サイト分析のヒートマップとは?仕組みや選ぶポイント、おすすめのヒートマップツール10選を解説!

最終更新日 : 2021-10-12 Box

近頃は、ヒートマップを取り入れたweb解析を実施する企業が増えています。

これからヒートマップを取り入れたいと考えているのであれば、まずは基本的な知識を身につけておくことが大切です。

ここではヒートマップの特徴からおすすめサービスまで分かりやすく紹介するので、自社にヒートマップを導入する際は参考にしてみてください。

ヒートマップとは?

ヒートマップとは、データを可視化するための手法です。

行列型の数字データの強弱を色で視覚化するものであり、web解析を行うために役立てることができます。

web解析の場合は、マウスの動きを追跡することでログを取得し、ヒートマップをつくっていることを知っておくと良いです。

人間の目の動きとマウスの動きには80%以上の相関関係があることが実証されているため、ヒートマップでマウスの動きを明らかにすればユーザーがページ内のどこを重点的に見ているか分析することができ、ユーザーの思考の可視化に繋げることもできます。

ヒートマップとwebページを照らし合わせるだけで、直感的に分析を行うことができ、経験やノウハウが少ない初心者でもスムーズにweb解析を進めていくことが可能です。

ヒートマップの仕組み

ヒートマップが作成されるとき、まずは観測する地点ごとにエリアが分割されます。

7×7の49地点に分割されており、中央の1マスが3回、その周辺の8マスが2回、さらにその周りとなる16マスが1回クリックされ、いちばん外側の24マスが0回のクリックだった場合、中心の1マスが赤色で表示され、外側の24マスは青色で表示されるでしょう。

間のマスは内側ほど赤に近い色、外側ほど青に近い色で表示され、滑らかなグラデーションで地点ごとの注目度を確認することが可能です。

スクロールが利用される場合は、留まった部分を計測して、長く留まった部分を赤色、そうでない部分は青色で着色されます。

このような仕組みで、ヒートマップが作成されることを知っておくと良いです。

ヒートマップを利用することでわかること

web解析でヒートマップを利用すれば、様々なことが分かります。

ここからはその内容について解説するので、導入前にヒートマップのポイントを知っておきましょう。

1.ユーザーのスクロール率

ヒートマップを活用すれば、訪問者のスクロール率を分析することができます。webページに訪問してくれる人がいたとしても、重要なコンテンツにユーザーが辿り着いていなければ意味がありません。

ページの下のほうに申し込みページへのリンクが設置されているとき、下まで到達していないユーザーが多ければ申し込み数が増えなくて当然です。

ヒートマップによる解析を参考にして、重要なコンテンツに至るまでの体裁や内容を改善したり、コンテンツを並び替えたりすれば、目的となる部分までユーザーにスクロールしてもらえる可能性が高まります。

2.熟読している箇所・離脱箇所

ユーザーが熟読している箇所と離脱している箇所を知ることも可能です。

熟読している場所は赤で表示され、離脱している場所は青で表示されることになるので、瞬時にユーザーにとって有意義なコンテンツを判断することができます。

読み込まれている場所はユーザーにとって有益なコンテンツであり、何を求めて訪問してくれたか、どこに興味を持ってくれたか確認することが可能です。

反対に離脱されやすい場所は内容が薄かったり、ユーザーのニーズを満たせていなかったりするケースが多いと言えます。

webページを見直すときに全体に手を加えなくても、熟読されている場所はそのままにして、離脱が多い場所のみアプローチすることが可能です。

3.クリックされている箇所

クリックされている箇所もヒートマップで知ることができます。

webページには様々なリンクやボタンを設置しているはずですが、クリックしてほしい場所がクリックされていないという問題が起こることは多いです。

狙いのリンクがクリックされていなければ、押してほしいものを目立つボタンに変えたり、興味がわくようなテキストリンクに変更したりすることができます。

商品購入ページへのリンクや申し込みページへのリンクなどをクリックしてほしくても、それらが必ずしも押されているわけではありません。

ヒートマップによって企業とユーザーのズレが明確化されるので非常に便利です。

4.マウスのカーソルの動きや位置

ヒートマップを用いることによって、カーソルの動きと位置まで確認することができます。

マウスホバーヒートマップと呼ばれるものでは、マウスの動きを追うように解析を行うことが可能です。

長い時間カーソルが置かれていた部分を瞬時に見つけられるだけでなく、ユーザーがどのようにマウスを動かしたか、つまりどのようにページを見ていったか知ることができます。

ヒートマップサービスには、ユーザーのマウスの動きが再現される機能が搭載されているものもあり、ユーザーの実際の動きを十分に踏まえた上で分析を行っていくことが可能です。

