3C分析とは?マーケティング分析方法のやり方を解説!

最終更新日 : 2020-03-24 Box

3C、という言葉を聞いたことがありますか?今の日本は良いものを作れば売れる、という時代ではなくなり、自社の環境や自社を取り巻く環境を分析したうえでマーケティング活動に取り組む必要があると考えられています。

その際に必要なのがこの3Cを使った分析です。

3C分析とは

これは今では多くの企業から注目を集めています。ここではその3C分析についてご紹介します。

そもそも3Cとは何を表してるかというと、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの「C」を取って3Cと呼んでいます。

この3つの分野を分析することは、事業計画やマーケティング戦略の決定時に大いに役立つと言われており、元々はマッキンゼーの経営コンサルタントだった日本人・大前氏が自著の中で3C分析を提唱し、世界的に広く知られるようになりました。

大前氏の自著では、市場・顧客、自社、競合の3つの異なる視点で分析していくことは、企業戦略を立てるうえでとても大きな効果があると解説されています。そして、この3つの異なる視点の関係を戦略的三角関係と呼びます。

実はこの3C以外にも4Cや5Cと呼ばれるものもあり、様々なバリエーションが存在しており、3CにChannel(流通)を加えたものが4C、Collaborators(協力者)とContext(背景)を加えたものが5Cと呼ばれて言います。

ただし、あまり対象を広げてしまうと更にコストや時間、手間がかかりますのでまずは3Cでやってみてから、必要があれば4Cや5Cを活用してみるという方法が望ましいでしょう。

3C分析が必要な理由

では、なぜ3C分析が必要なのでしょうか。ビジネスにおいて顧客との良好な関係を築くことは基本の基本であり、この良好な関係を築くためにこの手法が有効かつ必要であると考えられています。

この方法は外部環境や競合の状況から事業の成功要因を導き出し、事業の成功を導くためにも用いられます。これを行うことで、事業の方向が明確となり、いくつもある方法の中から最も効果的なやり方に集中し、顧客に選ばれ続けることが可能となります。

顧客に選ばれ続けるということ、それはイコール売り上げの増加や目標の達成が出来るということに繋がっていきます。また、この作業を進めていくことで自社の強みと弱みも明確となるというメリットもありますが、それ以外にもそもそもこの作業を行うためにはその目的も明確にしなければなりませんので、必然的に考え方や情報の整理まで出来るという点が最大のメリットです。

このようなことから3C分析を行う意義は十分にあるでしょう。

3C分析のやり方

では、早速具体的なやり方について説明していきます。まず最初は、市場・顧客分析のやり方です。この作業を行うああってまず最初にやることは、マクロ環境とミクロ環境の2つの視点から必要な情報を集めることであり、この作業から進めていきます。

マクロ環境とは、自分達ではコントロールできない外部要因によって与えられる環境のことを指しています。

例えば、法律改正や規制緩和などの政治的な要因、株価為替の変動や原材料の高騰といった経済的要因、時代の変化に伴う人口分布や家族構成の変化等の社会的要因、新技術や新しいサービスが生まれるという技術的要因といった4つの要因があると考えられており、この観点を用いて分析を行います。

これらの要因は政治:Politics、Economy:経済、Society:社会、Technology:技術の頭文字をとってPESTと呼ばれています。

そして、ミクロ環境とは、マクロ環境よりも内側の自分達が属している環境のことを指しています。買い手の交渉能力、売り手の交渉能力、新規参入企業の脅威、代替品の脅威、競合との敵対関係といった5つの観点から自分を取り巻く環境を分析していきます。

この5つの観点はファイブフォースと呼ばれており、業界における競争環境の厳しさを知り、該当市場がビジネスにおける利益確保の可能性を把握するために使われています。このような2つの環境の視点を元に、市場・顧客のニーズの変化を探し出していきますが、この作業をしっかりと行うことは、次の競合分析を行うための大切な準備となります。

3C分析の重要なポイント

ここで、一つ重要なポイントをお伝えしておきます。実はこの3C分析は行っていく順番が非常に大切と考えられており、順番を間違えると効果的な結果が期待できなくなりますので注意が必要です。必ず市場・顧客から始め、次に競合、そして最後に自社という順番で分析を行うようにしていきましょう。

