おすすめタレントマネジメントシステム15選をご紹介
近年、働き方の多様化や労働人口の減少、グローバル競争の激化などの影響からタレントマネジメントと呼ばれる人事マネジメントに注目が集まっています。
ここでは、タレントマネジメントに欠かせないタレントマネジメントについて解説するとともに、おすすめのシステムをご紹介していきます。
タレントマネジメントシステムとは?
タレントマネジメントシステムとは、従業員の個人情報やスキル、経験値などのデータを一元管理し、社内で共有することで人材の適正配置や人材育成に活用するためのシステムを指します。
そもそもタレントマネジメントとは、データ化した従業員の情報を一元管理することで、組織にとって理想的な人事配置や人材開発につなげていく人事マネジメント手法のことです。1990年代にアメリカで誕生した考え方で、日本においては労働人口の減少が問題視されるようになった2010年代から普及し始めました。
なお、ここでのタレントとは従業員が持つ能力や資質を意味しています。タレントマネジメントは、年齢・学歴・職務歴などの従業員の基本情報だけでなく、能力や資質も含めて管理することで、従業員と組織のパフォーマンスの最大化を図ることができます。
タレントマネジメントシステムの機能
タレントマネジメントシステムの基本的な機能としてまず挙げられるのは、人材データベースの構築・管理機能です。
タレントマネジメントシステムの中核をなす機能で、年齢・職務歴・スキル・特技・人事評価のランクなど従業員のあらゆる情報を登録・管理することができます。
また、人材評価の指標や実績を管理に役立つ目標・パフォーマンス機能、数年間にわたる企業の収益や想定人件費などをもとに要員計画を立てることができる要員計画機能、評価結果や成果指標などに基づいて報酬配分のシミュレーションができる報酬管理といった機能も搭載されています。
その他にも、レポート分析機能、コンピテンシー管理機能、後継者管理機能など企業戦略を左右するような重要な機能が備わっています。
タレントマネジメントとシステムの必要性
タレントマネジメントが普及した背景には、働き方の多様化や労働人口の減少、グローバル競争の激化などの影響があります。優秀な人材を確保することは日増しに難しくなっており、既存の人材を活用して組織力を向上させていくことの重要性が高まっています。
既存人材を活用して組織力の向上を図っていくには、従業員が持つ能力や資質を把握した上で適材適所に配置するとともに、育成や採用につなげていかなければなりません。このような理由から、近年は日本でもタレントマネジメントの導入を進める企業が増えました。
一方で、従業員の数が増えるほどタレントマネジメント業務の負担は大きくなりますが、その負担を軽減してくれるのがタレントマネジメントシステムで、効率的なマネジメントを実現することが可能です。
タレントマネジメントシステムの目的
タレントマネジメントシステムの導入目的は各企業によって異なりますが、代表的な目的としては人材の評価・育成・活用・定着の4点が挙げられます。
タレントマネジメントシステムを導入すると、人事評価に関する情報が全て人材データベース上で一元管理されるとともに、様々な角度から分析してレポート化できるため、人事評価の効率化を図ることが可能です。
また、各従業員の目標や組織全体の目標がシステム上でいつでも確認できるため、効率的な人材育成にもつながりますし、組織内にどのような人材がいるのかを素早く抽出できるため、適切な人材配置も容易となります。加えて、公平な評価による従業員の満足度向上、アンケート機能などによる不満の把握などにより人材の定着を図り、離職率の低下につなげることも可能です。
タレントマネジメントシステムの4つのメリット
ここまでタレントマネジメントシステムの概要を解説してきましたが、ここからは導入によって期待できるメリットを確認してきましょう。
1.内部の人材発掘
タレントマネジメントシステムでは、勤務歴や保有資格などが容易に把握できるとともに、リーダーシップや協調性といった数値化が難しい能力や資質も項目を設定することで管理できます。
従業員自身も自覚していなかった能力・資質に気が付くこともあるため、これまで組織内に埋もれてしまっていた人材の発掘に役立つはずです。
2.人事評価・能力判断を公平に行える
タレントマネジメントシステムを導入すると、各従業員のスキル・経歴・キャリアプランなどあらゆる情報をデータ化して管理できます。これらのデータに基づいて分析を行えば、客観的かつ定量的な人事評価・能力判断を行うことが可能です。
また、1on1ミーティングやアンケートなど定性的な情報も評価指標に組み込むことができるため、従業員は公平な評価を得ることができます。
3.計画的な人材育成
各従業員の能力や資質を把握することは、計画的な人材育成にも効果的です。
タレントマネジメントシステムを活用すると、各従業員のどこを伸ばし、足りない部分をどのように埋めていくのかといった育成計画を立案しやすくなります。
各従業員のパフォーマンスが最大化されるための育成方針が分かるため、効率的に育成していくことが可能です。
4.従業員のモチベーションの維持・向上
