SEOキーワード選定は赤字企業を救う!売上を上げる検索ワードの見つけ方
ECサイトを立ち上げたもののなかなか売上につながらないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ECサイト市場が拡大、すなわちECサイトの数が増加し続けている現在、ちゃんとした集客対策を行わないと、誰にも見つからずに売れないどころか集客も出来ないサイトになってしまうことを意味します。
集客対策の要となるのは、やはり検索による流入です。
広告による集客ももちろん大切ですが、検索流入を増やす、つまりSEO対策を適切に講じることで、広告だけに頼らないサイト運営を目指すことが出来るのです。
1.SEOの概念を再確認する
「今さらかよ!」と思われてしまうかもしれませんが、SEOについて改めて確認してみましょう。
IT用語辞典 e-WordsによるとSEOはこのように説明されています。
SEOとは、サーチエンジンの検索結果のページの表示順の上位に自らのWebサイトが表示されるように工夫すること。また、そのための技術やサービス。
SEO 【 Search Engine Optimization 】 検索エンジン最適化
Webサイトを作っている側からすれば、まさにこの通りで、少しでも上位表示できるようにあれこれと対策を講じているわけです。
しかし、例えば練習を繰り返して少しずつ上達していくスポーツなどと異なり、SEOは行った対策について、検索エンジン側がどう評価するかが重要となります。
どういったサイト、どういった対策が評価されるのか?
Googleの共同創設者ラリー・ペイジはこう言ったことがあるそうです。
「完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返すエンジンである。」
ユーザーの意図に答えられるページを表示させるのが検索エンジンの使命であるから、よりユーザーの意図に近いページが検索結果の上位に表示されるようになるのです。
つまり、本来のSEOとは、“ユーザーの意図に答えられるページを作ること”なのです。
その視点で考えると、どうすればアクセスが増えるのか、どうすれば売上が上がるのかという悩みにも答えが見つかるはずです。
つまり、ユーザーがどのような意図で検索しているのかを汲んだページを作れば良いのです。
そもそもサイトへの訪問がない場合、サイトへのアクセスはそれなりにあるのに、購入につながらないという場合、さまざまあるかと思いますが、いま一度SEOキーワードについて考えてみましょう。
2.お客さんがお店に行くのは、買い物をするだけとは限らない
2-1.来店する目的はさまざま
休日、買い物に出かけたとき、特に何かを買うつもりでもなく家電量販店にふらっと入って、店内を一通り見て出て行く、というのは多くの方に経験があるかと思います。
また、「そろそろ新しい掃除機が欲しいな」と掃除機コーナーに行って、いくつかの商品を見比べたりカタログを手に取ったりしつつも、その日は買わずに帰る、ということもよくあるでしょう。
お店を訪れる人=何か買い物をする人とは限らないし、“ただふらふら見ただけ”の人もいれば、“どれを買おうか検討するために見る”人もいるのです。
Webにおいても同様のことがいえます。
サイトを訪れる人にはそれぞれの思惑があるのです。
その手がかりとなるのが、検索ワードです。
2-2.検索ワードにはユーザーの意図が込められている
先ほどの例を引き継いで、掃除機で考えてみましょう。
「掃除機」というワードに何を付けて検索しているかで、検索した人の“意図”が垣間見えてきます。
例1「ダイソン 掃除機」
キーワードプランナーで「掃除機」と調べたときに最も検索ボリュームの大きい検索ワードとして表示されるのがこちらです。
このワードで検索した人は、漠然と掃除機を探しているのではなく、おそらくダイソンの掃除機の性能や価格を知りたがっているのだろうとわかります。
例2「掃除機 人気」
こちらのワードで検索した人は、具体的にどの掃除機という目標があるわけではなく、人気掃除機ランキングなどを見て、掃除機を選ぼうと考えているのでしょう。
例3「サイクロン掃除機比較」
ダイソンをはじめとして各社が取り扱っているサイクロン式掃除機のどれが良いのか比べてみたいという方のようです。
この形で検索をした3人が、同じダイソンの一番人気の掃除機のページを訪問したとして、この方たちは果たして購入につながるでしょうか?
