リターゲティング広告をこれから始める人の為の基本概念

最終更新日 : 2016-03-10 Box

インターネット広告の世界で、リターゲティング広告が一般的になってからまだあまり日が経っていませんが、ROIを常に追い求めるマーケターには無くてはならないアドテクの一つです。

リターゲティング広告は、特定のサイトを訪問したユーザーを後追いして広告を配信するシステムで、一度接触を持った消費意欲の高いユーザーのみに配信する事ができる為、リスティング広告コストが高騰している現在では無くてはならない広告手法になりました。

リターゲティング広告ではコンバージョンに至らなかったユーザーのみに広告を配信したり、コンバージョンしたユーザーに別の商品をアピールする事ができますが、このページではその基本的な考え方をまとめました。

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リストの概念

リターゲティング広告を配信する為には、「リスト」を作る必要があります。
リストとは自社サイトに訪れたユーザーの足跡のようなもので、このリストから配信対象者を細かく設定していく事ができます。

日本国内では、Yahoo!(サイトリターゲティング)、Google(リマーケティング)、Facebookなどでリターゲティング広告を用いた広告出稿を行う事ができます。

コンバージョンユーザーを外す?限定する?

リターゲティング広告は、コンバージョンをしなかったユーザーのみを追いかける広告ではなく、コンバージョンしたユーザーをターゲットに設定し、新商品やキャンペーン情報を配信する事も出来ます。

例えば、コンバージョンしたユーザーには購入から30日後に広告配信。
コンバージョンに至らなかったユーザーにはすぐ配信。
といった設定ができるので、目的に応じて広告素材を使い分け効果を最大化する事が可能です。

特にECサイトでは平均的なコンバージョン率が1%前後だと考えると、アクセスしてきたユーザーのうち99%以上を取りこぼしている事になります。この99%のユーザーをリスティングなどの広告で集めたトラフィックであれば、相当な機会損失に繋がっている事は容易に想像ができるはずです。

段階的に配信

段階的に配信
リターゲティング広告の成否を決めるのは、ユーザーの消費意欲に訴えられるかどうかです。
そのコツのひとつが、期間を区切って段階的に配信するという考え方です。

統計的に、サイトを訪れたユーザーをただ追いかけて広告を配信するだけでは、効率的ではないことが明らかとなっています。
実はサイトを訪問した直後ほどユーザーのモチベーションは高いとされています。これは、ほとんどの商材において言えることです。

ですから、サイトを訪れたが利用(購入)しなかったユーザーへは、その直後から3日前後は広告の配信が強めになるよう設定しましょう。

その後、3日〜10日、11日〜20日、21日〜30日といったように段階的に配信の強度を弱めていくことが、費用対効果のバランスを考えた成果につながっていくと考えられます。

ドメイン、ページのアクセス経路

例えば、トップページだけ見たユーザーと、各商品の詳細ページまで見たユーザーでは、購買のモチベーションは明らかに違います。
この両者に、同じように広告を配信する事が効果的では無いことは容易に判断できると思います。

具体的に言えば、トップページだけを見たユーザーへの配信は低めに設定し、商品ページまで訪れたユーザーは、より購買のモチベーションが高いので、広告頻度は高めに設定します。

上記の2つよりさらに高い頻度で配信すべきなのは、商品の詳細ページを訪れたユーザーであり、それ以上に商品をカートに入れ離脱したユーザー(カゴ落ち)になります。
カートにアクセスのあったユーザーは、商品を購入しようとしたが、何らかの問題があり離脱してしまったユーザーですので、再度接点を持つ事でコンバージョンに繋がる可能性が高いと言えます。

UI改善ブログさんによると『カート離脱率(放棄率)平均は68.07%』と非常に高い事がわかっていて、その離脱率は年々増加傾向にあるようです。

デバイスごとに調整を

デバイスごとに調整する
リターゲティング広告に限ったことではありませんが、ネットショッピングは一般的にPC、スマホなどのデバイスを介します。年齢別に見ると高年齢者はPC、若年層はスマホの比率が圧倒的に多くなっています。

そのため、ターゲットの年齢や性別によっても配信設定を考える必要があります。
例えば中高年齢層に向けた広告の際はPCに比重を置き、若年層の場合はスマホに比重を置くといった考え方です。

ただし、ここ数年は中高年齢層でもスマホでのネットショッピング利用者が増えているといった報告も聞かれるようになってきました。
従来はPCでのネットショッピングが多かったため広告主はPC比重の配信が多かったのですが、今後はスマホ配信に比重を置く広告主も増えていくと考えられます。

Googleコンバージョンオプティマイザーを活用

テレビコマーシャルと同様に、企業のイメージ戦略にリターゲティング広告を活用する大企業も増えてきましたが、WEB広告を出稿している企業の多くは、この効果測定の指標を購入、あるいは登録・利用に向けています。

そこで最適な費用対効果はどこにあるのか、を自動で計算してくれるGoogleの「コンバージョンオプティマイザー」という機能が便利です。

コンバージョンオプティマイザーは過去のコンバージョンデータを元に、Googleのシステムが最適なクリック単価を自動計算してるという機能です。

コンバージョン率が高いと判断された時は、広告配信頻度を高くし、反対にコンバージョン率が下がっているときには広告配信をしないといったことを自動でおこなってくれるため、マーケターが細かな調整をする必要がありません。
しかも手間が省けるだけではなく、獲得件数が2倍近くに上がったという実例も報告されています。

「その優れた機能をすぐにでも使いたい」という人が圧倒的だと思いますが、コンバージョンオプティマイザーを利用する為には『30日間で15件のコンバージョンを獲得した』など、利用のハードルがあります。この条件をクリアしているのであればぜひとも活用を検討してください。

まとめ

WEBでの新規顧客の獲得は、一昔前の様に簡単なものでは無くなってきました。逆にそれらを効率よく行ってくれるアドテクがいくつも公開されています。

その一つにが、リターゲティング広告になりますが、成功例が増える事で利用企業も増え、獲得単価も上昇してくるでしょう。
大切な事は、最新のマーケティング情報にアンテナを張り、自社にとって有益だと思えるものは、少額からでもまずは試してみる事だと思います。

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