5.ユーザーインサイト

ユーザーの内側に隠れている本音であるユーザーインサイトを知りたい場合も、ヒートマップが役立ちます。

直接的に行動の意図が分かるわけではありませんが、操作の流れやカーソルの留まっている時間などから、どういった意図をもって行動しているのか予測することが可能です。

インタビューやアンケートを実施したり、複雑な解析ツールを用いたりすることでユーザーインサイトを確認するケースも多いですが、ヒートマップであれば簡単に分析できます。

特定のwebページごとにユーザーインサイトを調べたいときには、ヒートマップが簡単で有効な手法です。

ヒートマップのメリット

ヒートマップを導入することの大きなメリットは、特定ページ内のユーザーの細かい動きを知ることができ、客観的なデータとしてアウトプットできることだと言えます。

離脱箇所を特定して内容を改善すれば直帰率の低下を防ぎやすくなりますし、興味を持っている部分とそうでない部分が分かれば必要な部分だけ修正したり構成を見直したりすることが可能です。

クリック率が低いときにはボタンデザインや位置を見直すこともできます。これらはユーザーから有益なコンテンツとして認識されるためにも重要であり、SEO評価のアップも期待できるでしょう。

ヒートマップのデメリット

便利なヒートマップですがデメリットがあることも知っておくべきです。

残念ながら、この方法では1ページの分析のみ行うことになります。

特定のページを解析したい場合は問題ないですが、webサイト全体の総合的な解析が必要である場合は、ヒートマップの利用だけでは不十分だと感じられるはずです。

もちろん、1ページだけを分析することも重要ですが、幅広く解析してサイトを大幅に改善していきたいのであれば、他のツールの併用を視野に入れてみることがおすすめだと言えます。

PV数が少ないと正確なデータが得られにくいこともポイントであり、正確な分析のためには最低でも100PV以上の計測が望ましいです。

ヒートマップツールを導入する時のポイント

ヒートマップツールの導入を成功させるためには、選定時のポイントを知っておくことが大切だと言えます。

導入する際のポイントを紹介するので、参考にしてみてください。

1.自社にあったヒートマップの機能があるか

自社にあった機能があるかどうかが重要です。ヒートマップツールによって搭載されている機能は違っており、選び方を間違えると希望している機能を使用することができません。

どのツールでも同じ機能が利用できるわけではないので、ヒートマップツールを取り入れる目的や利用したい機能を踏まえて選定することが大切です。

クリックヒートマップだけに対応しているケースもあれば、スクロールやマウスホバーに対応しているケースもあるため、どういった解析が実現できるか確認しておく必要があります。

また、スマホユーザーの閲覧が多いサイトの場合は、マウスフローヒートマップでは正確な分析ができないため、スマホからの閲覧者についても解析できるアテンションヒートマップを選ぶ必要があるでしょう。

2.無料プラン・トライアルがあるか

ヒートマップツールを本格的に導入する前に、無料プランやトライアルが利用できるものがおすすめだと言えます。

実際に使用してみると想像していたような使い勝手ではなかった、自社には不向きだった、サポートが不十分だったということが発覚する可能性もあるので、いきなり契約することはおすすめできません。

無料で試しておけば納得できるツールを導入できますし、色々なツールを比較した上で導入するものを決めることができます。

3.サポート面

サポートの有無や充実しているかどうかを確認しておくことも大事です。

初めて導入するときには、上手く使いこなせなかったり不具合への対処方法が分からなかったりする可能性が高いと言えます。

幅広い時間帯で素早く対応してもらえるのであれば、安心してヒートマップツールを運用していけるはずです。ヒートマップツールには海外製品も多いですが、その場合は日本語サポートに対応しているかどうかも重要だと言えます。

ヒートマップと合わせて改善に使えるツール

ヒートマップは単体で使用するだけでなく、他のツールと組み合わせることも可能です。

一緒に使うことでwebページの改善に役立てることができるツールを紹介するので、参考にしてみてください。

1.アクセス解析

アクセス解析ツールはヒートマップと併用すべきツールの1つです。

PV数やユーザー属性、ユーザー行動を取得することができます。併用することによって、直前に閲覧していたページや移動先を確認することができるので、狙い通りにユーザーを誘導することができているかどうか確かめることが可能です。

狙い通りでない場合は、リンクやボタンの配置を工夫するなどの改善を取り入れられるので、アクセス解析と併用すればユーザーの誘導に成功しやすくなるなどのメリットを得ることができます。

