【営業テクニック】ドア・イン・ザ・フェイスの使い方のポイントと利用例
ドア・イン・ザ・フェイスは簡単にいうと交渉術になります。
ビジネスをする上で話のもっていきかたで、交渉が成立しやすくなったり、逆に交渉が不成立になったりします。
ビジネスをする上で、交渉術を習得しておくと必ず役にたちます。ここでは向上術であるドア・イン・ザ・フェイスの使い方などを紹介していきます。
ドア・イン・ザ・フェイスとは?
ドア・イン・ザ・フェイスとは、最初に相手側が断るであろう大きな頼みごとをして、そこから小さな頼みごとをすることで了承を得る可能性が高くなるのでビジネスで多く利用されている交渉術になります。
一度断らせることで罪悪感を持たせることで、次の小さな要望を聞き入れてもらえやすくなり、商談などが成立しやすくなるといった特徴があります。
人間の心理をうまく利用した交渉のテクニックです。
重要なポイントは最初に高めのハードルを設定しておくことになります。このテクニックは同じ相手には何度も通用しません。
ドア・イン・ザ・フェイスは決定することを誘導している交渉術になり、人の心理にアプローチするので、テクニックを活用する場合は、細心の注意を払う必要があります。
フット・イン・ザ・ドアとの違い、共通点
良く似ている交渉術の「フット・イン・ザ・ドア」は、「ドア・イン・ザ・フェイス」と真逆の交渉術になります。
フット・イン・ザ・ドアは、最初に小さな頼みごとから初めて次第に要求を高くしていくテクニックです。
最初に要求を小さく設定することで、相手の了承を得やすくなるといった特徴があります。次第にハードルの高い要求をしていっても、これまで了承をしていた手前断りづらくなってしまう心理を利用した交渉術になります。
人間の心理というものは、一回相手の要求を承諾した場合、その態度を統一させようと、次の要求も了承してしまう傾向があります。
フット・イン・ザ・ドアの使い方は、ハードルを徐々に高くしていくことが大切になります。
ハードルの上げ幅などをしっかり調節することが大切になり、振り幅が極端に大きくならないようにすることがコツになります。
ドア・イン・ザ・フェイスやフット・イン・ザ・ドアを活用する場合に、注意するポイントは同じです。それは相手との信頼関係を築いておく必要があり、信頼関係があるからこそ成立する交渉術になります。
フット・イン・ザ・ドアとドア・イン・ザ・フェイスの共通点は一貫性の法則という心理を利用している点です。
ドア・イン・ザ・フェイスやフット・イン・ザ・ドアの特徴をしっかり理解したうえで活用することができたら、セールスなどのビジネスに良い効果を得ることができるようになります。
ドア・イン・ザ・フェイスを利用する時のポイント
ビジネス上でドア・イン・ザ・フェイスを利用する時のポイントは、最初に適度に高いハードルの要求をすることが大切です。
断ったら申し訳ないと思わせることがポイントです。
1.現実的な要求を設定する
相手が到底承諾することができないぐらいの高いハードルではなく、相手が少し悩むほどの高いハードルにすることが大切になります。
なぜなら現実離れした大きい頼みごとをした場合次に小さな頼みごとをしても断られるリスクが高くなってしまいます。
高すぎず低すぎないほどよい提案をすることで相手に罪悪感を持たすことが重要なポイントになります。
2.間を開けずテンポよく進める
一度断った相手に罪悪感が残っている間に、次の小さな要望を伝えることが重要です。
次の本命の交渉までに時間をかけてしまうと相手が抱いた罪悪感といった感情は薄れてしまうので、相手側が断って申し訳ないと罪悪感を抱えている状態で活用することが有効になります。
3.同じ相手に何度も使わない
同じ相手に何度も使わないことを心得ることが大切)このドア・イン・ザ・フェイスを同じ相手に繰り返して使用していると、相手も気づいてしまうので、信頼を失ってしまう可能性が高くなり、本末転倒になってしまいます。
何度も同じ交渉術を使用することで、相手が断ることに慣れてしまって、断ったことによって引き起こる罪悪感を抱きにくくなります。
そうなるとドア・イン・ザ・フェイスを駆使しても有効性がなくなってしまいます。
ドア・イン・ザ・フェイスは1回きりの使用が良く、最初のきっかけづくりとして使用すると良い交渉術になります。
そして何度も同じドア・イン・ザ・フェイスを用いることで信頼関係をなくしてしまいかねないので、注意する必要があります。
