評価の上がる会議資料の作り方。まずゴールを設定せよ
「来週の会議資料作っといてね!」
上司から資料作成を頼まれる、自分の企画を提案するなどパターンはいろいろありますが、どちらにせよ会議資料の作成は面倒なものです。
しかし、とりあえずちゃちゃっと作ってしまおうと、いきなりパソコンに向かって作り始めるのはとても危険です。
会議資料を作るにあたって大事なのは、事前に情報を整理して構成をまとめることです。
実際に“資料を作る”という作業を行うのは、いちばん最後の工程です。
しっかりと準備をして、良い会議資料を作りましょう!
1.ゴールを明確にする
社内のメンバーが集まって行う会議には、必ず目的があります。
その中で使用される資料にも、同じように目的があるわけです。
目的、つまりゴールを明確に定めるところから準備は始まります。
ゴールが定まれば、そこにたどり着くための道具として、情報を揃えていけば良いのです。
1-1.会議の目的(ゴール)を決める
まず、会議の目的は、大きく分けると3つあります。
- 何かを決める
- 何かを報告・共有する
- 何かの案を考える
さらに、何かを決める会議であれば、「決めるのは誰なのか?(メンバー?リーダー?さらに上の人?)」、また報告するための会議であれば、「誰に向かって報告するのか?」など、目的なさらに細かく枝分かれしていきます。
案を考える、ブレストのような場であれば、「案を20個まとめる」などでしょうか。
変な表現ですが、ゴールを設定するのが、スタートなのです。
1-2.資料の目的(ゴール)を決める
会議のゴールが明確になったところで、用意すべき資料のゴールも見えてきます。
上長が決断するための判断材料としての資料なのか、参加者でブレストをするための参考資料なのか、いわば“落としどころ”がわかるのです。
会議資料は、会議に参加している“誰か”に“何かをさせる”ために使われるものです。
その“誰か”に向けて作ることを意識しましょう。
例えば、上司から「来週の会議に向けて、検討中のSFA(営業支援システム)の件について資料を作るように」と指示されたとします。
この時、会議のゴールはSFA導入を決めることになります。
では、「誰が決めるのか?」を明確にする必要があります。
この会社では、こうした決裁は指示を出してきた上司のさらに上である部長が行うので、「部長が決める会議」だとなります。
つまり今回の例でいえば、会議のゴールは「部長に決裁をもらう」、そして資料のゴールは「部長に決裁をもらうための資料」と設定ができるわけです。
2.ゴールへの道筋となる情報を集める
ゴールが見えたところで、そのゴールへ向かうための道具、情報を集めていきましょう。
ゴールへの道筋は途中で途絶えていてはいけません。
漏れのないように、情報を集めて整理していきます。
2-1.『5W1H』で情報を並べていく
伝えるべき事柄は、『5W1H』に従ってまとめていくのが確実です。
先程の例でいえば、
- Why:営業活動の効率化を図るため(なぜ導入するのか)
- What:A社SFA「◯◯(サービス名)」の導入(何を導入するのか)
- Who・Where:営業部(誰が・どこが導入するのか)
- When:7~8月から順次導入(いつ導入するのか)
- how:導入によるメリット(導入するとどうなるのか)
- how much:導入コスト、導入による効果想定(導入にいくら掛かるのか)
などといったように並べていきます。
もちろん、この要素がマストというわけではなく、例えば広告やキャンペーンなどであればターゲット(Whom:誰に向けて?)が必要になるなど、目的によって要素は変化します。
2-2.情報を掘り下げていく
会議資料に載せる情報は、出来る限り具体的にし、不確定なものは極力なくすべきです。
今回の例では、
- SFAを導入するとどのくらい営業成績が上がる想定なのか
- コストはどのくらいなのか
- コストに見合った結果を出せるのか
- 何故数あるサービスの中からこれを選んだのか
などは、可能な限り資料に情報を入れる必要があります。
資料には入らない場合でも、突っ込まれても対応できるように数字や根拠を準備しておくことが必要です。
他にも、新しいシステムを導入する際には、自社のネットワーク上で利用が可能なのか、社内で何か手続きがいるのかなどといった点についても事前に確認をしておきます。
どうしても確定できない情報があった場合は、不確定なままで会議に望むのか、それとも別に確定させる場を用意すべきなのか、事前に上司に聞いておくのが良いでしょう。
資料に載っている事柄については何を聞かれても的確に回答できるようになっておくと、「デキる!」と評価も上がるはずです。
3.資料を作成する
情報が揃ったら、ここからいよいよ最後の工程として資料の作成に入ります。
既に材料は準備ができているわけなので、あとはワードやパワーポイント上に落とし込んでいけば良いのです。
3-1.流れ
資料の流れは、
- この会議におけるゴールの提示
- 背景・目的の説明
- 進捗など現状の報告
- 今後のスケジュール
という形を基本にし、目的に応じて、会議上は報告のあとにブレストの時間を用意するなどカスタマイズしていきましょう。
SFA導入の承認をいただく
背景
規模が拡大し営業スタッフが増加する中で、個々の営業活動の状況を集約する必要が生じたため
選定状況報告
・コスト面
・機能面
・導入によるメリット
(他社製品などと比較しながら)
導入決定後のスケジュール
◯月◯日 契約・システム設定(先方)
◯月◯日~ 営業データ移行
◯月◯日~ 利用開始
(箇条書きレベルですが、実際にはこれを膨らませていきます)
3-2.配布用かプレゼン投影用か?
構成や分量などは、配布用資料なのか、プレゼン時の投影用の資料なのかによっても変わってきます。
配布用の資料に比べて、プレゼン資料は見てすぐわかるくらいまで情報をシンプルにまとめていく必要があります。
どちらの用途で資料を作成する必要があるのかも、早い段階で確認しておくようにしましょう。
なお、プレゼン資料を作成するテクニックについては、別の記事でも紹介しているので、参考にしてください。
4.まとめ
抽象的な表現が多くなりましたが、会議資料を作るのに必要な考え方をご紹介してきました。
資料を作成する際には、ワードやパワーポイントを前に“作成する”というところに重きを置いてしまいがちですが、
- ゴールの設定
- ゴール到達のための情報の整理
をじっくりと行うことが重要なのです。
まとめとして、資料作りの大事なポイントをあと2点ご紹介します。
1.要所要所でとにかく確認してもらう
事あるごとに、資料作成を依頼してきた上司や周りの方に内容を確認してもらうようにすると良いでしょう。
具体的には、
- ゴールの設定に間違いはないか?
- 『5W1H』に過不足はないか?
- 誤字脱字はないか?
といったタイミングで見てもらうと、自分の気づかなかったミスや漏れを早めに潰してもらえます。
2.資料は事前に参加者に渡しておく
会議資料は会議の始まる直前に配られることが多いですが、頑張って作って、2~3日前には参加者に渡しておけるようになるのが理想です。
前日や直前だとしっかりと内容を確認できないまま会議に来られる可能性もありますし、誤りや情報の追加が必要になったとしても対応が間に合いません。
余裕をもって早めに作るように気をつけましょう。
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