パーチェスファネルとは?それぞれの段階の活用法など徹底解説

最終更新日 : 2022-02-25 Box

マーケティングで有効なフレームワークは数多く存在していますが、パーチェスファネルもその1つです。

製品およびサービスをたくさんの人に知ってもらうためには、パーチェスファネルが重要だと言えます。ここでは、パーチェスファネルの基本的なことを紹介するので、上手く取り入れられるように知識を習得しておきましょう。

パーチェスファネルとは?

英語のパーチェスは、購入・購買を示しています。

漏斗の意味を持つファネルと組み合わせることによって、購入・購買といった行為ではなく、消費行動の流れを示すことになると知っておくと良いです。

具体的に言うと、認知・興味や関心・比較や検討・購入や申し込みの4段階に分かれています。

一般的な消費行動の流れを想定すると、段階を経るごとに人数が絞られていきます。

流れを図式化すると逆三角形の形になることから、パーチェスファネルという名前がつけられました。

AIDMAモデルは購買までの心理プロセス変化をあらわしたフレームワークですが、パーチェスファネルはAIDMAモデルを発展させることで誕生したフレームワークです。

ファネルにはいくつかの種類がありますが、マーケディングではパーチェスファネルを指すことがほとんどだと言えます。

パーチェスファネルのメリット

パーチェスファネルのメリットは、充実した施策が実現できることだと言えるでしょう。

マーケティングにパーチェスファネルを取り入れるのであれば、離脱ポイントを知ることが可能です。

4つの段階のどの部分で離脱する人が多いのか理解することができたら、離脱を防ぐための施策を考えやすくなります。

それぞれの段階でどういった理由から離脱が起こるのか分析しやすくなるので、各フェーズで最適な施策を打てるようになるはずです。

離脱者が多いときには対策が必要だと感じるはずですが、離脱ポイントや理由が分からなければ最善策を選ぶことができません。

パーチェスファネルを利用すればスムーズに最善策が選べるようになるので、離脱者を減らすことに繋げやすく、最終的には顧客増加や利益アップといった嬉しい結果をもたらしてくれるようになります。

インフルエンスファネルとは?

インフルエンスファネルは消費者が製品を購入した後、サービスを利用した後の行動を示していることを理解しておきましょう。

インターネットやSNSを利用する人が増えたことから、誰でも容易に自分の意見が発信できる世の中になっています。

自分で買った商品や体験したサービスに対する感想やレビューを発信する人は増えており、購入後の消費者が商品の広告塔のような存在となることが多いです。

BtoCほど購入者からの情報が集まりやすく、広告以上の効果を与えることも少なくありません。

消費者にどういったイメージを抱いてほしいか、周囲にどのように情報を発信してほしいのか考えるときに、インフルエンスファネルを役立てることができます。

ダブルファネルとは?

ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを合わせたフレームワークです。

パーチェスファネルでカバーできるのは購入や申し込みまでとなります。インフルエンスファネルを掛け合わせるのであれば消費者による情報発信までカバーすることができるため、より効果的なマーケティングを実現することが可能です。

離脱ポイントを踏まえた上で購入者が増えるように施策を打つだけでなく、購入後や利用後に売り手が望むような情報発信が行われやすい状態にしておくことができます。

1つだけ使用されることもありますが、現代のマーケティングでは2つのファネルを採用したダブルファネルが用いられるケースが増えていると覚えておくと良いです。

パーチェスファネルの各段階での施策

パーチェスファネルの各段階における施策を説明します。

効果的な施策のためには、これをきちんと理解しておくことが大切です。

1.認知

認知段階では見込み顧客に自社のことを知ってもらう必要があります。

リードジェネレーションと呼ばれる、見込み客集客活動を実施することが大事です。

テレビCMや新聞広告、ウェブ広告や展示会などで存在を認知してもらえます。最近はオウンドメディアの運営に乗り出す企業も多いです。

人数を集めれば良いのではなく、購入や利用に繋がる可能性が高い見込み客を獲得することが重要です。

ペルソナを設定してターゲティングを行うことで、期待するような見込み顧客を集めやすくなります。

認知段階では製品やサービスに興味を持ってくれそうな相手を集めることになるでしょう。

2.興味・関心

興味・関心の段階では、見込み客の育成を行います。認知段階と違って、このフェーズに位置する人は製品やサービスに興味や関心を持っていることが特徴的です。

購買意欲を高めるために、メルマガ配信などのアプローチを行います。

BtoBの場合はホワイトペーパーや導入事例を提供したり、セミナーを実施したりすることが効果的なケースが多いです。

場合によっては、メールや電話などを用いたインサイドセールスによるアプローチの効果が高いこともあります。

自社の取り扱っている製品やサービス、顧客の特徴などを踏まえながら、適切なナーチャリング方法を選んでいくことが成功の秘訣です。

3.比較・検討

パーチェスファネルの比較・検討の段階は、製品に好意的な見込み客が本当に購入するかどうか検討する段階だと言えます。

ショッピングカートに追加する、製品の見積もりを請求する、製品のデモやトライアルを依頼するという顧客の行動はここに当てはめることが可能です。

購入に繋げるためには最後にひと押しする必要があります。期間限定キャンペーンを実施したり、セミナーを開催したり、営業マンがアプローチをしたりすることが主な施策です。

