タレントマネジメントシステムの導入のポイント、おすすめシステム10選

最終更新日 : 2020-10-26 Box

ここではタレントマネジメントシステムについて紹介します。これは主には会社の人事部門が関係する事柄ではありますが、決して人事部門だけが理解していればよい内容ではなく、言ってみればそこで働く全ての社員が基本的なところを理解しておくべき事柄です。

人事評価とか、部署異動などは確かに人事部が力を握っているかもしれませんが、個々の社員は何もそれについて知らず上司任せ、人任せで良いはずはないでしょう。

タレントマネジメントシステムとはまさにそのようなことに大いに関係するからです。

タレントマネジメントとは?

タレントマネジメントとは何かですが、まずタレントとは何でしょうか。

即座に芸能人のことを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、これはつまり一般人とは異なる特異なスキルや才能を持つ人、要するに一芸に秀でている人を一般にタレントと呼んでいるでしょう。

もちろんそれと全く無関係ではないものの、ビジネスの世界においては個々の社員が持つスキルや能力、知識、経験などを指します。

それを適切に把握し管理することがタレントマネジメントになります。

タレントマネジメントの取り組みがうまく行かない理由

タレントマネジメントの取り組みがうまく行かないという会社や組織は多いかもしれません。この理由はいろいろなところにあるでしょうが、考えられる一つの理由は、それを担当者の勘や経験のみに頼っているためということがあるでしょう。

要するに属人化されてしまっているのが理由です。こうなると、担当者によって取り組み方が異なるとか、担当者が変わるとやり方も変わってしまうというようなことになり、一貫性を持った取り組みができません。

仮に一度うまくいった取り組みがあったとしても、それは時の経過とともに忘れ去られてしまったりします。

この他にも、当然のことかもしれませんが自分の会社の将来にとってどんなスキルや能力を持った人材が必要なのかがいまいち良く分かっていないということもあるでしょう。

タレントマネジメントシステムとは?

タレントマネジメントシステムとは、個々の社員が持つスキルや能力、経験などを可視化するシステムです。

これによって誰がどんなスキル等を持っているのかがいつでも一目で分かるようになり、適材適所の人材配置に役立てることができますし、また不足しているスキルの底上げなど、社員の能力開発、人材育成に対しても有用な仕組みになることが期待されます。

さらには、どのような成果を上げたのかを管理することで人材評価に役立てることも可能です。

タレントマネジメントシステムの選び方のポイント

タレントマネジメントシステムの選び方のポイントですが、おそらくどのようなシステムであっても当てはまることではあるでしょうが、システムによってできることとできないことがあります。

既に書いたように、一般論としてタレントマネジメントシステムに期待されることは社員のスキル等の管理、能力開発、人事評価といった事項になりますが、全てのシステムでこのような事項を網羅しているとは限りませんし、逆にさらに追加の項目を持つシステムもあります。
また、同じような項目を持っているシステムであっても、ユーザーの数に制限のあるシステムもあるでしょう。自分の会社でどのような内容をシステム的に把握し管理したいのかをまず明らかにして、その項目に優位性のあるシステムを選ぶというのが選び方のポイントになります。

もちろん、導入にかかる費用とか毎月の利用料といったコスト面も無視はできないでしょうから、使いやすさとコストを天秤にかけることも必要です。

おすすめのタレントマネジメントシステム10選

ここからはおすすめのタレントマネジメントシステムについて個別に紹介していきます。世の中にはかなり多くのタレントマネジメントシステムがあり、様々な特徴を持っていますから、それらを理解した上で自分の会社にとって最適なシステムを選ぶようにしましょう。

カオナビ

カオナビはその名前のとおり、社員の顔が見えるタレントマネジメントシステムであることに大きな特徴があります。

やはり誰にとっても、対象となる相手の顔が分かったうえで仕事を進めるというのは非常にやりやすいものがあるでしょう。

個々の社員のスキル管理や評価機能が特に充実しており、顔が見えることで、社員間のコミュニケーションが取りやすくなったという声が多いようです。

例えば、どの部署の誰はどんなスキルを持っているようだから、次のこのプロジェクトにぜひ参加してもらおうといったようなことです。

これこそ、タレントマネジメントシステムは決して人事部門のためだけにあるものではなく、個々の社員にとっても有用なツールになりえるという非常に良い実例かもしれません。

Profile Manager

Profile Managerはある意味で標準的なタレントマネジメントシステムの一つと言えるかもしれません。

あまりいろいろな機能や要素を追加で求めるのではなく、とにかく人事情報、人材情報を一元管理したいという要求には非常に向いているといえます。

とくに、社員数がある程度以上多い組織、例えば100名以上の組織においてはカスタマイズ性に優れているということもあってその強みが発揮されます。

逆にあまり大きな組織でなく、人事情報や人材情報は限定的でもよいからそれ以外の要素も付け加えてトータルに活用したいといった要求にはあまり適切に応えられないかもしれません。

志向性がはっきりしているタレントマネジメントシステムでもあるでしょう。

タレントパレット

タレントパレットは多くの機能を備えたタレントマネジメントシステムです。

スキルや能力管理はもちろんのこと、目標管理機能も持っており、人材評価の目的でも使うことができます。

目標管理はともかくとして、個々の社員の持っているスキルや能力が一元的に見える化できるので、人材配置や人事異動などを的確に、根拠を持って行うことができるようになるでしょう。

