タイムカードがない会社は違法!?勤怠管理で知っておくべき基本知識

最終更新日 : 2021-12-13 Box

タイムカードがない会社も存在しますが、そういった会社は違法ではないのか、適切な管理を行うべきではないのかなどの疑問を抱く人は多いはずです。

詳しいことを知らない場合はタイムカードの必要性を理解できないまま働いたり、会社の経営を行ったりしてしまう可能性があります。

タイムカードの必要性やタイムカードがない会社の違法性の有無、適切な管理方法などを理解しておくことがおすすめです。

タイムカードの役割

まずはタイムカードの役割について理解を深めておくことが大切だと言えます。

これはたくさんの役割を果たしているものなので、詳しい役目を知っておきましょう。

1.正確な労働時間を記録

タイムカードは労働時間を正確に記録するために重要な存在です。

打刻によって始業時刻と終業時刻を証明することができます。労働時間を正確に証明することができれば、長時間労働の是正を図ることも可能です。

長時間労働は日本の企業における深刻な問題の1つですが、タイムカードがない会社で社員がどれくらい働いているのか正確でないと是正を期待することができません。

ハッキリと労働時間をデータとして残すことができれば、状況を変えるために働き方改革などがしっかりと推進される可能性が高まります。

証明できるものがないと長時間労働はなかったと会社側が主張することもできるので、タイムカードの存在は非常に重要です。

2.残業代請求の重要な証拠となる

残業代を請求する際の重要な証拠とすることもできます。残業代未払いの問題が発生することもありますが、払われていないことだけでなく、残業の事実を証明することができなければ請求することができません。

タイムカードに打刻された時間が労働時間としてみなされるため、自分でタイムカードの写真を撮影することなどで証拠を残しておくと良いです。

会社にタイムカードがないのは違法?

労働安全衛生法では、使用者に対して労働者の労働時間の把握が義務づけられています。

そのため、会社にタイムカードがない会社は違法だと思う人も多いはずです。

ですが、実際のところは会社にタイムカードがない会社でも違法にはなりません。

あくまでも、これは労働時間を把握するためのツールの1つだと考えられており、他の方法で管理されていれば問題ないと判断されることになります。

厚生労働省ではタイムカードやICカード、パソコンの使用時間の記録などを利用して労働時間を把握することを推奨していますが、極端なことを言えば手書きで紙にメモしているだけでも違法にはなりません。

自動的に記録できる方法や客観的な記録を残すことができる方法であれば正しく労働時間を記録しておくことができますが、そうでなければ改ざんや虚偽申告が起こる可能性もあります。

タイムカードがない会社でも違法にならないので取り締まられることはありませんが、確実な方法で記録しておかなければ問題が発生する可能性が高いことを理解しておきましょう。

タイムカードがない場合の労働者側の対応

タイムカードがない会社ではどうすることもできないと思うかもしれませんが、労働者側でトラブル回避のために対応することもできます。

たとえば、業務日報や勤怠データをパソコンや紙にまとめている場合は証拠として提出することができるので、きちんと業務日報や勤怠データを残すように心がけておくことが大切です。

パソコンのログインやログオフ、メールの送受信記録などが証拠となる可能性も高いので、始業開始直後にすぐにパソコンを起動させ終業までログオフしないようにする、メールは破棄せずに保管しておくことをおすすめします。

他にも、出張や営業の場合は他の証拠と合わせて交通系ICカードの利用履歴を提示すれば証拠を強化することができるはずです。

タイムカードがない場合の会社側のデメリット

タイムカードがない会社は労働者だけにデメリットがあると思うかもしれませんが、会社側にも大きなデメリットがあります。

労働時間を把握していれば違法にならないと甘く考えていると、社員から残業や時間外労働を主張されて問題となる可能性があるでしょう。

会社が時間を偽装して労働時間を少なく見積もるケースが多いと思われがちですが、タイムカードがない会社であることを良いことに、社員から事実ではない主張をされてしまうリスクもあります。

