美容院から学ぶBtoBマーケティング!ポイントはエッジ
突然ですが、この記事を読んでいる貴方は、美容院(床屋)に散髪に行った経験はありますか?
ほとんどの方は、数ヶ月に1回のペースでカット・カラーの為に足を運ぶでしょう。
では、美容院でスタイリストに話しかけられる確率はどのくらいでしょうか。
おそらくほとんどの場合が、話しかけられるはずです。なぜならスタイリストは、お店から「話しかけて仲良くなれ」と指導を受けているからです。
スタイリストがお客に話しかける理由としては
- クーポンからの来店をリピーターに繋げたい
- 指名をしてもらいたい
- 仲良くなっておいた方がクレーム率が低い
などでしょうか。
しかし、美容院に行く方の7割は、本当は話しかけられたくないのです。
美容師さん必見!「話しかけないで欲しい」と思っている人がこんなに!?
筆者もこのアンケート結果と同意見で『美容院に行った時はカットだけしてほしい派』です。
忙しい合間を縫って行くので、自分ひとりでじっくりと考える時間に当てた方が有意義だと思うからです。
こういった事は、我々BtoBサービスを行っている企業にとっても同じ事が言えます。
サービスに特徴が無い
モデルやタレントなど、外見がそのまま仕事に直結する方を除けば、多くの人は
・髪が伸びたから
・色が落ちてきたから
という理由で美容院に行きます。どちらかといえば”仕方なく”というニュアンスですね。
カットが上手な事に越した事はありませんが、誰もが、日本のトップスタイリスト級にカットしてもらいたい訳では無いわけです。
そうなると、どのように他店と差別化を行っていくかが重要になってきます。
例えば、それが上記のアンケート結果から
『当店は必要以上に話しかけない美容院です』
と唄うのはどうでしょうか。
ちょっと探してみたら、海外ですが存在しました『話しかけない美容院』
イギリスの美容室で「おしゃべり禁止席」が大人気!
ここのオーナーさんは実に素晴らしいマーケット感覚をお持ちだと思います。
こちらのサイトによると、美容院の数は平成14年から平成24年までの10年間で約23,000店舗も増加し、その数なんと23万1千店舗。
多すぎて想像できませんが、コンビニの全国店舗数が約5万5千軒と言うと、いかに美容院がそこら中にあるのかが分かりますね。
超レッドオーシャンの美容業界ですが、美容院のクーポンサイトを見てみると
- クチコミ好評価サロン!
- カット+カラーで3000円!
- ◯◯駅徒歩1分!
と、どの店舗も同じような謳い文句。。
これでは、利用者側も
・「一番安いところで・・・」
・「近場だからここでいいか・・・」
となります。
せっかく、ポータルサイトに広告宣伝費を払って集客をしても、これだとリピーターには繋がらず、次回も同じようにクーポンサイトで上位に出てきた店舗に行くことでしょう。。
BtoBマーケティングには特にエッジが重要
BtoB向けサービスの場合、BtoCに比べ顧客数が少ないので様々なニーズに対応できるようなサービスがリリースされます。
しかし、サービス検討側からすると、
・結局どんなサービスなの?
・良さそうだけどよく分からない
・他にも同じ様なサービスがある
となってしまいます。
キャンペーンやWEBサイトを立ち上げる際、よくペルソナが重要と言われますが、これはデザインだけに限った話ではありません。
WEB制作会社の場合
WEBサイトの新規立ち上げ・リニューアル等の発注経験がある方には共感していただけると思いますが、発注を行う時はおおむね次の通りになることが多いのではないでしょうか。
1.社内で案件化
↓
2.自社が実現したい事を得意としている制作会社を検索
↓しかし・・・
3.情報が多すぎてよく分からない
↓
4.知り合いに聞いてみる
↓
5.紹介してもらった会社に発注
になってしまう事があります。
<3.情報が多すぎてよく分からない>
の裏を返せば、どのサイトにも同じような事が書いてあると言えます。
検索エンジンの精度が上がっても、欲しい情報が見つからないのは、その情報自体を発信しているサイトが存在しないからです。
多くの情報の中で、自分のニーズにピッタリの会社があれば、高確率で問い合わせを行うだろう事は容易に想像できます。
制作会社を例にしたエッジの効かせ方
制作会社の業務を分類すると、ざっくりと下記のようになります。
このように業務内容をカテゴリ分けしたら、自社が何を得意としているかを限定します。
自社が解析とデザインが得意な会社なら、
解析+リニューアル+デザイン
が得意な制作会社である事を全面に出します。
しかし、これでは提供サービスを限定しただけであって、エッジが効いていません。
ここから、エッジを効かせる為、業務の中でエッジが作れるものを探します。
デザインは一番エッジが効きそうですが、テキスト情報の方が検索では有利なので、
例えば
「我々はヒアリングを一切しないリニューアル会社です」
というキャッチコピーはどうでしょうか。
多くの制作会社は、お客さまの声を聞く事を全面に出しているので、インパクトは大きいはずです。
ただし根拠をしっかり伝えないと『殿様商売やってる会社だ!』と受け取られてしまうので(笑)
【サイトの分析が得意であり、数字から現状の把握、提案ができるので、ヒアリングをする必要が無い】
事を伝えていけば、
「口先だけの会社ではなさそうだ」
と感じてもらえる事でしょう。
似た手法として、『事例紹介』などがありますが、ほとんどの場合、事例を効果的に作れていませんし、作れていたとしても、サービスのエッジを効かせるより効果は低くなります。
それは、見込み客が企業だからです。
「こんなに他の人が使っていて人気だから自社でも導入してみよう」という発想より、「どれだけ自社の業務に合ってるの?」を気にするからです。
まとめ
エッジを効かせるというと「多くの人にリーチできない」と思われる方もいるようですが、ウェブサイトやサービス概要など”誰もがアクセスできる場所に置いておく情報”は、エッジを効かせる事で、受け身でありながらプッシュ営業ができるツールに変わります。
そしてそれは、設備投資をする必要もなく広告コストを増やす事もなく実現できる方法なのです。