ヘルプデスクとは?必要なスキルやおすすめの資格、年収、キャリアパスなどを解説

最終更新日 : 2022-06-28 Box

ヘルプデスクはコールセンターや社内SEと似ていますが、これらのものとはいくつかの点で違いがあります。

ここでは、こうした他のものとの違いや、仕事をするのに必要なスキルやおすすめの資格について、詳しくご紹介します。

ヘルプデスクとは?

ヘルプデスクとは、さまざまな種類の問い合わせに対応することが目的の仕事です。

この仕事には複数の種類があり、顧客などから問い合わせに対応する仕事を社外ヘルプデスクと言います。

会社の社員からの問い合わせに対する対応は社内ヘルプデスクと呼ばれています。

このような仕事を担当する組織などのことを、ヘルプデスクと呼ぶこともあります。IT事業をおこなう会社にもこのような部署は設置されていて、ヘルプデスクと情報システム部門を同じ部署に担当させることも多いです。

社外ヘルプデスクは主に、企業が販売した商品の問い合わせを受け付ける問い合わせ窓口として利用されています。

社内ヘルプデスクは、他の部署で働いているから業務システムや社内のIT機器についての問い合わせを受ける技術的な支援をおこなっています。

近年では、ヘルプデスクを外部に委託する会社も増加していますが、こうした外部委託の原因になっているのは、問い合わせの数の増加です。

外部からの問い合わせだけでなく内部からの問い合わせも増えているため、業務の進行の妨げとなることもあるため、外部に委託されるようになりました。

コールセンターとの違い

ヘルプセンターはコールセンターと混同されることもありますが、この2つのものには違いがあります。

コールセンターは基本的に、電話を使用して問い合わせに対応する仕事をしている部署です。

さまざまな種類の仕事をしていますが、インバウンド業務とアウトバウンドの業務のいずれかの業務に分けることが可能です。

インバウンド業務は顧客からの電話に対応する仕事で、アウトバウンド業務は顧客に電話を掛ける仕事です。ヘルプデスクもこれらの仕事と似たような仕事をおこなうこともありますが、ヘルプデスクは基本的には誰かの悩みを解決することが目的の仕事です。

そうした部分がコールセンターとの違いになっています。ヘルプデスクは専門的知識が必要なことも、コールセンターとの違いです。

社内SEとの違い

社内SEもヘルプデスクの仕事と似ていると言われることがあります。規模の大きい会社では社内SEとヘルプデスクが明確に区別されていることが多いですが、中規模以下の会社の場合には、この2つのがはっきりと区別されていないことも珍しくありません。

この2つの仕事の違いは、社内SEが主に社内で使用されているシステムの企画や運用・保守などの仕事を任されていることです。

システムエンジニアとしての役割をしているのが社内SEです。ヘルプデスクの中でも社内ヘルプデスクの仕事は社内SEと非常に似ていますが、社外ヘルプデスクの仕事は社内SEとは大きく異なります。

社外ヘルプデスクがシステムに関係することはあまりなく、トラブルや問い合わせに対応することが主な仕事です。

テクニカルサポートとの違い

テクニカルサポートもヘルプデスクと混同されることが多いですが、いくつかの点で違いがあります。

テクニカルサポートとは、企業が販売する商品について、顧客からの技術的な質問に対応する仕事のことです。

企業の社員からの技術的な質問への対応も、テクニカルサポートに含まれます。ヘルプデスクとテクニカルサポートの大きな違いは、テクニカルサポートはより専門的な質問に対応していることです。

それに対してヘルプデスクは、簡単な操作で解決できるような問題を主に担当しています。

ヘルプデスクに必要なスキル

ヘルプデスクとして働くためには、さまざまなスキルが必要になります。ここでは、こうしたスキルについてご紹介します。

1.IT・システムの知識

ヘルプデスクに必要となるスキルの一つが、ITやシステムに関する知識です。

基本的なコミュニケーション能力さえあれば良いと考える会社もありますが、専門的な知識がないと仕事をするうえで困ることも多いです。

顧客から質問をされた場合にも、専門的な回答をしなければいけないために、システムやITに関する知識はヘルプデスクには欠かせない知識です。

2.コミュニケーション能力

ヘルプデスクの仕事をするためには、コミュニケーション能力も必要です。仕事に必要な基本的なスキルと考えられています。

このような能力がこの仕事に求められているのは、企業を代表する人間として、顧客と直接接することも多いからです。

ビジネスに関する基本的なマナーも、コミュニケーション能力と一緒に修得しておく必要があります。

3.臨機応変な対応力

まざまなトラブルに臨機応変に対応できる能力も、ヘルプデスクの仕事をするためには必要です。

問題やトラブルで悩んでいる人が問い合わせをすることも多いため、相手の陥っている状況や、相手の求めていることを的確に判断できる技術が必要になります。

納得できないような理由でクレームをつける顧客もいるため、丁寧に話を聞く能力も必要です。

ヘルプデスクにおすすめの資格

ヘルプデスクの仕事をするために取得しておくと役立つ資格がいくつかあります。ここでは、こうした資格についてご紹介します。

1.基本情報技術者試験

ヘルプデスクの仕事をするために取得しておいた方が良い資格の一つが、基本情報技術者です。

基本情報技術者は基本情報技術者試験に合格することで、取得できます。この試験の対象になっているのはレベルの高いIT人材となるために必要な基本的知識や技術を持ち、実践的な活用能力も持っている人物です。