また、把握しているつもりで正しく把握できていなければ、労基法で定められた法定労働時間や時間外労働協定の内容で違反してしまう恐れもあるでしょう。

会社側にもリスクがあることなので、タイムカードがないことで会社に大きなダメージを受けるような問題が発生しかねないことを知っておくべきです。

タイムカードがあっても問題になるケース

自分の勤め先がタイムカードのない会社でなければ安心だと思うかもしれませんが、これがあっても問題になるケースはあります。

具体的にどのような問題があるのか理解し、対策が講じられるようにしておくことが大事です。

1.不正の打刻

タイムカードがない会社ではなくても、不正打刻があれば意味がありません。

定時を過ぎると打刻できない設定にされていたり、残業する場合でも打刻するように指示されたりするケースがあります。

実際の終業時間にはバラつきがあるのに、全社員の終業時間を統一させて打刻するような会社があることも事実です。

打刻した通り本当に定時に退社することができても、実際には持ち帰り残業を命じられて家で長時間仕事をしなければならないケースもあります。

掃除や準備、会議などを理由に始業時間よりも早く出勤することを強制されているのに、始業時間になるまでは打刻できないというケースも少なくありません。

こういった場合は全て不正打刻に当てはまると言えるでしょう。

2.テレワークに対応できない

会社に設置している機器を使用して打刻しなければならない状態であれば、テレワークに対応してもらうことができません。

テレワーク者だけ労働時間を正確に把握してもらえないというリスクが発生します。

社外で働く人に対応できる仕組みがない場合は、タイムカードがない会社でなくても問題が起こる可能性が高くなるので注意が必要です。

3.集計作業に時間がかかる

タイムカードは電子データではないため、集計するためには担当者が手作業で入力するケースが多いと言えます。

膨大なデータを取り扱うことになるので集計作業に時間がかかることになるでしょう。

ヒューマンエラーが起こりやすく、二重チェックなど工数も増えやすく、作業時間が長くなりがちです。

経理担当者が集計を担当しているケースも多いですが、他の業務に打ち込むための時間が奪われることになります。

担当者の負担が大きくなりますし、作業を間に合わせるために人員を増やせば人件費が増えることになるでしょう。

4.保管義務が発生する

もしも、タイムカードを使用するのであれば、5年間はデータを保管する必要があります。

労働基準法で義務づけられていることなので、保管スペースを用意しておかなければなりません。社員数が多いほどタイムカード数は多くなってしまい、保管や管理のためには新たなスペースやコストが必要となる可能性が高いと言えます。

保管義務があることで、使用するかどうかに関係なく保管しておかなければならないことを理解しておくべきです。

会社側・労働者側共にメリットのある勤怠管理システム

会社側と労働者側の両方にメリットがある勤怠管理方法には、勤怠管理システムをあげることができます。

勤怠管理システムは名前から分かるように勤怠管理に特化したシステムです。

労働者が所有するICカードや使用しているパソコンで打刻することができるケースが多く、会社も労働者も内容を改善することができない仕組みになっています。

更に、打刻されたデータは自動で集計や分析が行われるため、給与管理のための集計の手間を省くことができますし、長時間勤務がある場合は改善すべきだと示されるシステムも多いです。

間違いなく労働時間を記録することができますし、勤怠管理に関する手間やコスト、間違いを減らせる可能性が高い便利なものだと言えます。

まとめ

タイムカードがない会社が違法だとみなされることはないものの、これがないことによって種々の問題が起こるリスクがあるので要注意です。

労働者にとっても会社にとってもデメリットが大きいことですが、タイムカードがない会社でなくても発生する恐れがある問題はあります。

あらゆる問題を回避するためには、勤怠管理システムのような便利なシステムを導入することがおすすめです。

タイムカードがない会社の場合は、トラブルを回避しやすくなる勤怠管理システムが導入できるように調整してみると良いでしょう。

 

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