市場・顧客分析

なお、この最初のポイントである市場・顧客分析における市場や顧客の変化に注目していくことについてですが、これがどの項目よりもまず最優先で取り掛かるべき項目となります。ビジネスでは最初に自分たちの立ち位置である市場を知っておかなければ、自社だけでなく競合の強みや弱みを評価していくことは出来ません。ここでは市場や顧客のニーズの変化に着目することが大切です。

ここでは先ほどのマクロ環境とミクロ環境に加えて顧客分析も行い、その変化をしっかりと分析していきましょう。具体的には市場規模や成長性、顧客ニーズなどの顧客の購買意欲や購買能力の変化がその対象となります。

競合分析

次に、競合分析についてですが、ここでの一番の目的は競合が市場の変化に対してどのように対応しているかを知るということです。

3C分析において、競合分析は競合企業のビジネスの結果と、その結果を出せた理由に注目して作業を進めていきます。競合企業のビジネスの結果では、結果そのものと結果を出したリソースに着目します。結果そのものについては、その企業の売り上げ・営業利益・コスト・広告宣伝費を含む販売にかかる費用すべてに着目をしていきます。

つまり、ビジネスとしての結果をどれくらい出したかということです。そして結果を出せた理由については、資産に注目し、ビジネスに資産がどれだけ効率的に使われているかを評価していきます。

ここでは一人当たりの売り上げ高はもちろん、一店舗当たりの売り上げ高についてもしっかりと確認しておく必要があります。これらを踏まえて、どうやって結果を出してきたのかその出し方について考えていきます。

具体的には製品の開発・仕様・製造工程・販路・物流・マーケティング・営業・サポート体制等、関連するあらゆる仕組みを調査したり、売り上げや高い効率化を挙げた仕組みや仕掛けを見つけていくこととなります。そしてその仕組みや仕掛けについて評価していくことが、この競合分析でとても大切なポイントです。

自社分析

そして、最後に行う作業の自社分析です。これまで行ってきた市場の変化と競合企業の市場の変化への対応・追従を踏まえ、自社との比較を行っていきます。

自社分析を行いながら、競合企業の仕組みや仕掛けに良い点があればそれを自社にどのように取り入れていくか、また逆に競合企業がカバーできていない領域を探し出してそこへ進出していくことができるかどうかといったことを検討し、自社のビジネスが該当する市場で成功するための要因をしっかり確認していきましょう。

ある意味、この作業はこの3C分析のまとめにあたるものであり、最終的な方向性を決める大切な工程となります。よく企業戦略として、この自社分析の部分だけが大きく取り上げられて会議で話し合われることがありますが、実際にはここにたどり着くまでの作業がいかに大切であり、重要であるかは忘れてはいけないことです。

3C分析のコツ

ちなみに、3C分析を行うに当たってコツがあります。より効果的な結果を得るためにも、そのポイントを押さえておくことをお勧めします。

そもそも、中小企業が競争で勝ち残っていくためには、顧客と競合の状況分析を行い、自社の強みを明確化した上でそれを生かしていくことが何より重要です。しかし、それと同時に自社の弱みもしっかりと把握したうえで、どのようにすれば良いのかその改善策を定量的に判断する必要もあります。

自社の弱みの中には経理管理工数が多くなってしまっていたり、助成金や制度への知識不足による効率的な節税が出来ていないということも含まれます。作業を進めていく中で、政略を練っていく上で税理士等と相談が必要と判断できた場合には、そういった専門家を交えて検討を進めていく等広い視野を持って作業を進めていくと上手くいくことを覚えておいてください。

まとめ

3C分析は経営戦略を立てる際の基本となります。実際に行ってみると、意外に時間や手間がかかる作業となることが多いですが、実は成果を出している企業の多くがこの地道な作業を行っています。これまでやったことがない企業もやったことがある企業も自社のより大きな発展に向けて今一度この3C分析のやり方・意義を確認して、実践してみてはいかがでしょうか。

時代に合った企業活動で、収益を上げていくためにも一度試してみる価値は大いにあるでしょう。なお、どういった仕事でも一緒ですが、最初から誰でも良い結果を出せるわけではありません。良い分析が出来るようになるためには実践あるのみです。良い事業戦略には良い分析が必要ですので、色々と試行錯誤しながら自社の経営方針にあった分析が出来るようになってください。

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