これも、ある程度以上に社員数が多く、部署の数も多い組織に向いているシステムと言えます。

一方でそれだけ数多くの機能を持っているということは、使いこなすのがそれだけ大変だということでもあります。自分の会社にとって本当に必要な機能なのかどうかをよく見極めて導入する必要があるでしょう。

Workday

Workdayもまた多くの機能を備えています。ただ、どちらかというと目標管理や人事評価に重点がおかれたタレントマネジメントシステムということになるでしょう。

年初に上司と面談の上で目標を決め、進捗状況を管理し、年末には上司が達成状況を評価するといったことをシステム的に行うことができますし、それをサポートするための仕組みも充実しています。

例えば、部下の目標達成状況について、上司は部下の状況をよく知る第三者に対してコメントを求め、それを参考にして評価を行うようなこともできるようになっています。

目標管理のみならず組織図を作成し更新できるのも特徴の一つで、これもある程度大きな組織に向いている仕組みと言えるでしょう。

ヒトマワリ

ヒトマワリとは人材関連の業務という意味と、一回り成長した人材になって欲しいという意味とを掛けていますが、このシステムの特徴としては何と言っても導入しやすいということに尽きるでしょう。

どんなシステムにも言えることですが、やはり備えている機能をしっかりと使いこなすにはそれなりのシステム面でのスキルを有している人材がいることが前提になります。

中小規模の会社ではそもそもそんな人材はいないということも多いでしょう。

そういう場合にはこのヒトマワリは使いやすく、導入しやすいということが言えます。複雑なシステム面のスキルはあまり必要なく、直感的に操作できる点が多いのが特徴ですが、その一方で機能的には多少制約があることは止むを得ないでしょう。

huubHR

huubHRは人事データの管理に特化したタレントマネジメントシステムです。

あまり複雑な管理までは求めないから、とにかく人事に関する基本的なデータをこれまでのエクセル管理などからシステム的に管理したいという要求に向いていると言えるでしょう。

機能的に限られている分、使いやすいことは間違いありませんし、導入に際しての費用やランニングコストの点でも優位性があります。

まず最初はこのような限定的な機能を持つタレントマネジメントシステムの導入から検討してみるのもよいでしょう。最初からいきなり多機能を求めても使いこなせないのでは結局は意味がないからで、確実に一歩一歩システム化を進めていくというのも一つの方法です。

MBO Cloud

MBO Cloudは目標管理や人事考課に重点をおいたタレントマネジメントシステムです。

その意味では既に紹介したWorkdayに考え方としては近いものがあります。組織の目標を社員個人の目標に落とし込み、その目標の進捗状況を管理できます。

もちろん上司はその状況を把握でき、必要に応じて指導したり目標の修正を要請したりすることになります。

このような目標管理はそのまま人事考課に直結しますが、MBO Cloudではそのための仕組みも備えています。

例えば部門間での評価分布の差とか、1次評価と2次評価で考課に差がある社員などをシステム的に抽出するようなことも容易にできますから、人事評価を適切、公正に行うことにもつながるでしょう。

banto

bantoはちょっと特徴のあるタレントマネジメントシステムです。

目標管理、その中でもとくに目標の進捗管理をしっかりと進めるためのシステムと言えるでしょう。

目標をいくら立てても、そのうち曖昧になってしまうとか、立てた目標そのものが適切なものでなくなってしまい、うやむやになってしまうといった悩みを持っている組織は少なくないでしょう。

bantoはこのような悩みを持つ組織にはぴったりのシステムです。ただし一方で一般的なタレントマネジメントシステムが有している機能、すなわちスキルや経験等の人材管理とか、目標管理よりも後に実施される人事考課といったことに関しては残念ながら機能的に弱いことは否めません。

HRMOS評価

HRMOS評価とはその名称にも含まれていますが人事評価に重点を置いたタレントマネジメントシステムです。

とくに、上司と部下との面談を強力にサポートする仕組みがあります。これは、言い換えれば上司が部下の評価面談をしっかりと行うような会社や組織でないと有効活用が難しいということでもありますから注意しなければなりません。

面談は年1回だけというような組織では、このシステムを活用できるのも年1回だけということになりかねないからです。

一方でしっかりと部下に向き合って指導し成長を支援しているような上司のいる組織では役に立つシステムになるでしょう。

姉妹システムとしてHRMOS採用管理とHRMOS Coreがあり、併せて活用することでトータルにタレントマネジメントが行えます。

Zoho People

Zoho Peopleは人事管理の機能に加え、勤怠管理の機能も持つタレントマネジメントシステムです。

勤怠管理とは、タイムカードのことを思い浮かべてもらうと良いですが、個々の社員がいつ何時に出勤し、何時に退勤したのか、いつ休暇を取ったのかということを管理するためのシステムで、広い意味では人事関連の機能ではありますが、ここまでに述べたような社員のスキル管理とか目標管理といったものとは一線を画しています。

ですが当然ながら給与計算にも関係しますから会社としては必須の機能ではあり、スキル管理や目標管理に限らずZoho Peopleによってそれらをまとめて一元的に管理できるメリットは決して小さくはないでしょう。

タレントマネジメントシステムまとめ

ここまでタレントマネジメントシステムについて紹介してきました。

タレントマネジメントと一口に言っても実は様々な要素があること、そして市販のシステムにはそれぞれに様々な特徴があることがわかるでしょう。

単にコストや売り文句だけに注目するのではなく、自分の会社にとって必要な機能は何なのか、システム的に管理したいことは何なのかということをしっかりと考えたうえで、適切なシステムを確実に導入できるようにしましょう。
 

Twitter Facebook Bing