営業に活用!オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンのテクニックを解説
オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンは、ビジネスシーンで役立つ会話のテクニックです。
名前は知っているものの詳しい内容を理解していなかったり、何となく知っているけれど正しく使いこなせなかったりする人は非常に多いと言えます。
ここでは、2つのテクニックについて詳しく解説するので、紹介した内容を参考にしてビジネスで役立てることができるようにしてください。
オープン・クエスチョンの特徴
オープン・クエスチョンは、「はい」と「いいえ」で答えることができない質問です。
答えが限定されずに自由であることから、開かれたという意味を持つオープンという単語がついています。
たとえば、嬉しそうな人物に対して「嬉しそうですが、どのような良いことがあったのでしょうか」と尋ねる場合は、オープン・クエスチョンを用いたと言えるでしょう。
この質問を受けた人は、「臨時収入がありました」「誕生日を盛大にお祝いしてもらえました」「恋人ができました」など、自由に答えることができます。
難しいと感じられる人もいるかもしれないですが、5W1Hを使用した質問がこれに該当すると覚えておくと分かりやすいです。
「どこに行きましたか」「何を食べましたか」「どのような人でしたか」「何円でしたか」など、5W1Hを利用する場合はオープン・クエスチョンになります。
オープン・クエスチョンのメリット
質問するときにオープン・クエスチョンを利用することには、多角的な情報を入手できるというメリットがあることを知っておくと良いです。
詳しい話を聞きたいと思っていても、YesかNoで答えられる質問にすると具体的な話を聞きづらくなります。
オープン・クエスチョンは相手に主導権を与えることができるため、自由に意見を話してもらうことが可能です。
思っていることや感じていることを自由に伝えてくれるので、クローズド・クエスチョンでは入手しづらい答えが得られることも多くなります。
相手に考える時間を与えられることもメリットです。深く考えてもらえるので、相手の理解を深めたい場合やコーチングの際などにこちらの方法で質問を行うこともおすすめだと言えます。
オープン・クエスチョンのデメリット
ただし、オープン・クエスチョンの利用するタイミングや頻度を間違えると期待していた結果に繋げることができません。
相手が答えにくいと感じている内容でオープン・クエスチョンを連発すると、相手を疲れさせる可能性が高いです。
これを利用すると会話のリード役を相手ばかりに押しつけることになってしまうので、常に相手の様子を観察しながらオープン・クエスチョンを使うべきかどうか見極める必要があります。
テクニックを使いたいという気持ちが先走ってしまうと、不自然な会話になるリスクも高いです。
こちらも相手を疲弊させますし、コミュニケーション能力が低いと思われたり相性が悪いと思われたりするリスクもあるので要注意だと言えます。
クローズド・クエスチョンの特徴
クローズド・クエスチョンは、「はい」と「いいえ」で答えられる質問です。
クローズドには閉じられたという意味がありますが、クローズド・クエスチョンは答えが制限されているので閉じられた質問だと言えます。
2択で答えることができる質問は、閉じられた質問であると覚えておくと良いです。
「何か良いことがありましたか」という質問は、YesかNoで回答できるのでこれに該当します。
「コーヒーは好きですか」「新しい時計は高かったですか」「昨晩はしっかり眠れましたか」なども、全てクローズド・クエスチョンです。
もちろん、相手がYesとNo以上の答えをくれることもあります。
コーヒーが好きかどうか尋ねると、「はい」の後に「ブルーマウンテンが好きです」などと詳しい説明が入る可能性もあるでしょう。
それでも、2択で答えることができるものはこちらに含まれると覚えておいてください。
クローズド・クエスチョンのメリット
閉じられていることによって、確認が簡潔に行えるというメリットがあります。
作業が期日までに完了できるか確かめたいときに「明日までに終わりますか」と聞けば、YesかNoで答えてもらえますが、「進捗はどうですか」と聞くと「今はこのような感じです」などと答えられ、明日までに終わるかどうか知ることができません。
クローズド・クエスチョンを選べば、聞き手が主導権を握って必要な内容だけ問うことができますし、相手を悩ませることもなくなります。
急いで確認しなければならないことがあるとき、自由な回答を聞く必要がないときなどに便利な質問方法です。
自由回答を苦手としている相手を悩ませたくない場合も、これを活用することができます。
クローズド・クエスチョンのデメリット
クローズド・クエスチョンのデメリットは、相手が話したいことが十分に話せない可能性があることです。
聞き手が主導権を握ってしまうため、話し手が思いや考えを十分に伝えられないリスクがあります。
オープン・クエスチョンであれば得られた回答が得られなかったり、話し手が自分の思い通りに話せないという不満を抱いたりするリスクがあるところが、こちらの手法を利用することのデメリットです。
淡々とYesかNoで答えることを強いられていると感じさせることがあるので、自分本位な思いやりがない人だと認識されてしまう危険性もあります。
円滑に話を進めるために便利な手法ですが、利用シーンによっては相手にマイナスの印象を与えることになるでしょう。
オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンの使い分け
オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンのどちらにも、便利な点と注意点があります。
そのため、上手く使い分けることが大切です。
親しくない人に質問する場合や口下手な人に質問する場合は、答えやすいクローズド・クエスチョンが便利だと言えます。
会話を掘り下げるためのきっかけになったり、スムーズな回答が得られたりするはずです。
気心の知れた人や積極性のある人に質問する場合は、オープン・クエスチョンでも問題ないと言えます。
また、相手からじっくり話を聞きたい場合はオープン・クエスチョン、素早く必要な内容だけ聞きたいときにはクローズド・クエスチョンを使うことが可能ですが、一方に偏らないようにすることも効果的です。
どちらかが連続しそうなときには、相手の様子を見ながらもう一方の質問方法を取り入れてみると欠点を補いながら活用することができます。
オープン・クエスチョンとクローズドクエッションまとめ
質問をするのであれば、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンを使い分けられるようにしておくことが望ましいです。
同僚とのやり取りでも、後輩を指導するときにも、取引先と商談を行うときでも活用できるテクニックだと言えます。
誰でも簡単に取り入れやすい手法ですが、練習しなければ上手く使いこなすことができません。
基本的な内容をしっかりと確認し、納得できる取り入れ方が実現できるようにしておくと良いでしょう。