流行りのテレワークとは?その働き方のメリット・デメリットなどを解説!
テレワークとは、tele(離れた場所)でwork(働く)という意味の言葉です。電波に乗せて遠くに映像や音声を伝達するテレビジョンやテレフォン、遠くの人と共感するテレパシーなどと同様の言葉です。国土交通省の定義では1週間に8時間以上、インターネットなどのインフラを使って自宅や個人事務所など職場以外の環境から柔軟に仕事をしている人をテレワーカーと定義しています。
場所に制約がなく柔軟に仕事ができるテレワークは働き方改革でも推奨されており、業務の効率化や労働者の負担削減、コスト削減などの観点から近年では取り入れている企業も増えてきています。ここ最近の流れとしては、新型コロナウイルスに対する感染予防の一環として取り入れている企業も増えてきました。
テレワークとはどのような働き方?
一言にテレワークと言ってもいくつかの形態が存在しています。もっとも代表的なのが在宅勤務です。オフィスに移動せずに自宅で作業をすることができるため、通勤による移動時間を節約することで自分の仕事を十分に確保することができるようになります。特に遠くまで通勤している人にとっては、在宅勤務ができるかどうかで生活の質が大きく変化することもあります。
取引先への移動が多い人の場合は、電車の中やカフェを勤務場所にできるモバイルワークが利用できます。いちいち自分の会社のデスクに戻る必要がないため、無駄な交通費を使わずに済むでしょう。所属しているオフィス以外の事務所などを使って仕事をするサテライトオフィスも、テレワークの1つとして考えられています。このように決められた場所だけではなく、個々の都合に合わせて自由な場所で仕事ができるのがテレワークです。
テレワークが推進されている理由
インフラの整備や社会的な情勢の変化により、「仕事は会社でするもの」という概念そのものが変わり始めています。日本は現在少子高齢化社会や、伸び悩む賃金などの問題によって、共働きの世帯が増えています。テレワークを導入することによって共働き世帯でも子育てをする時間を確保し、仕事と生活のバランスを上手に保つことができるようになるでしょう。
自宅でも仕事をすることができれば出産前や後、女性が働くことができる環境を維持することも可能で、一時的に休んだとしてもすぐに復帰することができるようになります。遠隔地で仕事が許可されれば、都市にある会社でも地方の人を雇うことができるようになり、雇用の幅が広がるのも大きなメリットです。都市に引越しをする必要もなくなるため、地域活性に役立ちます。
最近ではあえて自然の多い山奥で生活するような人も増えてきており、自治体も空き家を賃貸や売りに出すなど積極的な誘致を行っています。無駄な移動やオフィスの光熱費が削減できることから、環境への負荷軽減も重要なポイントの1つです。テレワークは今まで当たり前のように行われてきた「無駄」を上手にカットすることができる働き方です。
在宅勤務の働き方について
それではそれぞれの働き方がどのようなものなのかを説明していきます。在宅勤務はその名の通り自分の自宅から仕事をする方法ですが、家庭内にインターネットの環境を用意しておかなくてはなりません。
セキュリティ的な問題にならないように、プライベートのパソコンと仕事のパソコンは分けておいたほうが良いでしょう。バーチャルプライベートネットワーク(VPN)があれば、自宅にいながらも社内のファイルサーバーはWebサービスにアクセスすることができ、職場の環境と同じように仕事をすることができます。家族にも見せてはならないような極秘のデータを扱うケースもありますので、情報の管理には細心の注意を払わなくてはなりません。
モバイルワークの働き方について
モバイルワークは持ち運び可能なノートパソコンやwifiルーターを使って、場所に関係なく仕事をすることができます。新幹線のような長距離移動中に資料を作成したり、打ち合わせと打ち合わせの合間にメールの返信や業務の管理など簡単な作業をすることが可能です。
注意しなくてはならないのが、不特定多数の人に画面を見られてしまう可能性があるため、情報の取り扱いは自宅勤務以上に注意が必要です。カフェのように公衆wifiが用意されているような飲食店での利用も注意が必要です。
パスワードが設定されていないようなwifiでは誰がアクセスしているかわからないため、悪意のある第三者に情報が抜き取られてしまう危険性もゼロではありません。バッテリー駆動時間の都合上、長時間モバイルワークをするのも難しく、電池残量にも注意しないとデータが消える可能性があります。
サテライトワークの働き方について
大きな会社の場合複数のオフィスを用意していることもあり、本来の職場以外のオフィスから場所を借りて仕事をすることができ、それをサテライトワークと呼びます。最近ではテレワークの需要増加にともなって、オフィス設備を貸し出すサービスを展開している施設もあり、自宅に設備がない人や会社が遠いような人が自宅の近所で利用すると便利です。
勤務地を特定しない働き方を推奨することによって、地震や台風などの震災があったとき、今回の新型コロナウイルスの蔓延のような疾病が広がったときにリスクを分散して業務を継続していくことができます。
テレワークのメリットについて
大きなメリットは労働者が時間を有効活用することができるようになり、仕事と生活のバランスを保ち、結果として生き生きとした人生を送ることができるようになる点です。負担が軽減することで仕事に対するモチベーションや効率が上がることも期待できるでしょう。
隙間時間を有効活用することもできます。企業側にとっては生産性が向上するだけでなく、貴重な人材の離職を防ぐこともできます。災害や疾病リスクを減らし、有事の際でも影響を抑えながら事業を継続していくことができる点も大きいです。やり取りがデータ化されることによって記録に残り、後々のコスト削減につなげることも可能です。
オフィスにいる人の人数が減ることから、照明やパソコンなどで消費される電気代が低下し、職場スペースの確保も容易になります。固定で用意しておかなくてはならないデスクが減れば、オフィスの統廃合によって家賃そのものを節約することができるケースもあります。
テレワークのデメリットについて
企業側にとって大きな問題になるのが情報漏洩リスクです。情報漏洩は大きな訴訟に発展する危険性もあるため、防ぐためにしっかりとしたルールを決めておかなくてはなりません。遠隔で仕事をしていると実際に仕事をしているのかどうか見えにくくなるため、評価を付けづらくなったり長時間労働をしている人、怠けている人を見つけるのが難しくなるのも問題です。残業が評価に響くことからタイムカードを押した後も仕事を続けてしまう人もいます。
実際に職場で毎日顔を合わせていると、話をしていなくてもある程度の団結力は生まれますが、テレワークで顔を合わせる機会が減ってしまうと、社内のコミュニケーション不足や仲間意識が低下してしまう危険性もあります。働く側にとっても家庭の電気代が増えてしまうことや、人によっては仕事をしているふりをして怠けた生活になってしまう人もいるため、テレワークが合う人と合わない人がいる点にも課題があるでしょう。
自宅の環境によっては仕事とプライベートの境目がなくなってしまうこともあり、かえって生活の質が低下するケースもあります。
テレワークまとめ
テレワークは上手に活用すれば企業にとっても労働者にとってもプラスになる部分が多い反面、性格の問題上一定数はテレワークが向かない人も存在しています。ある程度の環境を用意しなくてはならないため、明日から簡単に導入できるようなものでもありません。
会社でテレワークを推奨するのであればあれば補助をするなど、仕組みを取り入れやすくするための手当てや、テレワークをするにあたっての研修を用意するなど、工夫も必要になります。対面でお客さんを相手にするような職種の場合はテレワークを入れることは難しいケースもありますが、簡単な事務仕事は場所を選ばずできるようになれば働く側の負担も減って、もっと働きやすい会社になるかもしれません。