今話題のBNPL(後払い決済)とは?おすすめ決済手段11選もご紹介!

最終更新日 : 2022-12-09 Box

近年、日本国内では支払い方法の多様化が加速していますが、手持ちのお金が乏しい場合に便利な支払方法がBNPLです。

BNPLは欧米を中心に需要が拡大中で、日本でも徐々に普及しつつありますが、ここではBNPLという支払い方法について詳しく解説するとともに、おすすめのサービスをご紹介していきます。

BNPLとは?

BNPLとは「Buy Now Pay Later」の略で、日本語では後払いサービスや後払い決済などと呼ばれる支払い方法です。

BNPLでは、商品を購入した際に店舗に対して代金を支払う必要はなく、代金の支払いはBNPL事業者が立て替えます。その後、BNPL事業社は利用者に対して請求書を送付し、利用者は指定された期日までにコンビニや銀行、郵便局などで代金を支払います。
近年、BNPLは欧米を中心に人気を集めていますが、その理由は分割払いを選択しても手数料が発生しないためです。

日本のサービスの中には、分割できなかったり手数料が発生するサービスもありますが、手数料なしの分割払いが可能なサービスもあり、主にネットショップやフリマサイトなどを中心に普及が進みつつあります。

日本のBNPLサービス

現在、BNPLサービスを提供する事業者は国内外に数多く存在しますが、代表的な日本のBNPLサービスとしては「ペイディ」「NP後払い」「atone」などが挙げられます。

上記の通り、日本国内のサービスは海外のサービスとは異なり、分割できなかったり手数料が発生したりするサービスが少なくありませんが、これは後払いに対するニーズが海外とは若干異なるためです。

日本には、BNPLサービスが普及する以前から後払いによる支払い方法は存在していましたが、海外では手数料無料で分割払いできることがBNPLサービスの普及を後押ししている一方で、日本では実物を見てから安心・安全に支払いを行いたいというニーズから後払いという支払い方法が好まれています。

海外のBNPLサービス

クレジットカードを使えば、高額な商品を購入する場合でも後払いにすることができますが、分割払いを選択すると金利が発生するという側面があります。

そのため、クレジットカードを所有していても分割払いを敬遠する方は少なくありませんでしたが、手持ちに十分な資金がないものの、金利は負担したくないという消費者のニーズに応える形で欧米で登場したのがBNPLサービスです。

海外のBNPLサービスは国内サービスとは異なり、分割払いを選択しても金利が0%なのが大きな特徴で、決済手数料は加盟店が負担します。

代表的な海外のBNPL事業者としては、アメリカの「Affirm」・スウェーデンの「Klarna」・オーストラリアの「Afterpay」及び「ZIP」などが挙げられます。

BNPLの仕組み

BNPLの仕組みは事業者によって異なりますが、ネットショップやフリマサイトにおける大まかな仕組みとしては以下の通りです。

まず、利用者は商品をカートに追加した上で、支払い方法で「後払い(BNPL)」を選択し、各サービスごとの認証方法でログインして決済を行います。

決済を行うとBNPL事業者に注文情報が連携されて与信の調査が行われますが、調査に問題がなければBNPL事業者は代金を建て替え払いし、ネットショップやフリマサイトから商品が発送されます。

そして、BNPL事業者は利用者にメールやSMSなどで請求を行い、利用者はコンビニ払い・口座振替・銀行振込といった支払い方法を選択し、支払い期日までに支払いを済ませれば取引は完了です。

BNPLとクレジットカードの違い

後払いの代表的な手段と言えばクレジットカードですが、BNPLとクレジットカードには与信審査と分割手数料の2点に大きな違いがあります。

1.与信審査

クレジットカードを発行するには、カード会社による厳しい審査に通過する必要があります。

審査では年収・職業・勤務年数・これまでのカード利用状況といった項目から支払い能力が判断されますが、当然ながら審査に通過しなければカードは発行されません。
一方のBNPLには厳しい審査は存在しません。基本的には、メールアドレス・電話番号・郵便番号といった情報を提供するだけで利用することができます。

