セキュリティ診断サービスの必要性と選び方のポイントを解説!おすすめサービス11選も紹介
セキュリティ診断サービスとは、コンピュータを守るためのセキュリティシステムが不正侵入を防ぐことができているかどうかを診断してもらうためのサービスです。
インターネットは非常に便利な“道具”ですが、個人のハッカーや国家的な組織が民間企業や行政機関のコンピュータに不正アクセスして情報を盗んだりシステムを破壊する行為が横行しています。
このため個人情報や機密情報を守るためには、強固なセキュリティシステムを構築する必要があります。大切な情報を不正アクセスから守るためには、セキュリティ診断サービスを活用してコンピュータの安全性を確認する必要があります。
この記事では、セキュリティ診断サービスの選び方のポイントや、おすすめのサービスをいくつかご紹介します。
セキュリティ診断サービスとは?
セキュリティ診断サービスとは、専門的な知識を持つ人がネットワークやシステムを調査することで不正アクセスのリスクを見つけ出すためのサービスです。
使用しているセキュリティソフトやOSを調べることに加えて、疑似的に攻撃を仕掛けるなどして不正アクセスの危険性を診断します。
もしも何らかの問題が見つかった場合には、適切な対処方法を提案してもらうことでセキュリティ上のリスクを排除することができます。
セキュリティ診断サービスを活用すれば設備だけではなく、人的な面でのリスクを調査して改善するのに役立ちます。
なぜセキュリティ診断サービスが必要なのか
セキュリティソフトを導入したりパスワードや暗号化などを使用して外部の不正アクセスを防ぐ方法がありますが、ハッカーはセキュリティシステムの弱点を突いて攻撃を仕掛けます。
セキュリティ強度の甘いパスワードを見つけたり、アクセスが許可されている人を騙すなどの方法を用いることもあります。
ほかにも、アプリケーションソフトのプログラムミスや脆弱性を活用して不正侵入を試みるケースもあります。高額なセキュリティシステムを導入してコンピュータが安全に守っているつもりでも、必ず潜在的なリスクが存在します。
そのため、重要な情報を保管・管理するサーバーを運用する場合はセキュリティ診断サービスを活用して安全性を確認することが必須です。
もしも不正アクセスの被害に遭って保存・管理している機密情報が流出して悪用されると、会社が信用を失ったり多額の損害賠償の支払い義務が生じます。
Webサイトを通して顧客に安全なサービスを提供するためには、セキュリティ診断サービスを活用してシステムを守ることが必要です。
セキュリティ診断サービスの選ぶポイント
複数の会社が、企業・教育機関・医療機関などの法人向けにセキュリティ診断サービスを提供しています。会社やサービスごとに診断費用や内容が違いがあるので、自社に合ったプランを選ぶことが大切です。
セキュリティ診断サービスを選ぶ際にチェックすべきポイントは、診断項目の数や種類・手動による診断の有無・セキュリティ対策の実績・柔軟に対応してもらえること・アフターフォローの有無・コスト、などが挙げられます。
民間企業であればコスト面に注目しがちですが、セキュリティ診断を受けてもシステムの脆弱性を見つけることができなければ費用が無駄になってしまいます。
システムを守るためには些細な問題も全て洗い出す必要があるので、調査内容や品質をきちんとチェックする必要があります。
セキュリティ診断サービスを選ぶ場合は、診断項目や調査手法が豊富なサービスを比較しましょう。
診断後に何らかの問題が見つかった場合に適切に対処するために、アフターフォローの体制がきちんと整っていることも大切です。
おすすめのセキュリティ診断サービス
多くのIT関連の企業が法人向けのセキュリティ診断サービスを提供していますが、ここではおすすめの診断サービスをいくつかご紹介します。
プランごとに特徴やコストに違いがあるので、システムの規模や費用面を考慮して選ぶようにしましょう。
SITE PATROL CLOUD
SITE PATROL CLOUDは、Webサーバー運用者向けのセキュリティ診断サービスです。
Webサーバーは企業や組織の公式サイトの情報を提供するという役割がありますが、不正侵入されてデータが不正に書き替えられるケースが少なくありません。
過去にはイタズラでページ内容が改ざんされたり、ユーザーがサイトを閲覧するだけでマルウェアに感染させてしまうようなページに書き換えられることで金銭的な被害が発生したという事例が発生しています。
