IMCとは?ブランドイメージを統一して管理する方法
企業の売上を向上させるための方法として、最近多くのビジネスマンに注目されているのがIMCです。IMCを導入することによって、より適切な顧客管理が可能になりますが、ここではIMCの特徴や利用法について詳しく解説します。
IMCとは?
IMCとは、英語のIntegrated Marketing Communicationの略語です。日本語ではインテグレイテッド・マーケティング・コミュニケーションと呼ばれることもあります。顧客の数を増加させることを目的として行われる顧客管理の手法で、顧客との接点になっているコミュニケーション手段を総合的に管理するのが、大きな特徴です。
テレビやラジオ、新聞など顧客と企業の接点になっているメディアにおける情報の管理や、商品を販売している店舗での情報管理が、IMCでは重要視されます。企業のイメージを向上させることを目的としてIMCは主に利用されていて、企業のイメージは、顧客が実際に体験したことにも大きく影響されます。
例えば、ある顧客が特定の企業のCMをテレビで見て、その企業のお店に足を運んだ場合を想定します。この場合、その顧客がわざわざ店舗まで出かけたのは、テレビCMを見てその企業に良いイメージを持ったからです。そのために、店舗でもそうしたイメージに合ったサービスを受けられることを、強く期待しています。
ですが、実際に訪れた店舗においてテレビCMのイメージとは全く異なった対応をされた場合には、顧客が企業に持っていた良いイメージは大きく変化することになります。こうしたリスクを避けるために用いられている方法がIMCで、企業と顧客の接点となっている各種メディアにおける広告の内容や店舗の接客対応を一元的に管理することにより、企業のブランドイメージを統一させることができるのが利点です。
IMCの重要性
IMCが重要視されるようになったのは、インターネットの出現によって、企業の事業活動も大きく変化したからです。現在のようにインターネットが広く使用される以前は、顧客と企業の接点は、商品を販売する店舗や、商品の広告を行っているテレビや雑誌などのメディアに限られていました。
ですが、インターネットの普及によって、企業と一般消費者の接点はより多様なものへと変化したために、企業のブランドイメージを統一することが以前よりも非常に難しくなりました。
例えば、高級なイメージのサービスを特徴にしている企業が、そうしたイメージを伝える広告をテレビや雑誌で展開したとします。広告を見た人は企業に高級なブランドイメージを持ち、その企業のサービスにも興味を持ちます。
ですが、実際にその企業のサービスが利用できる店舗で、広告とは全く違った質の低いサービスを受けた場合には、顧客が企業に持っていたイメージは著しく低下してしまいます。そうしたネガティブな情報が、口コミやインターネットなどによって広まった場合には、企業のブランドイメージにとって、さらに悪い影響を与える可能性もあります。
このような事態が発生するのを防ぐために効果的なのがIMCで、企業と顧客を結ぶ接点が増えた現代のビジネス環境でも、それらの一つ一つをまとめて総合的に管理することで、企業イメージを容易に統一することができます。IMCを活用することで、企業の商品やサービスにとってプラスのイメージを広めることも可能です。
IMCの実践方法
IMCを実践する場合に考慮しなければいけないのは、顧客との接点の各段階における、企業イメージの統一です。広告や接客を担当する人間が、それぞれ別々の企業イメージを持っていた場合には、顧客に与える印象も全く異なったものになってしまう場合があるので、まず統一されたイメージの確認が必要です。
企業が自社の商品にどのようなイメージを持ってもらいたいかを、全ての社員が正確に共有することで、統一感のあるIMCが可能になります。そのためにはまず、商品やサービスのコンセプトを明確に決定する必要があります。安全性や品質など、その商品のコンセプトを明確に規定することで、広告や販売を行う担当者も、そのコンセプトにそった形で、最適な方法を選ぶことができます。基本的なコンセプトが決定したら、それを全ての社員が、正確に把握できるようにする環境作りも必要です。
商品の場合にはパッケージなども、商品のコンセプトを正しく顧客に伝えるためには重要な要素です。ネーミングも、顧客が商品に持つ印象を大きく変える場合があるので、コンセプトに合った名称を選んで使用する必要があります。広告によって商品の内容を一般消費者に伝える場合にも、上記の明確化されたコンセプトをベースにして、広告の内容を決める必要があります。
広告の内容だけでなく、どのような媒体を使用するかも、広告の効果や企業イメージの浸透に大きく影響します。各段階におけるイメージの調整と修正を行うことで、より統一感のとれたIMCが可能になります。
まとめ
企業と顧客の接点がより多様化した現代では、顧客管理の徹底がますます重要な意味を持っています。顧客管理のための手法として最近注目されてるIMCを上手に活用することで、顧客が企業に対して持っているブランドイメージを統合的に管理することができます。
IMCでは企業が行っている全ての事業活動において、担当者がそれぞれ共通したコンセプトを持っていることを重要視しています。これは、各担当者の間で商品のコンセプトにずれがあると、各接点において顧客が商品に感じるイメージも異なったものになってしまうからです。
そのために、全ての担当者に同一のコンセプトを周知させる必要があります。広告から店舗の接客、電話での応対など、全ての段階で担当者が統一されたコンセプトを共有することにより、企業のブランドイメージを改善することができます。