CTIとは?コンピューターと電話の連携による業務効率化のメリット

最終更新日 : 2020-04-06 Box

顧客対応を行うにあたってコールセンターや電話窓口を設置して対応することは必須条件であると言えるでしょう。電話越しに直接お客様の声を聞いてコミュニケーションを行うことで、お客様が不安に思っていることや問題を解決する糸口が見えるはずです。

しかし単に窓口を設置しただけでは問題解決やお客様とのコミュニケーションの向上には繋がらず問い合わせ内容を対応部署全体で連携し、顧客情報や属性について把握しなければ応対やコミュニケーションの向上には繋がりません。それらの問題解決に有効なのがCTIですがしかしながらCTIとは何なのか、しっかりと把握している人は多くないでしょう。

今回はコールセンター業務にとって重要なCTIシステムについてご紹介し、今後のビジネスシーンにとって重要な機能について説明していきます。

CTIとは

顧客からの問い合わせの対応や電話対応を行う場合にはコールセンターを使って環境を構築していく必要がありその際に電話を使用しますが、業務で電話をするときにメインシステムとして用いられるのがCTIです。

CTIとはすなわちComputer Telephony Integrationの頭文字をとったものでありその名の通りコンピューターと電話を統合した技術、あるいはその技術を使ったシステムのことを指しています。

CTIはコンピュータと電話、FAXを連携させる技術や提供しているシステムでコールセンターなどのビジネスに特化した電話のシステムを構築するときには、土台となるCTIが必須となりこれがあるかどうかで業務の効率が大きく変わるとも言え、電話業務を改善したい場合にはまずCTIの見直しや導入が必要です。

一般的にCTIはビジネス用の仕組みであり主に企業で利用しているPBXつまり構内電話交換機と顧客管理システムのCRMなどと連携させることで、電話による業務を効率化させることができます。たとえばCTIの導入により顧客の電話番号をもとに、データベースから顧客情報を検索しコンピューターの画面上に表示させたりすることができます。

CTIの主な機能

CTIの主な機能は3つで、1つ目は通話時に顧客情報を表示することのできる「ポップアップ・CRMシステム連携」、2つ目は電話対応の際に必要になってくる「録音・着信履歴機能」、そしてもう一つが電話対応をスムーズにする「電話制御」です。次の項からはそれらの機能について説明していきます。

ポップアップ表示できる

CTIは社内に構築している顧客管理システム、すなわちCRMシステムとパソコン、そして電話機を連携させ、着信があったときに瞬時に着信番号に該当する顧客情報を検索しパソコン画面上にポップアップさせることができます。

この機能で顧客対応の向上が見込まれます。電話の相手がわかれば相手に合わせた対応をすることができ、専任の担当者が電話対応できたり、あるいは新規顧客の場合はそれに応じたコミュニケーションをとることができます。

潜在顧客や既存顧客、新規顧客を分けた対応を行うことにより、無駄なやり取りを省き顧客体験の向上につなげることができるでしょう。このように、電話の相手の情報を事前に認知しておくことで、顧客満足度の向上や売り上げへの貢献が可能です。

(1)CRMと連携できる

CRMなどの顧客管理システムでは、潜在顧客や見込み客、あるいは既存顧客と新規顧客などの顧客ごとのグループ分けができ、過去のやり取りも記録することができます。

CRMとCTIを連携させることで、それらの顧客情報の把握が可能となり、顧客対応の質はかなりの向上が図られるといっても過言ではないはずです。また加えて一人が対応した情報を他の人も共有できるため、社内教育や研修の際にも有用であると言えるでしょう。

(2)通話を録音できる

CTIシステムには電話対応の品質改善などに役立つ録音機能があります。通話を録音することで電話内容を確認することができるため、通話内容や話し方、スムーズな流れなどの改善を可能にすることができます。コールセンターでは顧客対応が主な仕事となるため、特に話し方や言葉遣いが企業イメージを表す重要なポイントとなります。

CTIシステムによって顧客との会話を録音することで、通話においてどのポイントが重視されているかや言葉遣いなどを改めて見直すことができ、通話品質の改善に繋がるでしょう。また着信履歴をリスト化しパソコンで管理することで、顧客情報の管理や、あるいは後からのフォローを行うことが可能であり、顧客対応のよりいっそうの丁寧さを求めることができるはずです。

