名刺交換の基本マナーとは?渡し方や受け取り方のポイントを徹底解説

最終更新日 : 2023-04-12 Box

名刺交換はビジネスの基本中の基本です。多くは新入社員研修でトレーニングしますが、基礎知識を知っておいて損はありません。

基本的な流れを把握し何度も経験することで自然に備わります。一方で所作の一つ一つに意味があり、その背景を知ることは行動の原則をマインドセットする上でも重要です。

そこで今回は名刺交換の意味や役割、名刺交換の流れについて解説していきます。

名刺の役割

ビジネスにおける名刺の役割は、相手の会社での所属や役割などを把握することが一つにあります。

いわばその企業での役割を説明している「身分証明書」のようなもので、名刺交換をすることでお互いがお互いの役割を認識することが可能です。

例えばシステム会社では、営業・システムエンジニア・プログラマーなどの役割があります。営業はシステムの提案や販売を行い、エンジニアはシステム全体の構造を把握したうえで設計を行う立場です。

プログラマーはシステムエンジニアが作る設計図を、プログラムを通じて構築していく役割になります。

役割がわかると誰に何を問い合わせたら、回答が得られると予測可能です。

名刺交換の基本の流れ

名刺交換の基本的な流れは、

①挨拶して相手に名刺を差し出す

②名刺を渡す

③名刺を受け取る

④(会議等で机の上に)名刺を置く

⑤(会議後)名刺をしまう、というステップに分かれます。

1.名刺の準備

まず会議などで名刺交換をする機会が訪れたら、まず名刺入れに名刺を準備します。

新入社員の場合は人事部などから事前に配布される名刺を、名刺入れに複数枚余裕をもって入れておきましょう。

場合によっては大人数と名刺交換をする場合もあるので、必要十分枚数を用意しておくと安全です。もし人事異動などで所属部署が変わったときは、速やかに新しい名刺を準備するよう手配る必要があります。

そうしないと名刺交換の際に旧部署名での提示をしてしまい、正確な情報を相手に伝えられないということにもなってしまうからです。

2.名刺を渡す

名刺入れに名刺を準備したら、名刺を渡します。

まずは、名刺入れから必要枚数を挨拶の際に取り出しておきます。会議の際に相手方が4名であれば、4枚を取り出して1枚を親指と人差し指でもって残りは名刺入れの下のほうに指で押さえておいておきます。

そうすると名刺交換の際に1枚渡した後、速やかに2枚目を名刺入れの下から取り出せるためスムーズです。

もし10人以上の名刺交換になってしまった場合は、全ての名刺を出す必要はありません。

あくまでスムーズに執り行うためのものなので、大人数の場合は都度交換でも問題ないです。

そして渡す際には、名刺入れに置いてある名刺を反対の手で取って、相手に差し出します。

差し出す際には、会社名・所属・指名を名乗って渡すのが一般的です。最初のうちは自己紹介することと、名刺交換を同時に行うことに苦戦するかもしれませんが何度も行うことで自然とできるようになりますのでその点は安心していただければと思います。

3.名刺を受け取る

名刺を渡したら、次は名刺を受け取ります。名刺を渡すと相手は名刺を受け取りますので、渡した側が空きます。

その空いた手で、相手の名刺を受け取ることで名刺交換が成立します。

名刺の受け渡しは2つのパターンがあって、一つ目は順番に名刺交換を行うケースです。

どちらが最初に行うかについては、後述の名刺交換ポイントで解説します。もう一つのパターンは、お互いが自己紹介をして同時に名刺交換を行うケースもあります。

いずれの場合も、相手と歩調を合わせて行いましょう。

4.名刺の交換後

名刺交換が終わったら、会議や打ち合わせに入ります。

受け取った名刺は名刺入れにしまうのではなく、会議の机の上に名刺入れを置いてその上に名刺を置くことが一般的です。

名刺というのは相手の分身である「身分証明書」ですから、邪険には扱わず名刺入れの上に置くことで経緯を表す意味があります。

もし複数枚名刺を受け取った際は、その中で最も役割の高い人に対して名刺入れの上に名刺を置きます。

順番としては、社長>取締役>部長>課長>一般職の順番です。

机に並べる順番は、座っている席次と同じで問題ありません。そうすると名刺の並びと座っている人の並びが一致するので、覚えやすいというメリットがあります。

5.名刺をしまう

打ち合わせや会議が終了したら、最後に名刺をしまいます。

しまうタイミングとしては会議が終了し席を立ったタイミングです。その際に一言、「お名刺頂戴します」と添えると印象が良くなるので覚えておくと良いでしょう。

名刺入れにしまったら上着のポケットに名刺入れをしまって、完了です。会社に戻ったら名刺入れに入っている相手の名刺は、ホルダーにしまうと良い選択になります。

そうしないと、名刺入れに色々な名刺が残ってしまい誰が誰だかわからなくなります。そうなる前に整理することで、次の打ち合わせや名刺交換の差異にもスムーズに行うことが可能です。

名刺交換のポイント

名刺交換の流れが理解出来たら、次に名刺交換のポイントについて解説していきます。

ポイントを押さえると様々なケースの差異にも柔軟に対応が可能になるというメリットがあるので、押さえておくと良いです。

1.名刺交換の順番

会議や打ち合わせの際に複数人と名刺交換をする場合の順番として、目上の人から順番が原則です。

こちら側が1名で相手方が複数の場合は、相手方の位の高い人から順番に名刺交換します。

もしこちら側も相手側も複数の場合は、こちら側の目上の人が相手側の目上の人にたいして名刺交換を行い、こちら側の目上の人はその次の位の相手方と名刺交換を順繰りにしていきます。