1の「ダイソン 掃除機」と検索した人は価格帯などが合えば買うかもしれませんが、2・3の検索で訪問した人は、購入にはつながらないでしょう。
どちらもまだ具体的購入を検討しているわけではなく、漠然とどんなものが良いか“見たい”レベルであるからです。
「掃除機」というワードは、かなり検索ボリュームの大きい単語で、上位表示はなかなか難しいかと思いますが、頑張って商品ページの上位表示ができたとしても、そうしたレベルの人が検索するワードでは、購入にはつながりにくいのです。
「ビッグワード・スモールワード」「潜在層・顕在層」などいくつか呼び方がありますが、商品について、“もう購入するつもり”なのか“どんなものにしようか選んでいる”のか、“もしかしたら欲しいかもしれない”と思っているのか、その人の“意図”のレベルが検索ワードには現れているのです。
SEOキーワードを決める際には、そのワードで検索する人がどのような“意図”、どのくらいの“意図”で検索しているのかをよく見極める必要があります。
特にECサイトの場合は、購入しようという意思が最も強いキーワードを選ぶべきです。
3.売上が上がるスモールワードを見つけ出せ!
3-1.ビッグワードとスモールワード
では、売上が上がる検索ワードはどのように探していけば良いのでしょうか。
先ほど少しだけ触れましたが、「ビッグワード・スモールワード」といった考え方があります。
ビッグワードとは、検索される回数の多いワードで、そのぶん「掃除機」「ワイン」「マンション」のようにざっくりとした範囲のワードのことを指します。
スモールワードはその反対で、「掃除機 静音 ハンディ」「ワイン スペイン 直輸入」「マンション 池袋 2LDK」のように複数の単語による検索ワードを指します。
検索数はビッグワードに比べると少ないものの、より具体的で、より関心が高いことが伺えるワードです。
スモールワードは、複数の単語を組み合わせて検索することから“複合ワード”とも呼ばれますが、複合する単語が多ければ多いほど検索される数は減りますがその質は上がると考えられています。
これはロングテールSEOという考え方にも通じるところで、検索数は多いが競合も多いビッグワードを狙うよりも、検索数は少ないが競合が少なく、しかし質の高いスモールワードを狙ったほうが、長期的に見れば多くのアクセス・コンバージョンを集めることが可能となります。
3-2.ロングテールSEOを意識したSEOキーワードの選び方
実際にSEOキーワードを選んでいきましょう。
サイトで設定しているキーワードをキーワードプランナーや、GoogleやBingの関連キーワード(ある単語とともによく検索されるキーワード)を表示してくれるgoodkeywordなどに入れて、関連ワードを調べていきます。
キーワードプランナーはcsvでのダウンロードが可能、goodkeywordはテキストのコピーが可能なので、一覧にしていきます。
それらを、ビッグワード・スモールワードに分類し、商品購入ページのSEOキーワードに適したものを見つけていきます。
その際ポイントとなるのは、
- 検索結果を見たとき、競合サイトが多すぎないこと
- キーワードプランナーにおいて、検索ボリュームが少なすぎないこと
の2点です。
検索した結果、同じような商品を扱っている競合サイトが既に多く表示される場合、そのワードは競争が激しいことを意味します。
かといって、競合とのバッティングを避けることを意識しすぎて、誰にも検索されないワードに設定しては意味がありません。
かつユーザーの“意図”を読み取って、購入意向の高いワードを見つける必要があります。
スモールワードを狙うのであれば、キーワードプランナーの検索ボリュームが100~500程度のものを選ぶのが良いとされています。
キーワードプランナーとのにらめっこを繰り返して、適切なSEOキーワードを選びましょう。
4.まだ買わない人も放っておかない!