2.LPOツール

LPOツールを用いることで顧客の属性や行動履歴が分析され、自動で顧客ニーズを満たすランディングページが作成されるので便利です。

ランディングページを作成するときにはヒートマップで解析を行い、解析した内容をLPOツールに反映させることで、より適切なランディングページに仕上げられるようになります。

ページをつくってもコンバージョンが獲得できなければ意味がありません。2つのツールを併用することによって、コンバージョンを獲得しやすいページをつくり上げることができます。

3. CRMツール

CRMツールも組み合わせることがおすすめのツールです。顧客情報を蓄積することができるツールであり、ヒートマップと組み合わせれば再訪問ユーザーであるかどうかを確認することができます。

再訪問ユーザーには別のコンテンツを表示させるなど、動的なコンテンツの出し分けが可能となり、的確なアプローチを実現しやすくなるでしょう。

不特定多数のユーザーが訪れるので、全てのペルソナに合致するwebページをつくることは難しいです。CRMツールで収集したデータを活用すれば、訪問者のニーズを満たすページを作成しやすくなります。

4.MAツール

MAツールはマーケティング活動の可視化と自動化を可能にするツールですが、これもヒートマップとの相性が良いです。

ヒートマップツールで獲得した情報を参考に、効果的なシナリオを作成したり、パーソナライズの精度を高めたりすることができます。

MAツールではアクセス解析も行えるので、ユーザーの行動履歴を確認して狙ったページや箇所をユーザーが見ているかどうか判断することも可能です。

成功していればそのまま運用することができますし、想定していない行動の場合はページの内容や構成を変えていけば良いでしょう。

おすすめのヒートマップツール10選

おすすめヒートマップツールの特徴について解説します。

自社へ導入するのであれば、これを参考にして自社に最適なものが取り入れられるようにしてください。

Sitest

50万サイト導入突破!国内最大級 LPOツール SiTest(サイテスト)

Sitestはwebサイトの解析から改善までの一元化を実現できるツールです。

ヒートマップの定性データ分析ではスクロールやマウスグラフィ、クリックやタッチアクションに対応していますし、定量データ分析でもスクロールやクリック、タップに対応しています。

色々なヒートマップを確認することができますし、比較分析として期間比較機能やセグメント比較機能を利用することも可能です。

マルチデバイスに対応しているため、PCとスマホどちらからの閲覧者数が多い場合でも安心して利用できます。サイト訪問者の行動を全て録画する機能やA/Bテスト機能、広告連携機能などの多彩な機能が備わっているため便利です。

導入前後の無料サポートがあるので、導入や運用を成功させることができるかどうか心配している場合におすすめだと言えます。

User Heat

User Heatは、月間30万PVまで無料で使用できるヒートマップツールです。

使い方はとても簡単で、申込フォームにURLを入力して登録手続きを進め、webサイトの解析したいページに解析タグを埋め込むだけです。

タグの埋め込みが完了すれば解析が行われるので、分析したいページを選択してヒートマップを見ることができます。

マウスやクリック、熟読エリアや終了エリア、離脱エリアを確認することができるため、色々なヒートマップを確認したい場合におすすめです。

PCから閲覧のみに特化したものもありますが、スマートフォンに設定を切り替えればスマホからの閲覧に対応したヒートマップが表示されます。PCとスマホのどちらにも柔軟に対応できるので便利です。

Mouseflow(マウスフロー)

Mouseflow(マウスフロー)は、直感的に操作しやすいことが魅力的なヒートマップツールだと言えます。

説明書を読まなくても簡単に操作することができ、ストレスなく運用しやすいです。

1人1人の動きを細かく把握できるため、コンバージョンに至ったユーザーの利用動向だけをチェックしたり、コンバージョンに至らなかった理由を見つけ出したりするために用いることができます。

開発企業はデンマークに本社がありますが、日本公式販売代理店によるサポートが受けられるので安心です。

メールや無料通話アプリを利用したサポートが得られるので、スムーズな導入や運用が期待できます。

2週間の無料トライアルでは全ての機能を試すことができるので、使い勝手が良いかどうか確認してから本格的に申し込むことが可能です。

Ptengine

Ptengineはタグを実装してから5分で利用を開始できるので、スピーディーさを求める場合にもピッタリだと言えます。

使いやすさが大切にされているツールであり、ワンタグであらゆるデータを計測することができますし、多彩な機能は難しいコードを使用することなく活用することが可能です。

顧客の行動がヒートマップで分かるだけでなく、行動履歴が蓄積されていきます。履歴を参考にして対象となるユーザーだけに特別なオファーを通知することができ、解析から施策までこのツールで済ませることが可能です。

