営業後のお礼メールで差をつけるには?ビジネスメールの書き方・例文
営業をしていて、必ず伝える言葉があります。
「よろしくお願いします」と「ありがとうございます」の2つです。
依頼とお礼。営業をしていれば、この言葉を使わないことはないはずです。
私は、テレアポ・訪問・クロージング・フォロー・追加提案など、全ての営業フェーズでこの2つの言葉を使っています。
特に「ありがとうございます」のお礼の言葉は使い方を間違えなければ、より印象を強めたり、関係を強化したりすることに役立ちます。
今回は、その具体例として、お礼メールの使い方を考えていきたいと思います。
良い例・ダメな例を見比べて、上手にお礼の気持ちを先方に伝えられるようになりましょう。
1.アポイント獲得後のお礼メール
まずは、アポイントをいただいて、日時の詳細などを伝える時のメールです。
よくありがちなのは、要件だけのこんなメールではないでしょうか。
先ほどはありがとうございます。
次回お打ち合わせは下記にてお願いいたします。
日時:○月○日(水)○時○分
場所:貴社会議室
議題:今季振り返りと次回契約更新について
当日もお願いいたします。
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とても事務的ですね。はい、要件がわかりました、で終わりです。
シンプルであることは悪くないのですが、しかし、ここで一言付け加えることをオススメします。
付け加える内容は、「当日の意気込み」や「具体的に話す内容」、「こちら側で準備すること/先方に依頼したいこと」などです。
先ほどはありがとうございます。
次回お打ち合わせは下記にてお願いいたします。
日時:○月○日(水)○時○分
場所:貴社会議室
議題:
下記2点、ご提案・ご相談をさせてください。
1)今季振り返り
今季の良かった点・改善点を踏まえ、ご報告させていただきます。
貴社内でもご質問等あれば、事前にお教えください。
2)次回契約更新について
上記を踏まえ、次回弊社がどのようにお役立ちできるのか
ご提案させていただきます。
引き続き、貴社のお役に立てるよう、私も全力で今後の施策を
考えます。是非、楽しみにお待ちいだければと存じます。
当日もお願いいたします。
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具体的に何を話すのか、相手側は何をすればよいのか、しっかりと伝えることで、相手側の心の準備が変わります。
要件だけのメールで重要度が伝わらないと、当日不在だったり、忘れられてしまったりするのです。
2.打ち合わせ後のお礼メール
私は打ち合わせ後、必ずお礼メールを送るようにしています。
送っていない営業マンが意外に多いことに驚きですが、ちゃんと送りましょう。
できれば、当日中が望ましいです。
当日中に送る目的は、「お客様の記憶があるうちに内容を振り返ってもらうこと」です。
つまり、「打ち合わせ内容」と「ネクストアクション」を忘れられないようにするためです。
例えば、こんなメールではダメなのです。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
貴社のお役に立てるよう、私も頑張りますので
どうぞよろしくお願いいたします。
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何がよろしくなのか、さっぱりわかりません(笑)。
しかも、このメールではあなたが誰かも思い出せません。
お客様によっては、その日に何件も打ち合わせを重ねていて、誰が誰だかわからなくなっていることもあります。
だからこそ、しっかりと思い出してもらえるお礼メールが大切なのです。
本日はお忙しい中、貴重なお時間を誠にありがとうございました。
最初余談が過ぎてしまい、地元の話で盛り上がりすぎてしまい
大変失礼いたしました。ただ、非常に面白かったです。
また、私からのご提案もしっかりと聞いていただき、ご質問も
ありがとうございました。まず私の方で、実際ご利用いただくに
あたってのシミュレーションを立てさせていただきます。
こちらは改めて、メールにてまずはご報告させていただきます。
○○様にはお手数をお掛けいたしますが、ご利用いただける際の
ご予算や実施時期について、社内でのご検討お待ちしております。
今週末(○日)を目処にご返答いただけると幸いです。
色々とお話をお伺いし、改めて貴社のお力になりたいと
強く感じております。ご対応のほど、何卒よろしくお願いいたします。
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冒頭でどんな打ち合わせだったのかを伝え、中盤から後半でお互いが何をすべきかを示しています。
また、こういった伝え方もあります。
本日はお忙しい中、貴重なお時間を誠にありがとうございました。