上記の通り、タレントマネジメントシステムを導入すると、各従業員は公平な人事評価を得ることができます。
加えて、各従業員のパフォーマンスが最大限発揮される育成計画の立案・実行により、従業員のモチベーションの維持・向上につなげることが可能です。これにより、生産性の向上や離職率の低下を図ることができるでしょう。
タレントマネジメントシステムの4つのデメリット
タレントマネジメントシステムの導入には様々なメリットがある一方で、懸念されるデメリットもいくつかあるので注意が必要です。
1.システムを維持するためにコストがかかる
タレントマネジメントシステムの導入・運用には一定のコストがかかります。導入コストについては、オンプレミス型では数百万円から数千万円かかります。
クラウド型の場合は比較的低コストで導入可能で、中には初期費用無料のシステムも少なくありません。
ただし、オンプレミス型もクラウド型もシステムを維持していくためにはランニングコストも発生するので、システム導入のメリットとコストを比較して導入を検討しましょう。
2.社内浸透の労力がかかる
タレントマネジメントシステムでは、従業員自身が入力する項目があります。どれだけ優秀なシステムを導入しても、従業員全員が導入の目的を把握していなければ正確なデータが収集できずに、システムを最大限活用できない恐れがあります。そのため、システム導入の際は事前に目的や必要性を理解してもらうことが重要ですが、社内にシステムを浸透させるには一定の労力を割かなければなりません。
3.使いきれない機能がある可能性がある
タレントマネジメントシステムには様々な機能が搭載されていますが、使いきれない機能がある可能性もあります。
タレントマネジメントシステムに限った話ではありませんが、多機能なシステムほどコストも高くなるので、導入の際は目的を明確化した上で過剰な機能が搭載されていないか確認しておきましょう。
また、搭載機能を最大限活用するためには、サポート体制が充実しているシステムを選ぶことも重要です。
4.制度などを見直す必要がある
タレントマネジメントシステムの導入は、企業や従業員に様々なメリットをもたらしますが、導入時は既存の人事・労務制度の見直しが必要です。
場合によっては新たな制度を定める必要性が出てくることもあるので、導入の際は制度の見直しや改定に要する時間も考慮しておきましょう。
なお、システムによっては構築サポートが受けられるケースもあるので、提供会社に相談しながら導入を進めるのもおすすめです。
タレントマネジメントシステムの選び方のポイント
自社に最適なタレントマネジメントシステムを選定するためには、料金・機能・連携サービス・サポート体制といった項目で各システムを比較することが大切です。
料金
どのようなシステムでも導入・運用するには初期費用とランニングコストが発生しますが、タレントマネジメントシステムの場合、プランや利用人数によって料金が変動するケースが多いです。詳細な料金は問い合わせないと分からないケースも多いので、気になるシステムを見つけた場合は問い合わせフォームなどから見積もりを依頼すると良いでしょう。
また、無料トライアルを実施しているシステムもあります。無料トライアルを活用すれば、本格的な導入の前にシステムの使い勝手を確かめることができるので、システム選定の際は無料トライアルの有無や期間も確認しておきましょう。
機能
タレントマネジメントシステムに搭載されている機能はシステムごとに異なり、タレントマネジメントに特化しているものもあれば、人事評価システムなどの機能も備わっているものもあります。
加えて、システムによっては独自の機能を備えたものもありますが、多機能なシステムは使いこなすのが難しく、コストも高くなる傾向があります。
どれだけ多機能なシステムを導入しても使わない機能が多ければ意味がないので、システム選定の際は事前に自社が抱える課題を洗い出した上で、その課題を解決するにはどのような機能が必要なのかを検討しましょう。
連携サービス
タレントマネジメントシステムの中には、外部サービスとの連携が可能なものも少なくありません。
例えば、勤怠管理システムや給与計算ソフト、ビジネスチャットなどと連携可能です。これらの外部サービスと連携できれば、各サービスのデータを活用できるため業務の効率化につながる可能性が高まります。
加えて、タレントマネジメントシステムにはAPI連携(2種類以上のソフトウェアやアプリケーションを接続して一部の機能を共有する仕組み)に対応しているものもあるので、システム選定の際は連携サービスについても確認しておくと良いでしょう。
サポート体制
サポート体制の充実度もタレントマネジメントシステム選定における重要な比較ポイントです。
サポート体制が充実していれば、システムのスムーズな導入や運用につながるため、問い合わせの手段や受付時間などをしっかりとチェックしておきましょう。なお、初期設定や運用サポートなど内容によってはオプション料金が発生することも多いので、どの範囲までサポートしてほしいのかも検討しておくことが大切です。
システム提供会社の中には活用方法についての勉強会や、ユーザーが集まるイベントなどを開催しているケースもあるので併せてチェックしておくと良いでしょう。
タレントマネジメントシステム15選!
