CDPとは?DMPとの違いやCDPサービス5選など徹底解説
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)を導入する企業は増えています。
今後これを取り入れることを検討しているのであれば、基本的な知識を身につけておくことが大切です。
また、自社にピッタリのサービスを選択するために、人気が高いサービスの特徴を知っておくことも大事だと言えます。
ここではCDPの特徴とおすすめサービスを紹介するので、導入する前に参考にしてみてください。
CDPとは?
CDPはCustomer Data Platformの略称であり、これは顧客の属性データや行動データの収集から蓄積、統合までを実施するためのデータプラットフォームです。
キーが顧客個人となっていることが大きな特徴であり、ウェブ訪問履歴などのログデータだけではなく、オフラインにおける購買情報や位置情報、IoT対応製品から得られるデータも収集され、統合していくことが可能です。
一元化したデータと外部データを組み合わせることで、成功確度の高い広告施策を打ち出したり、効果的なマーケティングを実現したりすることが可能です。
CDPが注目される背景
CDPが多くの企業から注目されるようになったのは、ここ最近のことです。
それまでは顧客全体に働きかけるようなマーケティングを実施することが多かったですが、近年はIT技術の進歩によってone to oneマーケティングが一般化しており、これがCDPの発展に繋がっています。
インターネット上で自由に情報の入手と発信ができるようになったので、顧客の価値観が多様化して多くのトレンドがつくられるようになりました。
従来の大まかなターゲティングでは効果的に働きかけることができなくなり、顧客ひとりひとりに対応できる施策が重要となったため、これを実現するためにCDPを取り入れる企業が増えたと言えます。
購買行動の複雑化に対応するために、CDPが注目されるようになりました。
DMPとCDPの違い
DMPという言葉を知っている人の中には、CDPと全く同じものだという認識を持っている人もいるかもしれません。
確かに、これらは似た機能を有しています。具体的にどの機能が搭載されていればCDPというような決まりはなく、2つの違いは設計思想にあります。
DMPは企業が保有するデータを活用しやすくするためにセグメンテーションを行い、セグメント単位でマーケティング施策を考えられるようにします。
こちらは、企業が保有するデータの細分や統合を目的として実施されると考えることが可能です。
一方で、CDPはDMPと似ていますが中心となっているのは個人のプロファイルであり、個人に紐づいているデータを蓄積させて、個人プロファイルの質を高めていくという設計思想があります。
CDPとDMPの使い分け
どちらも顧客のデータを収集したり、分析や管理を行ったりすることができますが、目的に応じて使い分けることが効果的だと言えます。
たとえば、特定の顧客データを分析して活用するつもりであれば、個人情報をベースとした詳細なデータが把握できるCDPを選ぶと良いです。
詳細な顧客の情報からパーソナライズされたマーケティングを実施することができます。インターネット上に存在する匿名ユーザーのデータを分析して活用したいのであれば、DMPが有効です。
DMPは個人を特定した情報を収集できないものの、匿名者のデータを豊富に集めることができます。
広告ターゲット層のリーチ数や属性などを分析し、マーケティングに活用することが可能です。
CDPのメリット
CDPにはたくさんのメリットがあります。ここからメリットについて詳しく説明するので、CDPを取り入れる前に確認しておいてください。
1.データの収集・管理・分析ができる
最も大きなメリットは、データの収集・管理・分析が簡単に行えるようになることです。
各部署や担当者がデータを保有しており、企業全体で共有されていないケースも多いと言えます。
CDPは社内に散在するデータを顧客単位で統合して管理することが可能です。きちんと管理できるようになるので、今まで以上に充実した活用に繋げることができます。
それまでとは違ったデータ活用方法で、新しいマーケティング施策を打ち出せるようになる可能性が高いです。
2.マーケティングの効率化、施策の実施
CDPを利用することで、マーケティングの効率化に繋げることができます。
データが一元管理されていなければ、データ抽出やマーケティング施策結果のレポート作成に膨大な時間がかかるはずです。
CDPを導入していれば必要なデータをすぐに呼び出すことができるため、作業効率を大幅にアップすることができます。
マーケティングの分析や施策業務が効率化されることで、顧客に寄り添った施策を実施しやすくなることも知っておくと良いでしょう。
CDPの導入のポイント
導入のポイントを知っておくことで満足できる導入を実現することができるので、これから紹介するポイントを参考にしてください。
1.目的に応じた分析ができるか
自社の目的に応じたデータ収集や分析ができるかどうかチェックしておくことがとても大切です。
多機能なCDPを利用することにした場合でも、自社の目的とサービスの特徴が合致していなければ意味がありません。
事前にCDPを導入する目的や、得た情報を活用して達成したい目標を決めておくことが大切だと言えます。
目的の不明瞭さはデータ分析精度の低下に繋がるので、明確なイメージを持った上でサービスを選ぶことが大事です。
