エビデンスとは?様々なケースで使われるその意味や使い方をわかりやすく解説
ビジネスシーンでエビデンスという言葉を見聞きする人は多いはずです。
何となくこの言葉を使ったり聞いたりしている人が多いですが、これの意味や重要性を十分に理解している人は多くありません。
ここではエビデンスについて詳しく紹介していきます。間違った使い方や認識を避けるためにも、正しく理解を深めておきましょう。
エビデンスの意味
エビデンスには「証拠」「科学的根拠」「裏づけ」「形跡」などの意味があります。
ビジネスシーンにおいて幅広く用いられる言葉です。ただし、分野ごとに意味合いが違ってくるため、用いるときには注意が必要だと言えます。
これから分野ごとに詳しい意味を解説するので、どの分野でどのような意味合いがあるのか確認しておきましょう。
1.ビジネスシーン
一般的なビジネスシーンで利用される場合は、会議における議事録・契約書・覚書きなどをエビデンスとして扱うことがあります。
後から話が食い違ってしまわないように、証拠や裏づけを残したいという意味が強いです。それだけでなく、新しい取引先で自分の名刺を渡すことや訪問履歴を記録することもエビデンスを残すと言うことがあります。
前者と比較すると、こちらは証拠ではなく形跡という意味が強くなることを覚えておくと良いです。
2.IT業界
IT業界はこの言葉を使用する頻度がかなり高い業界の1つだと言えます。
システム開発を行っている部署では特に頻繁に用いられる言葉です。IT業界ではシステムが正常に稼働するかどうか最終的な検証を行います。
その際に、正常性を示すために役立つデータや情報をエビデンスと言いあらわすことが多いと言えます。
具体的には、システム稼働中に撮影した画面のキャプチャー、関連するデータなどがエビデンスとして取り扱われがちです。
3.医療業界
医療業界でも用いられることがあります。医師や看護師などがエビデンスと言うときには、治療方針や治療薬に対する科学的な根拠を示していることがほとんどです。
特定の治療方法や薬が病気に対して本当に有効であるかどうか臨床試験によって検証されていきますが、その試験の研究結果を示すデータがエビデンスとなります。
内閣府からは最新かつ最良のエビデンスを用いて医療を行うことが求められており、医療業界とエビデンスは切っても切り離すことができないと言えるでしょう。
4.金融・不動産
なんと金融・不動産業界でもこの言葉が使用されています。
保険や預貯金、株式を含む金融資産や源泉徴収票、確定申告書や身分証明書をエビデンスと表現するケースが多いです。
金融・不動産業界では利用者の審査を行うことが多いと言えます。ローンの審査や賃貸物件の入居審査、不動産売買などのときにエビデンスが用いられることになると覚えておくと良いです。
5.行政
行政でも使用されますが、ここでは政策立案の考え方としてこの言葉が使われています。
エビデンスに基づいて政策を立案するevidence-based policy making、略してEBPMという考え方を参考に行政は業務を遂行していることを理解しておきましょう。
もともとは欧米で確立されたもので日本では導入されていませんでしたが、徐々に日本でも取り入れられるようになっています。
導入が進むにつれて、行政でもこの言葉が使われることが増えました。
「エビデンス」の重要性
言葉を知っていても、重要性を知らなければ正しく使いこなすことができません。
エビデンスが重要とされている理由は、社会ではこれがないと相手の考えを変えることができないからです。
ビジネスシーンで個人の意見や不確かな情報を伝えても、相手から信用を得ることはできません。
反対に信頼性が低い相手だと思われる可能性が高いです。一方で、説得力のあるエビデンスがあれば、相手の気持ちを動かしやすくなります。
社会人がこれを上手く取り扱えるようになれば、仲間や取引先からの信頼がアップし、できる人と評価される可能性が高くなるでしょう。
スムーズにビジネスを進めるために、必要不可欠な存在だと言えます。
エビデンスの使用例
たとえば、以下のように使うことが可能です。会議の議事録を提出してほしいときには「昨日の会議のエビデンスをメールで送ってください」と表現できます。
見積書や契約書を必ず取っておく必要があるときには、「取引先に行ったときにエビデンスを必ず取ってください」と言うことが可能です。
根拠が不十分な資料に対しては、「プレゼンではエビデンスを追加しておいてください」と言うこともできます。
エビデンスと似た言葉
似たような言葉は他にもたくさんあることを知っておくと良いです。
似ているだけで意味合いが違ってくるものが多いので、これから紹介する詳細な意味を把握しておくことをおすすめします。
1.プルーフ(proof)
プルーフ(proof)も証拠という意味を持ちますが、「証明」という意味も持っている言葉です。
エビデンスとはほとんど同じ意味ですが、使い分けのルールがハッキリ決まっているわけではありません。
ですが、エビデンスを使用することが多いため、ビジネスシーンではエビデンスを用いることが無難です。
2.ファクト(fact)
ファクト(fact)は「事実」を意味しています。
つまり、証拠を示すエビデンスとは意味が違っているので要注意です。事実であるファクトの補足的な情報を示すために、エビデンスを用いることになると知っておきましょう。
3.ソース(source)
ソース(source)は「出典」「出どころ」などの意味があります。
情報を提示されたときに、本当に信頼できるものか疑ってしまうこともあるはずです。
そのときには、「この情報のソースはどこにありますか」と聞くことができます。
エビデンスまとめ
エビデンスは多くの社会人が何気なく使用している言葉の1つです。
気軽に使用することができますが、意味を十分に理解していなければ間違った使用方法となる恐れがあります。
自分で使うことがなかったとしても、相手が用いたときに正しく意味を把握できないという問題を引き起こすはずです。
円滑にビジネスを進めるためにも、周りからできる人だと思ってもらうためにも、エビデンスのことを知った上で使いこなせるようにしておきましょう。