの創出に力を注ぐ一方で、営業部門では短期間で成果につながりやすいSQLを追及することが多くなってしまいます。その結果、互いの良さを活かすことができないという事態に陥ってしまうでしょう。

マーケティング部門と営業部門の連携を円滑にして営業力を強化するには、顧客情報の共有が欠かせません。

顧客情報がない状態で、マーケティング部門からMQLが受け渡されたとしても、営業部門としては対応に困ってしまうでしょう。また、マーケティング部門としても、どのような顧客情報が欲しいのを知っておく必要があります。

加えて、それぞれの役割分担を明確にしておくことも重要です。マーケティング部門では、購買意欲の高い顧客を慎重に選定し、営業部門へと引き継ぐ必要がありますし、営業部門では商談がスムーズに進められる要素をマーケティング部門へと伝えて、顧客の選定がしやすくすることが求められます。

このように、2つの部門が連携することで営業力は自然と高まっていくと考えられます。

まとめ

見込み客の中でも購買意思の高いグループを指すMQLは、マーケティング部門においては最優先で創出すべき存在です。MQLを創出するには長い期間を要しますが、丁寧にナーチャリングをしていくことでクロージングに至る可能性が高まります。

また、単にクロージングに至る可能性が高いだけでなく、リピーターになる確率も高い存在でもあり、良質なフィードバックを与えてくれます。

そのため、企業を成長させていくためには、MQLを創出することが非常に重要となりますが、それだけでなく営業部門が獲得するSQLとの連携も不可欠です。

それぞれの存在を連携させることは営業力の強化につながりますが、それを実現させるにはマーケティング部門と営業部門が顧客情報を共有したり、役割分担を明確にしたりすることが重要です。

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