現在、タレントマネジメントシステムは様々な企業から提供されていますが、ここからは数あるシステムの中から特におすすめのタレントマネジメントシステムをご紹介していきます。
1.ジンジャー人事労務
「ジンジャー人事労務」は、人事・労務業務をペーパーレス化し、社内のあらゆる人事情報を一元管理する人事労務管理システムです。
人事データがリアルタイムで可視化されるため、いつでも従業員データを確認できるとともに、データベースの項目は自由にカスタマイズできます。
従業員の顔写真を表示できる組織図も特徴のひとつで、組織構成を一目で把握することが可能です。直感的なUIにより導入・運用のハードルが低いのも魅力です。
2.あしたのクラウドHR
「あしたのクラウドHR」は、導入企業4,000社を誇る人事評価システムです。
従業員データベースから目標設定・評価・査定・給与確定までを一元化することができるシステムで、細かなカスタマイズに対応しているため、既存の人事評価制度をそのまま再現できます。
人事評価制度の構築や運用のサポートが充実しているのも魅力で、人事専任の担当者がいない場合でも適切な人事評価制度の構築と運用が実現できます。また、管理者人材育成をサポートする機能が備わっているのも特徴です。
3.sai*reco〔サイレコ〕
「sai*reco〔サイレコ〕」は、組織内の人事情報を有効な経営情報として活用することをサポートしてくれるクラウド型人事管理システムです。
あらゆる人事情報を一元管理できるとともに、定型業務の自動化によりルーティンワークの無駄を省いてくれます。
データベースは従業員が持つ特性や適正などを適切な可視化できる柔軟なカスタマイズ性を備えており、組織図の作成やシミュレーションなどタレントマネジメントの効率化につながる機能も充実しています。
4.HR-Platform〔エイチアール-プラットフォーム〕
「HR-Platform〔エイチアール-プラットフォーム〕」は、クラウド型の組織・人材マネジメントシステムです。
人材管理や人事評価などに関する機能が充実していることに加えて、自社に合わせたカスタマイズが可能です。既存の評価制度を変える必要がないため導入ハードルが低いだけでなく、企業の成長に合わせて機能を追加していくこともできます。
給与計算などのアウトソーシングにも対応しているので、人事部門が抱える様々な課題の解決につながるでしょう。
5.POSITIVE〔ポジティブ〕
「POSITIVE〔ポジティブ〕」は、グローバル・グループでの戦略的人財マネジメントを実現する人事・人材管理ソリューションです。
2,700社以上の導入実績を誇り、従業員一人ひとりの能力や資質に関する情報を一元管理できるデータベースをはじめ、タレントマネジメントをサポートする機能が充実しています。
給与管理や就業管理など人事部門が必要とする様々な機能が搭載されているので、特に大規模なグループ企業において活躍してくれるでしょう。
6.カオナビ
「カオナビ」は、導入実績2,500社以上を誇るタレントマネジメントシステムです。
製品名の通り、従業員の顔にデータを紐付けて管理するため、直感的に組織内の人材を把握することができます。組織ツリー図・評価ワークフロー・社内アンケート・社員データグラフなど機能面も充実しており、ユーザー画面も直感的です。
サポート体制も充実していますし、ユーザーコミュニティも構築されているので、スムーズな導入・運用を実現できるでしょう。
7.SmartCompany〔スマートカンパニー〕
「SmartCompany〔スマートカンパニー〕」は、中小企業から大手企業まで幅広く導入されているクラウド型のタレントマネジメントシステムです。
人材情報の一元化が図れるだけでなく、人事の運用支援・データ分析・ダッシュボード・アンケートなど様々な機能が備わっています。
カスタマイズ性が高いのも特徴で、自社に最適なシステムを構築可能です。なお、クラウド型だけでなくオンプレミス型のスマカンPremiumも提供されています。
8.HRMOS Core〔ハーモスコア〕
「HRMOS Core〔ハーモスコア〕」は、豊富な機能であらゆる採用業務をサポートしてくれる採用管理システムです。
求人媒体連携・日程調整・面接評価自動リマインド・レポート自動作成といった機能により採用業務の効率化が図れるとともに、採用目標進捗・応募数推移・採用コストなど分析が捗るレポート機能も充実しています。