ウェブサイトに訪れたことがあるユーザーに対して広告を表示させる、リマーケティング広告も有効だと言えます。

4.購入

購入段階は顧客による製品購入手続きが終わった後を指しているので、もう何もすることがないだろうと思うかもしれません。

しかし、リピート客やファンを増やすためには顧客管理を徹底しておくことが大事です。購入後に口コミを広めてもらうためにも、この段階での施策が重要だと言えます。

サンクスメールの送信や購入者を対象としたクーポンの配信、満足度を調査するためのアンケート実施などが有効な施策です。

SNSを運用している場合はフォローしてもらうように働きかけたり、購入者を対象とした特別なイベントを開催したりする施策もあります。

パーチェスファネルは古いと言われる理由

実はパーチェスファネルは古いと言われることが少なくないです。

理由を説明するので、古いと言われる事情を確認しておきましょう。

1.価値観の多様化

価値観が多様化したことによって、パーチェスファネルが古いと言われることが増えました。

単純化されている画一的なモデルであることを理由に、多様な価値観を持つ消費者を網羅することができなくなっていると考えられることがあります。

確かに、現在では情報を簡単に入手できることから価値観が多様化しやすい状態です。

もちろん、パーチェスファネルが問題なく当てはまるケースもありますが、必ずしも上手くいくわけではないところが難点だと言えます。

フレームワークを使いこなしたいのであれば、消費者が全て同じ価値観を持っていると思うのではなく、様々なケースを想定して施策を進めていくことが重要となってくると理解しておきましょう。

2.経路の多様化

経路の多様化もパーチェスファネルが古いと言われる原因です。

今では商品の購入も情報の収集も色々な方法で実施できるようになっています。

1つのやり方にこだわる必要がないため、顧客の購買行動は様々な経路を行ったり来たりするものとなっていることが多いです。

パーチェスファネルは一直線型の購買モデルと言われていることもあり、多彩な経路に柔軟に対応させることが難しいと言えます。

経路の多様性を理解しておかないと、施策が通用しなかったり想像していたほどの効果が得られなかったりするので注意が必要だと覚えておきましょう。

その他のファネル

これまでに紹介したもの以外にもファネルの種類はあるので、他のファネルについても特徴を紹介していきます。

1.マイクロモーメントファネル

マイクロモーメントファネルは今すぐ買いたいという意思に特化したファネルです。

消費者の今すぐほしい、今すぐ利用したいという声に応えるためのフレームワークがマイクロモーメントファネルなので、認知や興味関心、比較検討といった段階はありません。

段階が分けられていないのであればどのような仕組みなのかと思うかもしれませんが、消費者が意思を持った瞬間にどのような行動をしていたのかが反映されている図式となっています。

潜在顧客が今すぐ買いたい、今すぐ利用したいと思ったときに接触できるチャネルを用意しておくことが、マイクロモーメントファネルの大きな目的です。

マイクロモーメントファネルの考えに基づいてマーケティング戦略を立てると、これまでに自社で提供していなかった新たなサービスが見つかることも多いと言えるでしょう。

2.ルーピングファネルファネル

ルーピングファネルは消費者の行動が一直線ではないことを考慮したファネルです。

商品を購入するべきかどうか悩んでいる顧客は、購買と結びつく行動ではなく他の製品やサービスと比較するフェーズでとどまることが多いと言えます。

けれども、製品購入後にお得なダイレクトメッセージなどが届くと、興味関心や比較検討のステップを踏むことなく購買に繋がることが少なくないです。

ルーピングファネルを意識するのであれば、とどまり続ける顧客が購買行動を起こしてくれるように働きかけられるようになります。

複雑な消費者の購買行動を忠実に図式化しやすいですし、自社に合ったフェーズやループを追加しながら分析ができる点もメリットです。

手間は掛かりますが、パーチェスファネルでは通用しない複雑な動きに対応したいと考える場合には、ルーピングファネルがおすすめだと言えます。

パーチェスファネルまとめ

パーチェスファネルはマーケティング施策を充実させるために活用できる便利な存在です。

自社に最適な取り入れ方をしたいのであれば、紹介した基本的な知識を身につけておくことが大切だと言えます。

また、ときにはパーチェスファネルだけでは対応することができない部分も生じてくるため、その際には他のファネルを活用できるようにしておくことも重要です。

顧客獲得や利益アップを達成するためには、パーチェスファネルを取り入れながら施策を打つ方法を選んでみると良いでしょう。

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