SITE PATROL CLOUDのサービスを導入するとWebサーバーを常時監視することができ、データの改ざんを自動的にチェックすることができます。
データの改ざんが認められると自動的に公開を中止したり、自動修復をして復旧させる機能が利用できます。
CloudSmartGate
CloudSmartGateは、モバイル端末向けにアクセス制限のあるWebサイト運用者のためのセキュリティ診断サービスです。
ユーザーがスマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器を操作して、会員専用の画面にログインすることでサービスを提供するWebサイトがあります。
何らかのアクセス制限をかけるようなWebサイトを運用する場合は、ログイン名・パスワードやIPアドレスなどで認証を行う必要があります。
CloudSmartGateでは、アクセス制限・許可を管理する入口のサービスが提供されています。これによりサイト運営者がユーザーのパスワードを管理する必要がなくなり、セキュリティ上のリスクを低減させることができるようになるでしょう。
DIT Security
Webサイトは企業や個人が情報を発信する目的で使用されるケースがほとんどですが、オンラインショップなどのように個人情報をサーバー上に保存する場合もあります。ユーザーの個人情報や銀行口座などの情報を保存する場合は、データの改ざんに加えて情報流出を防ぐためのセキュリティ対策も必要になります。
企業内でネットワークを構築する場合も、外部からの不正侵入に備える必要があります。DIT Securityを活用すれば、サーバー上に保管されている機密情報を守ることができます。
診断結果を活用することで、セキュリティ診断や不正侵入を防ぐための予防対策を講じることができます。実際に攻撃を受けた場合も即座に検知し、早期にサーバー機能を復旧させることが可能になります。
脆弱性TODAY
世界中のハッカーは常にOSやアプリケーションソフトの脆弱性を探しており、セキュリティ上の問題が発覚するとすぐに攻撃が仕掛けられます。
セキュリティ対策ソフトを導入しても最新のセキュリティホールに対処するまでにはある程度の時間を要するので、それまでの間はユーザーが新手の攻撃手法を認知して避けることが求められます。
脆弱性TODAYはセキュリティシステムの診断に加えて、新たに見つかったシステムの脆弱性の情報をすぐに届けてくれるという特徴があります。
脆弱性TODAYから配信される最新のセキュリティ情報を得ることでマルウェアに感染する恐れのある不審なメールの開封を防いだり、特定のソフト・アプリの使用を中止・削除するなどの方法でコンピュータを守ることができるでしょう。
SiteLock
Webサイトを運用してページ閲覧者に情報を提供する場合に、不正侵入の被害に遭ってマルウェアに感染させるデータに改ざんされるケースがあります。
SiteLockは、マルウェアから自社のWebサーバーを守りたいサイト運営者のためのセキュリティ診断サービスのひとつです。
手頃な料金で利用できるという特徴があり、「レギュラー」を選択すると1ドメインあたり月額1,200円という低料金でWebサーバーを守ることができます。
SiteLockは低コストでセキュリティ診断サービスの導入ができることから、企業や団体に加えて個人が管理するアフィリエイトサイトにもおすすめです。
標準プランの中にマルウェア診断・駆除機能が含まれているので、安心してWebサーバーの運用ができます。
SECURE-ARGUS
一般的なセキュリティ診断サービスを利用して不正侵入が発覚した場合、手動でサイトを一時閉鎖して復旧作業を行う必要があります。
復旧作業では改ざんされたデータを消去してからFTPを利用してバックアップデータを再送信しますが、この間はユーザーに対するサービスが停止してしまいます。
長期間にわたりサイトが閉鎖されると会社の信用を失う恐れがあるので、早期に復旧する必要があります。SECURE-ARGUSは不正アクセスを検知するだけでなく、自動的にバックアップデータを送信して復旧させてくれるという特徴があります。
ページファイルのバックアップサービスが含まれているので、短時間で自動的にサイトを復旧させたいWeb管理者におすすめのサービスといえます。
SECURE-AID
Webサーバーの不正アクセスの被害を防ぐためには、被害が発生する前にセキュリティホールを見つけて適切に対処することが大切です。