説明がいたらず、わかりづらい部分もあったかと思いますが
的確にフォローいただき、私も非常に話しやすかったです。
本当にありがとうございます。
今後のアクションについては、下記でお願いできればと存じます。
1)貴社:ご利用時の予算・実施時期の検討
2)弊社:上記を基にシミュレーション作成
3)貴社・弊社:再度お打ち合わせ
貴社からのご検討状況を基に再度こちらご提案をさせていただきます。
今週末(○日)を目処にご返答いただけると幸いです。
色々とお話をお伺いし、改めて貴社のお力になりたいと
強く感じております。ご対応のほど、何卒よろしくお願いいたします。
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箇条書きで書くことで、伝えたい内容が明確になり、見やすくなりますよね。
メールで意識すべきは、どう読んでもらうかよりも、まずはどう見てもらうかが大切です。
3.契約後のお礼メール
先方から、メールや電話でご契約いただける旨をご連絡いただいた際のお礼メールです。
ここで伝えるべきは、「感謝の気持ち」「頑張る姿勢」「今後の流れ」です。
人は契約した時が、1番やる気があって、モチベーションが高いです。
そのため、このタイミングは逃さず、しっかりとお礼をお伝えしましょう。
ご連絡いただき、誠にありがとうございます。
ご契約の旨、承知いたしました。
今後については、またご連絡いたします。
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感謝ややる気が一切伝わってきません。
とりあえず返した、テンプレートで使っていそうな感じがするメール文面です。
このようなメールでは、お客様は「あなたに発注してよかった」とは思ってくれないでしょう。
では、改善例です。
ご連絡いただき、誠にありがとうございます。
また、今回ご依頼いただきまして、併せてお礼申し上げます。
本当にありがとうございます。
○○様に先日お伺いした課題や問題をしっかりと解決できるよう
私も全力で取り組ませていただきます。
改めて、よろしくお願いいたします。
今後については、下記の流れで進めさせていただければと存じます。
1)契約書のご送付:弊社
2)契約書ご返送:貴社
※上記と並行して、実際の運用開始に向けて打ち合わせを
この間にお願いしたく思っております。
3)サービス開始
大きな流れは上記となります。詳細については、添付資料をご確認
いただけますと幸いでございます。また、改めてお電話させていただきます。
繰り返しですが、改めてこの度は素晴らしいご縁をありがとうございます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
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「お礼 → やる気 → 今後の流れ」の順番で伝えています。
また、契約まで至った際は、メールだけでなく、一度お電話を入れたほうが、その後もスムーズにいくことが多いです。
実際、契約することを決めたと言っても、お客様は実際に運用が始まるまでは不安も大きいためです。
また、すぐに詳細な返信が出来ない、という場合は、まずはお礼のメールだけでも送りましょう。
ご連絡いただき、誠にありがとうございます。
現在、別件の対応中のため、取り急ぎお礼のご報告のみ
させていただきます。
貴社のお力になれるよう、全力で取り組ませていただきます。
今後の流れ等については、改めて本日中にご連絡させていただきます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
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4.まとめ
お礼メールについて、色々なパターンをご紹介してきました。
直接会ったり、電話したりするのと違って、メールはただ言葉が書いてあるだけなので「ありがとうございます」の気持ちが伝わりきりません。
お礼の気持ちを伝えるためには、打ち合わせや電話での共通している内容などを伝えたり、やる気を明示したりすることです。
また、メールは読み物ではなく、見るものなので、そういった意識でメールを作っていくことが大切です。
お礼メールをうまく活用して、お客様との距離を近づけていきましょう!
最後まで読んでいただき、「ありがとうございました」!
この記事を書いた人 笹田裕嗣
社員数1,000名超の会社で新卒で入社し、1年目からトップの成績を残し、現在は営業代行、営業研修、さらには営業マンの育成を行っている。担当したクライアントは3ヶ月で売上200%増、初の受注獲得の実現等の実績を持つ。また、営業マンの個別コンサルティングでは、全てのメンバーがコンサルティング開始後、1ヶ月以内に受注をあげている。
「営業で苦しむ人をなくし、営業を楽しめる世界を作る」ことを目指している。