施策の実施後は結果の分析まで実施することができ、少ないツールで色々な機能を使いたい場合におすすめのヒートマップツールだと言えます。

MIERUCA

MIERUCAはPCとスマホ両方のユーザーの行動を可視化できるツールであり、解析結果を閲覧できるだけではなく、大規模なユーザーテストを実施してページを改善していくことも可能です。

熟読やスクロール、クリックなどのあらゆるヒートマップに対応していることも嬉しいポイントだと言えます。

総合的なSEO対策を実施できるツールなので、アクセス解析や順位調査、新規SEOキーワードの提案などを行ってもらうことも可能です。

コピーコンテンツを防ぐためのユニークな機能も搭載されており、自社のコンテンツが盗用されたときにも検知と通知が行われます。

MIERUCAを利用すれば、ヒートマップが確認できるだけでなく、幅広くSEO対策を行っていけるでしょう。

User Insight

User Insightはヒートマップ機能を搭載しているアクセス解析ツールであり、PCやスマートフォン、タブレットといったマルチデバイスに対応しています。

熟読エリアや終了エリア、クリックエリアなどを確認することで、訪問者に対する理解を深めることが可能です。

ヒートマップツールを導入してデータが確認できても、改善のために上手く役立てることができなければ意味がありません。

User Insightは勉強会を開催しており、勉強会に参加することによって実際の事例を参考に改善方法を知ることができます。

導入後の運用を心配している場合や優れたバックアップ体制を期待している場合は、このツールを利用することが便利だと言えるでしょう。

Contentsquare

Contentsquareは、ゾーンベースのヒートマップを確認できるツールです。

webサイトの各要素と訪問者の行動の相互作用が可視化されているため、シンプルなヒートマップツールとは一味違った、より深い分析を行うことができます。

コンバージョン獲得の障害になっている部分が的確に表示されるため、問題のある部分をピンポイントで改善していくことが可能です。

ヒートマップの解析結果から、獲得できるコンバージョンや収益を確認できる点が非常に便利だと言えます。

Contentsquareには解析や問題解決のために便利な機能が他にも多数備わっているので、1つのツールで色々な解析から施策の考案まで行いたいと考えている場合におすすめできるツールです。

VWO

VWOは世界的に利用されているヒートマップツールの1つであり、様々なタイプのサイトの改善に成功している実績があります。

セグメント別にヒートマップを確認することができますし、A/Bテストの実施やKPIの設定などの機能も利用することが可能です。

導入初期トレーニングがあるので、初めて利用する場合でも安心だと言えます。トレーニング終了後も随時サポートセンターで質問することができるので、継続したサポートを得ることが可能です。

ノウハウを教えてもらうことができるセミナーに参加することもできますし、オプションとしてコンサルタントから検証施策の提案を受けることもできます。

手厚いサポートを求めている場合に、VWOがおすすめです。

UXCam

UXCamはアプリ上のユーザー体験を最適化するためのツールだと言えます。

アプリ上のユーザーの行動が全て可視化され、ヒートマップも詳しく確認することが可能です。

デバイスによる差異やページ別の問題点が把握しやすく、素早く適切に改善してくことができます。

行動履歴からユーザーが無視したコンテンツやイライラした箇所を確認することもできるため、顧客の心が離れてしまわないようにネガティブな反応が多い場所を直していくことができるでしょう。

UXCamは日本で利用されているアプリだけでなく、海外で利用されることが多いアプリにも対応しているヒートマップツールなので、対象アプリや言語の豊富さを期待する場合にもおすすめです。

Hotjar

Hotjarは、ユーザーへの理解を深めるために大きく貢献してくれるヒートマップツールです。

ヒートマップで訪問者の本音を探ることができるだけでなく、録画されたユーザーの動きを見ながら分析を行っていくことができます。

さらに、アンケートを用意することもできるため、直接ユーザーに意見を確認することも可能です。アンケート結果とヒートマップの分析結果を照らし合わせることで、ユーザーの隠れた本音を理解しやすくなります。

海外で開発されたツールですが、フィードバックなどは日本語にも対応しているので問題なく利用できるはずです。Hotjarは無料で利用できるお試し版もあるので、まずは自社にピッタリか確かめたいという場合でも安心だと言えます。

ヒートマップまとめ

ヒートマップツールは、顧客満足度の向上やコンバージョン獲得のために役立つ解析を行えるツールです。

既に多くの企業が導入を開始している状況ですが、取り入れる前には特徴やサービスの詳細を知っておくことが大切だと言えます。

紹介した内容を参考にすれば、ヒートマップの基礎的な知識を身につけたり、おすすめサービスを確認したりすることが可能なので、満足度の高いヒートマップツールの導入に繋げることができるでしょう。

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