ドア・イン・ザ・フェイスの心理テクニックには人の心の部分に干渉するので、使う必要がある場面なのかをしっかり考えて活用するようにしなければならないです。
相手との距離感や交渉頻度などを考慮してドア・イン・ザ・フェイスを活用すると良いです。
4.引くタイミングを見極める
ドア・イン・ザ・フェイスを活用する場合は、引き際を弁えることが大切になります。
ドア・イン・ザ・フェイスは人の心理を上手く利用する交渉術になるので、しつこくしてしまうと相手側は良い気分にはならなくなってしまいます。
ドア・イン・ザ・フェイスのような心理テクニックを活用しても人によっては効果がなく思い通りにことが進まないこともあります。
そういった場合に執拗にしてしまうことで、心証が悪くなる一方で、本来の目的も通らなくなってしまいます。
上手くいかない場合は、潔くドア・イン・ザ・フェイスの交渉術を諦めることが大切になります。
このような場合は、他の方法で交渉することにシフトチェンジすることが大切です。
ビジネス上での利用例
ビジネスでは、ドア・イン・ザ・フェイスを上手く活用することが大切になります。営業でおすすめプランに加入してもらいたい場合に、割安の3年間のプランを最初に提示します。
相手は、はじめて利用するプランになるので3年間は長く不安だと断ります。次に営業マンは割高の半年のプランを提示してみます。
相手は半年だと割高になるので躊躇します。そうなったときにお得な無料で利用することができる2週間のプランを提示することで、相手は試してみても良い心理になり、契約の成立に至ることになります。
具体的な値段での利用例は、営業マンがすべてのカスタマイズをすると30万円になりますと提示した場合、お客さまは費用対効果が見えないので、いきなり全部導入するのは不安だと言ったとします。
そうすると次の交渉ではまずは小さなプランで最低限の機能は備わっている15万円のプランをお客さんに伝えます。
最初に30万円という価格を断らせたことで罪悪感を持たせます。断って悪いなと罪悪感を持ったお客さまは、30万円から15万円になったこともあり安くお得に感じて契約するように持っていくことができるようになります。
利用例を見てもわかるように最初に断らせることが重要になり、罪悪感があるうちに次の交渉に持ち込むことがビジネス上で活用する上で大切なポイントです。
ビジネス上で活用する際には、相手の性格なども見極めてドア・イン・ザ・フェイスを利用することが大切になります。
ドア・イン・ザ・フェイスの交渉術をビジネスで活用した後に相手が上手く言いくるめられたと感じることがあります。
これはドア・イン・ザ・フェイスが断って申し訳ないという感情を抱かせる心理を活用した交渉術だからになります。
お客さまのもやもやした感情を解決して上げることも重要な事柄です。
お客さまとの信頼関係を保つ努力をしたり、しっかりフォローをおこなうようにすると良いです。(
その他の営業交渉術
営業の交渉術にはその他にもあり、いくつか簡単にご紹介します。
1.アンカリング効果
アンカリング効果は、最初に印象的な情報を相手に与えることでその後の意思決定に影響を及ぼす効果を指します。
アンカリング効果は、マーケティングで活用される行動心理学になります。人間の心理には情報が揃っていない時、特定の情報に頼ってしまい、それを基準としてしまう場合があります。
アンカリング効果とはその心理を利用しています。
2.ハロー効果
ハロー効果とはある対象物を評価する際に、印象的な特徴に引きずられるように、他の特徴についての評価までが歪められる現象のことになります。
ハロー効果には、2種類あり、ポジティブなハロー効果とネガティブなハロー効果があります。ポジティブハロー効果とは人の目立っている良い点を見て他の点も実際より高く評価することです。
ある特定の評価が低いと感じた場合に別の評価を低くしてしまう現象をネガティブなハロー効果といいます。
3.イエスセット
イエスセットは、何度もイエスを繰り返すことで次の質問などにもイエスと応えてしまう心理学にも続いた交渉テクニックになります。
イエスセットは、一貫性の法則という人間の心理を利用しています。
ドア・イン・ザ・フェイスまとめ
ドア・イン・ザ・フェイスは、ビジネスで多く使われている交渉術になります。
最初に高いハードルの要求をして、相手側が断るときに発生する罪悪感という心理を利用して小さな要求に応えてもらう交渉術です。
ドア・イン・ザ・フェイスは、同じ人に一度しか利用することができない交渉術になるので、活用する際には相手との関係性などさまざまなことを考慮してから活用すると良いです。