カレンダーやビジネスチャット、オンライン面接ツールなど連携できる外部サービスも豊富です。サポートについても専任の担当者が付くため、スムーズに導入・運用できるでしょう。
9.COCOREPO〔ココレポ〕
「COCOREPO〔ココレポ〕」は、全従業員のスキルを可視化するクラウド型スキル管理サービスです。
初期費用無料で導入できるのが魅力で、特にIT系の企業から指示されています。可視化した従業員のスキルセットをいつでも検索できるため、社内外のアサインメンバーを瞬時に把握することで、効率的にプロジェクトチームの作成・管理が実施できます。
視認性が高いフラットUIやSPAシステムの採用、タブレットサイズへの対応など使いやすさに配慮されているのも特徴です。
10.スキルナビ
「スキルナビ」は、業種や規模を問わず幅広い企業で導入されているタレントマネジメントシステムです。
社員データ管理をはじめとした基本機能が充実しているため、導入企業の96%がノーカスタマイズで運用しています。カスタマイズの手間がかからないことに加えて、カスタマーサクセスチームが全ての初期設定を行ってくれるため、スムーズかつスピーディに運用をスタートさせることができます。
利用料も業界最安水準となっており、月額4万円から利用できるため予算に限りがあるというケースにもおすすめです。
11.Rosic:人材マネジメントシステム〔ロシック〕
「Rosic:人材マネジメントシステム〔ロシック〕」は、人事に関する課題の発見・解決の基盤となるシステムです。
人事・組織データを一元化した上で分かりやすく参照できることはもちろん、組織図の作成やキャリア分析・比較、キャリアモデル管理、指標レーダーチャートといった機能が搭載されています。
人員構成分析や異動シミュレーションといった機能も備わっているため、効率的かつ効果的なタレントマネジメントを実現できるでしょう。
12.Geppo〔ゲッポウ〕
「Geppo〔ゲッポウ〕」は、個人と組織の課題を見える化するマネジメントツールです。
1分未満で回答できる簡易的なアンケートにより、従業員一人ひとりのコンディションを把握することができます。
組織の状態を見える化してくれる組織サーベイ機能も搭載されているため、個人と組織の両面から働き方の改善が図れます。また、従業員が抱えるストレスや不安などの把握に効果的なので、テレワークのストレスマネジメントとしても最適です。
13.HRBrain〔エイチアールブレイン〕
「HRBrain〔エイチアールブレイン〕」は、人事に関するあらゆる課題を解決に導いてくれるタレントマネジメントシステムです。
あらゆる人材データを一元管理できるのはもちろん、他システムとも柔軟に連携できるため容易にデータを集約できます。1on1ミーティングの運用や管理職・リーダーの育成もサポートしてくれるため、効率的なタレントマネジメントが実施できます。
直感的な操作性が可能なUI、カスタマーサクセスによる手厚いサポートがあるのも魅力です。
14.HITO-Talent〔ヒト-タレント〕
「HITO-Talent〔ヒト-タレント〕」は、継続率96%以上を誇る大規模組織向けタレントマネジメントシステムです。
人材データの一元管理・組織図・データ分析・アンケート・異動シミュレーション・360度サーベイなどタレントマネジメントに必要な機能が網羅されており、マニュアル要らずの直感的な操作性を備えています。
人材データベースの管理項目数に上限が設けられていないのも特徴で、各社の要件によって柔軟に設定を変えることができます。
15.タレントパレット
「タレントパレット」は、組織の力を最大化してくれるタレントマネジメントシステムです。
継続率99.1%を誇るシステムで、人材の見える化・最適配置・人事評価・人材育成・アンケート・離職防止・採用管理などタレントマネジメントに必要なあらゆる機能が搭載されています。
従業員同士で感謝のポイントが付与できるサンクスポイント、従業員の健康状態やストレスチェックなどを一元管理できる健康管理・ストレスチェックといった機能も備わっています。
なお、標準搭載されている適性検査は無料で受けることが可能です。
まとめ
タレントマネジメントシステムは、限りある人材リソースを有効活用して組織力の最大化を図るのに有効なシステムです。
一方で、タレントマネジメントシステムには数多くの製品が存在しているので、料金・機能・連携サービス・サポート体制といった項目で各システムを比較し、自社に最適なシステムを導入することが大切です。今回解説した内容がシステム選びの参考になれば幸いです。