PREP法とは?相手に上手に伝えるコツや仕事で活用するためのポイントを解説!
PREP法は有名な文章作成・構成術で、主にビジネスシーンでの文書やプレゼンテーション等で用いられてます。
自分は説明が下手だと感じている場合や、もっとスムーズに考えを伝えられるようになりたいと思っている場合は、PREP法を取り入れるとよいでしょう。
PREP法の基本的な内容から活用方法まで紹介するので参考にしてください。
PREP法とは?
Point(結論)・Reason(理由)・Example(実例や具体例)・Point(結論)の順番で文章を作成するテクニックが、PREP法と呼ばれています。
最初に結論を述べてから具体的な話を行い、最後にもう1回結論を述べるので、話をすんなり理解しやすい構成です。
要点が掴めない話を聞いていると、ストレスに感じてしまう人が多いと言えます。
PREP法を取り入れることで最初に重要なことが伝えられるので、聞き手は重要なポイントを理解した上で詳しい内容を聞くことが可能です。
聞き手が要点を理解した状態で話が進んでいくため、伝わりやすさが飛躍的に向上します。
プレゼンや営業などの大切なシーンはもちろんのこと、上司や同僚への報告などを行う日々の業務でも活用することが可能です。
PREP法のメリット
PREP法を取り入れることには多くのメリットがあるので、ご紹介します。
実際に使ってみる前に、どのようなメリット・魅力があるのか確認しておきましょう。
1.無駄なやりとりが減る
会話や発表にPREP法を取り入れるのであれば、無駄なやり取りを減らすことができます。
スムーズに内容を理解してもらいやすいので、同じ説明を2回する必要がなくなるケースが多いです。
PREP法を用いずに文章を組み立てると、聞き手からすれば分かりづらい内容になっている可能性があります。
もう1度説明するようにお願いされるだけであれば良いですが、上司や取引先から「何が言いたいのか分からない」「きちんとまとめてから出直してほしい」など、辛辣なコメントをもらう可能性が高いです。
同じ内容を何度も説明することになるだけでなく、本題とは関係がない部分で叱られたり指摘を受けたりして時間を無駄にすることもあります。
不要なやり取りを減らすためには、PREP法を用いた伝わる説明を心がけると良いです。
2.説得力を持たせられる
PREP法を用いるのであれば、説得力を持たせられるようになります。
結論を述べた上で説明や裏づけとなる話をすることになるため、聞き手が話の内容に納得してくれる可能性が高くなるでしょう。
論理的で理解が容易な文章は相手を納得させる力を持っています。
自分では論理的であることを心がけているつもりでも、きちんと組み立てを行わずに書いた文章は情報にまとまりがなく、説得力が感じられないと判断されるリスクが高いです。
熱意をもって語りかけたとしても、文章の構成が無茶苦茶であれば意味がないと言えます。
PREP法で論理的な内容に仕上げることができれば、多くの人から説得力があると思ってもらえるような文章を書けるようになるはずです。
3.論理的に整理できる能力が身につく
一時的に論理的な文章を作成できるようになるのではなく、論理的に整理する能力を身につけることができます。
PREP法を取り入れるのであれば、最も強く伝えたい結論の部分を考え出し、結論に至るまでの内容を分かりやすくまとめる必要があるでしょう。
文章の構成を練ったり、考えた内容を報告や発表、説明などとしてアウトプットしたりすることで、能力を向上させることができます。
論理的な思考力はビジネスにおいて重要です。
報告や営業のために論理的な思考に基づいた文章をスムーズに書けるようになるだけでなく、日頃から論理的に様々なことを考えられるようになり、あらゆるシーンで最適な判断ができるようになる可能性が高いと言えます。
4.文章作成能力が上がる
PREP法を活用することによって、文章作成能力をアップさせることが可能です。
相手に伝わりやすい文章になるだけでなく、優れた文章を素早く書けるようになることが魅力的なポイントだと言えます。
自分で考えながら文章を書かなければならない仕事を行っている人は多いですが、予定より作成に時間がかかってしまったり、長い時間をかけたわりに満足できない内容になっていたりする人が多いです。
PREP法は書く順番が定められているので、型に当てはめながらテンポ良く書いていくことができます。
書く内容は決まっているはずなのに時間がかかってしまう人、途中で止まってしまうことが多いと感じている人はPREP法で文章作成能力を高めていくべきです。
PREP法が活用できるシーン
あらゆるシーンでPREP法を利用することができます。