4-1.キーワードを購入意向の度合いによって分類する
購入ページのSEOキーワードが決まればはい終わり、というわけではありません。
まだ購入意向がそう高くないユーザーも集客していきましょう。
しかし、購入意向が高くない人を購入ページに誘導しても、売上にはつながりません。
購入意向の高さに応じて、将来的に購入をしてくれるように、さまざまなコンテンツに誘導していきましょう。
そのためには、先ほど分類したビッグワード・スモールワードをもう少し細かく分類しましょう。
ある程度サイトに運営期間があるならば、SearchConsoleなどを使ってどのようなキーワードで流入しているか、検索されているかを調べるのも良いでしょう。
4-1-1.潜在層
まだ具体的に購入を考えているわけではない層。
この層に向けて強く売り込みをかけてもまだ購入にはつながらない。
「ワイン 飲み方」「掃除 簡単」「マンション 分譲」など、購入というよりは自分の持った悩みを解決しようと検索している人たちが多い。
4-1-2.顕在層
購入しようとは思っているが、具体的にどの商品が良いのかを迷っているような状態の層。
「ワイン おすすめ」「掃除機 比較」「マンション 選び方」のように、商品の絞り込みをするべく検索していることが多い。
4-1-3.見込み顧客
ここは、先ほど決めたSEOキーワードが該当します。
具体的な商品名や型番などで検索している場合もこれに当てはまります。
購入意向は高く、あとはどのお店で買うかを決めるような状態の人が多い層です。
このように3つに分類ができたら、それぞれの層が見て役立つコンテンツを用意すれば良いのです。
4-2.購入意向の度合いに沿った適切なコンテンツに誘導する
先ほど分類した3つの層に適したコンテンツとはどういうものでしょうか。
冒頭のラリー・ペイジの言葉を借りるならば、「ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するもの」です。
4-2-1.潜在層に適したコンテンツ
Howtoもの
先に挙げた中で「掃除 簡単」と検索した人は、掃除機の購入を考えているわけではなく、掃除を簡単に済ませられる方法を探しているのです。
この場合は、掃除機に限らず、さまざまな掃除のテクニックを教える記事を用意しましょう。
掃除のテクニックを知ったからといってすぐに掃除機の購入につながるわけではありませんが、こうした記事を複数用意することで、サイトへの訪問回数を増やして、ファンになってもらうことができます。
このような“Howtoもの”はどの業界においても有効です。
4-2-2.顕在層に適したコンテンツ
商品購入はするつもりだけど、どれにしようかと考えている層に向けたものとして有効なのは、その“選び方”を教えるコンテンツです。
例えば掃除機であれば、紙パック式とサイクロン式それぞれのメリット・デメリットを紹介したり、メーカーごとの特長を並べて比較ができるようにしたり。
家電量販店で店員さんがひとつずつ説明してくれるあの感覚に近いものがあります。
同様に、ジャンルごとの人気ランキングで商品を複数紹介するのもひとつの手です。
「人気ランキング」と称して、人気の商品を並べつつ、銘柄や国、味わいなどで比べられるようにすると良いでしょう。
4-2-3.購入意向の高い人への最後の一押し
購入意向の高い人も、ただ購入ページへ誘導すれば買ってもらえるというわけではありません。
最後の判断材料として、カスタマーレビュー(実際に商品を使用した人の声)や 商品の詳細がわかる画像や動画などを掲載し、背中をすっと押してあげるようにしましょう。
また、掃除機のようなメーカー品などの場合は「このお店で買うことのメリット」がわかりやすく明記されているとユーザーは安心して購入することができます。
5.まとめ ~長い目で焦らず着実に
SEOキーワードを明確にして、コンテンツを増やしていったとしても、急激にアクセスが伸びたり売上が急増したりということはほぼありません。
正しく設定が行えていれば、「ロングテールSEO」は長い時間を掛けて効果が出るものなので、少しずつじわじわとアクセスは伸びていくはずです。
ECサイト運営は長い目で、焦ることなく進めていくことが肝心です。
もちろん、SEO以外にもサイトデザインや価格設定など他のことにも気を配りつつ、着実に売上を伸ばしていきましょう。
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