試験は午前と午後に分けておこなわれます。

2.MOS 〔マイクロソフトオフィススペシャリスト〕

MOSもヘルプデスクの仕事をする場合には、所有していれば役立つ資格です。

MOSとは、マイクロソフト社が販売しているソフトに関する資格です。多くの企業でマイクロソフト社のソフトが使用されていることから、このような資格があれば非常に役立ちます。

この資格を所有していればWindowsのOSがインストールされたパソコンの操作技術を証明することができます。

3.ITILRファンデーション

ITILRファンデーションの資格も、ヘルプデスクの仕事をする時に持っていれば役立ちます。ITILRファンデーションは、システムを運用したり保守したりするために必要となる技術を標準化しています。

難易度によって4つのクラスに分けられていますが、ITILRファンデーションはその中でも一番簡単な初心者を対象にした資格です。

さまざまなシステム部門で採用されているので、取得しておけば有利です。

4.CIW

CIWは、インターネットに関する標準的な知識と技術を、職種ごとに認定している国際的な資格です。

ヘルプデスクだけでなく、情報サービスに関連したさまざまな仕事をする時に役立つ資格です。インターネットの基礎やセキュリティ、デザインなどの分野があり、その他に開発やウェブとモバイルデザインの分野で資格を認定しています。

それ以外にも職種やレベルごとに21の認定資格も取得できます。

5.ITパスポート

ITパスポートも、ヘルプデスクの仕事をするうえで役立つ資格です。この資格の対象になっているのは、職業人が共通に持っている必要がある、情報技術についての基礎的な知識を持っていることです。

情報技術に関係する仕事をしている人や、担当している仕事に情報技術を活用することを考えている人も対象にしています。

ITパスポート試験の試験時間は120分です。選択式の問題が出題されます。

ヘルプデスクに向いている人

ヘルプデスクの仕事は向いている人もいればそうでない人もいます。この仕事に向いているのは、困っている人を助けることが好きな人です。

さまざまな悩みを抱えた人が問合せや相談をしてくるので、その人の立場に立って親身に対応できるような人が、この仕事には向いています。

問い合わせに対してしっかりと対応できる十分な知識を持っている人も、この仕事に向いている人です。

顧客などからの問い合わせに対してわかりやすく説明することができる人も、この仕事に向いています。

外国人から問い合わせがくることもあるので、英語を話せる人もこの仕事には向いています。

ヘルプデスクの年収

ヘルプデスクの仕事をしている人の平均的な年収は、下限の平均と上限の平均で違いがあります。

下限の平均はおよそ340万円です。上限の平均年収はおよそ560万円です。中には800万円ほどの年収をかせいでいる人もいます。

このように同じ仕事をしている人でも、年収には大きな違いがあります。

年収の違いの原因となっていることが多いのは、専門的な知識などです。多くの専門的知識を持っている人ほど、年収が高い場合も多いです。

ヘルプデスクのキャリアパス

ヘルプデスクのキャリアパスとして代表的なものは、社内SEやインフラエンジニアなどの仕事です。

システムエンジニアやプログラマーなど、他の種類のエンジニアへのキャリアアップを目標にすることも可能です。

ヘルプデスクはIT系の仕事の中でも、初歩的な内容の仕事であるので、ITに関する専門的な知識をさらに高めて、収入を増やすためにはこうした仕事へのキャリアアップが必要です。

実際に多くの人がキャリアアップのために努力をしています。

ヘルプデスクになるには?

ヘルプデスクは、この仕事をしたことがない人でも採用されることがある仕事です。

そのために、誰でも仕事を始められる可能性があります。ですが、求人に応募する前にはしっかりとした準備しておいたほうが、企業に採用される可能性がアップします。

準備をしておいた方が、実際に採用された後も円滑に仕事ができるのがメリットです。

この仕事をするための準備方法としておすすめなのは、資格を取得するための試験勉強をしながら、必要な知識を身につける方法です。

ヘルプデスクまとめ

ヘルプデスクは、コールセンターや社内SEと混同されることもありますが、実際にはさまざまな点で違いがあります。

この仕事をするために持っていれば役立つ資格もあり、基本情報技術者の資格などが有名です。

こうした資格を取得するために受験勉強をすれば、仕事をするために必要な知識を覚えることもできます。

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