サービスサイトとは?コーポレートサイトとの違いや製作のポイントを徹底解説

最終更新日 : 2021-06-28 Box

企業間取引でもあるBtoBマーケティングは、ウェブを活用するシーンが増えていますが、このBtoBのウェブマーケティングで重要性が高まっているものがサービスサイトです。

サービスサイトを本当に作る必要があるのか、コーポレートサイトやランディングページとの違いはどのような部分であるのか、サービスサイトを設計する際に大中小の規模ごとのサービスサイト設計、BtoBのサービスサイトに必要なページやサービス詳細などにも触れながら、わかりやすく解説します。

サービスサイトとは?

企業が提供する商品やサービスに関する状況を提供するためのウェブサイト、ここで重要なことは商品とサービスに関する情報提供である点です。

サイトにアクセスするターゲットの検討段階もしくは知識レベルなどに応じて、必要最小限の適切なものを発信する、ウェブ上での営業担当者のような役割を持つのがサービスサイトです。

従来であれば、企業ホームページがウェブの中での営業的な役割を持っていましたが、そこには企業理念をはじめ会社情報や株主向けのIR情報などもあり、これに加えて商品やサービスに関する情報がカタログのような形で掲載されていたのが一般的でした。

あまりにも余計な情報が掲載されていると、サイトに訪問するターゲット顧客は必要な情報を入手しにくいなどと感じさせてしまうことも少なくありません。

会社情報や企業理念などは、会社を紹介する上ではとても重要な役割ではあるけれども、ターゲット顧客が求めるものがサービスや商品に関するものであれば、独立させた方が効率的などからもサービスサイトを別に立ち上げる手法がトレンドになっています。

サービスサイトとコーポレートサイトの違い

コーポレートサイトは、企業理念や事業内容、沿革やIR情報、会社の所在地や支店などの紹介、これらの情報を掲載しているウェブサイトを意味します。

サービスサイトとコーポレートサイトには、目的・主要ターゲットおよびコンテンツ・主管部門などに違いがあるのが特徴です。

目的の違いには、コーポレートサイトでは企業に関する基本的な情報だけを提供するのが特徴で、主に顧客および見込み客や消費者、株主などそれぞれの関係性の構築やブランディングなどを行う目的で作ります。

サービスサイトの目的は、自社製品やサービスに係る情報を提供することで、これらの情報提供を通じて見込み客の集客に繋げる、これが最大の目的です。

目的に相違があれば主要ターゲットも変わりますし、コンテンツそのものについても違いが出て来ます。コーポレートサイトの主要ターゲットは、既存顧客やエンドユーザーになる消費者、パートナー企業や採用応募者など様々です。

サービスサイトの主要ターゲットは、自社製品やサービスを探している購入もしくは利用する可能性を持つ見込み客です。

このような見込み客は、起業自体よりも製品やサービスに関する情報を求めているなどの違いを持ちます。

サービスサイトとランディングページの違い

ランディングページは、1つの単一ページの中に、商品やサービス紹介などを簡潔にまとめてランディングページにアクセスして来たユーザーに対し訴求を促し購入や問い合わせなどを促す目的で作るウェブページです。

サービスサイトの場合は、商品やサービスについての詳細な情報や事例、技術情報など多数のページで構成されているのが特徴ですから、より幅広い情報を提供できるなど双方の違いがあります。

BtoBのビジネスでサービスサイトが必要な理由

BtoBビジネスは、従来であれば顧客との接点の大半は営業担当者に委ねられていましたが、営業担当者は企業に訪問して顧客からのヒアリングにより課題やニーズを掴み、その上で商品やサービスを提案するスタイルでした。

インターネットおよびウェブマーケティングの普及に伴い、そのスタイルは一変し、購買担当者の大半は購買プロセスのファーストステップの中でウェブサイトからの情報収集を行って、ある程度の情報を集めた上で販売やサービス提供を行っている企業の営業担当者とコンタクトを図るように変化しています。

これらのことからも、BtoBビジネスでのウェブマーケティングの重要性は高まり、多くの企業がBtoBビジネスを自社のマーケティング戦略にウェブに組み込む、競合との差別化を図りよりわかりやすい形でターゲット顧客に情報を提供できるサービスサイトが必要不可欠な存在になっています。

BtoBのサービスサイトの設計

サービスサイトの設計のポイントは、規模に応じて変わるといいますが、こちらでは小規模・中規模・大規模の3つに分けて解説しましょう。

1.小規模の場合のサービスサイトの設計

小規模なサービスサイトでは、1ページ構成のサイトを利用してテストマーケティングを図る、サイトと同時に広告を利用することで、サイトだけでは獲得が難しいとされるリード数の増大への期待が可能です。

テストマーケティングの結果により、自社のサービスに最適なサービスサイト設計が想定できた段階で、中規模以上のサイト構造に切り替える考え方は成功へのコツに繋がる部分です。

2.中規模の場合のサービスサイトの設計

中規模のBtoBサービスサイトは、商材や料金プランなどの情報を提供して、ユーザーにサービスや商品のことを知って貰うために欠かせない情報だけでなく、コラムなどを包括することでSEO対策にも良い効果を期待できます。