中には身分証明書の提出が求められるサービスもありますが、利用ハードルはクレジットカードよりもかなり低いと言えるでしょう。

なお、厳しい審査が行われない分、利用限度額はクレジットカードよりも低めになる傾向があります。

返済実績に基づいて限度額は増額されていきますが、初回の利用での限度額は低めなので注意が必要です。

2.分割払いの手数料

クレジットカードの場合、基本的に3回以上の分割払いを選択すると手数料が発生します。

どの程度の手数料なのかはカード会社によって異なりますが、最大で14~15%ほどの手数料がかかるため、クレジットカードを保有していても分割払いは選択しないという方は少なくありません。
一方のBNPLはサービスにもよりますが、基本的には分割払いを選択しても手数料は一切かかりません。そのため、手元に十分な資金がない状況でも、BNPLを選択すれば手数料を負担することなく高額な商品を分割払いで購入することが可能です。

このように、分割手数料が無料でクレジットカードよりも使い勝手が良いことから、欧米では主に若年層を中心に人気を集めています。

BNPL導入によるメリット・デメリット

ここまでBNPLの概要やクレジットカードとの違いを解説してきましたが、ここからはBNPL導入によるメリット・デメリットを消費者側・事業者側それぞれの視点から解説していきます。

消費者側のメリット

消費者側から見たBNPLのメリットとしては、まず与信審査がないことが挙げられます。

BNPLサービスはメールアドレスや電話番号などを登録するだけで直ぐに利用できるので、利用ハードルは非常に低いと言えます。

また、BNPLでは分割手数料をネットショップやフリマアプリなどの事業者が負担するため、消費者は手数料を負担する必要がありません。したがって、特に高額な商品を分割払いで支払いたいという方におすすめです。
個人情報漏えいのリスクがないのもおすすめポイントのひとつです。

BNPLでは、商品購入時にクレジットカードや銀行口座などの情報を入力する必要がないため、個人情報の漏えいを心配することなく買い物ができます。加えて、BNPLを利用すると商品を受け取ってから代金の支払いができるため、料金を支払ったのに商品が届かないといった心配もありません。

そのため、マイナーで信頼度に不安があるサイトで買い物する際にもおすすめです。

事業者側のメリット

ネットショップやフリマアプリの事業者から見たBNPLのメリットとしては、利用者層の拡大と客単価のアップの2点が挙げられます。

BNPLを導入すると、学生や主婦などクレジットカードを持たない層にも分割払いでの支払い方法を提供できます。加えて、クレジットカードを保有しているものの積極的に使っていない層にも購入機会を用意できるため、利用者層の拡大を図ることが可能です。

また、BNPLは分割払いにしても手数料がかからないため、消費者としては高額商品を購入しやすくなります。

分割手数料を理由に購入を躊躇っていた消費者にも購入を促せるため、客単価のアップも期待できます。
このように、BNPLの導入は利用者層の拡大と客単価のアップという2つのメリットをもたらしてくれるため、売上拡大を狙いたい事業者の方におすすめのサービスと言えます。
特に、20代のクレジットカード保有率は約75%と30代以降の保有率と比べて低い水準となっているので、20代以下の若者をターゲットとしたサイトを運営している方におすすめです。

消費者側のデメリット

BNPLサービスの中には分割払いに対応していなかったり、クレジットカードと同じように分割手数料が発生したりするサービスもあるので、登録前に十分に確認しておくことが大切です。

また、BNPLサービスは日本でも徐々に普及しつつありますが、その浸透率は未だに低い水準となっています。今後は利用可能なショップが増えていくことが予想されますが、現状では利用したくてもショップ側が対応していないケースも少なくありません。
自身の支払い能力を超えて利用してしまうリスクがあるのもデメリットのひとつです。