2.他のツールとの連携
CDPは他のツールやシステムと連携できます。
ですが、選ぶCDPによっては外部ツールやシステムとの連携が弱いこともあるため、注意が必要です。
自社で利用しているツールと連携することができるかどうか、今後導入する可能性があるシステムと連携できるかどうか調べておくことをおすすめします。
連携性が良ければ既存のシステムを活用することで分析や収集の効率や精度を高めることができますし、スムーズな運用にも繋がることを理解しておくと良いです。
CDPサービス5選
これからはおすすめのCDPサービスを紹介します。
サービスごとの特徴を説明するので、自社に最適なものを選ぶための参考にしてください。
Treasure Data
Treasure Dataは業界をリードするサービスとして、国内外で高く評価されており、今までに様々な賞を受賞しています。
収集から統合、分析から施策に至るまでに便利な機能が多数搭載されていることが特徴的です。
収集時にはあらゆる手法でオンラインとオフラインのデータを取得することができますし、分析では予測や類似モデリングの構築が行われ次に起こすべき行動を提案してもらうこともできます。
施策段階ではコミュニケーション別に最適な方法が実行されるので、非常に便利です。
連携可能なツールやアプリケーションが豊富であり、マーケティング活動で使用されることが多いチャネルやオンラインストレージサービス以外にも多種多様な連携先が用意されています。
INTEGRAL-CORE
INTEGRAL-COREは自社にとって最適なデータ活用環境を構築できるサービスです。
顧客にまつわる情報を収集したり蓄積したりすることができるだけでなく、顧客と紐づかない情報に関しても保持や処理を行うことができます。
操作性が高く、直感的に操作できるシステムであることも大きな魅力です。
複雑な操作が必要な場合は導入しても十分に使いこなせない可能性が高いですが、簡単に利用できるので社員全体に有効活用してもらえる可能性が高くなります。
リアルタイムな収集や処理を得意としており、これによってタイミングを逃さない素早い顧客へのアプローチを実現することが可能です。
INTEGRAL-COREで幅広い情報が統合できるので、社内で使用するソフトウェアやアプリケーションの削減を実現できる可能性も高いと言えます。
Rtoaster
RtoasterはAiのリーディングカンパニーが開発しているCDPであり、確実なデータ収集や蓄積を実現することが可能です。
CDPが多くの人々から注目されるようになったのは最近のことですが、Rtoasterは15年ほどサービスの提供を行っているので安心感も得られます。
魅力的な機能が多数備わっており、データの収集からインポート、データの加工や分析、顧客へのアプローチなどをこれ1つで済ませることが可能です。
新しいサービスを取り入れるときには、上手く使いこなすことができずにお金を無駄にしたと感じることになるケースもあります。
このサービスを利用すれば経験豊富なコンサルタントが導入や運用、定着や活用領域拡大の全てのフェーズで支援を行ってくれるので、満足度の高い利用になるはずです。
uSonar
uSonarは自社保有データとリッチな法人企業情報を統合することで、企業のデジタルトランスフォーメーションを実現しているCDPだと言えます。
企業固有情報だけではなく外部評価や変遷情報、各種マスターの情報まで手に入れることができ、顧客データの不備をしっかりと補っていけるため、現在保有している情報が不十分だと感じられる場合にピッタリのサービスです。
CRMやSFA、MAなどのツールと連携することができ、マーケティング活動などに必要なデータを全て集結させることができます。
収集したデータを整備し、使いやすい状態にしておくことが可能です。
顧客や見込み顧客である法人企業の状況や現在の関係性を正確に把握できるようになり、効果的なアプローチが実現しやすくなります。
Tealium AudienceStream CDP
Tealium AudienceStream CDPを利用すれば、高精度な顧客プロファイルの作成が可能です。
豊富な統合オプションによって、顧客データを強化させることができます。
ユーザーと企業が交流した瞬間に新規プロファイルが作成されるため、素早いプロファイリングを実現できるでしょう。CDPで収集や分析を行った後は、必要に応じて顧客に働きかけていく必要があります。
顧客へのアプローチは素早く適切なタイミングで行うことが大事ですが、分析結果や最適な施策が分かりづらいCDPでは素早い行動を起こすことが難しいです。
Tealium AudienceStream CDPの場合は直感的に分かりやすいグラフやアイコンが採用されているため、即座に対応しやすいことも大きな魅力だと言えます。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)まとめ
顧客ひとりひとりに対するアプローチが重要となっているマーケティング業界において、CDPを導入することはとても大切なことです。
収集や統合、分析や施策の実行をこれまで以上にスムーズかつ高い精度で行っていくことができます。
自社を成長させたり社員の作業効率を上げたりしたい場合は、CDPを導入することを検討するとよいでしょう。
導入するのであれば特徴だけでなく、おすすめサービスについても理解を深め、自社に最適なものが選択できるようにしておくことが大切です。