ユーザーニーズが高めのキーワード、自社の商品や商材などを使って得られた体験や成果、商品やサービスなどに関連するお役立ち情報などをコラムにして掲載する、これは商品やサービスを紹介するだけでは得ることができない潜在的な見込み客への主客効果も期待できます。

3.大規模の場合のサービスサイトの設計

大規模のサービスサイトでは更新頻度が高くなる関係から、CMS(コンテンツマネージメントシステム)を活用することおすすめします。

BtoBサービスサイトには、商材の導入事例や良くある質問、コラムなどのような更新頻度が高いページが多くなるのが特徴ですが、このような更新頻度が高いページをCMSかすることで容易に編集が可能になって来ます。

これに加えて、資料ダウンロードやセミナーに関するウェブページなどもCMS化にする、コンバージョン率を上げるためのCVポイントを多数用意すると最近多くの企業で行われているマーケティングスタイルにも対応することができます。

BtoBのサービスサイトに必要なページ

BtoBマーケティングでのサービスサイトには、どのようなページが必要なのかわからない人も多いのではないでしょうか。こちらでは、サービスサイトに必要なページについてご紹介します。

1.サービスサイトのTOPページ

サービスサイトにアクセスして来た見込み顧客を逃さないためには、興味や関心を持って貰う必要がありますが、トップページは潜在層や顕在層などに関係なく、最初に目に入るページです。

そのため、端的に商品概要やサービス内容などをユーザーに伝えて興味や関心を惹きつけることが大切です。

2.サービスサイトのサービス詳細

サービス詳細もトップページと同じく、興味や関心を惹きつける重要なページで、商品のことやサービス内容のことをより詳しく知りたいユーザーが見るページです。

ポイントとしては、悩みへの共感や解決方法など順序立てコンテンツを作ることです。

3.サービスサイトの導入事例

導入事例は、トップページやサービス詳細などのページで興味および関心を持った人がある程度納得してとどまった後に見るページです。

導入事例では、成果を具体的に示して顧客にイメージして貰うことがポイントで、業種や会社の規模、課題などそれぞれのマッチ度が重要になるため、より多くの導入事例をコンテンツ化して掲載しておくと良いでしょう。

また、見込み客が探しやすいよう、業種・会社規模・課題などで絞り込みができるようにしておくのも効果的です。

4.サービスサイトのプラン・料金

BtoBサービスサイトで料金を掲載しているところは少ない、特にBtoB向けのサービスではオプションや規模に応じて料金が大きく変わることもあるのでシンプルなものを掲載することは少々ハードルが高めです。

顧客は、大まかな相場感を得たくて問い合わせをするケースもあるかと思われますが、問い合わせをするとしつこく営業されるなどの印象を持つなどからも、次の一歩を踏み出しにくくしてしまう傾向があります。

料金表を掲載していないときには、何故掲載ができないのか、何故問い合わせが必要であるのかプランなどを掲載することが効果的です。

仮に、フリープランがある場合では、有料プランとの比較を掲載しておけば、どこまで無料で利用可能であるのか簡潔に伝えられる、デモへの集客にも効果を期待可能です。

5.サービスサイトのニュース・プレスリリース・ブログ

ニュースやプレスリリースは、サイト全体の情報が常に最新なものであることをユーザーに伝える重要なコンテンツの一つです。

最新なものであると感じたユーザーは、安心してサイト内から情報収集をしてくれます。

ブログは、サイトへの流入をアップさせるためのページで、サービスに対する理解力を向上させたりブランディング効果を期待できるなどのメリットを持ちます。

6.サービスサイトのセミナー(ウェビナー)