こちら側の次の目上の人は相手方の最も目上の人から順に、という風に連続して行っていくことが一般的です。

なので、新入社員なら最後に名刺交換を始めれば良いので、上司の行っているやり方を真似ればよい選択になります。

なお、あまりにも多い場合や目上か目下かが分からない場合は、並んでいる順に行って問題ありません。

ほか、先ほどの記載のように人数が多すぎる場合は該当しない場合もあることは覚えておくとよいでしょう。

2.目上の相手に先に出された場合の対応

目上の人に名刺を先に出された場合の対応としては、名刺交換の際に名刺入れと渡す名刺を相手よりもやや下の方に位置させた上で交換することで、相手に対する敬意を払うことが可能です。

体格差がある場合は同じ高さで行っても、差し支えありません。

3.名刺切れ・忘れた場合の対応方法

先ほど名刺入れには十分な名刺を入れておくことをお伝えしましたが、名刺入れ自体を忘れる場合です。

もし忘れた場合は素直に忘れた旨をその場で伝え、会社名・部署名・氏名を行動で伝えます。

そして、相手の名刺を受け取り商談などに進みます。重要なのは大切な商談や打ち合わせを成功させることであり、足を引っ張らないことです。

もちろん名刺交換は第一印象に影響するので、次に会うときには必ず忘れずに名刺を渡せばリカバリーは可能です。

そして同じことを繰り返さないように対策を検討することも大切でしょう。

一例として名刺入れ以外の場所、手帳やカバンなどに予備の名刺を入れておくことなどが考えられます。大切なのは、失敗を繰り返さないようにすることです。

4.相手が名刺を出さなかった場合の対応

逆に相手方が名日を持ち合わせていない場合は、少なくとも名字は頭に入れておくようにしましょう。

名刺交換すると、名前は名刺を見れば間違えませんが間違えませんが口頭だと忘れてしまう可能性があるからです。

口頭で伝えられたときに、名前を復唱すると効果的です。言葉で発することで自分の言葉と相手の言葉を耳に聞かせることになるので、記憶が進みます。

その後手帳などに名前を書いておいて忘れないようにすれば、より間違えるリスクは低減可能です。

名刺交換の注意点

最後に名刺交換における注意点について、解説していきます。

はじめてだと陥りがちなミスですが、事前に理解することで低減できるようになるでしょう。

1.ポケットなどから直接名刺を出す

まず、ポケットからいきなり名刺を裸で出すのは原則NGです。

名刺は相手の分身であり、自分の分身でもあります。分身をぞんざいに扱うことは、相手に良い印象は与えないことがほとんどなので必ず名刺入れに入れるようにしましょう。

名刺入れ以外だと、手帳などに入れておくケースもあります。女性で内勤の場合は、男性のスーツのようにポケットや鞄を持っていることが無いためです。

新入社員の場合は、入社前に名刺入れを購入しておくことをおすすめします。

2.折れた名刺、汚れた名刺は出さない

名刺は自分の分身と伝えましたが、もちろん名刺に折れや汚れがないものを渡すことは大前提です。

折れ曲がった名刺を受け取れば、相手にどのような印象を与えるか想像に難くありません。名刺入れに入れておけば、基本的に折れや汚れは発生しないので安全です。

3.相手の氏名や会社ロゴに指を置かない

名刺を受け取る際に、相手の名前や企業のロゴなどに指が被さることも失礼とされています。

指で名前が見えなくなることや、押さえつけられている印象を与えるからです。名刺交換ときには、四隅の余白の部分で受け取るようにしましょう。

4.相手の名刺で手遊びをしない

たまに名刺で手遊びする人がいますが、これも御法度です。相手方がいないところだからといって、ぞんざいに扱う行為は結果として行動に反映されます。

壁に耳あり障子に目ありの気持ちで、謙虚でいることが結果として周りの評価につながるからです。

海外の相手との名刺交換

海外の人との名刺交換については、基本は郷に入りては郷に従えが基準です。

日本であれば日本のやり方に従えば、問題ありません。外国人の人との交流が多い場合は、名刺を英表記にするなどの工夫をすると理解が促進します。

もらった名刺の管理方法

もらった名刺の管理方法としては、名刺ホルダーに入れるのが一般的です。

何年も社会人を経験していくと、名刺がどんどんたまっていくので定期的な整理を心がけましょう。

例えば相手方が退職したり異動になる、4月のタイミングがおすすめです。自分自身も異動や昇進昇格のタイミングでもあるため、効率よく更新が出来ます。最近では名刺をデジタル化して、オンラインで管理するツールも一般的になっています。

オンラインならすぐに検索して情報を取り出すことや、更新なども用意だからです。注意点としてはデジタル化によって情報が流出するリスクは十分にあるので、管理には注意が必要です。

名刺交換のまとめ

名刺交換1つとっても様々な流れやポイント、注意点などがあります。

最初は苦戦するかもしれませんが、慣れると非常にスムーズに行うことが可能です。

磨きをかければ、第一印象をさらに良いものにすることが出来る可能性を秘めています。

名刺交換以外にも挨拶の仕方や会議での座り方、電話の応答など覚えることはたくさんあります。

基本を習得して、その上に成果が問われるのが社会人です。

営業社員が名刺交換だけできても、売り上げを上げなければ会社に貢献しているとは言えません。

提案して見積もりを出し採用されてはじめて貢献できることは、覚えておくとよいでしょう。

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