クレジットカードと比べると利用限度額は低く設定されていますが、収入に見合った金額の範囲内で利用しないと月々の支払いに苦しむことになります。

期日までに支払いができなかった場合、遅延違約金を請求される可能性があるとともに、支払いの遅延を繰り返していると支払い能力なしと判断されて利用を停止されることがあるので、自己管理を徹底できない方にはおすすめできません。

事業者側のデメリット

事業者側から見たBNPLサービスの最大のデメリットは、手数料の負担が大きいことです。

BNPLサービスにおいて事業者が負担する手数料は、基本的にクレジットカードよりも高い水準となっています。海外では4~6%が手数料の相場と言われていますが、日本ではBNPLを利用する層が限られているため、利用金額や利用回数によってはクレジットカードよりも利率が低くなる恐れもあります。
加えて、クレジットカードの場合、カード会社同士で信用情報を共有できますが、BNPL事業者にそのような仕組みはありません。

登録時の与信審査も行われないため、クレジットカードよりも貸し倒れのリスクが高いと言えます。このようなリスクから、海外ではBNPLの規制が進んでいる国もあり、今後は日本でも利用者の支払い能力の審査が義務付けられるなどの対策が講じられる可能性は十分にあります。

規制対象となった場合、サービスの普及が進まない可能性もあるので、今後の動向には注意深く目を向けていく必要があるでしょう。

BNPL決済手段11選!

近年、BNPLサービスを提供する事業者は日本国内でも増えてきていますが、ここからは数あるサービスの中でも特におすすめな11サービスを紹介していくので導入時の参考にしてみてください。

ペイディ

ペイディ」は、株式会社Paidyが提供しているおすすめ後払いサービスです。

事前登録不要で利用できるのが特徴で、消費者は携帯電話番号とメールアドレスを入力し、SMSで送られてくる4桁の認証コードによる2段階認証により買い物を行います。

分割手数料は3回までなら無料なのも特徴で、「翌月払い」「3回後払い」の他にもVISAのオンライン加盟店でペイディが使える「どこでもペイディ」、支払い期限が3ヶ月になる「超あと払い」というサービスも展開されています。

NP後払い

NP後払い」は、株式会社ネットプロテクションズが運営しているおすすめ後払いサービスです。

国内のサービスでは高い普及率を誇り、全国約69,000店舗(2021年3月31日時点)で利用することができます。

消費者は商品到着後に届く請求書を用いて、コンビニ・銀行・郵便局・LINE Payのいずれかの方法で支払いを行います。

商品交換や懸賞応募、代金値引きなどに使えるポイントが200円の利用ごとに付与される「NPポイントクラブ」というサービスが展開されているのも特徴です。

GMO後払い

GMO後払い」は、GMOペイメントサービス株式会社が提供しているおすすめ後払いサービスです。

決済時にすみやかに与信審査を実行できる「リアルタイム与信」が提供されているのが特徴で、他サービスと比べてスピーディなサービス提供を実現できます。

月額料金が異なる複数のプランが提供されているのも特徴で、BNPLサービスのネックとなる手数料は上位プランへと切り替えることで抑えることが可能です。

また、ECサイト事業者のニーズに応える独自のAPIを開発しているのもおすすめポイントです。

スコア後払い〔@払い〕

スコア後払い」は、株式会社SCOREが提供するおすすめBNPLサービスです。

コンビニや郵便局での支払いに加え、「d払い」「LINEPay」「楽天銀行」「ファミペイ」といったスマホアプリでの清算に対応しています。通販事業者としての経験を活かし、自社内に設けたコールセンターとサポートチームによる充実したサポートが提供されているのも魅力です。

さらに、決済代行会社DGフィナンシャルテクノロジーの総合決済サービスと連携することで、導入コストの抑制やカード決済情報などの一元管理が可能となります。

後払いドットコム

後払いドットコム」は、株式会社キャッチボールが提供するおすすめ後払いサービスです。

コンビニ・銀行・郵便局・クレジットカード・アプリ決済など多彩な支払方法が提供されているのが特徴で、「請求書同梱サービス」「後払い決済リアルタイム与信」などのオプションサービスも提供されています。