SECURE-AIDはOSの脆弱性の診断と分析を行い、多くの観点からセキュリティ上の脅威を見つけることができるという特徴があります。
このサービスでは対応しているOSの種類が豊富で、カーネル部分の脆弱性(パラメータ設定など)まで細かくチェックしてくれます。
セキュリティホールが見つかった場合はリモートで必要な対処が行われ、システムを安全に保つことができます。
リモートで行われる対応作業には、システムのアップデート・OSのパラメータ設定調整・ルーター等の機器のファームウェアのアップデート、などが含まれます。
ネットワークセキュリティ診断アドバンスサービス
一般的なセキュリティ診断サービスでは、OSの脆弱性や各種設定を調査してセキュリティホールを見つけます。
これに対して、ユーザーが購入してインストールしたアプリケーションはサポート対象外であるケースがほとんどです。
「ネットワークセキュリティ診断アドバンスサービス」はアプリケーションソフトやドルウェアについても診断が実施され、サーバーやネットワーク機器を総合的に調べてセキュリティ上の脅威に備えることができるという特徴があります。
不正アクセスの手法として、パッケージソフトの脆弱性を使用するケースも少なくありません。
社内で多くのコンピュータを使用して業務を行う場合は、「ネットワークセキュリティ診断アドバンスサービス」でパッケージソフトも含めてセキュリティの脆弱性に対処することをおすすめします。
ホームページ健康診断
「ホームページ健康診断」は名前の通り、Webサイトのセキュリティを診断してくれるサービスです。
Webサイトを運用する場合に、OSやページファイルの設定ミスなどが原因で不正アクセスの被害に遭うケースが少なくありません。
法人向けのセキュリティ診断サービスは料金が高くて利用しにくいと感じる方は、手頃な料金で調査ができる「ホームページ健康診断」がおすすめです。
「ホームページ健康診断」は低価格でWebサイトのセキュリティチェックができ、必要に応じて対処することができます。
ちなみにWebサイトの作成・運用を外部に委託している場合も「ホームページ健康診断」でチェックをした結果、人為的なミスなどが原因によるセキュリティホールが発見されるケースもあるようです。
e-mining
今はブログやSNSなどを通して、個人の意見がインターネットを通して共有されるようになりました。
ネット上に書き込まれる情報の中には、事実無根の噂話や何らかの意図で虚偽の情報が流布されるケースも少なくありません。
SNSなどの情報が原因で特定の情報が注目を集めて、ネット上で炎上を起こすこともあります。
ネット上で特定の個人や会社に対する誹謗中傷や嘘の情報が流布されて炎上すると、プライバシーの侵害や信用を失墜して業績悪化につながるケースがあります。
e-miningはインターネット上の掲示板やブログなどに投稿された情報を収集し、自社の評判やブランド失墜につながる情報を見つけ出すためのセキュリティ診断サービスです。
このサービスを活用すれば、自社の悪評が広められるのを未然に防ぐことができます。
標的型攻撃メール訓練
どんなに強固なセキュリティシステムを導入していても、ユーザーが注意していないと不正アクセスの被害に遭う恐れがあります。
例えば、個人に送信されたメール(標的型攻撃メール)に添付されているファイルを開くことでマルウェアに感染して不正侵入されるというケースが少なくありません。
「標的型攻撃メール訓練」は疑似的に不正プログラムが含まれたメールを社員に送信し、実際に行われる攻撃に対する訓練を行うためのサービスです。
不正アクセスに対する訓練を人的な面で実施することで、社内のネットワークやシステムを守ります。コンピュータを操作する従業員が実際に攻撃型メールを受信して体験することで、“予防接種”を実施することができるでしょう。
セキュリティ診断サービスまとめ
セキュリティ診断サービスは会社やプランごとに診断内容に違いがあり、システムの検査を実施することに加えて他サイトの情報を調査したり人的な面でのセキュリティをチェックすることができます。
いずれにしてもネットワーク上は常に不正アクセスの脅威に晒されている無法地帯なので、セキュリティ診断サービスを活用することで自社のネットワークやシステムを守ることが必要です。
セキュリティ診断サービスを利用する際は、自社で運用しているネットワークの種類や予算上の制約を考慮した上で選ぶようにしましょう。