幅広い場面で使いこなしたいのであれば、これから紹介する活用できるシーンで取り入れてみることがおすすめです。
1.ライティング
ライティング業務において役立てることができます。
消費者や取引先に対して文章を書く仕事を行っている人の中には、魅力的な文章を書ける人も多いです。
ですが、この業務をこなすためには品質とスピードの両方が重視されます。どちらも欠けてはいけませんが、両立することは簡単ではありません。
PREP法を活用することで、スピードアップしても品質を損なうことがなくなるので、ライティングを行う仕事でも重宝される文章作成術だと言えます。
2.就職・転職活動
就職・転職活動でも論理的な文章作成能力は重要です。
まとまりのない志望動機であれば、書類選考の段階で落とされてもおかしくありません。履歴書を書くときはもちろんのこと、PREP法は面接の受け答えでも役立てることができます。
テクニックをマスターしておくことで、質問に対する答えを素早く論理的に組み立てられるようになるはずです。
面接の際には焦りから支離滅裂な返答になってしまう人も多いですが、PREP法を用いることで、スマートな返答を実現できるようになります。
3.会社内での報告
会社内の報告でもPREP法による文章作成能力が役立つはずです。
いつも時間的に余裕がある中で報告が行えるわけではありません。
たっぷり時間があるときであれば、分かりづらい報告でも広い心で聞いてもらえる可能性がありますが、忙しいときに分かりづらい報告をされると聞き手はイライラします。
PREP法をマスターしておけば、いつでもスムーズに報告ができるようになるので、関係を悪化させるリスクが回避できるでしょう。
説得力もある説明になるので、納得してもらえる報告の実現にも繋がります。
4.プレゼンテーション
プレゼンは聞き手に自分の考えを分かりやすく伝えることが大切です。
魅力的な提案を持っていたとしても、多くの人にとって理解しやすい内容でなければアイデアを支持してもらえません。
社内で行う新商品開発のためのプレゼンでも、取引先の購買意欲を高めるためのプレゼンでも、PREP法を役立てることができます。
論理的かつ説得力のある説明になるので、魅力的な提案だと思ってもらえる可能性が高くなると知っておきましょう。
PREP法のデメリット
便利なPREP法ですが、デメリットもあります。
PREP法を活用する場合、シンプルさが求められるビジネスシーンでは大いに役立てることができますが、雑談や親しい人と話すときには逆効果です。
冷たい印象や素っ気ない印象を与えやすくなるので、ビジネスシーンのみで使用すると失敗を防ぐことができます。
スピーチや物語、親しい人との会話には不向きであり、シーンによっては押しが強く感じられてしまうことを理解して使い分けると良いでしょう。
PREP法のそれぞれの構成ポイント
PREP法を用いて文章を構成するのであれば、それぞれのポイントごとにどのような内容を盛り込むべきか理解しておく必要があります。
ポイントごとに紹介するので、参考にしてみてください。
1.Point(結論)
最初にPoint(結論)を書きます。
初めに結論が明かされていなければ、聞き手や読み手は「何について書かれているのだろう」と、疑問を抱えたまま聞いたり読んだりすることになるはずです。
たとえば、朝ごはんの大切さを説きたいのであれば、「充実した暮らしを実現するためには朝ごはんを食べましょう」と、最初に結論を書いておくことができます。
重要な部分が明確化されたので、これを前提として聞いたり読んだりできるようになるでしょう。
2.Reason(理由)
結論を裏づけるためには理由が必須です。
正しい内容であったとしても、結論だけでは聞き手や読み手を納得させることができません。
朝ごはんの例であれば、「脳のエネルギー源を朝食から補給することができ、仕事や勉強に打ち込めるようになります」と、理由を説明できます。
結論の直後に理由を知ることができるため、説明を受け取る人に「なるほど」と思わせられる可能性が高まるでしょう。
説得力のある理由を用意する必要がありますが、このような流れで理由を伝えると、構成がゴチャゴチャしている場合より説得力が増します。
3.Example(例)
結論と理由を述べたのであれば、具体例を用いることでより深い理解に繋がるようにすることが大切です。
理由を伝えることで納得してもらえる可能性が高いですが、具体例の存在が更に説得力を高めてくれます。
「朝ごはんを食べた日と食べない日では、5分で解けた計算問題の数に大きな差がある」など、事例や根拠を加えると良いです。
実際に行われた実験の結果、発表されている論文からの引用などによって、信憑性の高い具体例を提示することができます。
4.Point(結論)