その他にも、土日祝日稼働のカスタマーセンター・後払い決済キャンセル時の手数料負担なし・利用限度額を設けない与信審査といったポイントもおすすめできる理由です。

アトディーネ

アトディーネ」は、クレジットカード会社のジャックスグループが運営するおすすめ後払いサービスです。

業界最安水準の手数料が魅力のサービスで、16,000以上のEC事業者が導入しています。支払い方法はコンビニ・銀行・郵便局の他、アプリ決済にも対応しています。

審査スピードも業界トップレベルなのでスピーディな運用が可能ですし、導入準備から導入後のサポートも万全です。

セキュリティ面についても金融機関基準の運用・管理が実施されているため、セキュリティ性を重視する方にもおすすめです。

後払いワイド

後払いワイド」は、ポケットカード株式会社が提供するおすすめ後払い決済サービスです。

利用限度額が30万円(初回利用時は10万円)と高めに設定されているのが特徴で、2回目以降の利用ではID・パスワードの入力とSMS認証のみで利用可能です。

支払い方法は1回払い・分割払い・リボ払いの3種類(分割払い・リボ払いは実質年率15%の手数料)に対応しており、毎月1日にコンビニや銀行、口座振替にて支払い(利用日より最大2か月後)を行います。

ミライバライ

ミライバライ」は、AGミライバライ株式会社が提供するおすすめ後払い決済サービスです。

全国のコンビニやスマホアプリでの支払いに対応しており、24時間365日リアルタイムでの審査結果連絡可能、未回収リスク保証といった特徴があります。

プランは手数料と月額固定費が異なる4種類で、売上に応じて選択できるとともに、請求書同梱サービスなどのオプションも提供されています。

導入もスムーズで、申込書到着から最短8営業日でサービス開始となるのもおすすめポイントです。

クロネコ代金後払いサービス

クロネコ代金後払いサービス」は、クロネコヤマトのグループ会社であるヤマトクレジットファイナンス株式会社が運営するおすすめ後払いサービスです。

請求書発行から14日以内にコンビニや郵便局などで支払いを行いますが、未回収リスク保証型のサービスなので、代金の未回収リスクが心配でBNPLの導入を躊躇している事業者におすすめです。

購入者に送付する請求書は封書タイプ・ハガキタイプ・スマホタイプの3種類から選択可能で、取扱い件数や金額に応じた4種類のプランが提供されています。

atone

atone」は、NP後払いを運営する株式会社ネットプロテクションズが提供しているおすすめBNPLサービスです。

スマホユーザーをターゲットにしているのが特徴で、アプリから利用明細などを確認することが可能です。また、NP後払いでは利用ごとに請求書が発行されますが、atoneでは1ヶ月分の利用がまとめて請求されます。

その他、NP後払いとは異なり、注文時に利用者自身が与信を確認する、利用には会員登録が必要といった特徴がありますが、200円ごとに1ポイントが付与される点はNP後払いと変わりません。

PayPay〔ペイペイ〕あと払い

PayPay〔ペイペイ〕あと払い」は、文字通り大手キャッシュレスサービスのPayPayが提供しているおすすめ後払いサービスです。

クレジットカードのように使えるのが特徴で、利用時には審査が必要ですが、審査に通過するとアプリ上にPayPayカードが発行されてチャージすることなくPayPayでの支払いが可能になります。

利用した金額は翌月に登録した金融機関の口座より引き落とされる仕組みとなっています。また、利用履歴を一覧で管理できるので、使いすぎのリスクが心配という方にもおすすめです。

まとめ

日本におけるBNPLの普及率は海外と比べると低いものの、BNPLの導入は消費者と事業者の双方にメリットをもたらします。

一定のデメリットも存在しますが、今後は日本国内でも普及していくことが予測されます。

特に、若年層をターゲットとしたサイトを運営している事業者の方は、今回ご紹介したおすすめサービスを参考に是非導入を検討してみてください。
 

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