CTIシステムの業務形態

CTIシステムを活用することで電話業務や顧客管理業務の効率が図れることは今までの項で説明したとおりです。しかし、ただCTIを導入するだけでなく自社に合ったCTIシステムを導入することが重要です。

CTIシステムの提供形態は大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の二つがあります。オンプレミス型とは自社内にサーバーを設置し、システムをゼロから構築する形態です。そのため自社内にCTIサーバーを設置することが必要となり、時間がかかることがデメリットです。一方で自社の都合に合わせてカスタマイズできるのが強みです。

一方のクラウド型はサーバーを自社に設置する必要がないためリモートワークに対応することができますが、他者依存する分コストがかかるのがデメリットです。

CTIのメリット

CTIシステムを導入するメリットは業務を効率化させることだけではありません。そのほかにもコスト削減ができることや、業務内容の簡易化、オペレーターの負担の低下などがあげられます。まずコスト削減についてですが、CTIシステムを活用することで、通話内容の記録をその場で顧客管理システムに入力できるため通話中に情報を記録することができ、業務時間を短縮することができ、これで人件費などのコストの削減が可能です。

また録音機能で通話内容を分析し、テキスト化することで共有できるため、営業やマーケティングとの連携が容易になります。またこれに伴い、テキストをマニュアルとして利用することもできるのでオペレーターの負担を軽減することができます。

(1)業務効率化

CTIの業務効率化に関しては顧客情報の共有が容易であることがポイントとなります。たとえば予約受付を行う際には、まず名前を名乗らずに日付や人数などの要件を先に伝えて、予約できると分かった時点で名前と電話番号などの顧客情報を得るというのが一般的な予約の流れです。

CTIを導入することによって電話番号から即座に顧客情報を検索し、把握することができるため、電話がかかってきた時点でその顧客に対しての対応を決めることができ、予約にあたっての対応、その後の処理などスムーズに行うことができます。

業務効率化にあたって、無駄な動作や時間を省くことができるため非常に効率的であり、またあらかじめ顧客属性がわかることで顧客に応じた顧客体験の創出にもつながります。

(2)サービスの向上

CTIを導入することで顧客対応サービスの向上も見込むことができます。顧客対応をする際に録音機能を活用すれば、顧客個人に対しての対応を社内全体で共有できるほか、その通話内容をテキストとして残しておくことで今後の対策や社員教育の一環として利用することができます。ほかにも、夜間、休日や問い合わせの集中でオペレーターが対応できない際に自動音声応答の機能を活用することで顧客の不満を抑えることが可能です。

システムによっては折り返し希望の確認できるシステムや、あるいは自動で対応部署につなぐ機能も登場しており、インバウンドの対応だけでなくアウトバウンドの営業も効率化することができ、顧客満足度の向上を図ることができます。

(3)人件費削減

CTIの中でも特にクラウド型CTIを活用することで人件費などのコストを抑えることができます。クラウド型CTIの特性として、オペレーターをはじめとするスタッフのロケーションを問わないというものがあるため、コールセンター業務をどこでもできるために在宅での業務も可能です。

リモートワークをすることで人件費が抑えられるほか、また顧客情報もクラウド上で管理されているため情報の共有が容易になります。顧客情報をどこからでも閲覧できるクラウド型CTIでリモートワークでも応対履歴を管理することができるので、重架電などの無駄な手間を減らすことができます。

これによって架電するオペレーターが違っても同じ内容を共有することができるので、結果的に全体的なコスト削減にも繋げられるでしょう。

CTIまとめ

CTIシステムを導入すれば業務効率化ができるだけでなく顧客対応サービスの向上を見込むことができ企業全体の顧客からのイメージの向上やあるいは全体的なコスト削減につなげることができ、顧客に合わせた案内や顧客のニーズに合った情報をスムーズに提供することができるのがCTIの強みで、このシステムを活用することで顧客満足度の向上や企業イメージの向上が図れます。

これからCTIを導入したいという企業も多数あることでしょうがしかしただ新しいシステムを導入するだけではなく、どんなシステムがあるかを知って自社に合ったシステムを探すことが重要です。自社にとって何が重要かを見極め様々なシステムを検討してみることこそが、今後の企業の発展につながっていくはずです。

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