PREP法の重要なところは、最後にも結論を書くところです。
真っ先に書いたのだから最後は書かなくて良いと考えるかもしれませんが、最後にもきちんと記しておく必要があります。
書き出しと全く同じ文ではなく、内容を踏まえた文章を作成することも大切です。
「仕事や勉強で十分な力を発揮したいのであれば、朝ごはんはしっかり食べるべきだと言えます」などと、書き出しよりも詳しく結論を書いてみましょう。
これによって、しっかりと念を押すことができます。
PREP法を身につけるコツ
基本的な内容を理解することができても、すぐに使いこなせるようになるわけではありません。
PREP法を使いこなせるようになりたいのであれば、身につけるコツを知っておくと良いです。
スキルの向上や定着のためには実践回数を増やすことが大切なので、毎日PREP法を用いるようにします。
日常会話で多用することはおすすめしませんが、会議や報告などで積極的に用いてみると良いです。
紙に書き出しながら整理することも大切だと言えます。慣れると書かなくてもPREP法を意識した話し方が実現できますが、最初は紙に書くことが大事です。
足りないものや改善点が把握できるので、良い文章になるように変化させていくことができます。
PREP法を使った活用例
PREP法をプレゼンで活用するときの例を紹介するので、これを参考にビジネスシーンで活用できるようにしておくと良いでしょう。
マーケティング戦略におけるSNSの重要性をアピールしたいときには、以下のような文章を書くことが可能です。
「当社ではECサイトを運営しておりますが、アクセス数アップにはSNSとの連携が重要だと言えます。」
「何故なら、近頃は公式ホームページを経由せず、SNSからアクセスする人が多いからです。」
「我が社の公式SNSのアクセス解析の結果、SNSで発信したリンクのクリック率が40%は超えています。一方で、公式ホームページ上で発信しているリンクのクリック率は15%程度です。」
「現在、SNSから他のページに遷移する人が増えており、ECサイトのアクセス数と売上をアップさせるためにはSNSとの連携が必要不可欠だと言えます。」
PREP法を用いることによって、このようなプレゼンの実施が可能です。
初めと終わりに結論を伝えているだけでなく、間に理由と具体例があるので説得力のある内容になります。
PREP法とSDS法の違い
SDS法も文章を作成するためのテクニックです。
PREP法との違いは、切り口を変えて最初から最後まで同じ内容を話すことになる点だと言えます。
強く伝えたい内容があるときに効果的な手法です。Summary(概要)・Details(詳細)・Summary(概要)から構成され、最初と最後に同じ内容を話す点はPREP法と同じだと言えます。
SDS法を用いてリーダーに抜擢された話をするのであれば、以下のようになるでしょう。
「来月からリーダーを務めることになりました。」
「リーダーを務めている方が別の営業所に異動するため、現リーダーと同じ資格を有する自分が選ばれたようです。」
「来月からリーダーとして努めていくので、よろしくお願いします。」
例を確認すると分かりますが、SDS法は特定の内容を強く訴えることになるでしょう。
PREP法とDESC法の違い
DESC法は提案したいときに有効な文章作成術です。
Describe(事実と状況の描写)・Explain(主観的な説明)・Specify(問題に対する具体的な提案)・Choose(選択肢)という、構成となっています。
論理的に話を進める点は同じですがPREP法は明確に伝えたいとき、DESC法は承認を得たいときに使えるでしょう。
新システムを導入したい場合、次のように提案できます。
「我が社は手動で出退勤を記録してきました。」
「手動は打刻忘れが集計時に問題となることがあります。」
「打刻忘れをなくすには通過すると打刻されるシステムを採用したほうが良いと思います。」
「システムがあれば集計業務の効率化が見込めますが、導入が無理であれば今後も集計業務に悪影響を与えることでしょう。」
例のようにDESC法で論理的に問題や解決策が伝えられるので、承認が得やすくなるはずです。
PREP法まとめ
PREP法は、ビジネスシーンで重宝する文章作成のテクニックだと言えます。
意識していなければ自分では分かりやすく話しているつもりでも、聞き手には伝わっていない可能性が高いです。
幅広いシーンで使うことができ、様々なメリットもあるのでPREP法を取り入れることをおすすめします。
分かりやすい説明や文章を実現することができれば、周囲からの評価もアップするはずです。
基本的な特徴だけではなく、PREP法の具体的な使い方まで知り、上手く使えるようにしておきましょう。