セミナーといっても、指定の会場に出掛けるものでなく、ウェブセミナーやオンラインセミナーとも呼ばれるウェビナーを用意することです。

資料には掲載されていないような最新事例やノウハウなどを学ぶことができる、それをウェビナーで参加することができるようにしておきましょう。

サービスには興味はあるけれども営業されたくないユーザーさんなどに最適なアプローチ方法といえましょう。

こちらでおすすめのウェビナーツールを解説しています。

7.サービスサイトのよくあるご質問・FAQ

ユーザーの疑問を問い合わせすることなく解決できる、サービス理解を促進させるなどの目的で設置します。

多数のコンテンツがあるときなどは、項目を分類しておいてユーザーが素早く疑問を解決できるよう工夫することやQ&A形式にすると効果的です。

8.サービスサイトの資料請求・お問い合わせフォーム

資料請求やお問い合わせは、アクションの中でも最も重いもので受注に繋がりやすいページです。

資料請求をしたいユーザーは、数あるサービスや商品の中からどのような資料が欲しいのか、色々見ている内にわからなくなることも少なくありません。

そのため、商品やサービスを多数用意している場合などではそれぞれの詳細ページから資料請求ができるよう仕組みを作ると効果的です。

問い合わせのフォームなどは入力項目をあまりにも多くしてしまうと途中で面倒になってしまうなど、軽くするなどの対策は必須といえます。

9.サービスサイトの利用規約

利用規約は、ある程度サービスや商品への理解が深まったユーザーが、導入検討段階で信頼に値する企業であるのか否かを判断できるために用意するページの一つです。

契約を交わす前に最後にユーザーが閲覧するのが利用規約で、ユーザー側は社内稟議や法務確認などに使うため、古い情報や誤字脱字などは要注意です。

10.サービスサイトのプライバシーポリシー

プライバシーポリシーも利用規約と同じく企業の信頼を得るために欠かせないページで、個人情報の取り扱いがしっかりしていることを伝えるようにします。

これは安心してアクションするページに進むために欠かせません。

11.サービスサイトの会社概要

一般的に、会社概要はコーポレートサイトに掲載しますが、どのような会社がサービスを運用しているのかサービスサイトの中でも必要不可欠です。契約後も、安心して任せられると感じて貰う目的を持ちます。

効果を上げるために盛り込むべき要素

サービスサイトでは、どのような内容をページに盛り込むべきか、何をページに盛り込めば効果が上がるのかがポイントになって来ます。

こちらでは、効果を上げるためにページに盛り込むべき要素についてご紹介します。

1.利益を追求するビジネスシーンに欠かせないベネフィット

ベネフィットは、ユーザーに対してどのような利益や未来をもたらすことができるのか説明やイメージをして貰う目的で用意する要素です。

サービスサイトの肝ともいえるもので、導入の動機を持って貰うために欠かせません。

2.比較・差別化は様々な要素内に溶け込むよう存在

比較や差別化は、そのサイトの中やサービスでしか得ることができない情報を掲載することで、他社との差別化を図り優位に立てる要素の一つです。

比較があると、費用やサービス内容、製品などの場合は機能的なものなど比べるときのアドバイスの一つにもなります。

ベネフィットの中では他社にはない特徴や機能を謳っているなど、各社は様々な情報により他社との差別化を図ろうとしています。

これは、一つの独立した要素ととらえるのではなく、様々な要素の中に溶け込むようなスタイルで存在させることがポイントです。

3.信頼性は他社からの評価や導入事例などで

類似しているサービスなどを複数比較するとき、比較軸には信頼性が存在しているのが特徴です。信頼性を高めるために体制および客観的証明(数字的裏付けや第三者からの評価で示したもの)を設置することは大切で、他社と比べた際に充実したサポートがある、サービスが対象となっている領域の深い知識を持つことを示す、他社からの評価や導入事例などを掲載しておくと効果的です。

サービスサイトとコーポレートサイトは分けるべき?

今までの説明の中で、企業ホームページはコーポレートサイトとサービスサイトに分けることを前提に解説していますが、本当に分けるべきか否か迷っている企業担当者も多いのではないでしょうか。

こちらでは、どのようなケースなら分けるべきかをご紹介してあります。

1.ターゲット・イメージが異なるなら分ける

自社のイメージとは異なる商品を出している場合、2つに分けた方が効果を期待できます。

例えば、清掃サービスを展開している会社の中には、ドーナツ販売を行っているところもありますが、清掃のイメージとドーナツのイメージなどのように異なるものが存在しているときなどはわけておいた方が集客およびマーケティングでの成果を期待できます。

2.ターゲットへの集客を最優先なら分ける

ネット上の集客が目的の場合は、商品の効果や効能、商品から得られるメリットをダイレクトに訴求した方が効果的です。

商品を売りたいターゲット側からすると、企業理念や代表メッセージなどは必ずしも必要ではありませんので、コーポレートサイトとサービスサイトをわけるのが効果を期待できます。

3.費用や運用コストを抑えたいなら分けない

サイトを2つにわけることは、費用および運用コストが多く必要になって来ます。

規模が大きなサイトなどでは2つに分けておいた方がBtoBウェブマーケティングでの成果をより高いものに変えることができる、しかし中規模や小規模などの場合には、更新のたびに費用が多くかかる、サーバーやドメインの費用などコストを抑えたのであればわけない方がコストを抑えることが可能です。

4.自社の認知度・ブランディングをしたいなら分けない

自社の認知が低くこれから事業を拡大して商品やサービスを通じて自社のことを知って貰いたい、自社の認知度を向上させたりブランディングをしたい場合は統合した方が有利になるケースは多くあります。

分ける分けないは自社の状況で判断

サービスサイトとコーポレートサイトをわけるべきか否かに迷うケースは多いかと思われますが、これから事業拡大を図り展開をしたい、既存の自社サービスとは異なる商品を売り出したい、自社製品やサービスを増やしたいなどの場合は分けた方がメリットがある、逆に制作費や自社ブランディングに力を入れたい、運営するサイト数をシンプルなものにしたいなどの場合は統合した方が良いなど、自社の状況で判断しましょう。

サービスサイトまとめ

サービスサイトは、自社サイトから商品やサービスなどの情報一つにまとめ、訪れるユーザーの目的をより簡潔に達成させるなどの目的で構築するウェブサイトです。

分けると効果があるのか、統合していた方が良いのかなどは現在の企業における状況で変わりますので、今現在の状況を踏まえ判断することが大切です。

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